私はメルカリで一番の利用者になれない。だからおもしろい | デザイナー 山田静佳

「自分が一番のユーザーになる」というのは、プロダクトづくりのなかでよく挙げられる言葉です。では、メルカリの開発チームの中で誰よりもお客さまを理解しているメンバーとは?と問いかけると、きっと多くのメンバーがデザインチームの山田静佳さん(以下、shizuka)だと答えると思います。

shizukaさんは、2016年に入社してから2年以上フリマアプリ「メルカリ」JPのデザインを担当しています。変化やプロジェクトの多いメルカリ内で、ずっとメルカリを担当する数少ないメンバーです。「とにかくメルカリが好き」「ずっとメルカリに興味がある」と話す彼女に、これまでの仕事やそのモチベーションについて話を聞いてみました。

メルカリボックスでお客さまの声を浴びる楽しさ

−4月で入社から丸2年、これまでどんなメルカリをつくってきたのですか?

山田:入社直後は、開発方針としてUSに注力しているということもあり、まずメルカンの初期デザインを担当しました。まだ会社のこともよくわからない状態でしたが、なんとか形になってほっとしたのを覚えています。それから、キャンペーンのLPや配送グッズなどアプリのUIデザイン以外の業務も結構やっていました。メルカリストアという梱包資材が買える機能があるんですが、資材と一緒にその画面のデザインもしています。

f:id:mercan:20180604131105j:plainアプリ内から専用の資材が購入できる「メルカリストア」

山田:アプリ内のデザインでいうと、発送時のフロー部分を担当しました。目立ったデザインではないのですが、細かな制約や配送会社の仕様を理解してデザインすることで「オフラインのメルカリ」を知り、プロダクトの全体像を掴めたと思います。その後は、お客さま同士で疑問を解消したり相談したりする「メルカリボックス」をつくっています。プロデューサーとエンジニア含めて5名くらいの小さなチームですごく動きやすかったですね。私は前職でもコミュニティアプリの開発をしていて、お客さまのありのままの声がみえるプロダクトがとても好きなので、メルカリボックスの開発は本当に楽しかったです。

−メルカリボックスはメルカリ初のコミュニケーションをメインとした機能ですよね

山田:そうですね。誰かが投稿した疑問、例えば「梱包ってどうやったらいいんですか?」などにみんなが回答をしてくれて、一番参考になったものを「ベストスッキリ!」に選んで解決、という機能です。私自身も「スッキリ」を18,000件以上もらいました。本当にこうしたテキストコミュニケーションが好きで、回答するのが好きなんです(笑)。

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山田:メルカリボックスはお客さまが直接入力した言葉を浴び続けるので、ずっとお問い合わせフォームを眺めているような感じです。言葉遣いからお客さまに最近話題のトピックスまで、かなり勉強になりました。例えばいつも私たちが「サイドメニュー」と呼んでいるものは、お客さまからすると「左側にある漢字の三みたいなやつ」なんですよね。通常、開発チームとお客さまとの間には少し距離があって、カスタマーサポートの方を挟んでいます。その状態で目にする声は綺麗に集計されていたり、要約されていたりすることが多いんですね。メルカリボックスでは、ありのままのお客さまと直接コミュニケーションを取れるので、おもしろいんですよ。運用フェーズではプロデューサー業務も兼任し、SEOの強化をしたり、利用者同士の馴れ合いを防止するための仕組み、お客さま間で機能の意図を伝播してくれるような機能開発を行いました。

私はどうやっても一番の利用者にはなれない、だからおもしろい

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−shizukaさんのお仕事のモチベーションはどんなところにありますか?

