同じ金融系サービス“だけど違う”、金融機関出身メンバーがメルペイでのギャップを書き出してみた

「メルペイ」はお客さまの大事なお金をお預かりするサービスということもあり、金融機関からジョインしたメンバーも多いのです。

な・の・で・す・が!

同じ金融系とはいえ、会社の風土や組織体制、仕事の進め方は異なる部分がたくさんあったはず。だからこそ、金融機関からジョインしたメンバー…なかでもリスクマネジメントや財務、法務・コンプライアンスなどのいわゆる“2線3線”に立つメンバーはギャップを感じていたのでは?

ということで、今回のメルカンではコンプライアンスやリスク管理を行う2線チームの岡田 瞳(@hitomi-o)、遠藤 衛(@Endow)、小林泰男(@yk1211)と、内部監査を行う3線チームの川崎洋子(@y-kawasaki)が登場。メルペイへ入社して驚いたことやよかったこと、課題に感じていることなどをスケッチブックに書いてもらいつつ、語ってもらいました。聞き手は、メルペイVP of Corporateの長利一心(@osari)です。

この記事に登場する人


  • 岡田 瞳(Hitomi Okada、@hitomi-o)

    メルコイン AML&金融犯罪対策チーム・マネージャー。ニュージーランド オークランド大学を卒業後、外資コンサル等を経て、2014年6月金融庁入庁。金融証券検査官として外国銀行在日支店のモニタリング業務等に従事後、2017年8月に暗号資産交換業のAML/CFTモニタリング担当に任命。モニタリング管理官・AML/CFT企画室長補佐・専門検査官として、暗号資産交換業者の登録審査、検査及び改善状況のフォローアップや、同業態に係るAML/CFT全般のモニタリング企画をはじめ、資金移動業者や地域金融機関のAML/CFTモニタリング等などに携わる。2021年3月にメルペイ入社。2021年7月より現職。


  • 遠藤 衛(Mamoru Endo、@Endow)

    メルペイ・メルコイン コンプライアンスチーム・マネージャー。早稲田大学法学部卒業。2007年三井住友銀行入行。法人営業部で勤務後、コンプライアンス部門にてコンプライアンス態勢の高度化や金融犯罪対策業務等に幅広く従事。その後、ネット銀行や信託銀行にて個人情報保護管理やAML/CFT・金融犯罪対策等の業務に従事。2018/11にメルペイに入社し、2020/1よりメルペイのコンプライアンスマネージャー。2021年7月より現職。


  • 小林泰男(Yasuo Kobayashi、@yk1211)

    メルコイン リスクチーム・マネージャー。慶應義塾大学経済学部卒業。2008年三井住友銀行入行。市場部門にて為替デリバティブトレーディングや市場リスク管理業務に従事。ニューヨーク駐在後、スティーブンス工科大学大学院計算機科学修士取得。2018年10月メルペイ入社。メルペイスマート払いの与信データ分析、管理会計業務に従事後、2021年7月より現職。


  • 川崎洋子(Yoko Kawasaki、@y-kawasaki)

    メルカリ内部監査室メンバー。米国公認会計士。ハワイ大学卒業(Accounting & Finance専攻)。2013年Ernst & Young, LLP (ニューヨークオフィス)入社。日系企業のアメリカ子会社の会計監査に従事。その後、EY新日本有限責任監査法人の東京オフィスにて財務会計アドバイザリー業務に従事。2020年1月メルカリに入社し以来、内部監査室に所属。主に財務報告にかかる内部統制の評価及び業務監査に従事。


  • 長利一心(Kazushi Osari、@osari)

    メルペイ取締役 VP of Corporate/メルコイン取締役。京都大学大学院航空宇宙工学専攻修了。戦略コンサルのベイン・アンド・カンパニー マネージャー、株式会社セガゲームス社長室長を経て、2018年3月メルカリ参画。ファイナンスIRグループ、リスク・コンプライアンスグループ、ガバナンスチームのコーポレート各所でメカニズム化やプロジェクトを推進したのち、2019年7月より経営戦略室(元会長室)ディレクター。2020年2月よりメルペイのHead of Corporateにて財務、経営企画、法務、コンプラ、リスクを管掌。2020年4月よりメルペイ取締役。2021年7月よりメルコイン取締役(兼任)。


「Outspokenな人が多い」「ありがとう&拍手」

 

@osari:みなさんは金融機関や金融業界出身です。同じ金融業と言えど、入社したばかりのころはギャップを感じていたと思うんです。そこで今回は、入社後に感じたギャップを率直に話してもらいたいです。まずはお手元に用意したスケッチブックに「驚いたこと」を5分で書いてください。それではスタート!

すぐに書き始めるメンバー、考えながら書き始めるメンバー、漢字を調べながら書くメンバー、そして「ありがとう」…?

@osari:では、書き出しが一番早かった@y-kawasakiさんからいきましょう!

