改正法対応から社内浸透まで。プライバシーのプロフェッショナル集団「Privacy Office」の中の人たち #MercariSecurityPrivacy

今週から約2ヶ月にわたり、メルカリのセキュリティやプライバシーに関するチームを紹介する連載シリーズがスタートしました。その名も『Meet Mercari’s Security&Privacy Team』!それぞれのチームの雰囲気やカルチャー、働き方、仕事の醍醐味を伝えるべく、全てチームを順番に紹介していきます。記念すべき初回は、新メルカリグループCISOがリードする仮想チーム「CISO Office」を紹介しました。

第二回はメルカリグループを横断的に支えるプライバシーのプロフェッショナル集団「Privacy Office」です。メルカリは、サービスの仕組み、カスタマーサポートなどを連携させ、お客さま同士が安全かつ安心に取引を行っていただける環境を提供しています。お客さまを「守る」という観点において最も重要になるのが、個人情報をはじめとしたプライバシーの保護です。安心してお客さま同士が取引を行えるよう、日々の検知対応のみならず、改正法への対応や新規事業のサポート、社員のリテラシーを高めるための社内浸透施策まで、幅広く活動している「Privacy Office」の実態に迫りました。

今回はチームから小川彩さん、松葉公之介さん、そして育休中の渡邉晴菜さんも応援に駆けつけ、チームで座談会を実施。聞くと、Privacy Officeは今年の7月に立ち上がったばかりのチームなのだとか。業務の推進のみならず、体制づくりにも邁進するチームの「今」を伺っていきます。

聞き手はメルカン編集部(Employer Branding Team)のSaimaruがつとめます。

この記事に登場する人


  • 小川彩(Aya Ogawa、@a-ogawa)

    法律事務所で訴訟実務に携わったのち、企業の法務部で6年間様々な事業の法務業務を経験。前職でのデータマーケティング事業に関する法務業務を通じてプライバシーに関する案件に関わる。プライバシーの専門性を高めようと、2021年11月にPrivacy Office立ち上げ予定のメルカリに入社。メルカリグループのPrivacyの業務に取り組む。

  • 松葉公之介(Konosuke Matsuba、@macchan)

    自治体、アクセンチュア株式会社を経て現職。2019年、市役所在籍中にメルカリ政策企画チームに出向し、社内の個人情報管理体制構築・強化プロジェクト等に従事。アクセンチュアでは公共サービス部門のマネジャーとして国・地方自治体の実行戦略策定に係る調査・戦略・伴走支援に携わる。2022年5月、メルカリに入社。Privacy Office立ち上げやメルカリグループ全体の個人情報保護に関する取扱い・安全管理の責務を担う。Your Choice制度を活用し、家族と岐阜に在住。

  • 渡邉晴菜(Haruna Watanabe、@haru.w)

    2018年10月メルカリ入社。採用チームにてエンジニア採用業務に従事した後、メルペイ Complianceチームへ異動し、個人情報取扱いに関する社内ルールの運用・改善、社内外からの照会対応などを担当。2021年1月よりSecurity Planning Teamへ異動し、グループ全体の個人情報管理態勢強化・プライバシー施策の推進、改正法対応に取り組む。Your choice制度を活用し福岡在住。現在は育休中。

改正法対応から社内浸透まで、Privacy Officeの醍醐味

──前回のCISO Office(仮想チーム)に続き、第二回目ということで、Privacy Officeのみなさん、よろしくお願いいたします。まずは簡単に自己紹介を!

@macchan:こんにちは、松葉です。社内ではmacchanと呼ばれています。個人の役割としては、Privacy Officeではチームのプレゼンスを高め、社内メンバーにプライバシーの重要性を伝導するミッションを担っています。

@a-ogawa:小川です。Privacy Officeでは、法務の経験を生かしながら、メルカリグループのプライバシーに関する業務に取り組んでいます。例えば(社内からの)プライバシーに関する相談に対し個人情報保護法の解釈からフィードバックしたり、よりよい方向を一緒に考えたりするなど、メンバーと伴走しながらメルカリ全体のプライバシー意識を上げていく役割を担っています。今日はよろしくお願いします。

小川彩(Privacy Office)

──よろしくお願いします!お二人が所属するPrivacy Officeは、大きくどんなミッションを担っているチームなんでしょうか?

