個人と企業をエンパワーメントする存在へ。山田進太郎がメルペイで描く未来

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2019年2月20日、渋谷ヒカリエホールで開催された「MERPAY CONFERENCE 2019」。スマホ決済サービス「メルペイ」の本格始動に先駆けて開催されたこのカンファレンスのスタートとともにステージに立ったのは、メルカリ代表取締役会長兼CEOの山田進太郎でした。

プレゼンテーションで山田が語ったのは、メルカリグループのこれまでとこれから。なぜメルカリが生まれたのか。そして、メルペイが目指す先にあるものとは。「メルペイによって、お金の流動性のイノベーションを起こしたい」と明かす山田の想いを紐解いていきます。

メルカリの原点。それは新興国で目にしたある一コマだった

「私は以前、モバイルゲームの会社を経営していました。」(山田)

開口一番、山田から語られたのは自身のキャリア、そしてメルカリ誕生の背景でした。

「モバイルゲームの会社であるウノウを売却後、私は世界一周の旅に出ました。たくさんの新興国を訪れるなかで直面したのは、人々が豊かになろうとしているのに、資源が行き届いていないという現状でした。」(山田)

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世界一周を旅する山田

そんな問題意識を抱えたまま帰国。そして山田はある光景の目の当たりにします。

山田:「世界一周の旅から帰国し、一番驚いたのはスマートフォンの普及でした。周囲がスマートフォンを手にする様子を見たときに、このパワフルなツールは新興国を含めて全世界の人々に普及すると確信しました。そして、スマートフォンによって、個人と個人をつなげることができれば、もっと資源を大切に使えるようになり、人々が豊かな生活を送れるようになるかもしれないと考えたのです。」(山田)

そうして誕生したのがメルカリでした。今までクローゼットの奥で眠っていた洋服やいらないからと捨てていたものが、他の誰かの役に立つ。そんな取引が生まれるマーケットプレイスを世界中に広めていく。これこそが、メルカリがミッションに掲げている「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」だったのです。

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山田進太郎(メルカリ代表取締役会長兼CEO)

いかにして、メルカリは日常に「溶け込んだ」のか

サービス開始から6年目に突入したメルカリ。山田はメルカリの今について話を続けます。

「現在の流通額は月間400億円以上。月間の平均利用時間は5.3時間とSNSに匹敵するほどです。アクティブに利用いただいているお客さまの数も月間1,200万人、出品された商品数は累計11億品をそれぞれ突破しました。」(山田)

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累計出品数と累計流通額

「男性の利用者も増え、さらに年齢層も10代〜50代まで幅広く利用いただくようになりました。最近では小学生の男の子が、お母さんと一緒に制作物を売って経済の仕組みを学んだり、79歳のおばあちゃんが得意の裁縫を活かしてハンドメイドの洋服を販売して人気者になったり、より日常的に使われるサービスになったと言えるのではないでしょうか。」(山田)

また、山田はメルカリをはじめとするフリマアプリによってもたらされた、ある消費行動の変化についても述べました。

「最近では、売ることを前提に消費される世界が広がっています。何かを購入する前にフリマアプリでいくらで販売できるかを調べるという方が増えてきています。」(山田)

そして、フリマアプリの誕生は、包装・梱包資材を購入するための100円均一ショップの利用や商品発送のための郵便局やコンビニの利用、商品をキレイにするためにクリーニング店やリペアショップの利用が増えました。慶應義塾大学の山本晶准教授に監修いただいた調査では、年間752億円の経済効果が生まれたという結果も出ているそうです。

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フリマアプリによる周辺サービス業界への経済効果

メルペイが目指す、「お金の流動性のイノベーション」とは

こうしたメルカリでの実績を活かし、次に取り組むのがスマホ決済サービス「メルペイ」。「お金の流動性のイノベーションを起こしたい」と語る山田が、そのビジョンを明かします。

「メルペイの本格始動を通じて、便利な決済手段を提供することはもちろん、決済データを利用することでお金の流れを変えていきます。決済基盤を土台に、アパレルや飲食、小売といった、さまざまな業界領域においてお客さまとの接点をつくり、新しい価値を生み出していきたい。経済圏として囲い込むのではなく、オープンなエコシステムを、さまざまなパートナーさまやお店と共につくり上げていきたいと考えています。」(山田)

そして、メルペイはメルカリにも進化をもたらすと言います。

「これまでは中古品の個人間取引に限定されてきましたが、メルカリの売上金がメルペイを通じて、さまざまなお店で利用できるようになることで、一次流通から二次流通へ大きな流れをつくります。これこそが、モノとお金の流動性を変えるということです。」(山田)

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さらに山田は「個人情報に配慮することが大前提」と前置きをしたうえで次のように語り、本セッションを結びました。

「将来的にはメルカリやメルペイの保有するデータをもとに、パートナーのみなさまへの送客やマーケティング支援、さらには商品開発に有用な情報提供なども行なっていきたいと考えています。メルカリを通じて個人をエンパワーメントしてきた存在から、メルペイを通じて企業をエンパワーメントする存在へ。これからは、そんな進化を遂げていきたいと考えています。」(山田)

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なぜ、このタイミングでメルカリ誕生時期に立ち返り、未来を語ったのか。それは山田が新興国を旅し、問題意識を抱いたあの日から今日までがすべて地続きであったからに他なりません。一歩一歩、着実に歩みながら、メルカリを日常に定着させた経験があるからこそ、メルペイによって新たなイノベーションを起こしていけるはず。これからも、メルカリ、そしてメルペイの挑戦は続きます。

プレゼンテーション


プロフィール

山田進太郎(Shintaro Yamada)
早稲田大学在学中に、楽天株式会社にて「楽オク」の立上げなどを経験。卒業後、ウノウ設立。「映画生活」「フォト蔵」「まちつく!」などのインターネット・サービスを立上げる。2010年、ウノウをZyngaに売却。2012年退社後、世界一周を経て、2013年2月、株式会社メルカリを創業。