メルペイは「メルカリの成功体験は持ち込まない」 HRメンバーらが振り返る、仲間集めとともに続けたカルチャーづくり

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メルカリは人への投資を惜しみませんーー、これはメルカリ創業者・山田進太郎が上場承認を発表したときに綴った「手紙」にある言葉です。この思いは、メルカリグループであるメルペイでも同じです。

メルペイが設立されたのは2017年末。メルカリグループとして金融という新たな事業への挑戦ですが、同時に「新たな組織をイチから最速で立ち上げる」挑戦でもありました。

組織も事業も、その成長を支えるのはやはり「人」。では、スピードを求められる中で新たな組織はどのように立ち上げられているのでしょうか。今回のメルカンでは、メルペイ最初のGo Bold賞を受賞したHRメンバーの松尾彰大さんと北原豊さんが登場。彼らが「ひたすら走り続けた記憶しかない」と語るメルペイ立ち上げ初期を振り返りました。

松尾彰大(Akihiro Matsuo)

エン・ジャパンに新卒入社後、「CAREER HACK」(キャリアハック)を立ち上げ。チーフエディター/ディレクターとして携わった後、2016年3月にメルカリにHRメンバーとしてジョイン。プロダクトメンバーの採用にコミットする傍ら、「mercan」の企画運用を主導。2018年からはメルペイのHRとして採用やブランディングに従事。


北原豊(Yutaka Kitahara)

富士通に新卒入社でエンジニアとしてキャリアをスタート。その後、リクルート、ミクシィで人事やヘッドハンターを経験した後、2018年1月にジョイン。メルペイHRの垂直立ち上げにコミット中。

「メルカリの成功体験を持ち込まない」

松尾:メルペイにジョインして、経営メンバーである横田(淳)がまず言ったのは「メルカリの成功体験を持ち込まない」でした。

メルペイのミッションは「信用を創造して、なめらかな社会を創る」。メルカリとミッションのつながりはあれど、攻め方やベクトルが異なります。

また、ミッションへ向けて1日でも早く動き出す必要がありました。そんな中、メルカリと同じやり方では同じスピードしか出せません。そこであえて、メルカリと切り分けるカタチでコーポレートチームをイチから立ち上げ、新たな組織をつくっていく決断をしたのです。これは僕らHRだけでなく、メルペイにとっても最初の大きな壁でした。

北原:組織をイチから立ち上げるということは、メルペイ独自のカルチャーをつくるということ。とはいえ、カルチャーは「これだ!」と決められるものではなく、自然にできあがっていくものです。そのあたりの難しさはありましたね。

だからこそHRとして考え続けたのは「どう仲間を募っていくのか」でした。当然ですが、立ち上げ当初はメンバーも少なく、できることも限られています。そのため、HRが持つ採用目標を達成できないと、事業の成長も遅れてしまいます。そういった責任を感じつつも、数字だけを追わないように自分にも経営メンバーにもある意味ブレーキをかけながら採用を進めていきました。

社内外での情報発信が、カルチャーづくりに貢献した

松尾:一緒に戦う仲間を増やし、カルチャーもつくっていく。そこでまず始めたのは、メルペイに関する情報発信です。

メルペイは、メルカリに比べて発信できる情報がまだまだ少ないです。なにより「メルペイはなにをしているのか」「どういったプランで事業を考えているのか」を発信しないまま採用活動をすることは、候補者に対しても失礼です。僕らとしても「人が足りません」と伝えるだけの採用活動は、絶対に避けたいと思っていました。

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北原:僕らはHRとして「自らメルペイについて話さないと、仲間は集まりません」「言えない、言わない理由はもちろんわかりますけど、それじゃ無理ですよ」と、率先して経営メンバーに対してボールを投げ続けました。

具体的なアクションとしてはかなり密にリファラル採用説明会や合宿を実施したり、社外に対してもMeetupを開催して各メンバーがメルペイのミッションや「自分たちは何者なのか」を発信する機会を増やしました。

松尾:助けられたのは、青柳(直樹)やCTOの曾川(景介)、CPOの松本(龍祐)といった経営メンバーが「自分にできることがあれば教えてください」という雰囲気を率先してつくってくれたことです。困っていることを提示できる場があったのはやりやすかったですし、僕らとしても採用に関する情報を正面切って伝えられる場があったのはよかったですね。

