メルカリがデジタルマーケティングをインハウス主導で行う理由

プロモーショングループの伊藤です。
以前プロモーショングループの紹介をさせて頂きましたが、その際に少し触れた「デジタルマーケティングの内製化」について何故メルカリがこだわっているか、今回紹介できればと思います。

mercan.mercari.com

インハウスにこだわる理由①:スピード感

1点目の理由はスピード感です。
メルカリのプロモーショングループでは様々な意思決定に際し最低限の説明責任しか求められず、個々人の仮説や肌感覚を最大限信頼してとにかくスピーディに施策を実行しています。

デジタルマーケティングの大部分を代理店様にアウトソースしている場合、どうしても説明責任が発生してしまいます。1つの施策を行うためにデータを収集し、仮説とともに資料化して提案してもらう、という手順を踏むと意思決定含めて施策の実行までに1週間はかかるでしょう。

このような手順を踏んで時間をかけて完璧な判断を下すよりも、日々メルカリのマーケティングを担う中で得る情報をもとに柔軟かつスピーディーに施策を実行し、PDCAを回すことを大切にしています。

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7月後半にUSのApp Storeでメルカリが無料総合3位にランクインした際も、従来の戦略から大きく方向転換し、ランキングを維持するための施策に切り替えて実行に移しました。意思決定から実行まで48時間以内に行われており、内製化の利点を最大限活かした形となりました。

もちろん施策を実施した後はしっかり検証を行い、要因分析をすることで再現性を高めることを重要視していて、社内Wikiなどに仮説と検証結果、今後のアクションをまとめてプロモーショングループのメンバーに共有しています。

インハウスにこだわる理由②:メディアとの円滑なコミュニケーション

2点目の理由はメディアやプラットフォームと直接コミュニケーションできることです。

メディアによっては定例で打ち合わせを行っていたり、チャットで日々コミュニケーションしているため情報のアップデートが早く、施策の実行スピードの向上に繋がっています。

機能追加の要望やβ版機能のフィードバックを素早く行うことができるため、β版機能のテスト先としてメルカリを選定頂くことも多く、中には世界で初めてメルカリがテストをした事例もあり、最先端の施策を実施する機会も増えています。また、メディアへのフィードバックをきっかけに新たに実装された機能もあったりします。

その他パフォーマンス観点から見てもメディアの方の専門的な知見を直接インプットして頂けるため、新しいアイディアやマーケティングの精緻化に繋がっていると実感しています。発注者と受注者という関係ではなく、マーケティングを推進するパートナーとしてメディアの方と直接コミュニケーションをすることで双方シナジーが生まれる関係を築けるように意識しています。

インハウスにこだわる理由③:ユーザーへの理解をデジタルマーケティングに最大限活用する

3点目の理由は、プロダクトやユーザーへの理解をマーケティングに最大限活用するためです。

前提として、テクノロジーの進化により各プラットフォームやツールの自動最適化の精度が向上しており、従来のように担当者のスキルによってパフォーマンスが左右されていた頃と比較するとマーケティングの環境が変化してきています。更にデータをマーケティングに活用する基盤も整備されつつあります。

そのため、入稿や運用にリソースを割くのではなく、テクノロジーを理解した上で適切なセグメンテーションや広告クリエイティブの開発などにリソースを割くことがより重要になってきています。また、大量のデータをマーケティングに活かせる基盤はできたものの、同様にノイズが増えてくる中でデータの取捨選択をするセンスも問われてきます。

このようにプロダクトやユーザーを理解していることがますます重要になってきている環境下で、メルカリではインハウスならではの施策を推進しています。

例えばクリエイティブを考える上で、データサイエンティストたちが集うBIチームの分析をもとにアクティブなユーザーに響く商品を抽出して実際に広告に反映したり、共通する特徴を抽出して広告のターゲティングに活かすといった施策を行っています。また、広告接触情報をもとに様々な活性化施策を行うなど、社内のデータやリソースをフル活用してマーケティングを行っています。

上記はほんの一例で、他にも定量・定性問わず社内に蓄積された知見を直接インハウスのデジタルマーケティングに活かしています。

外部パートナーも必要な存在

では代理店様など外部パートナーが必要ないかと言えば決してそうではなく、
メルカリでも一部代理店様と協業しています。

理由としては大きく以下3つあります。

  • 広告のプロフェッショナルとしてクリエイティブの豊富な知見を保有している
  • 海外を含め新規メディアの情報や市況を把握している
  • 他社様との取り組みを通じた知見を保有している

これらはインハウスだけではキャッチアップできない貴重な情報のため、代理店様に指南頂きつつマーケティングに反映しています。

また、代理店様の方が知見のある領域に関してはインハウスにこだわり過ぎず、代理店様主導で施策を推進して頂く場合もあります。

マーケティングを代理店に主導してもらうか、もしくはインハウスで体制を構築するか、といった議論は以前から活発ですが、メルカリとしてはインハウスで主導しつつ、補えない部分を外部パートナーと協業して補う、といった適切な役割分担が重要だと考えています。

インハウスマーケティングを一層促進するために

このように、メルカリでは外部パートナーとの連携を強化しつつ、デジタルマーケティングの内製化を国内にかぎらずグローバルに推し進めています。
具体的な取り組みについては、これからもメルカンなどでお伝えしていけたらと思います。

メルカリは日米合計5,400万(日本3,500万、米国1,900万)ダウンロードを達成していますが、更に多くの方に使ってもらうために一緒にマーケティングを推進して頂ける方を募集しています!

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