プロダクト開発のインフラとして事業を支える——Meet Mercari’s Leaders vol.2(VP of Platform Product)Mike Koenig

「新しいテクノロジーをどう使うべきかを考えるのが好き」。

アメリカでの約30年の実務経験を経て、2022年にメルカリに入社し、VP of Platform Productに就任したMike Koenig(@Mike)。

中学生の頃からテクノロジーに強い興味関心を持ち、プロダクトづくりの豊富な経験を持つMikeは、プラットフォームシステムという領域の役割をどう捉えているのか。VPとして、メンバーやプロダクトとどう向き合っているのかを聞きました。

この記事に登場する人


  • Mike Koenig

    2022年5月にメルカリへ入社。現在はPlatformチームで、メルカリの開発者向けの内部サービス提供に貢献。メルカリ入社前はマイクロソフトで25年間勤務し、40以上のプロダクトに携わりながら、シアトル大学でソフトウェアエンジニアリングの教鞭を執る。副業として、黄疸のリスクが高いアフリカの新生児を早期に発見するソフトウェアサービスの開発に従事。


日本の小さな港町からメルカリのミッションに挑戦

私はアメリカ出身で、来日前は約30年間シアトルで働いていました。

日本に来日したきっかけは、岡山県の倉敷に妻の両親が住んでいたためです。新型コロナウイルスによるロックダウンの際、妻が日本に残してきた両親をとても心配していたため、妻の不安を取り除くために自分に何ができるかを考えた末、倉敷への移住を決断しました。

日本に移住した後、私には何かやることが必要でした。それまではテクノロジー畑でシステム構築に携わってきたのですが、倉敷にはそういうチャンスが少なかったんです。友人に相談したり、起業を検討したりしたのですが、たまたま前職の同僚がメルカリで働いていたので、その友人に勧められてメルカリのPlatformチームにジョインしました。自分が好きでやりたいと思っていたプラットフォームシステムという領域では、ちょうどリーダー人材を探していて、とてもタイミングがよかったんです。

プラットフォームシステムをわかりやすく説明すると、都市プランナー・インフラストラクチャーのような仕事。例えば水道を整備する時に、どこに向かってどれくらいの水を流すかを考える役割だと考えています。私は、人々が大事だと思っているもの・恩恵を享受しているものをどう最適化するのか、そのために新しいテクノロジーをどう使うべきかを考えるのが好きなんです。

そのような役回りが求められるのは主に大企業なのですが、自分が入社する当時、メルカリはちょうど、複雑なシステムを扱えるような規模まで大きくなりつつありました。
ただ、これまでの経歴で触れてきたシステムとは違い、メルカリのシステムのテクノロジー・アプローチ全てが新しく、とても刺激的だったので、まずは社内のインフラについて勉強するところから始めました。改善の余地が多く残されていたので、これまでの知識も活かしながら、楽しみつつチャレンジできました。

他にも、Fin Ops(Financial Operations / 財務オペレーションの略)のプロジェクトを率いてエンジニアリングチームに金融に関する知識を普及させ、カルチャーをつくる役割も担っています。今後は、新しい機能やコンセプトを次世代に引き継ぐことにも取り組んでいきたいです。

幼少期から培ったチャレンジ精神で、プロダクトに向き合ってきた

——そのチャレンジ精神は、幼少期からずっと持っていたんですか?

そうですね。私は中学生の頃から大学生まで、ソフトウェアのシステムを作るなど、開発者として仕事をしていました。レゴのように、いろんなものを組み合わせることが好きで、システムをインテグレーションする(=複数の異なるものを組み合わせてまとめる)ことにとても興味がありました。

中学生の頃、コンピューターが欲しかったのですが、1980年代初頭の当時は、コンピューターはとても珍しいもので、子どもで持っている人はほとんどいなかったんです。その時、私の父に「買ってあげてもいいけど、コンピューター代金の半分は自分で稼ぎなさい」と言われて、お金を稼ぎ始めました。当時、自分の住んでいるエリアでその年齢でお金を稼ぐとしたら、草刈りか新聞配達をするしかなかったので、その2つの仕事でお金を稼いで、念願のコンピューターを買って仕事を始めたんです。

大学を卒業した後、マイクロソフトに入社して、大小含めておよそ40ものプロダクトをつくりました。私は、周りから「不可能だ」「難しい」と言われていることをやってみるのが好きなので、新しいテクノロジーに触れ、新しい機能をつくりだすことはとてもエキサイティングでした。