北原:マネージャー陣は面接の時間なども優先してくれていましたね。土曜日に選考会を開催したり。また、メルペイではリファラルやMeetupに加えて、外部パートナーともより連携して採用を進めていました。そういったプレゼンの場にも青柳が自ら出席して話してくれたこともありました。

松尾:結果として、メンバーそれぞれの「メルペイの人間として何を話すべきか」が固まり、カルチャーの種のようなものができてきたのかと思います。振り返ってみると、僕らが採用手段としてやってきたことが、組織のカルチャーづくりに貢献していたんですね。

ネガティブな情報も伝えながらの選考

松尾:もう1つ徹底したのは、経営メンバーと候補者の双方に対して「本当にこの条件でオファーを出すんですよね?」「本当にメルペイでいいですか?」と問い続けることでした。

純粋に数字だけを追うのであれば、候補者に「合格」を出して採用していけばいい。けれど、僕らがやるべきなのはメルペイがミッションを達成するための組織・カルチャーづくりです。そのためには、バリューやミッションに共感していただける人に仲間になってもらいたい。立ち上げ当初でよくある「スキルが高いから採用」「とにかく人が足りないから下駄を履かせてでも」といったことだけはしないように、経営メンバーとも「本当にこの人を採用したいですか?」とやりとりし続けました。

北原:そして候補者に対しては正直に、時にはネガティブに捉えられる情報も伝えながら選考を進めました。

メルペイでやろうとしている事業は成功までの道のりが長いものです。それに、失敗せずに成功し続けるなんてありえません。最初に甘いことを言い、後から失望されてしまうくらいなら、「長い戦いになる」「当たり前ですけど、仕事だけが降ってくる環境じゃないですよ」と伝えた方がいい。もちろん、そういった情報を伝えないほうが承諾率は上がるでしょう。しかし、そこを怠ると、メルペイが組織として大きくなっていく中での足かせになりかねません。

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松尾:それこそ、立ち上げ期は方向変換の連続です。僕らが1月に採用した新メンバーが入社するのはだいたい3〜4月ごろですが、大小問わず、変更や修正なんて毎日のように起こっていきます。まさに朝令暮改。でもそれがスタートアップじゃないですか。

北原:メルペイには、これまでのメルカリにはなかった「セールス」などのポジションも採用しています。そういったメンバーはカルチャーや制度、コミュニケーションや業務ツールにも馴染みがなかったりします。そのため社内外への発信はもちろん、異業種からジョインした新メンバーがすぐに馴染めるように情報や考え方などを伝えることもしていました。

メルペイの次のフェーズは、カルチャーの醸成

松尾:そもそも僕がメルペイに行こうと思ったのは、全社定例で青柳が「メルペイを通じて、なめらかな社会を創る」とメルペイ構想を語っているのを聞いて、すごくわくわくしたからなんですよね。メルカリに入社して3年目で、そろそろ次の挑戦もしたいと思っていたタイミングでもありました。

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北原:僕の場合はもともとメルカリで採用や人事制度設計などに関わる予定で、2018年1月に入社しました。ところが、入社して1週間も経たないうちに「メルペイへ行ってみないか」と打診されて(笑)。正直すごく驚きましたが、このタイミングに居あわせることができるというのはとてもラッキーだなと思いました。

松尾:僕はある程度はメルカリの性格を知っていたつもりで、メルペイでも「きっとこういうことがあるんだろうなぁ」と考えていました。しかし、この3ヶ月間はそれを見事に裏切るスピード感でしたね。

北原:そうですね、ただひたすら走り続けていた記憶しかないです(笑)。もちろんこれからも走り続けていくつもりです。これからは仲間も増えてやれることが増えるので楽しみだなと思っています。

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松尾:メルカリでは、どのメンバーもバリューやミッションを語れます。メルペイでも、それと同じ状況にしないといけません。それは、メルペイにいるメンバーを一枚岩にする1つの方法だと思っています。

そのためにやるべきことも多いし、なによりもっと仲間が必要です。立ち上げから3ヶ月以上が経ち、ようやく全メンバーの意識が整ってきました。今後はHRとして、メルペイという企業や事業そのものをどうしていくかはもちろん、カルチャーをより醸成することを求められていくんだと考えています。

北原:先ほど話したように、メルペイの事業は息が長いものです。その間、良いことも良くないことも起こります。メルペイは、それを受け止めて乗り越えられる組織にしたいですね。

【メルペイでは仲間を募集中です!】

www.merpay.com

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