社内ツールの内製にこだわる理由は?メルカリCorporate Engineering小規模採用説明会を開催 #メルカリな日々

こんにちは!Talent Acquisitionチームのshibuchinです。

12月11日、Corporate Engineeringという社内をテクノロジーで支える組織の小規模採用説明会イベントを開催しました。さっそくですが、本日の#メルカリな日々で、簡単なレポートをお届けします。

「フラットで経営に近い組織を目指すにあたって名前にこだわった」

ーまず、Corporate Engineeringのマネージャである須藤からCorporate Engineeringの全体像についてお話ししました!

須藤吉公(Corporate Engineering)

須藤:組織としては今年10月に発足したばかりの組織です。我々は一般的にIT組織は全社、ひいては経営にインパクトをもたらすシステムや仕組みを導入していくのですが、これまでは組織構造的に経営の意思が伝わりにくい構造になっていました。これを解消するために経営に近い位置に組織を配置し、組織内チームは可能な限りフラットな位置関係とし、情報伝搬の行いやすさを意識することにしたのです。また、これは私がメルカリジャパンCEOの田面木の直下に位置していて、経営との距離がとても近い組織となり、クイックに動ける体制の基盤が構築できたと思っています。

ーCorporate Productsという内製プロダクトを開発するチームが誕生。ここでは、シードベンチャーのような小規模な開発組織を意識し、SaaSで事足りる部分はSaaSを活用、そして自分たちでつくる部分は内製しているのです。そんななか、須藤が重要視しているのが「データドリブン」。

須藤:これまでメルカリでは、優秀な人々の経験や勘に頼っていたものが少なくありませんでした。もちろん、今後すべてをデータで意思決定していくわけではないのですが、データを元に客観的な意思決定が可能になるような環境整備もCorporate Engineeringで進めています。例えば「Workday」という人事システムの導入を現在進めているのですが、メルカリに入社した人が退職するまで、一貫してデータ管理できる仕組みをつくっていきたいと考えています。また、チームから忙しいという言葉を聞く機会も少なくないのですが、「何がどのぐらい忙しいのか」「その理由」「忙しさのボリューム」をデータで可視化させたいとも思っています。そのうえできちんとしたOKRやKPIを設定して、客観的に何がどの程度忙しいのかを把握し、忙しさの根本原因が見てわかるようなシステム導入やプログラムによる自動化も進めていきたいです。

ーこれもすべて、メルカリが事業・組織ともに急成長を遂げてきたことによる影響。Corporate Engineeringでは、その下支えとなるシステム構築を目指しているのです。

須藤:メルカリは設立以来、急成長を遂げておりますが、ベンチャーマインドだけでこの先もやり続けることが難しい部分もあります。理想としてはKPTやPDCAをクイックに回して、新しい施策を行いたいのですが、同時に、その改善活動を下支えするシステムやデータ周りの整備をちゃんとやっていかないといけない。例えばIT Serviceチームで使っているタスクを管理するチケットシステムの整備などを最近始めたばかりで…。我々としても、これからやりたいことばかりです。

ーそして、須藤が最後に語ったのはデータドリブンゆえに実現する「KAIZENし続ける組織」への強い意志でした。

須藤:最後に、私のモットーでもあるのですが会社も組織もチームもKAIZENし続けていきたいなと。メルカリから見たら大先輩にあたるようなテックジャイアント企業たちが我々より長い期間、毎日KAIZENをし続けていることを加味すると、メルカリはまだまだ赤ん坊レベル。彼らを超えることは一筋縄ではないですが、KAIZENマインドをCorporate Engineering、メルカリ全体に浸透させることで、テックジャイアントたちにも負けないようなデータを武器にKAIZENし続けられるチームをつくっていきたいと考えています。

各チームの体制は?

ー須藤からCorporate Engineeringの説明後、チームマネージャーたちから各チームの体制などの説明を行いました。

和田洋樹(Corporate Products)

和田:私たちは、社内向けプロダクトの開発を行うチームです。メンバーの大半はソフトウェアエンジニアですが、専属のデザイナーとQAエンジニアも在籍しています。私たちのチームができる以前、まだメルカリが小規模だった頃はシステム内製することはなく、SaaSを組み合わせて運用していました。しかし、社員数が増え、さまざまな業務を正しく遂行するためには正確な人事DB(データベース)が不可欠となったのです。また、人事評価面でもそれまで使っていたSaaSだけではメルカリが大切にしている人事評価の継続が難しくなってしまいました。

ーそこで経営陣と話し合いを重ねた結果、「評価システム」への強いこだわりがあることを知ります。

和田:経営陣の考えとして、人に向き合うことは非常に重要だと考えており、評価システムにも強いこだわりを持っています。通常は相対評価への制度変更で対応していくことも多いのですが、絶対評価を行うことは妥協できないポイントだったため自社開発を選びました。もちろん、SaaSをまったく使わないわけではないのですが、メルカリの良さを引き出すために必要なプロダクトは自社内で開発する方針を持っています。単なる社内システムではなく、お客さまにお届けしているのと同様の高品質なプロダクト、データドリブンを目指す組織に相応しいプロダクトを社内に届けることをミッションにしたかったので「Corporate Products」と名付けました。

ー「Corporate Products」に続いて登場したのは、急拡大するメルカリ組織を支え続けてきた「IT Service」。

吉川 崇(IT Service)