@a-ogawa:Privacy Officeでは、プライバシーのガバナンス体制を構築・強化し、グループ全体の成長を支援することを主なミッションとしています。現在は、今年4月に施行された改正個人情報保護法への対応がひと段落したところではありますが、7月1日から4名のメンバーが所属するPrivacy Officeとして改めて再スタートを切ったところなので、今まさにメルカリのプライバシーの対応方針の確立に向けて奔走しているところです。

@macchan:新規事業に伴うプライバシーポリシーの改定作業は大きな取り組みの柱の一つですよね。メルカリグループではネットショップである「メルカリShops」の本格提供を2021年10月より開始したほか、今後も暗号資産交換業のメルコインなどのサービスを予定しているので、それに伴うプライバシー関連の情報取り扱い方針の整理などを進めています。もちろん、定常的に社内外からある問い合わせやプライバシーに関する相談に対応しています。

松葉公之介(Privacy Office)

──既存のサービスへの対応のみならず、新規産業への対応も踏まえると、ひと口に「プライバシー」といっても未知なる業務が発生しそうです。だからこそ社内メンバーへの浸透も大きな役割なんですね。

@macchan:そうですね。メルカリはCtoCプラットフォーマーとして短期間で成長し、プライム市場上場後も新サービス展開に向けて更なる挑戦を続けています。多様なサービスを成功させるために、各領域の事業開発を手掛けるメンバーとの連携を強化し、各自がお客さまの個人情報を適切に取り扱うことを求めています。法令遵守のみならず、それを超えて社会からの要請・期待に応えられているかということを常に考え、会社全体に行動規範を根付かせていく役割を持てる組織になると良いと考えています。

弁護士からコンサル、人事まで。多様なメンバーが集まる理由

──ここからはこのチームのユニークネスについて伺っていこうかなと思います。まずお二人ともバックグラウンドが異なりますよね。小川さんはリーガルで、松葉さんに関してはもともと市役所の職員をされていたとか!

@macchan:はい、最初のキャリアは市役所の職員でした。おっしゃるとおり、あらゆるバックグラウンドを持った多様なメンバー構成はユニークなポイントかなと思います。

@a-ogawa:たしかに!専門性はバラバラだったりしますね。

@macchan:プロダクト側との連携にあたっての技術的な要件理解に強いメンバーもいますし、その他にも弁護士、元コンサル出身者、社内ネットワークを持った元人事担当など、それぞれ多様な強みをもっています。各メンバーがAll for Oneで常に助け合い、それぞれの経験を生かしてプライバシーの業務に取り組んでいます。

──では、小川さんが思うユニークネスは?

@a-ogawa:Security&Privacy全体のユニークネスとして思うのは、組織が横断的で、自由に連携できるところですね。セキュリティのTOPであるCISO配下には大きく分けてSecurity TeamとPrivacy Teamが存在していますが、両チームでオフサイト(合同合宿)を開催するなど、メンバー間の仲はとても良いです。全員が高い専門性を持ちながらも横断的に連携でき、お互いを尊敬していることが伝わっています。素晴らしい仲間と協力して高め合うことができ、働く環境としては最高だと思います。

なかでもPrivacy Officeのユニークネスは、Security&Privacy全体とも重なりますが、お互いを尊敬して色々な議論ができるところでしょうか。特別なことではなく聞こえるかもしれませんが、明確な正解がないなかで業務を行う私たちにとって、率直な意見を言い合えることは大きな価値だなと思います。毎日チーム内でミーティングの時間をとっており、業務に関する協議や共有をすることで、どんどん視界が広がっていく感覚があるんです。

メルカリは多様な価値観を持ったメンバーと一緒に高い視座を持って成長できる環境が整っています。Security Teamの約半数は日本以外にバックグラウンドを有するメンバーですが、異なる国籍や文化を持つメンバーが円滑にコミュニケーションを図れるよう、お互いが寄り添って働けていると感じていますし、手前味噌ですが働きやすい環境としてはこれ以上ないチームだと感じています。

──さまざまな課題が発生するからこそ、多様な専門性を持つメンバーがいることは、ある意味で必然とも言えますよね。そもそも、そんなメルカリにjoinしたきっかけや動機は何だったのでしょうか?

