JCB×メルカリ「業界標準ルールを先んじて生み出す」アライアンスの舞台裏

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2016年11月から、メルカリでJCBカードの利用が可能になりました。

コマース業界でも大きな話題となった JCB×メルカリ 提携の裏側とは?

国際カードブランドの中で唯一の日本発カード会社として、国内屈指のシェアと知名度を持つJCB。しかし市場拡大が続くCtoCのマーケットプレイスにおける利用は叶っていませんでした。

メルカリはこれまでに数々の「CtoC業界初」を成し遂げお客さまに価値を提供し続けてきましたが、各パートナー企業はなぜその相手として「メルカリ」を選ぶのでしょうか?

今回はその理由を、JCB・メルカリ双方のBusiness Development 担当者対談から解き明かします。


小倉賢俊さん(加盟店管理部 加盟店管理グループ 部長代理)
JCBにおける加盟基準を定めるガイドラインの策定や新規加盟希望店舗(企業)様の加盟相談、契約締結等に係る業務を担う。


小野直人
NTTドコモで、海外携帯キャリアとのアライアンス、商品企画を手がけた後、米国ビジネススクールへ留学。帰国後、経営企画部で中期事業計画・新規事業パートナー開拓、IR部で機関投資家対応業務に従事。その後、Amazon Japanにおいて学生向けサービス Amazon Studentの立ち上げ、書籍事業部の事業企画とPMにコミット。2014年、株式会社メルカリに参画。BizDevのマネージャーとして、外部パートナーとの提携・協業を通じ、プロダクトと事業の成長を担う。


相思相愛!ラブコールをお互いに送り合っていた

小野(メルカリ)
こんにちは。今回は昨年末、遂に実現したJCBブランドのメルカリにおける利用開始について、色々お話させてください。

小倉(JCB)
こちらこそよろしくお願いします。

小野(メルカリ)
メルカリとしては「悲願」といっても過言ではないくらいの出来事でしたが、JCBにとって、今回の案件はどのようなものだったのでしょうか?

小倉(JCB)
JCBにとっても「悲願」と呼べるものでしたよ。というのも2つの理由があります。
ひとつめは、JCBの会員さまから毎日のように「メルカリでJCBを使えるようにして欲しい」という指名でのご要望を受けていたこと。もうひとつは、大きな成長を続けるフリマアプリのCtoCマーケットでJCB初となる協業事例を作りたかったという思いです。

小野(メルカリ)
お客さまからのご要望はメルカリ側でも受けていました。その点で言えば、もともと相思相愛だったのかもしれませんね。

メルカリを選んだ理由はプロダクトコミットと安心安全を支えるCS体制

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小野(メルカリ)
自社で国際ブランドを持ち、イシュイング(カードの発行業務)、アクワイアリング(加盟店契約業務)というクレジットカードに必要な3つの要素すべてをやられているJCBには、お客さまからの厚い信頼に答え続けるための厳格な加盟店基準があると思います。

今回、どうしてCtoC領域の初のアライアンス相手としてメルカリを選んで頂けたんでしょうか。

小倉(JCB)
まずJCBとして消費者保護をはじめとした法令・クレジット業界ルールの遵守に係る当社側の要望やそれを実行すべき背景などを最初からご理解頂き、それを実行するための運用構築まで一緒になって考え、行動できる体制を整えていただいたことが大きな要因だったと思います。

最初にお話させていただいた時には既に、メルカリ側でも課題になりそうな点とその解決策も考えられていましたよね?

小野(メルカリ)
そうですね。最初から実現を前提に「何が課題か」を正直にお互い共有し合えたのは大きかったです。

小倉(JCB)
加えて2度目のミーティングからは、事業開発側の小野さんだけでなく、実際にメルカリを作り、運営しているカスタマーサポートやプロデューサー・エンジニアの方々とも顔を見合わせてひとつひとつ課題をスピーディーに解決していけました。

正直に申し上げると、メルカリの強固なカスタマーサポート体制はJCBがメルカリと組めた決定要因です。JCBが、常に意識している安心安全なクレジットご利用環境の実現という取組みに係る要件の大半はメルカリでも既に検討、実行されていることでした。

信頼・信用をもとにお客さまとの関係を築いている私たちにとって、安心安全なご利用環境の確保はメルカリとJCBが組むことで、どれだけプラットフォーマーにビジネス的メリットがあるか、と言うこと以上に重要と考えており、それなくしては両社協業によるビジネスの拡大もなしえないと考えております。

小野(メルカリ)
ありがとうございます。
プロダクト側のメンバーが初期から入ることで、メルカリの利便性が下がらないようなスキームを組めたのも良かった点ですね。

小倉(JCB)
壁を超えるために必要な機能を無理に実装して、ユーザビリティが下がるというのはJCB側でも懸念していた部分でした。それではお互い望んでない結果になりますから。

今回は現場のメンバーの方と協業して、安全性を確保しつつ、ユーザビリティを下げないという内容を速やかに協議できたのはとてもよかったです。

また、JCBとして「フリマアプリCtoCの最初の取り組み」ということで、ある一定の基本ルールの枠組みまで構築できたことも、手応えを感じています。

JCBが一方的なルールを押し付けるだけでは、1社では実現できてもCtoC業界全体には広がりません。最初にメルカリとJCBが組んで一緒にルールづくりしたことで、他のCtoC事業者にも展開できる基本的なルール作りができたことは、とても意義深いものだと思います。

小野(メルカリ)
ありがとうございます。メルカリの事業開発の意義は「常に新しいことを模索し実現することで、お客さまに価値を提供する」ことにあるのでそう言って頂けて本当に光栄です。

新しいステージを見いだせたアライアンス

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小野(メルカリ)
私が印象に残っているのは、「これでいこう」と決まってからがとても早かったことです。仕様が決まってから数えると、リリースまでは約1ヶ月ほどでした。

小倉(JCB)
そうですね。メルカリからすると普通のスピードかもしれませんが、JCBとして新しい運用構築も含めて協業するケースでは相当早いと思います。それもお互いが少人数のチームで密にコミュニケーションを取って共通の目標設定をできたからでしょう。

また、初期リリース時には利用できなかったJCBブランドプリペイドカードのLINE Pay カードもお客さまからの問い合わせから数時間後には双方で対応が完了したりしましたね。

小野(メルカリ)
そうですね。Twitterなんかでも「神」「対応はやい!」と仰っていただける方もいて、とてもありがたかったですね。

小倉(JCB)
メルカリと取り組みができてJCBにおける新サービス加盟化も違ったステージが見えてきた気がします。またいろんな新しい取り組みを一緒にしていけたらいいですね。これからもよろしくお願いします。

小野(メルカリ)
ありがとうございました。
こちらこそよろしくお願いします。

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