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エンジニアと立ち話。Vol.31 @_zak3(メルペイMLエンジニア)ちょっとお話いいですか?

メルカリで働くソフトウェアエンジニアにちょこっとお話を聞いていく本シリーズ。第31回ではメルペイML(Machine Learning)チームのエンジニアリングマネージャーである@zak3にお話を聞きました。

「メルペイは機械学習と本当に相性が良い」と語る@zak3ですが、その理由とは? そして現在は10名弱のメンバーがいるメルペイのMLチームでは何をしているのか、本連載でお馴染み、メルペイVP of Engineeringの@hidekが聞いてきました。

実は延期が2回続いた今回の立ち話。その理由は?

@メルカン編集部:@hidekさん、歯は大丈夫ですか?(@hidekは差し歯が取れて歯医者に行くため、取材が2回リスケジュールされた背景があります)

@hidek:もう大丈夫です。ご心配おかけしました。歯が抜けている状態で写真を撮られるわけにもいかなかったしね(笑)。

@zak3:最新のマシンラーニング技術で、歯の画像生成しましょうか?(笑)。

@hidek:その必要はないですね(笑)。では改めて、今日はML(Machine Learning / 機械学習)チームでエンジニアリングマネージャーをしている@zak3さんにお話を聞きたいと思います。まず、入社時期と担当してきたことを教えてください。

@zak3:2019年4月に、メルペイに入社しました。前職では、自然言語処理技術の研究開発、テキストマイニング、要約システムなどの製品開発、検索やリコメンドシステムの開発などを担当し、2年弱ほど、リコメンドエンジンの開発と運用のマネージャーをしていました。メルペイに入社してからは、MLチームのエンジニアリングマネージャーとして、メルペイあと払い(以下、あと払い)サービスの与信モデル構築や、不正対策周りに対する機械学習の活用などに取り組んでいます。

@hidek:メルペイに入ったきっかけは何だったのでしょうか? @zak3さんは、メルペイに来てもらうために、2〜3年かけて口説き落とすくらいのつもりでいたけど、思ったより早く来てくれたなと。@zak3さんとの最初の面談のメモをみると「今すぐの入社は難しそう」とか書いてあったし(笑)。

@zak3:「MERPAY CONFERENCE 2019」(2019年2月20日に開催した、メルペイの事業構想やビジョンについて初めて発表したカンファレンス)のライブストリーミングを見たのがきっかけです。カンファレンス自体はこなれていない感じがありましたが(笑)。一生懸命やっているのは伝わったし、話している内容はとてもストラテジックで素晴らしかった。そして、これからものすごく発展していくと思いました。「次はこれに賭けたい」と思ったんですよね。当時は、転職するなら1年後くらいかな程度に思っていましたが、メルペイの今のフェーズは、1年後には絶対になくなっているだろうということで決断し、4月に来ちゃいました。

@zak3(メルペイMLチーム、エンジニアリングマネージャー)

@hidek:@zak3さんが来てくれるまでは、MLチームにはエンジニアリングマネージャーがいなくて、僕が兼任していたんです。わかっていたけれど、ML領域は専門性が非常に高くて、正直マネジメントがうまくできなかったんですよね。ざっくりとしたリコメンデーションやAML(アンチマネーロンダリング)など、プロダクト実装のためのロードマップはつくれるものの、具体的な目標に落とし込んで、メンバーをアサインして、そして評価するというのが、僕の経験的には厳しかったんです。メルカリのAIチームと合併するしかないのか……と考えていた時期もありましたが、@zak3が良いタイミングで来てくれて本当に助かりました。

@zak3:ありがとうございます。

@hidek:メルペイは、これだけのデータがあるのだから事業に活かさない手はありません。メルペイのなかにMLとデータのチームは絶対あるべきだと、その想いだけは強く持っていたんです。

「ビジネスに貢献したい」「アカデミックなチャレンジをしたい」のバランス

@hidek:で、メルペイに来てみてどうでしたか?

@hidek(メルペイVP of Engineering)

@zak3:率直に言って、すごく良かったです。働く環境もそうですが、まず「信用を創造して、なめらかな社会を創る」というミッションが好きですし、それに従ったプロダクトづくりをしていると思いました。「お金の流動性によるベネフィットをお客さまに提供したい」という想いが、プロダクトに反映されていますし。また、経営者との距離が近くて、ビジネスを一緒にやっている感じがすごく良いですね。他の会社では、機械学習をやっていると研究職扱いされることも多く、ビジネスから遠いところに置かれがちではあるんですが、メルペイはそうじゃない。それは、メルペイは機械学習と本当に相性が良いからだと思うんですよね。

@hidek:そう。機械学習をビジネスでどう実践的に使うか、肌感でわかっていて「WILL(意思)」がある@zak3と一緒に働きたいと思っていましたよ!

