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「厚み7cmに理由があります!」ゆうパケットプラス企画担当者が向き合い続けたメルカリの“お客さま体験向上”

「メルカリで売れたのはいいけれど、ちょうどいいサイズの箱がない」ーー。

これは、フリマアプリ「メルカリ」をお使いいただいているお客さまの多くが抱えていた悩みのタネでした。そこで、2019年10月に発表したのが、日本郵便とメルカリが共同企画・開発した「ゆうパケットプラス」。ゆうパケットプラスとは、ゆうパケットとゆうパックのちょうど中間にあたるサイズの新しい配送サービス。おもな特徴はこちらです。

・ 箱サイズは長さ24cm、幅17cm、厚さ7cmなので、今まで厚みがあって入れられなかったものも発送可能
・ 販売価格は65円(税込)
・ 全国の郵便局(※1)、メルカリストア、全国のローソン(※2)で販売
・ 配送料は375円(税込)
・ 配送可能な場所は全国約20,100か所の郵便局(※3)、全国約13,600店舗のローソン(※4)

※1:簡易郵便局および郵便窓口、ゆうゆう窓口のない一部の郵便局を除きます。
※2:一部ローソン店舗においては、ゆうパケットプラス専用箱の販売を行っておりません。
※3:簡易郵便局(試行実施5局は除きます。)及び郵便窓口、ゆうゆう窓口のない一部の郵便局を除きます。
※4:一部ローソン店舗においては、荷物の発送ができません。発送可能なローソン店舗は、こちらのページで確認いただけます。
※5:ゆうパケットプラス専用箱は、繰り返し使用していただくことが可能です。ただし、運送に耐えられない場合等、引受けができない場合があります。詳しくは、お近くの郵便局窓口でご確認ください。

ゆうパケットプラスのプロジェクトを担当したメンバーであるOffline UXチームのマネージャー石川佑とLogistics & Transactionsチームのマネージャー川村俊輔に聞いてみると「念願の“7cm”」と話します。その理由は?石川と川村による対談を改めて実施してみたところ、見えてきたのはメルカリにおける「配送」の重要性でした。

「箱サイズを変えただけ」の背景にある大きな変化

石川:さて、今日は改めてゆうパケットプラス誕生までの裏側を、Logistics & Transactionsチームの川村さんと語り合いたいです。実は僕と川村さん、メルカリへほぼ同時期に入社。さらに言うと同郷で、出身校もすぐ隣と言えるほどの近さ…!

石川佑(メルカリOffline UXチーム、マネージャー)

川村:そうなんですよね。しかも僕、石川さんのお姉さんと同じ高校に通っていましたし(笑)。巡り巡ってメルカリにたどり着き、石川さんとともにゆうパケットプラスの制作プロジェクトに挑んだというのは、運命しか感じませんね。

石川:今回発表したゆうパケットプラスの最大の特徴は、何と言っても箱サイズの厚みが「7cm」であること。これは「ちょうどいいサイズ」を求めていたお客さまのニーズに応えたものでもあります。「箱サイズを変えた」と言うと「それだけ?」と感じる方も多いかと思うのですが、日本郵便さんとしては多額のコストをかけてつくってくださっています。

川村:そこは、すごく強調してお伝えしたいところですね。実は僕、前職は配送とは縁がない仕事をしていました。そのため、配送に関わる仕事は今回が初めて。正直なところ「箱サイズを変えるだけなのに、なぜ時間がかかるの?」と思っていたところがあります。しかし、今回のプロジェクトに参加し、石川さんに郵便局の配送倉庫へ連れて行ってもらってからは、意識がガラッと変わりました。「ゆうゆうメルカリ便」などの定期便で使用する箱サイズを変えるということは、郵便局の配送倉庫内の設備や機械も、そこで働く方々のオペレーションも、すべて変更しなければならない。

川村俊輔(Logistics & Transactionsチーム、マネージャー)

石川:見た目は小さな変化でも、その背景にはさまざまなものが関わっています。例えば、ベルトコンベア上では、画像認識で箱サイズを読み込み、自動で振り分けるシステムが組み込まれています。そこへ、今回のようなゆうパケットプラスという新サイズが登場すれば、すべてのシステム工程へ新たに組み込む必要があります。

川村:Webサービス開発とは、また違った難しさがありますよね。ちょうど1年前にリリースしたメルカリと宅配便ロッカー「PUDO」の連携機能に関しても、アプリ上ではボタンを押すだけなので、大きな変化を感じることはありません。しかし、先ほどお話ししたように、その裏側にあるオフライン部分ではいろいろなものが動いています。また、アプリ上で新機能をリリースするときは、事前にQAエンジニアが一緒に細部までチェックしてくれます。ゆうパケットプラスも、安心安全にやりとりできるように直前まで徹底的にチェックしましたが、やはりリリースしてみないとわからないところのほうが多い。PUDOのときも、リリース当日にメンバーみんなで六本木のドン・キホーテ近くにある設置場所まで行き、実際に発送したりしていました。

石川:その気持ち、めちゃくちゃわかる。僕は以前、メルカリのオリジナル梱包資材を全国のコンビニで発売するというプロジェクトを担当していました。川村さんと同じように、発売当日はコンビニを回りまくりましたね。店頭に並べられている様子をチェックし「あのデザインはもう少しこうしたほうがいいかもしれない」とか考えたりして。

