「他も検討したけど、やっぱりココでした」インターン→メルペイ新卒ML(機械学習)メンバーの本音

メルカリグループでは、インターンから新卒入社するメンバーも少なくありません。メルペイ Machine Learning(以下、ML)チームにおいても積極的にインターンをむかえ、新卒入社したメンバーも数名います。

しかし、MLチームは専門性の高さが求められます。昨今では他企業でも活躍の場が増えていますが、なぜメルペイを選ぶことにしたのでしょうか?

今回のメルカンでは、新卒でメルペイへ入社した @Liuと @matchanが、インターン参加から今日に至るまでのストーリーを語りました。聞き手はメルペイMLチームのEMである@toriです。

「メルカリに、ほぼ一目惚れでした」

@tori:まず、@Liuさんからメルペイへの入社経緯から教えてください!

@Liu:メルカリを知ったのは、2018年2月のKaggleの大会です。その後、メルカリが開催した中国人学生向けのハッカソンに参加して来日。面接でオファーをもらい、入社することにしました。当時立ち上がったばかりのメルペイに将来性を感じていたし、ハッカソンのときに出会ったエンジニアがメルペイで働いていたことも大きいですね。

@tori:きっと、他企業からもオファーがありましたよね。迷わなかったですか?

@Liu:迷わなかったです。シンガポールのIT系会社からもオファーを受けていたのですが、ほぼメルカリに一目惚れでした(笑)。子どもの頃から日本文化の影響を受けて育ってきていたので、東京で生活したい気持ちは強かったですね。しかも、当時からメルカリはダイバーシティを重要視していて、すごく飛び込みやすかったですね。

@tori:なるほど。他に当時感じていたことはありますか?

@Liu:チャレンジングなところでしょうか。Kaggleを開催するほど、MLを使って価値を出そうとしているわけですから。
Songjie Liu(@Liu)

@tori:@matchanさんはどうですか?

@matchan:もともとメルカリの会社自体に興味があって定期的に情報をウォッチしていました。当時の2016〜2017年くらいはまだMLポジションでのインターン募集はなかったんです。しばらくした後に、MLポジションも募集と書かれた2017年サマーインターンが開催されるという記事を見たときは迷わずに応募しましたね(笑)。メルカリでのインターン参加中にメルペイができるという話を聞いて、面白そうだったので異動させてもらいメルペイでインターンを続けました。

@tori:他にはインターンに行かなかったんですか?

@matchan:行ってました。エンジニアに興味があったのでバックエンドやフロントエンド職種のインターンに行って「ちょっと自分には合わないな」と感じたり、ML系のインターンに行って「仕事自体は楽しいけど環境はどうなんだろう?」と感じたりしながら、自分の方向性を探っていましたね。メルカリのインターンに参加したのはそのあと。すごくフィット感があったことを覚えています。

@tori:フィット感?

@matchan:先輩社員とともに自分がメルペイで働いている姿がイメージできたこと、そして何よりメルペイのミッション「信用を創造して、なめらかな社会を創る」の実現に向けて色々なチャレンジをしていく過程を内側から見ていきたくなったことを強く覚えています。特に印象的だったのは、仕事のやり方などを僕の裁量に任せてもらえたこと。「ここからここまでが君の仕事です」と指示されるよりも、自分で課題を見つけて解決策を打っていくような仕事の進め方の方が好きなので、フィット感も強かったのかもしれません。
Daichi Matsuyama(@matchan)

@tori:組織のカルチャーについてはどうですか?

@matchan:透明性の高さに驚きましたね。ほとんどの情報がオープンなので、社員それぞれが保有している情報にほとんど差はないと思います。しかもメルカリグループ内の別カンパニーの情報も必要であれば取りに行ける。特に驚いたのが、いちメンバーであっても会社のロードマップを見ることができること。だから、仕事で迷ったときの判断基準になるんですよね。

@tori:経営陣によるOKRのディスカッションもオープンになっているぐらいですからね。

@matchan:働いていると気づきにくいですが、よくよく考えるとすごいことですよね。単にロードマップを見に行けるだけではなく、ロードマップを決めるためのディスカッションも見られるから、目線が合わせられる感覚があります。

メルペイで乗り越えたハードシングス

@tori:入社から今までで印象に残っていることは?

@Liu:MLチームで、チャージバックモデル(※)をリリースしたことです。当時は不正検知のモデルがひとつもリリースされておらず、私はチャージバックモデルを担当することになったのですが、ほぼドラフトモデルしかできていないような状況。試行錯誤しながらモデル自体はできたのですが、システム周りにSplunk ML kitを採用したところ相性が悪く、リリースをスキップせざるを得なかった。ショックは大きかったですね。

※チャージバック……クレジットカードを利用した不正の一種

@tori:その後、どうなったんですか?

@Liu:SplunkではなくGCPを採用して、結局2ヶ月後にリリースしました。いいモデルになると思っていたので、絶対に諦めたくなくて。失敗を通じてSplunkよりGCPの方が合っていることもわかってきたので、うまくいく自信もあった。リリースできたときは、ホッとしましたね。

@tori:@matchanさんは?

