「リスク管理を通して企業のプレゼンスを高める」メルペイ・今西重明の挑戦

f:id:mercarihr:20180912170844j:plain

「リスク管理」という言葉を聞いて何を想像しますか? 組織や事業において不利益を被る蓋然性と向き合い、ときには緊張感を持って社内を厳重に取り締まる。そんな「守り」のイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。しかし、それだけがメルカリグループの考える「リスク管理」ではありません。企業の価値やプレゼンスを高める、いわば「攻め」のための後方支援を担うというミッションも持っています。

今回お話を伺ったのは、メルカリグループにリスク管理担当としてジョインした今西重明。メガバンクグループ、金融コンサルティングファーム、行政など、さまざまな立場からリスク管理に携わってきたスペシャリストです。そんな彼が、メルカリグループを次なる挑戦の場として選んだ理由はいったい何なのでしょうか。およそ19年にも渡るキャリアを紐解きながら、ネクストチャレンジに懸ける想いを伺いました。

メガバンクグループ、金融コンサル、行政。異なる立場から見るリスク管理の役割

ーメルカリグループ1人目のリスク管理担当者として入社した今西さんですが、まずはこれまでの経歴を教えていただけますか?

今西:大学院を修了後、第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)に入行しました。投資銀行業務を行う部門に配属となり、主に「証券化商品」という金融商品の組成を通じた事業会社の資金調達のサポートや機関投資家向けの金融商品の組成をしていました。それらの業務に延べ10年程度従事したあと、リスク管理のキャリアを歩みはじめたんです。

ー「リスク管理」とは具体的にどのようなことをするのでしょうか。

今西:一口に「リスク管理」といっても、「信用リスク」や「市場・流動性リスク」、「オペレーショナルリスク」など管理するべきリスクの種類は多岐にわたります。一言で表すとすれば、「経営の健全性や安定性を担保しつつ、企業価値を高めていくために、業務上対処するべきリスクを監視・コントロールすること」とでも言いましょうか。金融機関ですので、当たり前ですが損失を被るリスクは極小化する必要があります。組織のなかに潜在するリスク要素を洗い出し、定量・定性的に可視化した後、一つずつ処置を施し、その状況を継続的にモニタリングする役割がリスク管理の大まかな仕事内容です。

f:id:mercarihr:20180914191451j:plain
リスク管理担当 今西重明

ーなるほど。そもそも大学院修了後、なぜ銀行に入行しようと思ったのですか?

今西:大学院の先輩が第一勧業銀行で活躍している姿を見て、「かっこいい。自分もここで挑戦してみたい」と純粋に思ったのが最初のきっかけですね。実は、「一休.com」を運営している株式会社一休の榊社長がその先輩で(笑)。大学院生時にインターンに参加させていただいたのですが、榊さんは入行2年目の当時から大活躍されていたんですよ。また、当時は「金融工学」という言葉が日本に浸透しはじめた頃で、解析学や統計学の知識を持つ学生を銀行が積極的に採用しはじめた時期でもあったんです。数理モデルを用いた金融商品を組成するほか、リスクマネジメントのためのツールとして利活用する取組みが本格的に始まった頃でした。

ーとはいえ入行後は、いわゆる支店業務からキャリアをスタートするわけですよね?

今西:大学院まで数理科学を専攻していたので、専門職として採用されました。理系の院卒とはいえ、まずは支店業務からスタートするのがそれまでの銀行のセオリーだったのですが、第一勧業銀行は新卒から即戦力として、専門部門に配属していました。

ー希望通りの部門に入ることができたんですね。金融商品の開発に携わったのちにリスク管理部門へ異動するきっかけは何だったのでしょうか?

今西:グループ会社のみずほ証券でオペレーショナルリスク管理態勢の高度化に向けたプロジェクトに参加したのがきっかけです。それ以前にプライマリーマーケット、セカンダリーマーケット双方で業務をしていた経験があったので、そのプロジェクトに参加することになったんです。オペレーショナルリスクは全社的に発生する多様なリスク事象を取扱うので、リスク管理の観点で会社全体の最新の状況を把握する立場になりました。担う役割は大変重かったですが、その分やりがいを感じることができましたね。

f:id:mercarihr:20180914191440j:plain

ー銀行を退行したあと、金融コンサルティングファームに転職しますよね。

今西:リスク管理を深めていくなかで、各金融機関のリスク管理状況がどのようなものであるかについて関心を持ちはじめたんです。そこで、ガバナンス・リスクやコンプライアンス、内部監査など幅広い分野を扱うコンサルティングファームに転職しました。そこから金融庁監督局に出向する機会をいただき、リスク管理に関する国際規制の担当となり、金融機関と対話する事務を担当していました。

ー金融庁では具体的に何をしていたのでしょうか?