川村:そうそう、気になって仕方ない(笑)。PUDOも、未だに街で見かけたら写真を撮って、メンバーにシェアしています。

メルカリが「配送」にフォーカスし続ける理由

川村:メルカリが目指しているのは「世界的なマーケットプレイス」。そこには、必ず物の移動(=配送)が伴います。メルカリの最大の特徴は「お客さま同士でやりとりすること」ですが、女性のお客さまからすると「住所を明かしてやりとりするには抵抗がある」という方もいらっしゃいました。らくらくメルカリ便で「匿名配送」を取り入れたのは、まさにそういったお客さまにも多く使ってもらうための一手でした。続いて、日本郵便さんとの「ゆうゆうメルカリ便」、ヤマトさんとの「大型らくらくメルカリ便」が登場。しかし、このときはまだ「配送周りを担当する専門チーム」がなかったんです。

写真上から、ゆうパケットプラスと宅急便コンパクト専用BOX

石川:事業としても、配送周りにフォーカスしたい気持ちはあれど、優先度が高いわけではありませんでした。僕が所属していたBizDevチームはずっと配送周りのプロジェクトを担当していましたが、開発チーム側のPMは半年ごとに変わっていましたね。もちろん、必要に応じて改善も行っていましたけれど、スケールするような動き方はできていませんでした。

川村:せっかくいいものをリリースできても、なかなか改善を進められなかった過去があります。でも、今やメルカリでの購入件数は年間約1億件。配送におけるインパクトが増しています。そこでLogistics & Transactionsチームを立ち上げ、配送ネットワークを主導していく意思決定に至ったのです。

石川:これまでは、日本郵便さんやヤマトさんのアセットを活用させてもらいながら、ゆうゆうメルカリ便やらくらくメルカリ便を進化させてきました。なので、どちらかと言うと彼らの既存サービスを活用させてもらうプロジェクトだったのです。今回のゆうパケットプラスは、企画段階から僕らも参加しています。これによって、お客さま体験をより向上できるんじゃないかと思っているんです。

お客さま体験向上を最優先する「配送」で大事なことは?

石川:僕が配送周りに関して一歩踏み込むようになったのは「らくらくメルカリ便」をセブン-イレブンさんで展開するタイミングだった気がします。このときに、配送はお客さまや世の中に与えるインパクトが大きいことを体感しました。

川村:取り組みがいのある分野ですよね。一般的に、これまでの配送はBtoCサービスと連携したものが多く、コスト削減が最優先。僕らの場合、コスト削減はもちろんですが、お客さま体験向上にもフォーカスできます。配送しやすく、かつお客さまが受け取りやすいものを目指す。今回発表したゆうパケットプラスの厚み「7cm」も、まさにお客さま体験向上を最優先に考えて実現したもの。僕らにとっても、念願だったと言えます。

石川:メルカリは、サービスとして社会インフラを目指しています。やりとりするお客さまが増えるということは、テクノロジーを駆使して物流業界が抱える社会課題への解決もしっかりやっていかなければならないフェーズに来ています。

川村:ですね。配送周りの体験がよくなることは、メルカリの成長に直につながります。それに、配送自体がメルカリの1つの事業になると面白いなぁと妄想していたりするんです。配送周りを磨き込み、事業として発展させていくのはありじゃないかなと(笑)。

石川:すごい妄想(笑)。でも、おもしろそう。そのためにも、まずはどこへ行っても同じお客さま体験を届けるべく、配送周りを整えていきたいですね。梱包資材しかり、発送場所や手続きしかり。はっきり言って、今のメルカリにはお客さまにとってわかりにくい部分がまだまだ残っています。どこでも配送・梱包できるようにしたい…。

川村:「どこでも」は、ぜひ目指したいところですね。配送会社によって仕様も思想も違うので、うまくバランスをとりつつ進めていきたいです。

石川:ですね。だからこそ僕がいるOfflineUXチーム、そして川村さんのLogistics & Transactionチームで求められるのは、ビジネス的な総合力。あとは、ガッツと現場力!

川村:もう1つ加えるなら、オーナーシップですかね。配送周りはステークホルダーが多い分、何か起きたときには即時判断・対応が肝となります。そこで必要なのが、やはりオーナーシップなんですよね。台風が近づいているときに「もしかすると配送が遅延するかもしれない」と考えるくらいの意識が持てているといいですね。

石川佑(Yu Ishikawa)

大学卒業後、京セラ株式会社にて、スマートフォンの商品企画・提案営業を経験。その後、株式会社DeNAにてECコンサルタント業務、カテゴリ戦略立案業務を担い、2017年1月にはショッピングモール「Wowma!」の立ち上げ、編成ディレクター業務を担当する。2017年10月、株式会社メルカリ事業開発(ビジネスディベロップメント)に参画、現在はBizDev-Div/Offline UXのマネージャー。

川村俊輔(Shunsuke Kawamura)

早稲田大学政治経済学部、ミュンヘン大学経済学部在学中、ウェブリオ株式会社にインターンで入社。マーケティングや経営企画などの業務を担当しつつ、辞書プラットフォーム事業の事業責任者を務めた。経営に関わりながらブランディングやマーケティングの重要性を痛感し、博報堂コンサルティングに転職。その後、Product Strategyチームの立ち上げメンバーとしてメルカリに入社。現在はLogistics&TransactionチームのManager of Product Managerを担当する。

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