カオスな状況だからこそ課題以上にチャンスがある。大規模かつ複雑なサービスの品質を支えるメルペイQAとして働くことの醍醐味

「信用を創造してなめらかな社会をつくる」というミッションのもと、サービスの品質を支えるメルペイのQAエンジニア。メルペイというサービスの特性上の取り組みがいやおもしろさがある一方、組織としての課題も山積しています。

そこで今回は、現場の最前線でQAエンジニアとして働く川嵜靖広(@Yasuhiro)と中山由紀子(@nakayama_n)に、マネージャーの鍛哲史(@kj)がメルペイQAの魅力や醍醐味、目下立ちはだかる課題について聞いていきました。

カオスで未整理な状況だからこそ、できることや考えられることはなにか、メルペイQAのリアルな“いま”に迫ります。

この記事に登場する人


  • 川嵜靖広(Yasuhiro Kawasaki)

    新卒で学習塾に入社した後、ソフトウェア開発に興味を持ってIT業界へキャリアチェンジ。キャリアチェンジして初めての仕事がテストで、以来ずっとテストに関わる仕事をしている。大手企業向けのパッケージ製品や税理士向け会計ソフトのQAを経て、メルペイへは2021年10月に参画。現在は与信を取り扱うサービスのQAを行っている。


  • 中山由紀子(Yukiko Nakayama)

    大学卒業後にWeb開発、テスト計画/設計/実施などのテスト業務に携わる。2018年4月にメルペイ入社しQAチームに参画。現在はメルペイスマートマネーのQAを行っている。


  • 鍛哲史(Satoshi Kaji)

    大学在学中にWeb、ゲーム、VRの事業を立ち上げたのちブロックチェーン企業の創業に参画し日本事業のプロダクトの責任者として従事。海外の国立銀行でのプロジェクトや日本のKYC高度化プロジェクトなどを進行。2018年5月にミッションに共感しメルペイに入社し、現在はDirector of Product, QA MoM, PMO Managerを務める。

メルペイQAの独自性と、そこで求められる専門知識

@kj:最初に、それぞれQAとしての経歴や、いま携わっていることから聞かせてください。

@Yasuhiro:僕はもともと学習塾の教室長をしていました。QAエンジニアからは全く程遠い仕事からのスタートです(笑)。学習塾の退職後は、昔からものづくりが好きだったことと、当時データサイエンスに興味があったことからIT業界に転職しました。SES企業に所属し、初めてアサインされたのがテスト案件でした。以降、大企業向けの会計システムやHR系のシステム、ガス料金・電気料金を試算をするWebサービス、税理士向けの会計・給与・税務システムで、マニュアルテストからテスト自動化やQAリードを担当してきました。現在は、与信に関わるサービスのQAに携わっています。

メルペイに入社した理由は、前職とは違ったことにチャレンジできると思ったことです。メルペイQAの当時のマネージャーから「メルペイにはまだまだ足りないことがある」と伺い、「メルペイでならいろいろな体験ができそう」と直感しました。

川嵜靖広(@Yasuhiro)

@nakayama_n:私は前職ではアプリ系QAとして、テストの実施や設計を担当していました。メルペイには2018年4月から在籍していて、いろいろなプロジェクトを経験しています。iD決済をローンチ後は支払いタブにある「おくる・もらう」機能に携わり、その後はメルペイスマート払いの改修を担当。現在はメルペイスマートマネーのチームに所属しています。

@kj:おふたりから見て、前職との違いやメルペイにおけるQAの独自性はどこにあると思いますか?

@Yasuhiro:「お金」という意味では同じですが、「金融」とは異なるのでドメインが違います。それから、圧倒的に違うのはシステムの大きさと複雑さ。前職で扱っていたシステムは、大きく分けて4〜5つほど。それぞれがほぼ独立したシステムのため、他のシステムのことを考えなくてもよかったんです。一方、メルペイにはたくさんのマイクロサービスがあり、システム間の関連性も考慮しなければなりません。

@nakayama_n:私の場合、メルペイスマート払いのチームに所属してから特に感じることなのですが、与信領域で必要な専門知識が全く異なりますね。「おくる・もらう」機能においては、UIを強く意識してお客さまにどう見せるかにこだわりました。一方、与信領域のサービス、特に法令要件やリスクのある要件については、いかに漏れなくQAをするかに気をつけていました。同じQA内でも、チームによって全然違うのがメルペイQAの独自性だと思います。

大規模かつ複雑なサービス、他部署との連携…カオスなメルペイQAのやりがいは?