@zak3:うれしいですね(照)。メルカリの取引データなどと機械学習を用いて信用(≒約束履行力)の計算をするというのは、これまでにありませんでした。その反面、お金の流動性を上げると不正に使われるリスクもあるので、ここも機械学習で解決できることが多いと思っています。機械学習の技術がビジネスに直結するので、そこにやりがいがありますね。

@hidek:でも、機械学習を専門にするエンジニアは、ビジネスにも貢献したいけど、自分の知見や知識を深めてアカデミックなチャレンジもしないと飽きちゃう人も多い気がします。その辺のバランスをマネージメントするのは、難しくないですか?

@zak3:難しいですね。ビジネスとはまったく無関係なリサーチはやらないとチームで話し合って決めました。一方で、3年後、5年後にビジネスに繋がりそうであれば、どんどんリサーチテーマに入れて取り組んで良いとしています。ありがたいことに、ビジネス感覚に強くて、ビジネス側のMLエンジニアであることに誇りを持っている人が多い気がしますね。

@hidek:アカデミックなチャレンジとして、具体的にやろうとしていることはありますか?

@zak3:いろいろテーマはありますが、1つ例を挙げると、与信モデル。GDPRや総務省のAI開発ガイドラインにもありますが、機械で判断した与信モデルの結果の「説明」が必要な場合があります。詳細はここでは話しませんが、なぜ機械学習がそのような判断をしたのか、モデルを複雑にして技術レベルを上げれば上げるほど、その「説明」がどんどん難しくなっていきます。そして、それを解釈するような研究テーマが注目されている。我々がビジネスの現場で直面する課題感やその取組についての知見をアカデミアに還元するというのは、良いと思っています。

できることをOPENNESSにし、世の中を良い方向へ

@hidek:アカデミックなところを先に聞いちゃいましたが、事業的にやっていきたい分野はありますか?

@zak3:いっぱいありますね。まず与信モデルに関しては、これからメルペイがお金の流動性を変えていくために、やれることはたくさんあると思います。今までは、先にお金があって、欲しい物があれば都度お金を払っていました。でもあと払いでは、欲しい物に対して後からお金を払うことができるようになり、時系列が変わっていきます。その時系列を1ヶ月後から、1〜2年後に延ばすなど、その人にとって最適なお金との付き合いができるようなサービスにしていきたいです。あわせて、不正対策をきっちりやることが第一段階だと思っています。

@hidek:ですね。

@zak3:第二段階は、お金の流動性が高まったときに、欲しいものが提案できるリコメンデーションの仕組みをもっとより良くしていきたいですね。そして第三段階として、機械学習側から新しいビジネスを数年かけてでも提案できると良いなと思っています。

@hidek:メルカリグループは「テックカンパニー」を標榜していますが、僕にとっては「そもそもテックカンパニーとはなんぞや」という禅問答になったりするんですよ。「テックによって世の中に影響を与える、ビジネスに寄与する」などあると思いますが、今@zak3が言ってくれた、第三段階で機械学習側から新しいビジネスが生まれるというのは良いなと思いました。

@zak3:そうですね。そして「テックカンパニー」なら、自分たちで技術自体をつくるというのもできるようになりたいですね。我々が最前線で見つけた課題を技術で解決して、それを世の中に還元できるようになれると良いなと。

@hidek:それこそ、不正検知とか、みんなで協力しあえるようになったほうが良いと思うんですよね。例えば、IPのブラックリストとか。あれこそ集合知だと思うんです。集合知だけだとノイズも入ってくるようなものに対して、機械学習で打ち消しながら共有できるようになる仕組みがあると良い。

@zak3:不正に関する情報を共有しながら、その判定アルゴリズムも複数社で協業しながらアップデートするみたいなイメージですね。どの企業も不正検知のためにビジネスやっているわけではないですし。

@hidek:そうそう。個人的には、それこそ一社単体でやるより、OPENNESSに共有していきたい。できるところは共通化して、世の中を良い方角に向けていきたいですよね。

@zak3:それは良いですね!

@hidek:では最後に、今後メルペイのMLチームをどうしていきたいですか?

@zak3:機械学習という専門性は大事にしつつ、ビジネスへの適用を最も重視していきたいと思います。そして、アカデミックの貢献を諦めたくありません。まあ、両取りですね(笑)。高い山だけど、ずっと目指して進み続けていきたいと思っています。

@hidek:ぜひ、その山を一緒に目指していきたいです。ありがとうございました!

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