マーケティングのインハウス化を推進するための体制構築について

プロモーショングループの伊藤です。

前回は何故メルカリがデジタルマーケティングの内製化にこだわっているかご紹介させて頂きましたが、今回はインハウス化を推進する上での体制と情報共有の方法についてご紹介します。

mercan.mercari.com

メルカリにおけるマーケティングの体制

現在メルカリのマーケティングを担当しているメンバーは4名で、日本とアメリカにおけるオフライン、オンラインのマーケティング全てを4名で推進しています。

メルカリは日米合計5,500万ダウンロードに到達していますが、サービスの規模を考えると非常に少ない人数でマーケティングを担当していると思います。実際、外部の方に体制についてお話をすると人数の少なさに毎回驚かれます。

そもそもメルカリは確固たる採用基準をもとに採用を厳選しているということも関係していますが、プロモーショングループにおいては主にスピードの観点から必要以上にチームを拡大させない方向性を採っています。

情報共有とスピードの両立

チームが拡大していく中で発生する弊害は様々ありますが、弊害の1つとして情報共有に割くリソースが増えてしまうことが挙げられます。人数が増えることで領域横断的なミーティングが増えたり、知識レベルが違うメンバーに等しく情報が行き渡るように資料を作り込む必要が出てきたり、情報共有コストが増えてしまうことがあります。

属人化を防ぐという意味で情報共有は重要ですが、それによって施策の実行数やスピードが落ちることは本末転倒です。情報共有コストが肥大化しないよう、チャットやスタンドミーティングで情報共有が完結するような組織が理想であると考えています。実際、4名揃って行うミーティングは現在週1回30分のみとなります。

主に情報共有はWiki(Crowi)を活用していて、効果の良かった施策や検証結果、クリエイティブの傾向などをまとめてそのままSlackに投稿する形式を取っています。

週1回共有ミーティングを設けてパワーポイントやエクセルをもとに情報共有をするよりも随時Wikiを更新してチャットする方がリアルタイムに施策を横展開できますし、資料作成の時間も少ないため施策の実行スピードを最大化できていると実感しています。コメントや編集も簡単にできるため、施策の進行状況に合わせて加筆修正することで常に新鮮な情報を共有することができます。

Wikiに書く内容は様々ですが、例えば広告施策の検証結果であれば施策の背景、内容(ターゲティング手法、配信したクリエイティブ等)、結果と考察、次のアクション等を記載しておくことでスムーズに横展開をできるようにしています。特にメルカリでは日本とアメリカで幅広くマーケティングを行っているため、Wikiで共有した施策をそのままアメリカに展開して実行することも多々あります。

その他定性的な情報や分析をする際によく使うSQLのクエリなどもまとめているため、何かを聞かれた時にWikiのリンクをシェアするだけで情報共有が完結する環境を整えています。

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このように情報共有をスムーズに行うことで施策の実行スピードの向上に繋げています。

徹底的な自動化

しかし、日本、アメリカとマーケティング領域が拡がっていく上で必然的に個々のリソースは逼迫されていくため、自動化できる(すべき)部分に関しては自動化をする、ということも徹底しています。

例えば広告運用に関しては基本的に手動で入札を行うことはなく、自動最適化機能に入札を任せています。もちろん自動最適化が効きやすいように適切な情報をインプットする、ということに関してはリソースを割いていますが、自動でできることは手動で行わない、という方針で各々動いています。

また、APIを開放している媒体に関しては開発チームに協力してもらい、パフォーマンスに応じて広告の停止、クリエイティブの差し替え等の自動化を実現しています。

更にUSではマーケティングダッシュボードを自社で開発することでレポート作成を省力化しており、各チャネルのパフォーマンスを一元管理することで数値の把握、意思決定のしやすい環境を構築しています。

このように頭を使わない作業は可能な限り自動化することでメンバーが意思決定や分析、クリエイティブ開発に専念できる環境があるため、少人数体制を維持できています。

前提は「裁量権の大きさ」

ここまで情報共有や自動化について記載しましたが、前提として裁量権が大きいことが最も重要だと考えています。仮に体制を構築できたとしても、説明責任を果たした上で施策を実行しなければいけない組織であれば元も子もありません。

前回のエントリでも書きましたが、メルカリでは個々人を信頼した上で最低限の説明責任しか求められません。まさに会社のコアバリューである「Go Bold」を体現する形で仕事に向かえる環境があるからこそ成り立つ体制と言えるかもしれません。

このようにミニマルな組織で最大限の成果を出すためにプロモーショングループでは優秀な人材を募集しています!

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