@kj:独自性の話とつながると思いますが、メルペイQAのやりがいを教えてください。

@Yasuhiro:規模が大きく複雑なサービスの品質をいかに担保していくかを考えることがおもしろいし、やりがいを感じます。QAの腕の見せ所だと思いますよ。

メルペイのQAは「答えがあるのか?」と思うほど複雑で、「答えがあるかわからないこと」に取り組むことそのものにおもしろさを感じています。少し考えたら答えや結果がでることよりも、ずっと考え続けないといけないことのほうが楽しいと感じるので、自分にはメルペイという環境が合っているんだと思っています。

また、QAの観点とは異なりますが、メルカリグループのミッション「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」はとても好きですね。ミッションを達成するためのプロダクトにQAとして携われていることにも、やりがいを感じています。

メルカリグループは、新しいものを生み出さなくてもお金を循環させられるサービスを扱っています。転職活動時に気候変動などの環境問題に興味を持っていた僕にとって、このミッションはメルペイ入社の決め手になりました。

@kj:nakayama_nさんは、どのようなところにやりがいを感じていますか?

@nakayama_n:サービス面においては、最適なテスト手法を自分で提案し、プロダクトのテスト計画・設計から実施・リリースまで関われることにやりがいを感じます。お客さま観点でいい所・悪い所をPMにシェアしながら改善するなど、比較的自由に動けるところはメルペイならでは、ではないでしょうか。

また、組織面においては、Backendエンジニアに協力してもらうことが多いです。例えば、テスト環境にデータを作成する社内ツール「user-tkool」でお客さまのステータスや状態を作っていただいたり、手が回っていない自動テストやQAについてフォローしていただいたり…。協力的に動いてくださる点はとても助かりますし、メルペイにしかない良さだと思います。

中山由紀子(@nakayama_n)

@kj:nakayama_nさんは前職でテスターを担当されていましたよね、金融やFintechならではの特徴を感じる瞬間はありますか?

@nakayama_n:金融やFintechならではかはわかりませんが、前職ではテスト設計、テスト実施のみを担当していました。対するメルペイではすべてのチームで上流から携わることができます。私の場合、スマートマネーを担当しているので貸金業法をどこまで担保するかなど、QA内だけではなくPMやリスクチーム、コンプライアンスチームを巻き込んだ上で話し合い、優先順位を決めています。

@kj:法律の優先度によってQAの重要度を変えていくイメージでしょうか?

@nakayama_n:それが全てではありませんが、テスト手法の1つとしてその形式で実施しています。UI / UXは別の観点でテストをしていますが、最終的なテストで担保することもあります。

@kj:メルペイにおけるQAの重要度は年々増しています。その上で、どのような部署と連携や、話し合いがされているんですか?

@Yasuhiro:自分のいるチームはCIC(指定信用情報機関)という外部システムに情報を連携するサービスで、その前段階のデータを作成しています。nakayama_nさんが在籍しているスマートマネーのチームや、隣のプロダクトのチームの人と関わることが多いですかね。

@nakayama_n:私が担当する機能においては、コンプライアンスやITリスクの方とやり取りすることが多いです。テスト観点については、議論を重ね、リリース前の無影響確認の最終リグレッションの範囲に問題がないかの承認を取りました。関心を持って積極的に、やり取りしてくださっている印象です。

貸金業法、割賦販売法…難解な法律要件を日々キャッチアップ

@kj:やりがいの話に続いて、メルペイQAをしていて難しいと感じることや課題についても聞いていきたいと思います。

@Yasuhiro:法律要件を理解しつつ、CICの仕様を把握するのは大変ですね…。影響範囲が大きく、一歩間違えるとサービスが止まってしまうことも考えられます。難しいし、いつもヒヤヒヤしています。

@kj:確かにヒヤヒヤしますね…(笑)。ちなみに品質を保証していくために、工夫やチャレンジしていることはありますか?