@a-ogawa:私は前職でプライバシーに関する業務に携わることが多くあって、もっとプライバシーの専門性を高めたいと考えるようになったのがきっかけでした。メルカリは社会の公器としてお客さまの一般生活に根付いたサービスを展開していますし、経営陣のプライバシーに対する意識も高く、そういったなかで業務に取り組むことができたら、専門性と同じくらい視座も高まると思ったんです。そこに魅力を感じました。また、多様な人材が幅広く活躍していて、グローバル展開も目指しているという環境が、自分のスキルアップにもつながると思い、入社を決めました。

@macchan:私はPrivacy Officeを立ち上げ、1からチームづくりを担えることや、高い専門性を有するBe a Proなメンバーと一緒に働けるということに魅力を感じました。プライバシー保護という領域において貴重なフェーズを経験できるなと。

──松葉さんは、実は「出戻り社員」でもあるんですよね。このメルカンでも連載記事を持つほどのメルカリラバーな社員だったという印象です。なぜ出戻りを?

@macchan:そうそう。実は元々、市役所時代にメルカリへ期間限定で出向していた経緯があり、当時は政策企画チームに所属していました。2019年に社内でプライバシー管理体制強化プロジェクトが始まり、私もそのプロジェクトに参画していたんですよ。

──そうだったんですね!

@macchan:メルカリでの出向期間が終わり、その後は別の会社でコンサルタントとして働いていたのですが、出向当時のプロジェクトメンバーから声をかけてもらえて再びメルカリに社員として戻ってくることができました。当時メルカリで一緒に働いていたメンバー・マネジャーを尊敬していましたし、会社・個人が共に成長できる環境で、心理的な安全性を感じながらも切磋琢磨できる素晴らしい環境だと感じていました。またいつかメルカリの仲間と一緒に働けるといいなぁとぼんやり望んでいたことが今年現実になり、今はとても充実しています!

──入社前後でギャップはありましたか?

@a-ogawa:入社前から色々な記事でメルカリのバリューや新規事業などについて見ていましたが、入社時に感じた個々のスキルの高さやあらゆる側面でのスピード感には驚きましたね。この熱量の高さは、入社前に読んでいた記事だけでは感じられないものだったと思います。また、個々の主体性が求められながらも、チーム内外からの積極的な連携やサポートがあり、難易度の高い課題やタスクにもみんなで考えて取り組むことができることも魅力的に感じました。入社して改めて「 Go Bold」「All for One」「Be a Pro」という3つのバリューの浸透度合いに感銘を受けましたね。

なにやらチームメンバーが気になって取材を覗きにきたマネージャーの牛島向陽(Privacy Office)

@macchan:期待値と業務分掌については、入社前の段階から丁寧にインプットしてもらえたのでそこに対するギャップはありませんでした。メルカリでは、メンバー間のやり取りを基本的にはSlackのオープンチャンネル上で行うようにしているため、業務に関する問い合わせがあった際も、過去のやり取りや経緯がキャッチアップしやすい仕組みになっていると思います。

変化の激しい業界だからこそ、ぶつかる壁も難易度も高い

──特に印象に残っているプロジェクトはありますか?

@a-ogawa:まさに今、新サービスのリリースに向け、プライバシーポリシーの改定作業を行っており、それが私にとって代表的なプロジェクトになるだろうと思っています。サービスの1線や2線のメンバーとプライバシーポリシーの改定の際には、お客さまにとってわかりやすい表現になっているかの確認を行いつつ、事業を円滑に行うことができるかにも最大限留意しながら関係各部署との連携を続けています。今後もPrivacy Officeとして、プライバシーポリシーやプライバシーガイドを通じたお客さま向けの説明については、より一層力を入れていくべきポイントだと強く認識しています。

@macchan:進めていくなかでうまくいっている部分もあれば、そうでない部分も多々あって。社内の関係者との連携をもっと図っていけるとよいと感じています。プライバシーポリシー改定の作業においても、マーケティング部門やプロダクト部門へのヒアリングは一定できていますが、もっと細部に拘って、お客さまとメルカリ事業の双方に寄り添ったプライバシーデザインを設計していけると良いと感じています。それを打開するためには事業に影響がありそうなメンバーと繋がり、もっと主体的に私たちの取り組みを伝える機会を増やしていく必要があります。例えば、社内の勉強会やオープンドア(意見交換)を開催し、プライバシーに関するリテラシー向上を図るなどの取り組みも進めていきたいと思います。

@a-ogawa:リソースが足りずに業務が逼迫してくると、現状は問い合わせを受け付けてから対応することが多く、どうしても受動的になってしまっていると感じています。より主体的にPrivacy Officeの取り組みを伝えていく必要があると考えています。

牛島も合流し、取材に混ざることに(頷きながら、チームメンバーの思いを聞いています)

@macchan:グループの規模が拡大していくと、プライバシーに関してPrivacy Officeが確認すべき領域が増えるため、将来的にはPrivacy Officeメンバーを増やし、チーム全体で包括的なケアを実施できる体制を整えていきたいと思っています。現時点では限られたメンバーで広範囲をカバーしていますが、各領域に強い人材を揃え、ハイレベルなコミュニケーション・課題解決が実施できるチームに育てていきたいと思います。DefenceForce、マーケティング、カスタマーサクセスなどあらゆる社内ステークホルダーと連携が必要になるので、一人で全て理解できなくても、チーム全体でメルカリのビジネス全体をカバーできるようになっていけるといいですね。

知的好奇心を育くみ、それがお客さまへ届ける価値になる

──このチームにフィットする方はどんな方だと思いますか?

