メルカリR4Dメンバーが目指す、「権利交換を自由にする世界」 #岐阜市職員のメルカリ1on1

こんにちは!岐阜市役所からメルカリ政策企画チームに出向中のmacchanこと、松葉公之介です。

「#岐阜市職員のメルカリ1on1」、第35回はメルカリの研究開発組織R4Dチームのniwatakoさんとの1on1です!

<niwatakoさんってこんな人>
・ 元iOSエンジニアのブロックチェーン技術の調査研究者!
・ ブロックチェーンの中で成立する世界は“人々の国家からの自律”?
・ R4Dと東京大学が連携して“価値交換工学”に関する共同研究をスタート

「ブロックチェーンが所有や移転の権利交換を自由にする」by niwatako

niwatakoさん(写真右)

R4Dのリサーチエンジニア・niwatakoさん!「メルカリにどう活かせるか」という視点で、ブロックチェーン技術の調査研究をしています。

最近は、どんな取り組みをしていますか?「2019年、暗号資産に関わる法改正がありました。しかし、改正に向けた議論の過程では、あまりサービスの実態や技術について理解がないまま進められていたのです」とniwatakoさん。2019年6月に公布された資金決済法と金融商品取引法の改正法では、仮想通貨の呼び方を「暗号資産」に改め、金融取引の多様化に対応する規制強化策などが盛り込まれています。そのなかで、サービスの実態や技術について調査を行ったのだそう。

「CGTF(Cryptoassets Governance Task Force)という中立組織の研究会を通じて、国内のサービスの実態に着目して調査を行った『日本国内における仮想通貨ウォレットの実態調査』と、技術に着目して調査を行った『暗号資産の署名鍵を取り扱うサービスに関する調査』の2つのディスカッション・ペーパーを公表しました」。

具体的にどんな内容なのでしょうか?「改正法は、他人のために暗号資産を管理することを規制対象にするという内容になっています。しかし、そこには具体的な定義は定められていませんでした。(※2020年1月に府令案・ガイドライン案が公表され、一定の基準が示された)。暗号資産の移転は、署名鍵(秘密鍵)が1つだけで可能な場合や、署名鍵が2つ必要な場合など、さまざまなケースがあります。署名鍵を取り扱うさまざまな形態を整理し、事業者と個人がそれぞれ署名鍵を持っていて、2つを合わせないと暗号資産の移転ができない場合であれば、事業者の管理している秘密鍵だけでは暗号資産が流出する恐れはないことなどを個別に分析し、レポートとしてまとめました」。

新経済連盟や一般社団法人日本仮想通貨ビジネス協会(JCBA)など業界団体を通じても、改正法案や府令案・ガイドライン案に対する意見書の作成に関わっているそう。実態に基づく中立的な調査と合わせて、ブロックチェーン技術がいかにイノベーションを促進するかという両面を考えながら意見出しをしていく必要があり、難易度の高い渉外をしていると思います。

ところで、niwatakoさんがブロックチェーンをやろうと思ったきっかけは?「前職ではiOSアプリをつくっていたのですが、そこでは、おもなデータやロジックはサーバーにありました。ブロックチェーンなどのPeer to Peerのネットワークで動作する仕組みは、データやロジックが人から離れて空気のようにあるような、面白い仕組みになると思っています」。ブロックチェーンは特定の誰かが運営しているわけではないため、サービスだけでなく、あらゆる契約などにも適用できるのかもしれません。「誤解を恐れずに言えば、ブロックチェーンで実現できることは“人々の自立”につながると思っています。特定の企業や国家の管理に頼らなくてもよいシステムが実現できる」。

つまり…?「わかりやすい例を挙げるなら、人々の婚姻などを行政が管理しなくても2人が合意すればブロックチェーンの中で成立する世界ができるかもしれないということです」。なるほど!その世界を実現させるまでには、多くの課題をクリアしなくてはならないと思います。しかし、niwatakoさんから聞くと決して、絵空事ではないと思えてきました。

R4Dと東京大学が連携して「価値交換工学」に関する共同研究をスタートさせるとのプレスリリースがありましたね。「ブロックチェーンの登場により新たな価値交換や信用の形が生まれています。世界中の人々がフェアでスムーズな価値交換を行うことが可能な社会の実現を目指し、研究課題に取り組んでいきます」。

ブロックチェーン技術の発展はまだまだ必要としつつも、今後の新たな可能性について僕も大きな希望を抱かせてもらえました。niwatakoさんは ブロックチェーンを「すべての人が平等にアクセスできて、プログラムされたルールをみんなで動かし、お互いに検証し合いながら、記録を残す仕組み」だと捉えているのだそう。

「ブロックチェーンは、仮想通貨を実現しました。そして、仮想通貨だけでなく、今まで所有や交換が簡単ではなかったデジタルコンテンツや権利が、ブロックチェーンによって、所有し、世界中の人々と自由に交換することができるようになっています。いずれは、仮想通貨やデジタルコンテンツにとどまらず、物やサービスもブロックチェーンで扱えるかもしれません」と、未来を見据えるniwatakoさん。「今まで所有や交換を表現することが難しかった価値を交換可能する」ことで、豊かな社会を作るための仕組み化を目指しています。

アップデートが必要な行政の仕組みや課題解決にも繋がる技術だと感じました。niwatakoさんの当局への意見出しをはじめ、政策企画でできることもありそうで、僕自身も支援できることは積極的に連携していきたいと思います。

niwatakoさん、ありがとうございました!

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