プロデューサー、エンジニア、コンサルタント……多様なバックグラウンドを持つメルカリのデータアナリストって何者?

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メルカリのプロダクト改良をはじめ、経営や採用戦略など、さまざまな場面においてデータ分析やその理論を用いて課題解決に取り組む、メルカリのBI(Business Intelligence)チーム。「データアナリスト」と聞くと、数字を追い求める研究者のような印象を抱く方が多いのではないでしょうか。しかしメルカリのデータアナリストは、むしろその逆。プロデューサーからエンジニア、経営陣まで、あらゆる職種や部署と連携を図りながらプロジェクトを成功に導く重要な役割を担っています。

今回は、そんなBIチームから多様なバックグラウンドを持つ若手データアナリスト3名が登場。プロジェクトの意思決定にコミットするために彼らが意識していること、そしてメルカリらしいデータアナリストのあり方など、多岐にわたるテーマについて話し合った鼎談記事をお届けします。

多様なバックグラウンドを持つメルカリのデータアナリストたち

大橋:今回はBIチームの鼎談ということで、お互いのバックグラウンドや現在どのようなプロジェクトに携わっているかなどについて伺っていきたいと思います。とはいっても、ぼくはまだ入社して3か月しか経ってないので、今回は先輩であるお二人にいろいろと質問をぶつけていきたいと思います。よろしくお願いします!

松田:よろしくお願いします。いきなり逆質問ですが、大橋さんは前職までは何をしていて、なぜメルカリへ転職したのでしょうか?

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データアナリスト 松田慎太郎

大橋:……はい。前職は建設系のベンチャー企業でプロデューサーとして働いていました。CRMを使って自社サービスをグロースする仕事をしていたのですが、そのなかでデータ分析をすることがあって。膨大なデータを定量的かつ定性的な視点でアクションに落とし込む仕事が面白いと思ったんです。職場にデータアナリストがいなかったので、「どうしたらうまく解析結果がワークするんだろう?」と悩んでいたとき、樫田さん(BIチームマネージャー)に関する記事を目にする機会が多くあって。メルカリは大きなフレームワークをつくる人もいれば、実際に手を動かして分析をする人もいる。データアナリストとして経験が浅いぼくにとって知見を広げられる良い環境だと思って応募しました。お二人がメルカリに入社した背景も知りたいです。

松田:ぼくの前職はデータ分析のコンサルタント。データ活用を通じて事業成長を目指す企業に出向し、サービスの成長支援をしていました。転機になったのはメディア企業への出向ですね。そこでは広告配信のプロダクトをつくっていたのですが、改善するためにいろんな人と関わり、一緒にPDCAを回していて……部署や職種を横断してプロジェクトを進めることに面白さを感じたんです。その頃から、転職するときはIT系の事業会社にしようと決めていました。メルカリを選んだ理由は、サービスそのものに興味を持てたからということもありますが、複数のチームと連携が取れることも大きなポイントでした。あとは採用面接で「いまのメルカリは、かなりカオスですけど大丈夫ですか?」と言われて。正直な会社だなと、逆に好感を持てたんです。野中さんは?

野中:ぼくはディー・エヌ・エーという会社にデータアナリストとして働いていました。もともとエンジニアとしてキャリアをスタートしたのですが、すぐにデータアナリストに転身したんです。ソーシャルゲームのパラメータ設定を決めるのが仕事で、わずかな数字の変化によってユーザーの行動に大きな影響を与えられることにやりがいを感じていました。転機になったのは、ぼくも出向です(笑)。ディー・エヌ・エーの子会社に出向していたのですが、正しいことをきちんと主張すれば、誰でも平等にチャレンジできる環境がとても刺激的で。創業して間もないメルカリは、そういう意味で自分にとてもフィットしていると思い応募しました。

「こんな発想、ぼくには絶対できない」、データアナリストが互いの特徴を分析

大橋:お二人とも同じチームに所属するデータアナリストですが、それぞれ違う強みを持っている印象を受けます。松田さんは大きなフレームづくりが得意ですし、野中さんは目標や仮説の立て方が得意。そんなお二人が、お互いをどう評価しているのか、とても気になります。

