メルチャリは「世界一愛されるみんなの公共交通」になる|立ち上げメンバー2人が自転車に乗せた、個人評価が価値になる未来

2018年2月27日、メルカリはグループ会社であるソウゾウを通じてシェアサイクルサービス「メルチャリ」をスタートさせました。2月13日に行ったサービス発表会の様子はこちらでもお伝えしています。

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中国などで急速に普及しているシェアサイクルサービスですが、日本では駐輪問題などがあり参入が難しいと言われています。なのになぜ、メルカリはメルチャリをスタートさせることにしたのでしょうか。また、メルチャリで叶えたいビジョンとはなんでしょうか。メルチャリチームのプロダクトマネージャーである井上雅意さんと、BizDevとしてアライアンスを担当した深見和樹さんに聞きました。

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井上雅意(Guy Inoue)※写真左
サムスン電子ジャパンでモバイル端末のUI/UXデザインを担当したのち、新規案件の企画・提案を行う。ヤフー株式会社では、新規アプリの立ち上げに企画兼デザイナーとしていくつか携わった後、ユニットマネージャーとしてIoTサービスのMyThingsの立ち上げなどを行う。2016年よりメルカリのグループ会社のソウゾウにて新規アプリのデザインを担当し、2018年にメルチャリを立ち上げる。


深見和樹(Kazuki Fukami)※写真右
マクロミルで法人営業を経たのち、新規事業開発とR&Dを担当。2017年9月よりメルカリへジョイン。Bizdevチームとしてメルカリの決済・配送のバリューアップ、企業アライアンス、メルチャリ立ち上げを側面支援する。

メルチャリはメルカリ初のオフラインサービス

ーメルチャリのローンチ、おめでとうございます! いよいよ2月27日から、福岡市でスタートしますね。

井上:ありがとうございます! メルチャリは、ソウゾウ代表の松本と僕2人で事業アイデアをつくったものですが、さまざまな地元企業の方々のおかげでカタチにすることができました。感謝しきれないですね。

メルチャリは、メルカリにとって初のオフラインサービスです。当初考えていたのは「人が毎日することはなんだろう」であり、導き出した答えが「移動」でした。そこで日本人にとって身近な移動が「モビリティ」と考え、メルチャリが誕生しました。

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僕自身、これまでに自転車のようなハードウェアをつくったことはありません。ですが、日本でのシェアサイクルサービスについて考え続けていたら「メルカリなら実現できそう」となったことがすべての始まりでしたね。

アライアンスを進める上で重要視した「意思決定者は誰か」

ーメルチャリのアライアンスはBizdevチームの深見さんが中心になって進めていました。入社後すぐにメルチャリを担当することになったわけですが、現地でのアライアンスを進める上でまず着手したことなど教えてください。

深見:この事業を推進する中で、アライアンスに関して「意思決定者が誰か」はとても大事です。メルチャリのように駐輪場の場所提供となると、例えばお店の軒先の1スペースでも、店主、ビルオーナー、土地オーナーと、アライアンスに関する意思決定者が複数になったりします。

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そこでまず着手したのは「意思決定者の分解」でした。それをクリアにしてから、それぞれアプローチのために必要な人などをどんどん巻き込んでいくようにして進めていきました。

ーそもそもアライアンスには時間がかかるイメージがあります。都内で進めることとはまた違った難しさもあったかと思うのですが、そのあたりはどうやってクリアしたのでしょうか?

深見:メルチャリは地域性/社会性の高いプロジェクトです。大手企業だけはなく、地元企業とのアライアンスを重要視しました。しかし、都内だとメルカリの従業員の紹介で会える企業が多いのですが、福岡市ではそれがほとんど期待できない状態だったんです。そのためとにかく考えられる手段はすべて使ってアプローチしました。

多くの福岡市の企業と話す中でわかったのは、地元の企業の多くが「自分の街をより良くしたい」「自分たちも街づくりがしたい」と考えていたこと。特に福岡市は過去に違法駐輪ワースト1の歴史があり、シェアサイクルを通じた街づくりへの期待は顕著でした。

この点を深く掘り下げていき、メルチャリが福岡市で成功するための要素を一つずつ積み上げていきました。街づくりだけではなく、例えば、メルチャリには、駐輪場を置くことで送客につながる仕組みがあります。つまり、地域にも還元できるビジョンがあるんですよね。今回のアライアンスでは、地元企業の方々の多くがそのビジョンに共感してくださったんです。これは本当にありがたく、メルチャリローンチに繋がる1つのポイントでした。

メルチャリが目指す、世界で一番愛される公共交通

ー先ほど「メルカリなら実現できそう」と思って踏み切ったと言われていましたが、なぜそのように確信できたのでしょうか?

井上:「実現できる」と考えた理由の1つが、メルカリにはすでに多くのお客さまがいることです。メルカリのお客さまは報告をちゃんとしてくれたり、評価もきちんとつけてくれたりする方が多いです。つまり、メルカリを1つのコミュニティとして使ってくださっているんですよね。その部分を活かしたカタチで、メルチャリには使用した自転車をちゃんと直すなどのサポートをすると、そのお客さま(個人)にインセンティブが入るシステムも採用しています。

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メルチャリのテーマに「みんなでつくる公共交通になる」があります。メルカリのお客さまとなら、さらに多くの人を巻き込むようにして新しい世界へつながっていくんじゃないかと思っているんです。

メルチャリはお客さま個人だけでなく街も参加するモデルにしていきたいですし、「みんなでつくっていくメルチャリだよ」としたい。このモデルが大きくなれば、メルチャリは世界で一番愛される公共交通になると考えています。この思想って、メルカリっぽいなと僕は思っているんですよね。

ーインセンティブなどの発想はコミュニティづくりの1つだとは思うのですが、どちらかというとメルカリ アッテ(以下、アッテ)っぽい印象もありました。

井上:僕自身、ずっとアッテに関わってきた1人でもあります。どちらかというとアッテ寄りの思想なので、そう感じられるところはあるかもしれません(笑)。

メルチャリで実現したい、個人の評価情報=価値になる世界

ー「世界で一番愛される公共交通」にメルチャリがなるというのは、具体的にどのような状態を目指していることになるのでしょうか?

井上:街全体がメルチャリを気にかけてくれている状態ですね。というのも、みんなでつくる=愛せるものになると考えているからです。そのためには今後、お客さまも街も運用としてワークさせられるかどうかが重要です。

また、インセンティブについてももう少しいろいろやっていきたいと考えています。これまでの社会では「借りた自転車をちゃんと元の場所に戻したらポイントがもらえる」なんて仕組みはありませんでしたよね。「放置されていた自転車を戻す」「タイヤに空気を入れる」など、ちょっとしたことだけれどきちんとした行動の評価がインセンティブにつながることで、今までにない価値観も生まれるんじゃないかと考えているんです。

そういった世界観を実現するためにも、前述の通り、メルチャリを世界で一番愛される公共交通にしなくちゃいけないと思いますね。

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