山田:やっぱり自分が好きなものを自分で作っていることが、一番のモチベーションです。私もいち利用者であることが大事だし、いつも「メルカリをもっとも愛用している、一番の利用者になりたい」という欲求があります。ところが、おかげさまでメルカリは非常に多くの人が利用してくださっていて、私よりもうんと使い込んでいるお客さまがたくさんいます。どうやっても一番になれないんですよ。それがまたおもしろいんです。そして私もとってもメルカリが好きで作っているのに、全然予想もしなかった動きをする方たちがたくさんいるんですよね。メルカリをつくることはもはや趣味というか、生活の一部です。もちろんプロフェッショナルにやりきるんですが、仕事とプライベートというような境はありません。

−お客さまの近くにいたり、自分が利用者であるということが重要なんですね

山田:最近、メルカリでアロマキャンドルを購入したら、荷物に私がデザインしたノベルティの「われもの注意」のシールが貼ってあったんです。

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山田:自分がつくったものを本当に使ってくれている人がいる、と実感できて嬉しかったです。友達や家族からメルカリについての話を聞いたり、メルカリボックスで疑問が解決している瞬間を見られたときも、とても嬉しい気持ちになります。いつも自分がお客さまそのものになって、プロダクトをつくっていく視点を大事にしたいですね。

−本当にお仕事が楽しそうです。メルカリに入社したきっかけはなんだったのでしょうか?

山田:きっかけは2つあって、1つは前職でのアプリ開発の経験です。初めてCtoCのコミュニティアプリを作って運営しているとき、そのプロダクトが大好きで朝から夜までずっとそのアプリでチャットをしていました。でも残念ながら大きくスケールさせることができず、伸び悩んでしまったんです。会社からのオーダーにも応えられない時期が続いたとき「自分がどれだけそのプロダクトが好きで、使っている人に愛されていても、多くの人に使ってもらって生き残れないと意味がない」と痛感しました。じゃあ成功しているサービスってどうやっているんだろう、と気になったのがメルカリです。もう1つは、当時前職でも同僚で今PRチームにいるkumamiさんに誘われて、DrinkMeetupに参加したことです。「プロダクト好きな人集合!」というテーマだったんですが、執行役員の濱田優貴や現在メルペイCPOの松本龍祐がメルカリのことを熱く語っていて、垣根なく一丸となってプロダクトを大きくしようとしている姿にびっくりした記憶があります。もともとメルカリは好きだったのですが、転職を考えているときにこのMeetupのことを思い出して後押しになりました。

もっと業務が固定化してつまらないかと思っていたら、激動!

−shizukaさんが入社してからの2年で、会社も大きく変化していると思います。

山田:チームの変化も多いのですが、それが飽きないし楽しいです。実は、もっとやることやチームが固定化されていてつまらないんじゃないかと思っていたんですが、激動ですよ。そういう変化を楽しめる方が、メルカリには合っているのかなと思います。

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山田:それから、3年目というと社内では結構古めの社員になるのですが、1つ意識していることがあります。新しいプロジェクトが数多くものすごいスピードで進行していく中で、「メルカリらしさ」を担保できるように、ここだ!というときにフォローに入れるようにすることです。常にいろいろなところに口を出すというわけではなくて、デザインに関わることで「これはこのままではちゃぶ台がひっくり返りそうだ」「今ひとこと書き込むことでお互い手戻りが減るなら言っておこう」と感じたら、未然に事故や修正を減らすためにSlackチャンネルに登場しています。経験をもとに未来が予想できることが増えてきたので、早めに対処できるとお互いにハッピーだなと。あと、これを「努力」と思ってやっていなくて。とにかくメルカリが好きで興味があるので、単純にいつも新しい情報を知っていたいという欲求からやっています。関連するSlackチャンネルには絶対に入っていたいんです(笑)。

−この2年を振り返ってみて、どうですか?

山田:これだけ自分が没頭するプロダクトに出会えて楽しく仕事ができているのは、とても幸せに感じます。そして、プロダクトに向き合い続ける姿勢をきちんと評価してくれる会社でよかったです。メルカリに入社して分かったのは、「全ては成功のために」というバリューを重視して、そのために取捨選択し続けてきたんだなということです。細部へのこだわりよりも、プロダクトの成功確度を意識して優先度を決めたり、いつも現実を直視しながら大きな夢に向かってきているんだなと思いました。まだまだメルカリでやりたいことはたくさんあります。これからも「一番のメルカリ愛好者」を目指しながら、会社のバリューを体現できるようなデザインをしていきたいです。

プロフィール

山田静佳(Shizuka Yamada)

広告代理店、事業会社にてメディア・アプリ制作経験を経て、2016年4月にメルカリにjoin。現在デザイナーとしてフリマアプリ「メルカリ」JPのデザイン全般を担当。

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