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データアナリスト 大橋俊和

野中:難しい質問ですね(笑)。大橋さんがおっしゃっていたように、松田さんがつくるフレームワークは本当にすごいと思いますね。「こんな発想、ぼくには絶対できない」といつも驚かされるくらい。そして何よりロジカル。運転でたとえると、ぼくは一般道を走る普通のドライバー。松田さんはサーキットを走るF1レーサー……。そのくらいレベルの差を感じています。採用基準のフレームワークなんて、絶対に思いつきませんよ。

メルカン編集部:採用基準のフレームワークとは何ですか?

松田:BIチームの採用課題として、採用面接で重視するポイントが言語化されていないという課題があったんです。それが要因となって、一次面接と二次面接で同じ質問してしまったり、面接の引き継ぎに時間がかかるなど、採用活動に無駄なコストをかけてしまっていました。そこでぼくがつくったのが「アリストテレスフレームワーク」というもの。面接官が何を聞けばよいのか、何に注意すべきかなどを可視化した表です。

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松田さんが制作したアリストテレスフレームワーク

松田:ポイントは「素質」と「素質を獲得したタイミング」で分けているところ。素質は「ロゴス(論理)」「バトス(情熱)」「エトス(信頼)」の3つに分類しています。ちなみにこの言葉はアリストテレスが唱えた「人を説得するために必要な要素」から引用したものです。一般的なデータアナリストって、周囲とコミュニケーションを取らなくてもできてしまう仕事なんです。でもメルカリの場合は周囲に影響力を与えることも求められるので「エトス(信頼)」も素質に入れるなど、工夫を施しました。

・ロゴス(論理):他人を説得するだけの論理性を持っているか
・パトス(情熱):自社で熱意を持って仕事をしてくれる人物か
・エトス(信頼):周囲から信頼される人間性の持ち主か

松田:また、素質を獲得したタイミングは「先天」と「後天」で分けています。たとえばSQL(Structured Query Language )はBIチームにとって非常に重要なスキルですが、後天的に獲得できる素質ですよね。でも、物事を切り分けて考える力や関連性を導く力は後天的に獲得しづらいので、これらを先天的に獲得している方は、データアナリストとしての活躍の幅が広がるのではないかと思っています。このように「素質」と「素質を獲得したタイミング」に分類して考えると、面接官がどのポイントに留意すべきかが、ひと目でわかるわけです。

大橋:このフレームワークはチームにしっかり浸透し、多くの人が使っています。こんな風にあらゆることをわかりやすくフレームにできてしまうのが松田さんのすごさだと思いました。逆に松田さんは野中さんにどのような印象を抱いていますか?

松田:そうですね。会社がクォーターごとに目指す目標数値があるんですけど、野中さんはその数値を適切に分解してわかりやすく設定してくれるんですよ。「わかりにくいけど正しい目標」ではなく「わかりやすくて正しい目標」を出してくれる。会社が設定する目標は大きすぎて、どうしても具体的なアクションに落としづらいじゃないですか。そこを野中さんは、きちんとフェーズに分けて、いつまでに何をクリアするべきかを明確にしてくれるんです。しかも、キャッチーな言葉を使ってわかりやすく伝えてくれるため、エンジニアやプロデューサーにも自然と浸透するんですよね。野中さんは、まさにデータアナリストとして持つべき素質を獲得している方だと思いますね。

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データアナリスト 野中翔

野中:いや……これは照れますね(笑)。たしかに、わかりやすく物事を伝えることは強く意識しています。そもそもデータアナリストって「SQLを書く、数字とにらめっこしている人」というイメージがあると思うんですが、メルカリの場合はまったく違う。データ分析ができることに加え、意思決定にどれだけ貢献できるかが最も重要視されているので、プロデューサーやエンジニアと密に連携を取ることがかなり多いんです。なので、彼らとの共通言語をたくさんつくって、事業の課題や目標を明確にしたほうが、良いアイデアが生まれるんじゃないかと思っていて。まさにいま松田さんがおっしゃってくれたことは最たる例ですね。大きな目標を達成するために、具体的にどの数値を、どのくらい変化させなければならないか考え、各チームの戦略に落とし込むことで、計画的に成功へと導くことができると考えています。

BIチームのミッションは「意思決定のMAX化」

大橋:お二人ともバックグラウンドが異なりますが、現在の仕事に活かされていることはありますか?

