育休は「属人化を見直すチャンス」 メルペイの“パパエンジニア”らが目指す理想の開発体制とは?

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メルカリでは男女問わず、人事支援制度「merci box(メルシーボックス)」を活かして育休を取得するメンバーはたくさんいます。しかし正直なところ、実際に育休をとるとどういったことがあるのでしょうか。

そこで今回のメルカンでは、メルペイのプロダクトマネージャー(以下PM)で育休経験のある渡部啓吾さんと新井啓太さん、そして2018年5月から育休が始まる鈴木伸明さんの“パパエンジニア”鼎談をお届けします。今回が初めての育休という鈴木さんが、

「育休中、本当に仕事はノータッチだった?」

「復帰後、“浦島太郎状態”にならないためにしたことは?」

と素朴な疑問を投げかけていたら、メルペイの開発組織が目指す働き方が見えてきました。

新井啓太(Keita Arai)※写真右

いくつか転職をくり返したのち、株式会社ウノウに入社。「映画生活」ではエンジニアとプロデューサーを兼務する。ウノウでソーシャルゲーム「まちつく!」では初めてMySQLを触りながら負荷対策をする。US Zynga社に買収され、そのままインフラ担当になるものの、ネットーワーク敷設ができたため、オフィス引っ越し時にIT担当者にもなる。その後、大手IT企業で勤務した後、メルカリにジョイン。メルカリのサーバサイドのソフトウェアエンジニアとしてサービスへの貢献をしたのち、育休を取得。復帰後にメルペイへジョインする。


渡部啓吾(Keigo Watanabe)※写真中央

2010年に東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻を修了。株式会社ディー・エヌ・エーに新卒エンジニアとして入社。ソーシャルゲームの開発・運用・新規タイトルのリードエンジニアを経て、2013年より新規事業の立ち上げを複数経験。2016年に株式会社ソウゾウに入社。メルカリ アッテの開発、マネージャーを経て、2018年4月よりメルペイのプラットフォームグループのマネージャーを務める。


鈴木伸明(Nobuaki Suzuki)※写真左

モバイルデバイス向けのインターネットサービス開発に15年間従事。株式会社サイバードのチーフエンジニアを経て、2011年にザワット株式会社を創立、取締役&最高技術責任者(CTO)としてクラシファイド事業やフリマ事業に従事。2017年にメルカリ社によるM&Aにてザワット社を売却、メルカリのグループ会社ソウゾウでエンジニアリングマネージャーとしてメルカリ メゾンズの立ち上げに従事、2018年にメルカリのグループ会社メルペイでプロダクトマネージャーとして金融サービスの立ち上げに携わっている。メルペイ初代MVP。

「◯月に子どもが生まれます」「育休は何ヶ月取得予定ですか?」

鈴木:私は今月から第2子出産の育休に入ります。メルカリでは育休といった制度を活用するメンバーが多く、「◯月に子どもが生まれます」の直後に「育休は何ヶ月取得するのですか?」といった会話がわりと自然にやりとりされています。子どもが生まれたら育休に入ることが前提になっている文化には、入社後にとても驚いた記憶があります。

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渡部:制度としてあるだけでなく、実際に文化として根付いているのがメルカリの特徴ですよね。育休に関してはタイミングも前々からわかるので、あらかじめチーム内でも仕事を調整することができます。

鈴木:私の場合、すでに育休に入ることが決まっている中でソウゾウからメルペイにジョインしました。最初の面談で、メルペイ代表の青柳(直樹)やメルペイCTOの曾川(景介)に「私は5月から育休に入りますが、急拡大していくメルペイの足を引っ張ることになりませんか?」と質問をすると、2人とも「メルペイは長期戦なので、絶対に休んでください」と言ってくれました。

新井:メルカリはグループ全体でも、経営陣やマネージャーが率先して休みをとります。なので、現場にいるメンバー自身も休みをとることに抵抗がありません。これが「みなさんは休んでください、でも自分たちは出社します」だと話にならないわけですが。「口だけじゃない」と、ちゃんと率先することのメリットが浸透していますよね。

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渡部:そうですね。経営陣も率先して育休をとるからこそ、育休が当たり前の文化として根付いている気がします。

家族向けの話でいうと、ファミリーデーもいいですよね。僕の家族はメルカリのファミリーデーに何度か来ているのですが、子どもが「パパの会社、また行きたい」と言っていて(笑)。

新井:わかる! うちもファミリーデーのイメージが強くて「パパは会社に遊びに行っている」「ボールプールで遊んでる」と思われています。

鈴木:それ、うちも同じです。メルカリのCMがテレビで流れる度に「パパの会社に遊びに行きたい!」って言われます(笑)。家族からの理解が得られる機会が多く、とてもいい文化だと思います。

育休復帰時に困ったのは「知らない人がたくさんいる!」

鈴木:育休に集中できるよう、育休中はSlackのアプリを消すようにマネージャーから言われたメンバーも過去にいるようですが、お2人はいかがでした?

