個人の学びをチームの学びへ。メルカリ流異文化コミュニケーション施策

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はじめまして、Global Operations Team(以下、GOT)のHironaです。

突然ですが、みなさんのチームに国籍や文化、言語が異なるメンバーがいたとしたら、お互いを理解し合うためどのようなことをしますか?

私が所属するGOTでは、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーがGo Bold(大胆)に働ける環境をつくるため、通訳や翻訳サポート、言語学習プログラムの開発のほか、Diversity & Inclusion施策(組織内の多様なメンバーが対等に関わり合うための制度づくり、人材開発)などを行っています。

そのなかで、私は多文化・多国籍なメンバーがお互いを理解し、気持ちよく働くための異文化コミュニケーション施策を担当。今年9月からはメルカリCEO室のJasperとともに、新たな異文化コミュニケーション施策として「Intercultural Team-building」(以下、ITB)を導入しました。さっそく、今回のメルカンでITBの紹介をさせていただきます。

「個人の学び=チームの学び」になる施策とは?

メルカリでは創業当初から海外採用をスタートさせていたこともあり、入社したメンバーのオンボーディングも含め、相互理解を深めるためのさまざまな施策をしていました。

しかし、相互理解は一朝一夕で深まるものではありません。また、コミュニケーションにおける良い・悪いは主観によるものが多く、個人の学びになったとしても、それがチーム全体に反映されるわけでなかったのです。そのため業務全体に対する効果が低く、研修自体をスケールさせることや社内でのモチベーション維持はメルカリでも常に課題でした。

異文化コミュニケーション研修で得た「学び」を、個人だけでなくチームにも反映されるようにしたい。かつ、研修自体もどんどんスケールさせていきたい。そこで、デザイン思考でさまざまな問題を解決するUX ResearcherでもあるJasperに協力を要請。Jasperの「どのようにチームをよりよくできるのか」「いかに生産的なチームにするか」という視点と、私は「多文化・多国籍チームで、効果的・効率的かつ気持ちよく働けるチームをどう定義するか」という視点をコラボレーションさせ、課題解決に取り組むことにしました。そして誕生したのが、異文化コミュニケーションとチームビルディングをかけ合わせたITBだったのです。

ITBの特徴は、チームビルディングであること

ITBではチームごとに分かれ、次のような流れでワークショップに取り組んでいきます。

・ワークショップ直前までに「どんなチームになりたいか」を考えておく
・ワークショップを実施
・ワークショップ後、それぞれのチームで「どう取り組めたのか」「コミュニケーションで何が引っかかったのか」を話し合う

ITBの特徴は「チームビルディングであること」「参加するチームにあわせてワークショップの内容が変わること」。ちなみに、ワークショップの内容はITB当日まで秘密。誰も全容を知らない状態でのスタートは、メンバーが協力しながら取り組む環境を生み出します。

もう1つ大事なのが「体験の意味付け」。ワークショップ直前までに「どんなチームになりたいか」「そのためにどんな戦略を用いてミッションに取り組むか」を話し合ってもらいます。そうすることで、ワークショップでの一つひとつの動きが意図的になります。

ワークショップ終了後は、チーム内でのやりとりを振り返ります。お互いの貢献度や強み、弱み、関係性などを洗い出し、改めて「今後、チームとしてどのように活動したいのか」を話し合います。そして、ワークショップは終了です。

第1回目は「誰もつくったことがない料理」に挑戦!

記念すべき第1回目は、メルカリiOSチームが参加。4チーム(計16名)にはどのメンバーもつくったことがないであろう料理レシピを手渡し、挑戦してもらいました。完成形の見本写真は1人30秒しか見せなかったので、これにはさすがにメンバー全員がざわざわ……。限られたリソース(時間と視覚情報)を駆使して、料理に挑んでいました。

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「誰もつくったことがない料理」に挑戦する、メルカリiOSメンバー

調理中は「おたまはどこですか?」「材料はほかのチームと分け合うのですか?」とさまざまな質問がファシリテーター役として参加していた私やJasperに飛んできます。しかし、私たちに言えるのは「自分たちで解決してください」だけ。わからない問題こそ、迷いながら、困りながら、みんなで解決する必要があります。今回に限ってはブレーカーが落ちて炊飯器が一時使えなくなるなどのトラブルもありましたが……(笑)。このプロセスにこそ、お互いのバックグラウンドを理解し合うためのコミュニケーションが詰まっています。

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料理を食べたあと、さっそくこれまでのやりとりを振り返ります。料理(WHAT)を完成させるミッションを完遂させるためのプロセス(HOW)に対する思いなど、ここではプロセスだけでなくお互いに気づいたことなども話し合います。

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調理でのやりとりを振り返る

こうして研修は終了。実際に参加したメンバーからは「共同作業のためのコミュニケーション・言葉の壁は感じたが、文化的な違いについては余り感じなかった」「実際に起きる問題を体感できるので、座学より圧倒的にいい。お互い言葉的に歩み寄るシーンが多く見られて、コミュニケーションの障壁が少し減った」など、前向きなフィードバックをもらうことができました。

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最後は全員で記念撮影!

ITBの目的は、学びのエコシステムをつくること

ITBの目的は、メンバーそれぞれがお互いのバックグラウンドを知り、学びのエコシステムをつくること。「相手はなぜこう思うのか」を探求し、「共通言語や認識」を醸成。そして「他者から学んだことをチームに共有」するサイクルができれば、相互理解はより深まりやすくなります。

正直なところ、こういった施策は「仕事をする上で、そこまでして理解し合わなくてもいいのでは?」と思われがちです。しかし、多様なメンバー同士の関係や理解を深めることがプロダクト開発をより加速させるのだと私は信じています。ITBを上長に提案したとき「学びの場づくりにGo Boldに取り組んで!」と背中を押してもらえたときは、とてもうれしかったですね。

とはいえ、ITBはまだまだプロトタイプ。ブラッシュアップすべきところはたくさんあります。メルカリはグローバルテックカンパニーとして、これからもどんどん成長し続けます。同時に、私やJasperが挑む異文化コミュニケーション施策もエキサイティングになっていきます。今後もITBのスケールはもちろん、そのほかのコミュニケーション施策も仕掛けていく予定です。その成果は、またメルカンでお伝えさせてください!

プロフィール

寶納弘奈(Hirona Hono)
国際開発の現場で活躍できるIntercultural Competencyを持った人材育成に携わることを決意し、米国のSIT Graduate Instituteへ進学、異文化コミュニケーションのトレーナーになるための教育を受ける。その後、サンフランシスコの教育非営利団体VIAでプログラムディレクターを、カリフォルニア州立大学バークレー校でIntercultural Training Specialistを務める。帰国後、大手IT企業のグローバル研修のデザイン・運営に携わり、2018年5月より現職。


Jasper Wu (ジャスパー・ウ)
スタンフォード大学によるデザイン思考を学べる d.school在学中に、デザインリサーチやHRI(Human-Robot-Interaction)のプロジェクトに取り組んだ後に、デザインシンキングのワークショップのファシリテーターとしてキャリアをスタート。その後Samsung Strategy and Innovation Centerでデザインエンジニアとして活躍し、株式会社メルカリに参画。現在はメルカリCEO室に所属。

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