また、ソフトウェアは新しいものがどんどん出てきて日々変わっていくので、つくったものはいつか必ず古くなります。そのため、ソフトウェアそれ自体よりも、つくり手である自分たちを改善していくことに目を向けて、どのようにシステムを構築し、どのように正しい意思決定をしてグループとして成長していくかということに興味が移っていきました。そのように気持ちが変わってからは「日々起こる事象から学び、そこから価値を見出して次に活かすこと」を大切にするようになりました。

私は失敗を恐れないタイプなので、たとえ失敗があったとしても、どうして間違えたのかを分析し、次はどう改善できるかを考えていくことを大切にしています。

大胆に、フレキシブルに。VPとして見据えるプロダクトの未来

——現在管掌している領域のミッションについて教えてください。

私は今、VP of Platform Productとして、PaaS(Platform as a Service)をつくる領域を管掌しています。そのため、管掌領域のミッションとしては会社全体で信頼できるPaaSをつくることです。
長期的なゴールとしてはPaaSを十分な形につくりあげて、プロダクトチームがプラットフォームのことを考えなくてすむような体制をつくりたいと考えています。私たちの身近な生活に例えてお話すると、電気や水のようなインフラは当たり前に整っていて、そこについて考えたり、心配したりすることはほとんどないですよね。そのように、プロダクトチームが、余計な心配をせずにプロダクトづくりに集中できる環境・体制をつくっていきたいと考えています。

理想状態としては、プロダクトチームから何か依頼される前に、先を見越して行動できることです。PaaSをつくるのと同時にプロダクト開発をすると、基盤が整っていない分スピード感が落ちてしまいます。だからこそ、我々プラットフォームチームは3年後、5年後の未来を見据えて進んでいく必要があると考えています。

——VPとして、Mikeさんが持っている仕事哲学はありますか?

3つあります。1つ目はトップダウンにならないようにすること。
そもそも、私は他の人に指示するのがあまり好きではないんです。だからこそ、マイクロマネジメントをするのではなく、「5年後ここに辿り着きたい」という全体的な目標を伝えた上で、チームメンバーにはその目標にどうやったら辿り着けるのか、道のりを考えてほしいと伝えます。チームには、自分よりもテクノロジーの知識を持っている人が多いですし、チームメンバーは誰を巻き込んでどう進めればいいのかをすでに知っているからです。
私の役目は、今やっていることが目標に紐づいているかを確認しながら進めること。そうすることで、それぞれのチームが自走して、同じ方向に向かうことができると考えています。

2つ目は、フレキシブルであること。私は元々柔軟性のある性格で、ニーズに応じて方向性を変えたり、意思決定を覆したりすることに抵抗がありません。これは現代のソフトウェア開発でとても大切なことだと考えています。
ディレクションは大胆に持っておきながらも、最終的なゴールまでの辿り着き方をフレキシブルにしておくことを常に意識しています。

3つ目はハイスタンダードであること。お客さまのために、質の高いものをつくってほしいですし、プロダクト・ビジネスサイドにも同じように理解してもらいたいと考えています。常に、メルカリを使ってくださるお客さまにとってメリットのある意思決定をしたいし、してほしいですね。

——最後の質問になりますが、Mikeさんは次世代のメンバーにどんなことを期待していますか?

まずは、自分の頭で考えることを大切にしてほしいです。ゴールを達成するためのプラン・イニシアチブを自分たちから提案し、周りを説得できるようになってほしいですし、そうすればもっと面白くなり、方向性も定まってくると思います。

加えて、メルカリは常にお客さま視点でプロダクトを作っているので、お客さまがどう思うか・お客さまから見てどう見えるかを自分で考えてほしいと思います。これらはとても難しいことですが、日々の業務の中で意識してほしいです。

番外編:私のメルカリ活用術!

私は、日本版・US版のメルカリアプリをどちらも使っています。どちらかというと、購入するよりも、出品する方が多いですね。日本版アプリでは、昔のおもちゃなど、アメリカから来日した際に持ってきたものをたくさん売りました。アメリカ版では、シアトルに住んでいた時に家庭用ゲーム機を売ったこともあります。

面白いのは、自分が「これは売れるだろう」と思ったものは意外と売れず、自分が売れないと思っていたものが売れたりすることです。いろんなお客さまがいろんなものに興味を持っているんだなと気づいて面白いですし、社会にとっていい仕組みだと思いますね。

好きな機能としては、出品中に自動で価格を調整する機能や、類似商品の出品金額を提示してくれる機能です。あとは、自分が出品した商品に「いいね」がつくとやはり嬉しいですね。商品が売れた後は、最寄りのコンビニエンスストアに歩いて行き、そこで発送作業をすることも楽しんでいます!

オフショット:お茶目なポーズをとってくれました。

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