「メルカリにおけるPMの役割」は変化した──現役メンバーらと振り返る過去と現在、そしてやりがい

プロダクトマネージャー(PM)の役割は広域かつ企業によってバラバラ。そのため「何をしているのか」が見えにくいところもあります。そんななかチラホラと聞こえてきたのが「メルカリPMってもうやることがないらしい」という声でした。

もちろん、そんなことはまったくないです!最近ではメルカリでの新規事業のほか、パートナー連携などもあるのですが…なぜそんな印象を持たれているのでしょうか?

今回のメルカンでは、メルカリPMである與田祐樹(@yoda)と川村俊輔(@shun_k)、円谷雄人(@u_gene)が登場。「もうやることがないらしい」への反論と「メルカリPMの役割の変化」を話してもらいました。

※撮影時のみ、マスクを外しています

この記事に登場する人


  • 円谷雄人(Yujin Tsumuraya、@u_gene)

    メルカリConnect UXチーム。新卒で株式会社VOYAGE GROUPに入社し、新人賞を授賞。その後ディレクションやマーケティング業務を担当。2010年に独立し、日本発の工芸品や作品を海外へ販売する事業をはじめ、フランスでも事業展開。2015年に帰国とともに株式会社ビズリーチに参画。2017年から株式会社メルカリにてプロダクトマネージャー(PdM)としてジョインし、新規事業やeKYC Projectのプロダクトマネジメントを経験。現在はアライアンス事業を担当している。


  • 川村俊輔(Shunsuke Kawamura、@shun_k)

    大学卒業後、ウェブリオ株式会社にて辞書プラットフォーム事業を担当。その後、博報堂コンサルティングにてブランディングのコンサルティング業務に従事。Product Strategyチームの立ち上げメンバーとしてメルカリに入社。現在はLogistics,及びCrossborderチームのマネジメントを担当する。


  • 與田祐樹(Yuki Yoda、@yoda)

    大手印刷会社系列のITベンチャーを経て、2011年にグリー株式会社入社。2015年に株式会社ファーストリテイリングへ入社し、PMとしてユニクロアプリやジーユーオンラインストアの開発を担当。2018年2月に株式会社メルカリ入社し、US版メルカリのPMを担当。その後、2019年7月よりJP版メルカリにてProduct divisionのマネージャーを担当。2021年1月よりBOにて新規事業プロダクトの開発を担当している。


「もうやることがないらしい」←なぜそう思われてしまったのか?

ー冒頭でも軽く触れていますが、ぶっちゃけメルカリでのPMって「もうやることがないんじゃ?」というイメージもあるようなんですが…?

@yoda:ちょっと待って、めちゃくちゃ「やること」はあります!

@shun_k:やることないどころか、やること“だらけ”ですよ!!

川村俊輔(@shun_k)

ーでは、なぜそんな印象を与えてしまっているんですかね?

@u_gene:もしかすると、メルカリ内におけるPMの役割が変化したから、そう思われたのかもしれません。

僕がメルカリへ入社したのは、2017年ごろ。当時、メルカリJP(JP版メルカリ)のPMは10人もいませんでした。「この人はグロース担当」「この人は新規機能担当」のように1つずつ案件を持っていて、それぞれが企画や改善点を出したり、デザイナーやデータ分析メンバーを巻き込んで機能開発していたんです。イメージとしては「1人につき1案件」のような感覚でしたね。あと、当時はCtoCとしてのメルカリを磨き込んでいたフェーズ。そのため、今のように社外のパートナーの方々と連動するプロジェクトもあまりありませんでした。

円谷雄人(@u_gene)

@shun_k:僕が入社した2018年ごろは、UK版メルカリ(2019年1月15日クローズ)を担当していた@keiさんがイギリスから帰ってきて、新しくチームをつくるタイミングでした。でも、そこで求められたのは@u_geneさんが話すPMとは少し毛色が違っていて。

というのも、僕がPMとして求められた役割は、プロダクトをつくっていくことよりも「あとにつながるような新規事業をつくりだす」でした。そのためには世界中にあるプロダクトのリサーチをするのが大事だったので、入社した直後にいきなりインドへ行き、次はオランダへ行き…みたいな生活をしていましたね(笑)。その後、らくらくメルカリ便のような機能を担当するLogisticsチームを発足させ、メルカリにおける「配送周り」をいかにスムーズにするかという課題に取り組んできました。

@yoda:僕は入社当初、メルカリUS(US版メルカリ)にいました。当時はメルカリでお買い物してくださるお客さまのUXをどう変えるかを考えたり、グロースの部分の施策を打ち出したりしていました。なので、プロダクトの課題やCSからの問い合わせを見るなど、メルカリの“中”に対する仕事が多かった記憶があります。そのほかにもメルカリを使ってもらうためのコンテクストを広げるため、お客さまご自身の売上金を使い、社会貢献が手軽にできるメルカリ寄付プロジェクトの立ち上げにも参加していました。

新規事業、パートナー連携の増加、PM業務の構造化

ー話を聞いていると、みなさんが入社した当時は「プロダクト開発中心」だったんですね。そんなPMの役割が変化したってこと?