@matchan:僕がMLチームに入ったときにいくつかPoC段階のものがあったのですが、その中のひとつ、不正検知システムの検知数削減プロジェクトが印象に残っています。

リリースブロッカーになっていたのは、MLを適用することで発生する不正見逃しリスク。MLの精度を100%にすることは難しいので、どうしても見逃しリスクは発生してしまいます。

リスクの発生がボトルネックとなり、雰囲気としてはほとんどピボット寸前だったのですが、問題設定をし直し、解決方法を整理してなんとかリリースまでこぎつけることができました。もちろんMLサイドだけの判断でリリースできるわけではないので、実際にシミュレーションしてリスクを抑えたコストマネジメントができることを数字で示すことで、ちゃんとリスクチーム(※)の承認を得ました。大変でしたが、達成感はありましたね。

※不正などのリスク管理を担当

@tori:2人とも一度失敗しているのに、乗り越える気概がありますよね。ミッションへの共感以上のパワーを感じます。
Daisuke Torigoe(@tori)

@Liu:プロジェクトを任されることで責任感が生まれた部分はあるかもしれません。プロジェクトは私の子どものようなものですから、愛を持って接しています。

リモートワーク前提のチームビルディング

@tori:少し話題を変えましょうか。2人ともほとんどWork From Home(以下、WFH)だと思うのですが、工夫していることはありますか?

@Liu:チームメンバーや新卒の同期たちとは精神的にも物理的にも距離が生まれてしまった部分はありました。でも、最近はリモートワークでもメンターランチやチームビルディングなどを開催していて、当時よりだいぶ良くなりましたよ。

@matchan:WFHになったことを機に、チームで色々な工夫をしていきました。例えば毎日の朝会です。計画を立てて目線や認識を合わせていると、自分が進めていることをチームに認識してもらえるので安心感が得られます。他にも朝会の終わりに雑談タイムを設けて、何でもないようなことを話すようにしていて。WFH前提のチームビルディングをしてきたので、特に不安を感じることはなかったですね。

@tori:@matchanは、住む場所を変えたんですよね?

@matchan:WFHの長期化を受けて、東京から地元の青森に引っ越しました。今日は2年ぶりの出社です(笑)。@Liuさんともオフラインで会うのは初めてです。ほぼリモートで構成されたチームなので。

@tori:最近何かチャレンジしていることはありますか?

@matchan:リアルタイムで特徴量を計算できる不正検知システムの開発です。不正検知領域は特にリアルタイムでの検知が求められます。時間が経ってから不正がわかっても意味がないので。また、精度を上げるためにモデルを複雑にしすぎても推論計算に時間がかかってしまう。精度とスピードを両立し、ほぼ瞬時に特徴量を計算できるシステム開発は、大きなチャレンジでしたね。

不正検知以外の話をすると、クレジットスコアチームの与信モデルです。与信モデルを社会実装していくにあたり、高い精度は出せたとしても、ミッションにそぐわなかったり倫理的に使わない方がよい特徴量であれば使いません。指針になるのはミッションの「信用を創造して、なめらかな社会を創る」ですね。与えられた課題を解くだけではなく、自分たちで問題設定して解決策を考えていくところは、メルペイの仕事の面白いところだと改めて感じます。

@tori:@Liuさんはどうでしょう?

@Liu:チームとしては常に新しい技術にチャレンジしています。今はVertex AIで開発していて、Tech Blogを書いたり、Merpay Tech Festで発表したりしていますが、将来的には幅広くVertex AIの活用方法などを発信していきたいですね。

メルペイのインターンに参加する方へ

@tori:今後やりたいことはありますか?

@Liu:AIからAIをつくったり、新しいタスクを発見したりとやりたいことは山積みなのですが、目的はひとつ。メルカリ・メルペイから不正をどんどんなくしていきたいですね。

あと、個人的には新しいグローバルメンバーの力になりたいと思っています。私がジョインしたときは日本語入力がほとんどできなかったので、SlackやGitHubでは英語で会話をしていました。でも、みんなが優しく英語で返してくれたおかげで、私の日本語も上達して、コミュニケーションもスムーズになった。新しいメンバーにもきちんと還元していきたいと思います。

@matchan:僕は現場とプロダクトの課題をより結びつけられるPMのような存在になりたいです。“PMでありつつマシンラーニング領域もスペシャリスト”的な状態が理想です。

@tori:最後に、今後メルペイインターンに参加する人たちにひと言あれば。

@matchan:何にでもチャレンジしていける環境だと思います。ML以外でも自分の専門領域がある人はそのまま実践できるので、めちゃくちゃモチベーションが上がります。自分の実力を試したい方は、飛び込んでみてほしいです。

@Liu:そのとおりですね。チャレンジが好き、新しい技術やプロジェクトに関わりたい方にとっては最高な環境だと思います。

@matchan:インターンとはいえ、うまくいけば自分がつくったものをリリースまで持っていけますからね。誰もが知っているプロダクトの一部に携われるのは、貴重な経験になると思います。テックリードやマネージャーとの距離もすごく近いので、自分の意見も気軽にぶつけられますし。

@Liu:あと、私が知る限りメルカリグループは最もダイバーシティを重視している会社のひとつだと思います。いろんなバックグラウンドの人が活躍しているので、安心して飛び込んでほしいですね。

@tori:すっかり頼もしくなって…(親目線)。今日はありがとうございました。

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