今西:銀行の与信機能に直接紐づく「信用リスク」に関する監督業務や、ビジネス推進に関連して発生し得る事務リスクやシステムリスク等の「オペレーショナルリスク」に関わる業務を担当していました。メガバンク、地方銀行と多くの金融機関の方々とコミュニケーションさせていただきました。

ー現場レベルの実務を知る金融機関、第三者機関であるコンサルティングファーム、そして監督官庁……金融業界に携わるすべての立場を経験したわけですね。

今西:すべてのポジションに関われたことは、私のキャリアに大きな影響を与えています。同じリスク管理とはいえ、金融機関では現場実務を学べましたし、コンサルティングファームでは現場では知り得なかった第三者的な観点を学べました。また、監督官庁では、金融機関の幅広い取り組みに触れることができました。特に金融庁では大きなプレッシャーを抱えながらも、責任ある立場としてやりがいを感じながら業務を遂行することができました。なかなか言葉にするのは難しいですが、それぞれの立場や考えに触れたことで、より深い金融やリスク管理の知識を得られたと思いますね。間違いなく、今の自分の糧になっている実感があります。

f:id:mercarihr:20180914191447j:plain

メルカリグループ全体のプレゼンスを高めるために

ーそんなリスク管理のスペシャリストとしてキャリアを歩んできた今西さんですが、次なるチャレンジとしてメルペイを選ばれました。そもそもメルペイに興味を持つきっかけは何だったのでしょうか。

今西:金融庁に出向していた当時から、フィンテックの動向はずっと気になっていたんです。また、メルペイの「信用を創造して、なめらかな社会を創る」というミッションに強く共感したことが入社を後押ししました。当然の話ですが、金融機関はお客さまの大切なお金を取扱うのでリスク管理には徹底的に取り組まなければいけません。メルペイも既存の金融機関と同様にリスク管理は必ず必要になるだろうと。フィンテックは徐々に日本の生活に馴染みつつある一方で、まだまだ未整備な部分が多いと思っています。

ーたしかに、金融機関としてリスク管理態勢を強化するのは当然のことと言えますね。

今西:おっしゃる通りです。メルカリグループの事業形態は多角化してきています。複数の事業を展開している企業だと、すべての事業を俯瞰的に把握することが極めて困難な状況になるんです。「事業構造がどうなっているか」「事業に影響を与えるリスクファクターは何か」などを、しっかり認識することによって収支計画が本当に達成できるのかどうかの判断ができる。そこの部分で、私にも何かできることがあるのではないかと思い、メルペイへの転職を決意しました。

ーメルカリグループは組織のあり方について「性善説」を大切にするなど、メンバーを信用・信頼するカルチャーが根付いていますが、この点についてリスク管理としてどのように向き合うべきでしょうか……?

f:id:mercarihr:20180914191444j:plain

今西:そうですね(笑)。リスク管理部門の立場から正直に言うと、私は「性善説」の逆サイドにいるべき人間です。あえて言うならば「嫌われ役」を自ら買う場面も今後は多く発生すると思います。そもそもリスクというとマイナス、いわゆるダウンサイドだけをイメージしますが、それは違います。「どのようにして損失を極小化し、収益の極大化につなげ成長していくか」という観点で捉えることが大切なんです。メルカリが世界を股にかけるグローバル企業に成長するためには、間違いなく必要なファクターだと思っています。

ーリスク管理とは企業のプレゼンスを高めるための役割も担っているんですね。

今西:そうですね。とはいえ、リスク管理と聞けばメンバーのみなさんも構えちゃいますよね……(笑)。担当者としては、グループ全体のプレゼンスを高めるための意識を持って取り組んでいますが、はじめてコミュニケーションする際は、拒絶反応が出て当然だと思います。しかしメルペイは、その壁を乗り越えて、はじめて金融機関として歩みはじめることができるのではないかと考えています。

ーリスク管理態勢を整えることは信用を築くためのものでもありますからね。ここでズバリお聞きしますが、今西さんにとってどんな人がメルペイのリスク管理職に向いていると思いますか?

今西:一言で表すのは難しいですが、できれば金融機関のなかでリスク管理やコンプライアンスなど、実務を経験してきた方が向いていると思います。管理部門でも構いませんが、できる限り会社を俯瞰的に見てきたような経歴のある方だと良いですね。現在はゼロからイチをつくるフェーズなので、主体的にリスク管理のPDCAを回してきたプレイヤーがフィットすると思います。

ーでは、最後に今後の展望を教えてください。

今西:金融機能を持っているメルカリグループとしてのプレゼンスを高めるためには、これからのリスク管理部門はとても重要な役割を担うことになります。メルカリ、メルペイだけではなく子会社のソウゾウも含め、さまざまな会社や事業が立ち上がっているので、それらに深く関わっていきたいですね。銀行やコンサル、行政での経験や人脈を活かしながらメルカリグループに貢献していきたいと思っています。

f:id:mercarihr:20180914191455j:plain

プロフィール

今西重明(Shigeaki Imanishi)
慶應義塾大学大学院理工学研究科修了。1999年4月、第一勧業銀行(現みずほフィナンシャルグループ)入行。金融商品開発、リスク管理業務に従事。その後、プロティビティ合同会社より官民人事交流で金融庁監督局に出向し預金取扱金融機関の自己資本比率に関する国際規制を担当。2018年リスク管理担当としてメルペイに参画。

関連する募集職種

mercari - Jobs: Risk Management/Compliance Specialist - Apply online