@a-ogawa:主体性と積極性を持って、社内からの問合せや相談に対しても事業ファーストで考えられる方です。法務業務の経験やセキュリティ・テックに関する知識があることはもちろん重要なのですが、そこに縛られすぎてあるべき論が先に立つと難しい局面もあるため、社内のメンバーからの質問や相談に対して、柔軟性をもって対応できる方がいいと思います。

@macchan:小川さんが言ってくれたとおり、法令と社会の要請を理解しつつ、ビジネス観点で事業をバックアップしていくスタンスやバランス感覚が大事だと考えています。また、明確な正解がないなかでお客さまとビジネスの両側面を十分に理解しつつ、最適解を導くことが求められるので、そのような意識をもって業務に取り組める方や、広域を守るプライバシー関係業務に対して知的好奇心をもって、業務に役立つ情報を自らキャッチアップ出来る人は向いていると思います。

取材を応援しにきてくれた、育休中の渡邉晴菜(Privacy Office)

──「そんな完璧な人いないでしょ!」と、つい思ってしまいましたが(笑)

@a-ogawa:そうですね、自分自身も足りないところが多いです(笑)。もちろん全ての能力が必要というわけではありません。Privacy Officeとしてお互いをフォローしながら取り組んでいければ良いと思うので、相互に信頼関係を築いてTrust & Opennessなマインドで取り組める、という点が一番大事かなと思います。

@macchan:全ての素質を備えていなくても、高い視座を持って挑戦&成長を続けられるマインドを持っていればOKです!私もPrivacy人材としては不完全であると自覚していますが、チームでバリューを最大限発揮できることが大事なので、互いを補完し合いながら取り組める人に来ていただきたい!よく言われることかもしれませんが、Security&Privacy Teamの一員としてカルチャーフィット(調和)できることが何より重要だと思っています。

──改正法への対応をはじめプライバシーを取り巻く環境も変化しながら、メルカリが突き進む新興産業も日々変化していく…そんな目まぐるしい状況において、今伺ったマインドやスキルは、ある種当然にも聞こえてきました。今のメルカリのフェーズだからこそ得られるオポチュニティも多そうですね。

@a-ogawa:そうですね。メルカリは今後も新しいサービスを展開する予定があり、事業全体の連動性を高めることも意識しています。事業間でのデータ連動において、プライバシー観点でデータ取り扱いについて公平性を保ち、社内で積極的に意見をしていくことがPrivacy Officeの役割です。

@macchan:プライバシーやデータ保護というのは、日本国内だけではなくEU・米国などの動きとも関係性が高く、世の中のトレンドの変化が比較的早い分野だと感じています。メルカリグループで取り組もうとしていることが世の中の潮流に即しているかを把握し、軌道修正していく役割も担っていけるようになれると良いと思っています。

──では、最後にみなさんの今後の野望について教えて下さい。

@macchan:メルカリグループに所属する経営層を含む全てのメンバーが、お客さまからお預かりした個人情報の重要性をより一層強く意識することが肝要です。Privacy Officeは、メルカリがこれからもお客さまに安心してご利用いただけるサービスであるように、プライバシー保護のためのより良い環境づくりに注力していきます。人々のプライバシーに対する見識、成熟度が益々向上していくこの時代に、お客さまのデータをより安全に活用できる環境を構築し、かつ社内に浸透させることで、メルカリと外部のステークホルダーとの信頼性を、より強固なものにしていきたいと考えています。

@a-ogawa:私たちPrivacy Officeの目指すべきゴールは、お客さまがメルカリを安心して使い続けていただけるよう、データの取り扱いに関する情報を、透明性を持って開示・発信できる状態を作ることです。お客さまからのフィードバックに真摯に耳を傾けながら、「お客さまファースト」の精神で対応できる盤石な体制を構築していきたいですね。

最後はチーム全員でパシャリ

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