@y-kawasaki:はい!私が一番びっくりしたのは「Outspokenな人が多い」ことです。例えば、先日行われていた人事評価制度のOpenDoor(オープンな場でチームメンバーと直接コミュニケーションをとる時間)。このときは人事が主催していたのですが、人事評価制度ということもあり、参加したメンバーは「これはこうした方がいい」と主張も多い。でも、人事メンバーはすべての意見に「そうですね」「検討します」と丁寧に応えていたんです。入社する前から周りの人たちに「メルペイは風通しのいい会社」と聞いていましたが、みんなの声が必要な部署に届いていて素敵だなと思いましたね。

川崎洋子(@y-kawasaki)

@y-kawasaki:そして私は今、メルカリで内部監査をしつつメルペイも担当しています。各グループのメンバーにヒアリングすることも多いのですが、みなさん透明性高く話してくれるのですごくありがたいんです。そういった風土がすでに確立されているのだなと感じましたね。

@osari:率直なご意見に拍手!

(一同拍手)

@hitomi-o:そうそう、私はこの「自然と拍手が起こる雰囲気」に驚いたんです!だから「ありがとう&拍手」と書きました!!

全員:おお〜!

みんなから拍手される岡田 瞳(@hitomi-o)

@hitomi-o:この会社では、メンバーもマネージャーも、本当に前向きな、いい方が多いなと思っています。どのような組織であっても、何か反対意見を伝えた場合に抵抗感を示す人はいます。でもメルペイでは、みんな、自身の業務や会社の態勢、そしてプロダクトを改善するための「一意見」として、フラットに捉えてくれます。なので、誰かが意見を述べると、たいていのメンバーが最初に「ありがとうございます」と感謝したうえで、自分の考えを伝えてくれる。この雰囲気に、当初は驚いていました。

@Endow:前職の金融機関では、コンプライアンス担当として時には厳しく接しなければいけなかったので、入社当初は雰囲気にギャップがあって驚いたのを覚えています。

@osari:それは、仕事に影響があるから?

@Endow:そうですね。コンプライアンス担当は、ルールや規制を敷いて、自分たちできちっと守ってみんなに徹底してもらう役割です。率先垂範しなければならない立場でしたので、自律した行動を心がけていました。

メルペイには、コンプライアンスを超えた企業カルチャーがある?

 

@osari:そんな@Endowさんが書いたのは?

@Endow僕が書いたのは「企業理念の浸透」です。先ほどお話ししたように、私は前職まで「コンプライアンスは自分たちが徹底するものであり、そうしなければならないもの」と常日頃から考えていたんですよね。でも、メルペイに入ってから考え方が少し変わりました。

遠藤 衛(@Endow)

@Endow:もちろん良し悪しはあるのですが、コンプライアンスを徹底するために厳格なルールを設定し、それを違反した場合の罰則を強化するというのも一つの方法ではあります。しかし、ルールや罰則が厳しすぎるあまり、ルール違反をしてしまった場合に違反事実を隠そうとする心理が働きやすくなり、結果として発見が遅れることにもなりかねません。

でもメルペイは守るべきルールは敷きつつも、「失敗しても、責めるのではなく失敗から学んで次に活かしていこう」という考え方がある。みんな同じ目的に向かって邁進していくカルチャーがあるおかげで、「仲間を裏切るようなことはしたくない」と自制心が働きます。もし失敗したとしても「きちんと報告してみんなで問題を解決して前に進もう」と思えるんです。そうすると、ミスやルール違反をしてしまったとしても隠蔽しようとはなりにくい。こうしたカルチャーが根付いているのは、ミッション&バリューがしっかり浸透しているからだと思っています。

@osari:@Endowさんは入社して3年ほど経ってますが、メルペイを含む、メルカリグループの企業理念の浸透やそれを維持できている理由は何か見えてきたりしましたか?

@Endow:経営層やメンバーが全社定例や日常会話で、自然体で「Go Bold」「All for One」「Be a Pro」と口にしていることが大きいと思いますね。もう一つ、人事制度の行動評価として「3つのバリューを体現しているかどうか」を評価基準にしていることもあるかもしれません。

@yk1211:それ、わかります!誰かに言わされている感じではなく、行動にもそれらのバリューが表れているのはすごいと思いました。

@osari:なるほど。そんな@yk1211さんが入社して驚いたことは?

@yk1211僕が書いたのは「事業フォーカス」です。飲み会でも、みんなが事業アイデアで盛り上がっていることに驚きました。続きすぎるとたま〜に疲れますけど(笑)。それだけ事業をつくりたいと思って入社してきた熱量高い人が多いと思いますし、僕も影響を受けていますね。

あとは、プロダクト開発を行うエンジニアやプロダクトマネージャー(PM)とのコミュニケーションの多さ!金融機関時代は公式な会議とかじゃないと他の部署と関わる機会はあまりなかったです。

小林泰男(@yk1211)

@Endow:同じくですね。むしろ、1線の飲み会には基本的にあまり行かないようにしていました。

@osari:へー!