野中:ぼくの場合は正しいデータを取得するための設計でしょうか。プロデューサーとエンジニア、そしてデータアナリストの3者で仕事をすることが多いのですが、お互いが曖昧に理解したまま仕事をすると、意図していない誤ったデータが取れてしまうことが往々にしてあるんです。そういうことは最小限に抑えていると思いますね。たとえば「このリクエストが飛んだタイミングで、このログを出してください」と細かく伝えることで、漏れのない正確なデータが取れています。使われないデータを出しても、誰も幸せになりませんからね。そのために、しつこいくらいヒアリングを行い、データを取得するための最適な手段を設計します。これもデータアナリストの役割だと思っていますし、エンジニア出身だからこそ、より強く思うのかもしれません。

松田:ぼくは何から着手すればいいかわからないカオスな問題や状態を整理し、解決に導くことでしょうか。

野中:松田さんらしいなあ(笑)。

松田:そうですか(笑)。でもコンサルのときの仕事といまの仕事は似ていて。新しいクライアントに何か提案しなければならないときに頑張る、あの感じというか…‥。情報が錯綜して何から手を付けていいかわからないときに、突破口を見出すことが好きなんですよね。そういう意味でコンサルのバックグラウンドが活かされているかもしれません。大橋さんはプロデューサーの経験が活かされていると感じますか?

大橋:ありますね。基本的には「顧客体験」を一番に考えるようにしていて。グラフィックや訴求文言においても顧客にとって良いか悪いかを判断軸にしています。プロデューサーというのは、プロジェクトやチームをゴールに向かわせることが仕事なので、絶対にブレてはいけない大きな軸を持って仕事をしているというか。職種は違えど、プロデューサー視点も理解したうえでディスカッションをするので、いろいろとスムーズに仕事を進めることができていると思います。お二人とも専門性を駆使して、周りに良い影響を与えている印象を受けます。バックグラウンドや能力に違いがある一方で、何か共通点はありますか?

松田:ぼくたちだけではなく、みなさん事業目線ですよね。メルカリは事業会社ですし、「ビジネスを発展させるために数字のファクトに基づいて分析をする人たち」というイメージを持っています。

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野中:ぼくも同じことを思いますね。そもそも事業をドライブさせる人と分析をする人の距離がとても近いんですよ。ぼくの入社当時はプロデューサーやエンジニアから依頼を受けて分析をしていましたが、いまでは自分たちで勝手に分析して逆提案することも増えました。

松田:だんだん考え方が似てくるんですかね(笑)。メルカリオフィスの座席配置も特徴的ですよね。BIチームのメンバーが集まっている島がなく、それぞれバラバラに座っていますよね。たとえば、ぼくは顧客満足向上を目指すチームの島にいるし、大橋さんはGrowthチームの島にいる。基本的にアサインされたプロジェクトの島にいるので、自然とコミュニケーションが生まれ、解決の糸口も見つけやすくなるのかもしれませんね。

大橋:分析したデータが意思決定につながるまでのスピードの早さも、プロデューサーやエンジニアとの距離の近さが要因になっていると思います。両者に理解や認識の差がなく、常に需要と供給がマッチしている。だからこそPDCAのサイクルがものすごいスピードで回っているのではないでしょうか。

松田:BIチームのミッションは「意思決定力のMAX化」です。意思決定の支援に役立つことが最優先業務であって、決してデータを使うことが目的ではない。BIチームがコミュニケーションを大切にするのは、そういう意図があるからじゃないですかね。

企業と人に貢献できるデータアナリストでありたい

大橋:メルカリに入社後、とくに印象に残っている取り組みはありますか?

