「お客さまの声は資産」メルカリが生んだカスタマードリブンな開発体制

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「お客さまの声を顧客体験向上につなげたい」。これは、フリマアプリ「メルカリ」に寄せられるお問い合わせや取引メッセージ監視、トラブル対応などを日々行うカスタマーサービス(以下、CS)が考え続けてきたミッションでした。そんなCSで2018年5月、メルカリ内での取引データやお問い合わせ内容を分析し、プロダクト開発をサポートするCS Product(以下、CSP)が誕生。CSPは3つのチームに分かれ、プロダクト開発をCS視点でサポートしています。

Kaizen・・・フリマアプリ「メルカリ」のプロダクト開発を行うチームの機能開発のCS側サポートと、「CS Business Intelligence」や「Technical Support」と連携したCS起点でのサービス企画・開発を行う。



CS Business Intelligence・・・CSでの運用やパフォーマンスからデータを検出し、KPI策定やボトルネック分析などを行う。そしてCSグループ全体をデータ面からサポートする。

Technical Support・・・新機能リリースや障害関連のお問い合わせに対応し、プロダクト開発を行うチームにフィードバックする。

メルカリではリリース当初からCSを重要視し、お問い合わせ対応などを通じて顧客体験向上に注力してきました。しかし、なぜこのタイミングでCSP体制を構築させたのでしょうか。そして、この体制ができて約3か月経った今、お客さまに最も近いポジションでは、どのような開発サポートが行われているのでしょうか。CSP内のチームであるKaizenの大野木達也さんとCS Business Intelligence(以下、CS BI)の松田健さんに話を伺いました。

CSを重要視するメルカリだからこそ実現した体制

ーメルカリではCSを重要視し、顧客体験向上に注力し続けてきました。なぜこのタイミングでCSPという体制が誕生したのでしょうか?

松田:メルカリは組織もサービスも日々成長し続けています。それに伴い、当然ながらお客さまによるお問い合わせ内容や行動ログなどのデータも増えていきます。そのなかには、顧客体験をより向上させる貴重なデータが多く眠っているんです。そこで、CSに蓄積されたお問い合わせ内容やお客さまの行動ログを「資産」として活用し、フリマ体験をより感動的なものにするための体制としてCSPが設立されました。

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CS Business Intelligence 松田健

ーこれまでもCSはプロダクト開発による新規機能や仕様変更によるお客さま対応をしていましたよね。あえてCSPという体制にしなければならなかった理由は何だったのでしょうか?

大野木:CSはプロダクト開発とともに、メルカリのミッションである「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」を目指しています。しかし、「ものづくり視点」と「お客さま視点」の視点がやや異なっていて、両者の会話がうまく噛み合わないこともありました。プロダクト開発では、機能変更に直接関係するCSに新機能や仕様変更についてヒアリングしたうえで開発を進めていましたが、お客さま対応や取引メッセージの監視、トラブル対応などをしているCSの運用フローはとても複雑で……。CSの一部チームへのヒアリングだけで、新機能や仕様変更によるお客さまへの影響を把握するのは難しいものでした。

ー運用フローや視点の違いが、双方の負担になっていたんですね。

松田:そうです。CSには日々、お客さまから「メルカリはこうあってほしい」という声が寄せられます。そういったご要望をもとに我々から機能改善の提案をすることもありました。しかし、お客さまの声は多種多様。そのなかからCS・プロダクト開発の双方で「これはサービス改善の種だ」と思われる声を探し出すのは至難の業です。

大野木:そもそもプロダクト開発では「それによってサービスにどんなインパクトを与えるのか」が求められます。しかし、お客さまから寄せられた声は数値などに落とし込みにくく、プロダクト開発側へ提案しようとしても「機能に反映した場合、具体的にどういった効果が得られるのか」を我々からちゃんと伝えきれないことがありました。

松田:そうですね。プロダクト開発側でもお客さまの声を機能に反映したい気持ちはありつつ、決定打となる数値がわかりにくいため優先順位を上げにくい現状があったんです。

メルカリの「場の力」を向上させるKaizen、CS BI

ーCSP体制になってから約3か月経ちました。今、Kaizenでは具体的にどういった業務をしているのかを教えてください。

大野木:Kaizenのミッションは、プロダクト開発のパートナーとしてお客さま目線でのサービス改善や新機能企画などを行うことです。そのため、お客さまの「メルカリはこうあってほしい」というご意見やご要望をとりまとめ、常にフィードバックしていますね。それに加え、プロダクト開発とCSの架け橋になり、コミュニケーションをスムーズにする役割もある。先ほどもお話ししたように、プロダクト開発とCSは視点が少し異なるため、コミュニケーションがちぐはぐしてしまうことがあるんです。Kaizenは双方のギャップを埋め、お互いの目線合わせをする役割も担っています。

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Kaizen 大野木達也

ーKaizenができ、どういったことが実現できているのでしょうか?