長利一心(@osari)

@Endow:でもメルカリグループに入ったら、それじゃ駄目だと思いました。事業やそこの事業を動かしているPMの方々を知らないと、2線としての業務ができないことになります。2線は牽制役を担いつつも、1線でプロダクト開発を行うメンバーをサポートすることは大事な仕事だと思うので。

@osari:確かにメルカリグループは、業務ごとの壁は感じないですよね。基本的には横断プロジェクトみたいな感じで、部署ごとではなく横串の目標設定が前提になるから、横の人と一緒に仕事することがデフォルトなんですよね。

スピード感を持って事業を進めるための「最適解」を!

 

@osari:逆に、メルペイで課題に感じていることはありますか?先ほどと同じように、5分で書いてください!

再び書き始めるメンバーたち

@osari:では、今度は@yk1211さんから!

@yk1211:「準備、見切りスタートが多い」ですかね。これはメルペイ特有の「スタートアップ感」ならではだし、魅力でもあるのですが。特に、最近設立したばかりのメルコインでの新規事業では市場リスク管理、セキュリティなどの専門家がいないと、適切に要件定義しきれないこともあります。スピードとのトレードオフになっちゃうんですけど…。リリース間近で「ここが不足しているので再確認!」と手戻りすることがないよう、必要なリソースを定義したうえでプロジェクトをスタートしていくやり方を安定してできるようにしたいと感じていますね。しかし、がっちりさせてしまうと身動きをとりにくくなるので最適解を探りたいです。

@Endow:今の@yk1211さんの話ともけっこう似てるかなと思うんですけど、僕が書いたのは「先回り」でした。

前提として、世の中の動きや事業スピードはめちゃくちゃ速い。そのなかで、今後はプロジェクトが規制をクリアできているのかを瞬時に、そしてより適切に判断していくスキルが求められていると思っていますね。最近では、NFTの暗号資産の該当性などが議論されています。我々は、そういった時勢を先回りして運用していかないといけない。今まで以上にスピーディーに先回りして、情報をキャッチアップする必要があるんです。

@osari:@hitomi-oさんは?

@hitomi-o:私が書いたのは「too much trust」。メルペイには「Trust & Openness」という素敵な文化があり、社内の円滑な情報共有やメンバー間の心理的安全性を支えています。一方で、それが時として弱点にもなり得ると考えているんです。

@osari:いい文化のはずが弱点になっちゃう?

@hitomi-o:そうです。メルペイメンバー同士のプロとしての仕事に対する信頼はとても厚い。でも、「この人が解決してくれるだろう」と過度に期待してしまうと、なにか問題が生じた場合には、対応がこぼれ落ちてしまう恐れも生じ得るのではないかと感じています。「やってくれるだろう」ではなく、確認しあう体制はもっと強化してもいいと思いますね。

@Endow:人的リソースの問題もありますよね。だから、心のどこかに「自分がいいと言ったら、GOサインになっちゃう」という最後の砦的な気持ちはあります(笑)。

担当者不在で「浮いてしまった業務」をなんとかしたい

 

@osari:さて、最後に@y-kawasakiさんはどうですか?

@y-kawasaki:最後にぶっこむようなのですが…私は「業務ごとなくなる」です。

@osari:本当にぶっこんできましたね(笑)。

@y-kawasaki:あはは、正直ですみません(笑)。でも、これはとても解決したいポイントなんです。

というのも、異動などで担当メンバーがいなくなると、当然ながら「今誰が引き継いでるんですか」と聞くわけですが、「わかりません」と返されることもわりとよくあるんです。業務の継続性はもう少し高めたほうがいいという課題は感じます。人に業務をくっつけるのではなく、業務に人をくっつける組織にしていかないとですね。

@osari:そのために何が必要ですかね?

@yk1211:横入りして答えてしまうようなのですが、マネジメント層が一つひとつのタスクをしっかり把握していることは大事ですよね。「この人いなくなったら代わりにどういう人をアサインしようか」と、そのたびにしっかり考えられるような。

@osari:網羅的なアサインメントと、それを途切れさせない仕組みづくりですね。

@y-kawasaki:それはいいですね。あとは、引き継ぎなどで宙に浮きがちな業務に関しては、時間をかけて洗い出したいですよね。まとまった時間をつくって、みんなで集まって…。

@osari:確かに。僕も、引継書だけでなくストックすべきプロセスやノウハウを、規程やマニュアルにみんなで落とし込む必要があると感じています。「誰かにやってもらおう」と考えるより、まとまった時間で全員で取り掛かるほうがよさそうですね。

@yk1211:Hackweek(通常のプロダクト開発から離れて、​好きな開発を好きなチームと好きな場所で行う技術のお祭り)じゃないですけど、2線3線メンバーで課題を持ち寄り、必要なマニュアル作成に集中する期間を設けてもいいかもしれませんね。

@hitomi-o:ですね。もう1つ加えるなら、Slackで流れがちな情報もどこかにストックできるような仕組みも欲しいです。そうすれば新メンバーも概要を把握しやすくなることから、オンボーディングが早くなり、トータルでいい結果を生みそうですよね。

撮影時のみマスクを外しました

@osari:そして最後に!2021年7月から、@hitomi-oさんと@Endowさん、@yk1211さんはメルコインの2線3線チームのマネージャーになりました!積極採用募集中なので、気になる方はぜひ記事下の採用ページをチェックしてみてください!

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