@shun_k:そうです。そしてこれは、メルカリがすごい勢いで成長している証拠でもあります。例えば、配送関連だとヤマト運輸さまや日本郵便さまはメルカリとの連携でこれまでになかった配送を生み出してきた側面もあります。CtoCのマーケットプレイスを手がけるメルカリの発送の課題を解決することは、物流業界が抱える課題にコミットすることでした。その過程で僕らからもいろんな提案ができるようになっていきました。そうやってメルカリが成長・変化してきたからこそ、PMも前とは異なる役割が求められるようになった気がしますね。

@yoda:社内の開発体制も変化しましたよね。今のPMは以前のような「1人につき1案件」ではなく、チームで1つの案件を担当しています。会社の規模が大きくなるにつれて、今までPMが1人で頑張っていた仕事内容が構造化されて、役割分担できるようになったんです。ここは、以前に比べるとかなり変わった部分だと思います。

與田祐樹(@yoda)

@u_gene:@shun_kさんが話していたヤマト運輸さまや日本郵便さま以外のパートナー連携が増えてきたことも変化ポイントですね。今まではアプリの“中”を磨き上げることに力を注いでいたので、いわゆる“外”に関してはあまり着手できていなかったんです。でも今は、コンビニエンスストアのほか、NTTドコモさまのようなパートナーもいます。オンラインとオフラインを融合するOMO(Online Merges with Offline)の側面から「今何ができるのか」を考える必要がある。なので、アプリの“外”に対してもメルカリの体験を広げていくためにも、以前よりやることは増えている認識です。

ーでは、メルカリPMは「プロダクト開発」に加えて、パートナー連携のような「ビジネスをつくる」ところもリードするようになったんですね。

@shun_k:そうです。そして、我々3人は「ビジネスをつくる」側のPMということになります。「ビジネスをつくる」観点では、もともと3~4年前にメルカリがやっていたアプリのUIやUXの改善という部分に加え、今は外部との提携や新規事業の立ち上げもある。だからやらなきゃいけないことがかなり増えている。それは切に知ってほしいところです。

@yoda:あと、課題の掘り下げ方も変わってきていますよね。CSやお客さまに話を聞きつつ、メルカリの“外”にいるパートナーの方々や「まだメルカリを使ったことがないお客さま」にも話を聞いていかなくちゃいけない。そこから「どんな課題があるのか」「何を提供できるのか」を分析し、メルカリの価値をレバレッジさせていく。それも、今のPMに求められていますね。

「ビジネスをつくる」ため、メルカリPMは“三方良し”を目指す

ーメルカリPMは「プロダクト開発」「ビジネスをつくる」の大きく2種類があるということでした。みなさんは後者を担当するPMですが、具体的にどんな業務を担当しているんですか?

@u_gene:僕はおもにアライアンス事業を担当しています。具体的にはNTTドコモさまのようなパートナーの方々と一緒に、お互いが持つデータをかけ合わせ、お客さまにとってよりよいサービスを“三方良し”で出そうとしているんです。そのほか、関連する機能のUIやUXの設計もしています。

@yoda:僕は、メルカリとパートナーの方々がつながりやすくなる新規事業を画策中です。くわしいことはまだ言えないのですが…そのためのアーキテクチャ開発などを進めているところですね。

@shun_k:僕は先ほどもお話しした配送周りを担当するLogisticsチームと、2019年からスタートしたメルカリでの越境販売を担当するCrossborderチームのマネージャーをしています。

ー「プロダクト開発」「ビジネスをつくる」、それぞれに所属するPMの違いは?

@u_geneプロダクト開発を行うPMは、CtoCサービスの根幹に向き合っています。一方、「ビジネスをつくる」を担当するPMはアプリの“外”にあるお客さま体験を良くするミッションがある。そのために必要なUXもつくるし、パートナーの方々ともやりとりします。なので、PMとして向き合う方向が違うんです。

@shun_k:だからこそ、「ビジネスをつくる」を行うPMはパートナー・お客さま・メルカリでの“三方良し”が肝になる。プロダクト開発側のPMは「お客さまのためになること」が一番大事。僕らの場合は、それに加えて「パートナーの方々にとってのメリット」を追求していくことになります。メルカリというサービスに向き合う意味では同じですが、課題の解き方が少しユニークなんだと思います。

@yoda:僕は少し前にプロダクト開発側から「ビジネスをつくる」ほうへと異動してきたのですが、一番違いを感じたのは“視座”でした。PMは1つの領域を深く掘り下げるような仕事をするイメージもありますが、「ビジネスをつくる」に関しては周りの動向を見ながら掘り下げていくことになります。視座を上げていろんなところに興味を持たなくちゃいけないところも大きな違いですね。

PMの構造化によって生まれた新たな職種と関係性

@shun_k:話していて気づいたんですが、「PM」っていう名前が誤解を招く原因なのかもしれないですね。

ーPMという名前が?