大野木:Kaizenがプロダクト開発のパートナーになれているということ。それにより新機能や仕様変更でのお客さま対応やリスクを想定して、開発側の負担を軽減しました。CSでは常にお客さまの声を受け取っているので、それをもとにプロダクト開発側へのより正確なフィードバックもできるようになりました。最近では「そもそも何を基準にサービス改善をしていくのか」という指標づくりのために「NPS(Net Promoter Score、顧客の製品、サービスに対するロイヤルティやエンゲージメントを測る指標)」も導入しました。お客さまに「どういった項目」で「どのようにアンケートを実施するのか」を計画し、サービスの改善に活かしています。

ーCS BIではどういった業務をしているのでしょうか?

松田:CS BIではデータサイエンティストやデータアナリストと同様のスキルを用いて、先ほど大野木さんが話していたNPSなど、CSに特化したデータ解析を行います。メルカリは客さま同士で取引できるプラットフォームサービスです。CS独自のBIチームがあるということは、よりお客さま目線の開発やフィードバックができると考えています。また、CSの運用フローは複雑なので「データ上ではここが良くない」とわかっていても、実際にどこに問題があるのかを発見できないケースがよくありました。データ分析を反映させるには、CS業務がわかっているメンバーが必要です。

ー「CS視点×分析」に注目した理由は何でしょうか?

松田:メルカリがCtoCサービスとして今後世界で戦っていくには「場の力」を高めることが必要不可欠です。ここで意味する「場」とは、お客さま同士による売買でのコミュニケーションを指しています。メルカリでは魅力的な商品がたくさん出品されていたり、出品したものが売れたりすることでポジティブな顧客体験が循環されます。場の力が高まることによって、より長くメルカリのサービスを利用してくださるお客さまが増え、まだ利用したことのない方へもアプローチできる。

ー場の力がサービスのファンをつくるのですね。

松田:当然ですが、顧客体験が損なわれると、場の力は弱まります。お客さまにとって安心安全に気持ち良く使っていただくことが、メルカリの世界への挑戦を大きく左右します。これを実現するために、メルカリはリリース当初からCSを重要視し、顧客体験向上に注力し続けてきました。CSPが誕生したことで、顧客体験向上への勢いはさらに増していると感じています。

「カスタマードリブンな会社といえばメルカリ!」を叶えたい

ーCSPはCSとプロダクト開発の間にいることもあり、やりとりするメンバーも多岐にわたるイメージがあります。

松田:そうですね。CSPはCSだけに限らず、一緒に仕事をするメンバーは幅広いです。プロダクト開発をはじめ他チームとはもちろん、東京や仙台、福岡など離れた拠点ともコミュニケーションすることが多いですね。すれ違いも起こりやすいので、月に1度は直接顔を合わせる機会をつくっています。

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ーKaizenとCS BI、それぞれどのような人が合っていると思いますか?

大野木:CSPではどのメンバーもプロダクト開発のパートナーとして、お客さまと接する機会が多いチームへのヒアリングを重ねながら、CS視点で開発を進めています。Kaizenで求められるスキルを上げるなら、プロジェクト管理やWeb・アプリ開発経験に加え、メンバーやチームの間に立って仕事を進めるためのコミュニケーション力もあるといいですね。

松田:コミュニケーションの話では、CS BIも同様です。強いて言えば、CS視点とデータ分析をかけ合わせたスキルでしょうか。エンジニアリング関連のスキルより、SQLや統計学などの知識があるといいですね。BIツールは誰でも触れるように整備されているものが多いので、自分自身で調べつつ、考え続けることが大事。特に生のデータを触るためのSQLは必須だと思いますね。

ーCSPを通じて、お二人が実現したいことはありますか?

大野木:僕がCSPを通じて叶えたいのは「カスタマードリブンな会社といえばメルカリ!」と世間から認知されることです。CSという視点を持ちながらサービス改善や新機能開発などを進めるCSPには、それを実現できる可能性があると思っています。

松田:KaizenとCS BIで進めているのが、NPSなどを活用したデータ分析。お客さまの「声」を定量化するのは難しいけれど、行動ログから分析していくことは可能です。CS視点をカスタマードリブンからデータドリブンに切り替えることで、お客さまの声をプロダクト開発チームへ届けるようにしていきたい。CSPは今、お客さま視点でプロダクト開発、改善をサポートする体制を構築している最中です。これまでのプロダクト開発と同様、ゆくゆくは企画から開発まで実行できる体制を実現したいですね。

プロフィール

大野木達也(Tatsuya Oonogi)
前職ではサービス開発チームのマネージャーとして、おもにチャットボットプラットフォーム事業を推進。CSからサービス改善に寄与すべく、メルカリにジョイン。メルカリではKaizenにてNPS導入のプロジェクトなどを主導している。


松田健(Ken Matsuda)
元楽天、元ミュージシャンという異色の経歴を持つ。楽天ではオークションサービスの立ち上げに関わり、ユーザー監視などを経てメルカリにジョイン。メルカリ入社後にSQLを独学で習得し、CS-BIを率いる。

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