吉川:我々IT Serviceのミッションは「すべての従業員が快適に業務に取り組める社内IT環境を創造し続ける」ことで、社員と最前線で関わっていくチームです。業務内容としては、いわゆるヘルプデスクや、社内のITサポート、サービスの運用管理、PCのセッティングなど。私が入社したのは2017年11月、それから約2年メルカリにいますが、事業・組織の成長とともにIT Serviceの業務量も増えていきました。足元の整備を行いたい気持ちは以前からあったのですが、目の前にある膨大なタスクを消化することに必死だった時期もあったのです。ただ、最近になってようやく業務も安定してきたので、足元を固めて本来の我々のミッションに取り組めるような状況になりました。その取り組みの一つが写真のIT PITです。

IT PIT

吉川:これまでは、社員が何かIT関連の問題があった場合、IT Service宛にSlackで連絡もらって、我々の席まで来てもらうスタイルでした。このIT PITを設けてからは社員が気軽にIT PITに相談をする機会も増やすことができ、従業員満足向上につながったと感じています。あとは自動販売機でのPCアクセサリ提供もつい先日始めました。これまでは、アクセサリは特定の場所に置いておいて、ご自由ににどうぞというスタイルだったのですが、社員数も増えてフロアも複数階に増床したため、在庫管理と発注がうまくできない課題が出てきました。実際にこのような自動販売機を導入している企業もあって、かっこいいなと思ったのもありますが(笑)。従業員満足度の向上にもつながると思っていて、各階でアクセサリが入手できるので、これまでのようにわざわざIT PITがあるフロアに来る必要がなくなります。このように、改善できる部分は他にもたくさんあるので、今後も積極的に進めていきたいです。

ーさらに、IT BPRとSystemEngineeringそれぞれの特徴や違いを紹介する須藤。

須藤:IT BPRはプロジェクトマネジメント・全社システムの導入や業務プロセスの構築と改善を行っていて、その守備範囲は人事、財務、会計など多岐に渡ります。各組織主導でシステム導入をした後で、実は全体のワークフローとマッチしていなかったり、局所最適されてしまっていることに気づくことがあると思います。そのような悲しい事象をメルカリ内でなくすことを目的にIT BPRチームをつくりました。

ー局所最適化ではなく、組織としてよりよい解決策を見つけることは大切。IT BPR誕生にも、メルカリ内で起きていた「局所最適化」への問題意識があったのです。

須藤:あと、IT系のタスクであるあるだと思うのですが、オーナーシップがどこの組織にあるのか不明で、宙に浮いてしまうタスクってありませんか?メルカリでもそのような事象がありまして、社内でオーナーシップの押し付け合いにならないようにすることもこのチームのミッションですね。また、社内にはまだまだ自動化できるものがたくさんあるとも感じています。例えばチーム全体が忙しいときの解決策のうちの一つとして、新しい人的リソースを確保して解決する方法もあるのですが、我々はプログラムで自動化を図って効率化を積極的に推進していくような活動も、IT BPR主導で今後行っていきます。

ーでは、SystemEngineeringのミッションは?

須藤:SystemEngineeringは、最高の従業員体験をシステムとエンジニアリングで下支えすることをミッションにしているチーム。ソフトウェアエンジニアもチーム内にいて、プログラミングで改善も行えます。役割としてはシステム導入時などに生じる技術的な支援全般を担当。初期導入時はもちろん、既存データとの連携や、システムを使っていくなかでのエンハンスも行っています。そのためIT BPRチームとの連携を取りながら仕事を進めることも多いですね。

ー具体的には、メルカリグループ各拠点のオフィスネットワークの整備、AV系機器の管理、会議室のSystemや来訪者向け受付システムをIT Serviceとともにサポート。最近では、うれしい結果もあらわれ始めています。

須藤:最近だと、かなりの時間を使って手作業で行っていたあるタスクを、プログラムを用いた自動化を実現。その結果、約1/20の時間で作業できるようにできた実例も出てきており、積極的にこのような動きも行っていきたいと考えています。

もちろん、QAセッションも実施!

ー各チームの説明を行なった後に参加者の皆様からの質問に回答していきました。

Q:他社の視察はしていますか?


A:テックジャイアントを中心に参考させてもらっています。実際にオフィスに視察に行き、インタビューすることで、社内がどうなっているかの学びや気づきもあります。業界全体として横の繋がりや、ネットワークを大切にして更に良い環境をつくっていきたいので、メルカリとしてもノウハウを隠さず、みんながより良いものをつくるためにもアウトプットは続けていきたいですね。ただ、他社さんの事例をそのまま闇雲に取り入れるのではなく、自分たちの組織にフィットするように変更を加え導入していくことが大切。メルカリとして何が課題で、なにが必要なのかの見極めは重要です。

Q:さまざまな国から来られる方がメルカリに入社していますが、全員にとっての最高のEmployee Experienceをどうやって促進していますか?


A:コアとなるシステムに関しては、日本語サポートしかないツールは大前提として使わないようにしています。先ほどお話しした人事システムもグローバルスタンダードなSaaSという観点で検討を重ねた結果、Workdayを導入することを決断しました。一方で、国特有の法律や制度に関するシステムは、グローバルスタンダートなものにする選択はせずに、各国で使いやすいものを選ぶようにバランスをとっています。コミュニケーション面では、やさしい日本語を心がけていますね。第二言語、第三言語を怖がらずに相手を思いやるようなコミュニケーションを意識しています。

QAセッション後は、懇親会!

QAセッションが終わったら、登壇したマネージャや各チームのメンバーが参加した懇親会!お酒を片手に、参加者の方からのご質問などに答えていました。

Corporate Engineeringとして初めてのイベントだったため、運営面での課題もいくつかあったなと反省しております。今後は改善するところは改善しつつ、Corporate Engineering、そしてメルカリのことを知っていただく場を定期的に設けていきたいです。ご参加いただいた方、この記事を読んでいただいた方が少しでもメルカリのこととCorporate Engineeringのことを理解もらえると幸いです。

それではまた、明日の#メルカリな日々で!

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