野中:成果と言えるかわかりませんが、ぼくの作成した資料が会社の経営戦略に反映されていたことですね。たとえば、US mercariがより大きな成功を収めるためには「このような状態にならないといけないので、この数値を重要な目標にしたい」ということをBIチームとして主張し続けていたんです。BIチームが設立されて2年が経ちますが、そういった活動を通して、いまではPMから経営陣まで、誰もが意思決定の際にサポートを求めてくれるようになったのは嬉しいことですね。

松田:ぼくも野中さんと似ていて、みなさんが相談相手としてぼくを選んでくれることに成果を感じます。意思決定をすることって、人にとって大きなストレスになるんですよね。ケースによっては会社の方針を大きく変えてしまうような意思決定もある。そんなときに有効な相談相手としてぼくを選んでくれるというのはとても光栄なことだと感じています。

大橋:では最後にデータアナリストとして、今後の展望を教えていただけますか?

野中:今後のキャリアとして明確な目標はないんですけど、探求してみたいテーマはあって。たとえばメルカリのビジネスって、実はなぜ成功したのか明らかになっていないんですよ。再現性がないと言われる要因は何なのか、データアナリストとして探求してみたいと考えています。そもそも「売り手」と「買い手」がいるプラットフォームサービスって面白いですよね。プレイヤーが多いほうが取り扱うデータも増えるので、その分やりがいも生まれますし。

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大橋:ぼくも「売り手」と「買い手」がいるCtoCのマーケットプレイスが、こんなに難しいんだと痛感しています(笑)。購入するお客さまにとって良い施策でも、出品してくださったお客さまに悪く働くケースもある……しっかり検証しないと良い施策とは言い切れないですよね。松田さんはいかがですか?

松田:仕事のやり方として、もっといろんな人と連携した取り組みをしたいですね。ぼくたちが出した分析結果をパスして終わりではなく、それを使って具体的にどのようなアクションにつなげるべきかまで一緒に考えるというか。それによって分析に対する意識や文化を醸成できたらいいですよね。会社全体で分析の知見を貯めることでプロダクトだけでなく、チームビルディングの改善にも役立てられるかもしれない。部署の垣根を超えて、データアナリストとして何ができるのかを考えていきたいと思います。

大橋:今日は先輩方からいろいろな話を伺えて、大変貴重な機会となりました。これからもBIチームからメルカリを盛り上げていきましょう。引き続き、どうぞよろしくお願いします!

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プロフィール

松田慎太郎(Shintaro Matsuda)
2016年7月にメルカリ入社。US版mercariのマーケティング / Growthの分析を担当後、JP版メルカリのカスタマーサービス / 顧客満足度に関する分析を担当する。メルカリへ入社する以前は、株式会社ブレインパッドでデータサイエンティストとして広告、化粧品、メディア事業における分析を担当していた。

野中翔(Sho Nonaka)
2016年4月にメルカリ入社。JP版メルカリにおけるデータ分析業務を担当した後、US版mercari向けのデータ分析担当となる。プロダクト改善のための企画支援から事業の戦略策定サポートまでを担当。メルカリへのジョイン以前は、新卒で株式会社DeNAに入社し、ソーシャルゲームのパラメータデザイン、メディア事業におけるデータ分析業務等を行なっていた。

大橋俊和(Toshikazu Ohashi)
2018年5月にメルカリ入社。US版mercariのデータアナリストとして、プロダクト改善の企画支援、UX戦略策定サポートを担当。メルカリへのジョイン以前は、KLab株式会社でスマートフォン向けゲームタイトルのプロデューサーや折衝部門でリサーチ業務に携わり、建設系ベンチャー企業ではデジタル広告、CRM運用や顧客ナーチャリングを行うための分析を担当していた。


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