@shun_k:そうです。一般的にPMとは、プロダクト開発の企画・進行を行う人を指します。でも、僕が今携わっている越境販売では、プロダクト開発を企画・進行しつつ、海外のマーケットプレイスとビジネス上の交渉や、法的な整備をしていたりします。僕のチームには弁護士のバックグラウンドを持つPMもいますが、越境プロジェクトにおいては異業種のスキルのバリューを存分に発揮できています。

@u_gene:掛け算的な要素は必要ですよね。世間一般のPMだと、分析やUXなどの得意分野があり、それをもとに様相が分けられる。けれど、「ビジネスをつくる」において活躍しているPMは「アーキテクチャは書けるけど、対外的な交渉ができて事業設計・事業開発もできる」みたいな人が多いです。

@shun_k:また、PMという役職1つだけでカバーできる範囲ではなくなりつつあります。そこで、メルカリグループではPMの役割を構造化。開発に一歩踏み込んで開発を進めるTPM(テックプロダクトマネージャー)や、機能開発とマーケティングの両輪を担うPMM(プロダクトマーケティングマネージャー)という役割も新たに誕生させています。なかでも、PMとPMMは連携することが多い。PM一人ではやりきれなくなってきた部分をPMMがやっているイメージです。

@u_gene複数人で組めるようにしたのは、PM業務の“成功確度”を上げたかったからです。新規事業をPM1人で担当すると、良くも悪くもそのメンバーの能力次第になってしまう。でも、複数の視点が加われば、想定以上のものを効率良くつくりあげられる可能性が高まります。そういった編成ができればとも考えていました。

@yoda:サッカーに例えると、チームにファンタジスタが一人いるよりは、いろんな専門領域の人がチームにたくさんいて、みんなでパスをまわしながら連携していくゲームになった感じですよね。

@u_gene:まさにそれです。構造化する前は、すべてをPMがやっていたわけなんですけれど(笑)。

メルカリPMが向き合うのは“社会や習慣を変える”プロダクト

ーそんなメルカリへ、PMとして飛び込むメリットは?

@u_gene:ダイナミックにインパクトを出せる仕事ができることですね。「ビジネスをつくる」に関しては、大手企業の方々と一緒にシナジーを生むことで、メルカリ単体ではできなかったことができるようになる。今後も、インパクトのあるプロジェクトが生まれてくると思います。

@shun_k:オンライン・オフライン問わずのインパクトで、正直今のメルカリほど大きいことに取り組める場所は、そんなにないと思っています。具体的には2020年、日本郵便さまとともに全国15万か所以上の郵便ポストから商品が発送できる「ゆうパケットポスト」というサービスをリリースしました。こういった新しい体験のデザインをやってこれたのも、着実に事業が成長しているからです。

実際に自分たちがつくったサービスを使うお客さまが日本中に何百万人といて、それを実感できることが、「ビジネスをつくる」側のPMとしての醍醐味だと思っています。Crossborderに関して言えば、それが世界規模になる。そういった意味では、ワクワクを感じられますね。

@yoda:PMとしてさらに階段を登っていくとするならば、適した環境ですよね。プレスリリースになるような大きなことに取り組める分、経営陣としっかりディスカッションできる必要があるなど、求められるレベルが上がりますが!そんなレベル感で大胆な施策を打てるのは、このチームでPMをやる醍醐味なのかなと思います。

今のメルカリPMでは、キャリアの代名詞になるくらい大きな取り組みができると思うから、そこに対して飢えている人にとってめちゃくちゃいいはず。自分が持つスキルとメルカリのコアバリューやリソースを掛け算し、レバレッジを効かせていく。そのためのアクションを起こせる人には合っているはずです。

@u_geneメルカリにとってアプリの“外”を充実させていく=社会課題にも向き合うことになります。SDGsも含めて、世の中が社会的に課題に感じていることを、メルカリを使って解決できる機会があります。そういったことに取り組みたい人にはけっこうおもしろいチャンスになりますよね。

@shun_k:ですね。インパクトだけを考えたら、世界のベンチャーと比べればメルカリはまだまだ小規模。これを日本国内だけでもっと大きくできる余地はあるし、越境を通じれば世界の何億人にも届けられる可能性がある。そういうところに興味や、やりがいを感じる人だったらいいのかもしれません。

@yoda:メルカリに触れるタッチポイントやコンテキストはもちろん、今後は社会貢献性のフックとしてメルカリを使っていただけるシナリオも増やしたいですね。僕が少し前に関わっていたメルカリ寄付プロジェクトでは、地方自治体や慈善団体の方々を巻き込み、役目を終えた商品を売ることでさまざまな社会課題に手軽に貢献できる体験を構築。そして、お客さまの利用のコンテクストを増やしてきました。

「ビジネスをつくる」におけるPMは、二次流通の世界を広げて新しい体験を構築し、社会を変えていくチャレンジを数多くできる。そこは、メルカリPMならではのおもしろさかもしれません。

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