@Yasuhiro:日々の研鑽は欠かせません。貸金業法や割賦販売法については普段から書籍などでインプットをしています。貸金業法の貸金業務取扱主任者の試験を受けたこともありました。

@nakayama_n:貸金業法は難しいですよね。私も貸金業務取扱主任者試験を受けましたし、貸金業法や割賦販売法の勉強は常にしています。

あと、意識しているのは、少しでもわからないことは素直に質問することです。なんとなくわかったつもりで進めてみたけれど、実際は全然理解できていなかった…なんてこともありますから。そうしたことを少しでも減らしていくため、チーム内のナレッジシェアもできる範囲で資料化したり、リンクを貼ったりして、メンバーみんなが知見を広げられるようにも気をつけました。最初求められる専門知識にハードルの高さを感じましたが、長い間在籍していると徐々に慣れると思います。

@kj:少し突っ込んだ話になるのですが、実際にメルペイに入社した人からは「もっとタレントが揃っていると思っていた」とか「もっとすごい組織だと思っていた」という話を聞くことがあります。僕自身、メルペイは未完成な組織だと思うので、そうした感想にギャップを感じているところもあります。おふたりは、組織で現在できていないことやこれから取り組みたいことはありますか?

鍛哲史(@kj)

@Yasuhiro:ひとことで言うと、今のメルペイは「カオスな状況」だと思いますね。整っていないからこそ、自分にできること・考えられることがたくさんあるから、おもしろいとも思います。例えば、テストの自動化はまだまだ人手が足りていない状態です。テストの有効性が計測できているわけではなく、QAの標準化もまだできていません。メンバーがバラバラに動いているので、それぞれの方向性を揃えなければいけないのは明確な課題ですね。

@nakayama_n:現在のメルペイは、サービスをローンチした2019年頃とはかなり状況が変わってきています。これまではプロジェクトの立ち上げがとにかく続いていましたが、今は運用やグロースを進めていく時期です。

カオスな中でもQAは特にドタバタしているイメージがあります(苦笑)。チームによって基準が異なったり、属人化でナレッジが偏っているといった問題があるため、これから整備していく必要性があるかと思います。具体的なことはこれから話し合いながら進めていこうと考えています。

組織を超えたコミュニケーションで、メルペイの発展を目指す

@kj:ここまでやりがいやおもしろさとともに、課題も詳しく語ってもらいましたが、メルペイQAにはどんな人が向いていると思いますか?

@nakayama_n:自分で積極的に課題を発見・解決することに、楽しみを見出せる人だと思います。どのタイミングに入社するかにもよりますが、メルペイはまだまだ組織的に整っていない部分が多々ある状態。現在、急ピッチで整えている最中ではありますが、粗が目立つ状態は、今後しばらくは続くと思います。逆に言えば、いろいろなところにチャンスがある。個人や組織の目標に向かってチャレンジングな姿勢で臨める人が成長できるし、楽しめると思います。

@Yasuhiro:「こうしたらもっと良くなるんじゃないか?」と自分で考えて行動するのが好きな人にとっては、楽園のような場所ですね(笑)。課題はいくらでも転がっているので、スキルアップにも繋がると思います。反対に、指示されたことだけをやりたい方だと楽しめないかもしれませんね。

@kj:最後に、今後取り組んでいきたいことがあれば聞かせてください!

@Yasuhiro:メルペイのQAとしての方向性や、プロダクトの品質について余裕を持って考えられる組織を作っていきたいです。特に与信領域のQAにおいては、品質を確実に担保しつつ、スピーディーにリリースをしていくのが目標です。

@nakayama_n:チームを横断したコミュニケーションによって、課題解決できるような組織づくりです。現在はQAの中でも、各チームにわかれて日々テスト実施設計をしているので、チームプレーにとどまっている印象があります。今後はチームを超えた連携によっていろいろな課題をみんなで解決し、メルペイの未来のために動ける組織になっていくのが理想です。

チーム単位になってしまっている原因は、コミュニケーションが足りない、忙しくて未来のための組織づくりができていないなど、いろいろ考えられます。メルペイがまだ小さな組織だった頃は、活発なコミュニケーションができていたのですが、組織が大きくなるにつれて徐々に距離ができてしまった気がします。

@kj:確かに僕も2018年にPMを担当していたときは、QAのメンバー全員と顔見知りでした。今は本当に組織が大きくなりましたよね…。大きくなった組織の中でのコミュニケーションや組織の運営については、改善の余地があると思います。今後はチーム単体だけでなく、横断的な発展を目指していきたいと思います。

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