新井:それはもう、呼吸するようにSlackを見ていましたね!

(一同笑)

渡部:チャンネル数は絞りましたが、僕もSlackは見ていましたね。困ることがありそうならフォローだけでもと思っていたんですが、ほぼ何もなかったですね(笑)。1回だけ障害対応をヘルプしたぐらいです。

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新井:僕も、業務としては特に何もしていませんね。何かしても責任をとれませんし。なので、趣味でゆるくつながっているSlackチャンネルで話していたくらいです。

鈴木:もう1つ、気になっているのは復帰後のキャッチアップです。Slackを見ていればある程度の情報収集ができるので、それほど“浦島太郎状態”での復帰はないかと思っているのですが、お2人はいかがでした?

渡部:ある程度の浦島太郎状態は覚悟しておいたほうがいいかもしれないですね(笑)。

SlackやWikiなど情報がオープンに共有される文化があるので、キャッチアップはある程度できるんですが、どちらかというと覚悟しておいたほうがいいのは「知らない人がたくさんいる」ですね。

鈴木:たしかに、育休中に入社したメンバーは拾いきれないです!

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渡部:僕の場合、育休中はソウゾウにいました。その間にteachaのチームがジョインしたり、全体では1.5倍くらいの規模になっていて会社のスピードを感じましたね(笑)。

鈴木:一方で、育休中不在でもチームがワークできるよう体制を構築と引継ぎをしていることになるため、復帰後は別のチャレンジができるチャンスではないかと思います。お2人は復帰後に同じポジションに戻りましたか?

渡部:僕はそれほど違和感なく、同じポジションに復帰しました。でも、可能性としてはポジションが変わることはありえますね。メルペイもこれからどんどん成長していくので、流動性は高いと思います。

新井:僕は育休に入る前までフリマアプリ「メルカリ」をやっていたんですけど、復帰4日目に、メルペイへ行くことに関する面談がありました。個人的にウェイトのある仕事が好きなので快諾しましたが(笑)。

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鈴木:それは、復帰前後で面談し、話し合って決めました? 

新井:僕は、関わっていたプロジェクトが大きく変化するタイミングだったので、復帰前に面談はありました。面談に関しては今のところケースバイケースで行われていて、もちろん本人の意向に合わないようなことはしませんが…マネージャーとして、このあたりはもっと徹底してやってもいいですね。今、話しながらそう思いました。

渡部:そうですね。ここは徹底しましょう。

育休は、属人化した仕事を見直すチャンス

鈴木:育休をとってみて、どのような点が良かったですか?

渡部:社会人になってから家族と過ごすまとまった時間をとれることは少ないので、本当に貴重な機会だったと思います。

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新井:ですね。特に第1子出産では子どもが生まれて、何が大変なのか想像もできないと思うので、マネージャーとしてではなく「個人として」でオススメします。

マネージャーという立場から感じた「育休をとるメリット」は、メンバーの育休は属人化した仕事を見直すチャンスになると思っています。スピード優先だとどうしても属人的になりがちです。

かくいう僕もこれまで属人化した仕事をしていて、育休を機にほかのメンバーがいろいろ引き継いでくれたのを覚えています。育休は、そういったチーム内の甘えを考え直すいい機会です。これは、会社としてスケールしていく機会でもありますよね。

渡部:そうですね。「属人化を減らす」は大事なテーマですね。「この仕事はこのメンバーにしかできません」があると、当然ながら休みづらくなります。何人かで共有できている状態をキープできるような体制を作っていくのは、我々マネージャーの役割ですね。

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鈴木:青柳がよく言っているのは「メルペイの事業は長期戦。だからこそプライベートと仕事のバランスをとりながら臨みましょう」です。長く走り続けるために、プライベートを優先できる体制を維持することは、マネージャーである私たちのミッションですね。

新井:メルペイは今、さまざまなチームが垂直立ち上げ状態でそれぞれ進んでいます。そのため、組織としては未熟なところも多いです。制度に関しては、メルカリグループとしてすでに整っているものがあります。メルペイでもマネージャーとして、この制度を活用できる文化を維持していくのも1つの使命だと思っています。

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