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「メルカリ色は出さない」オリジナル梱包資材づくり担当者が今語りたいこだわり

2019年10月、全国のセブン−イレブンローソンにてメルカリのオリジナル梱包資材の販売がスタートしました。

メルカリが梱包資材をつくったのは、フリマアプリ「メルカリ」内でオリジナル梱包資材を販売する「メルカリストア」がきっかけ。その後、2019年7月に全国50ヶ所の郵便局で設置されたメルカリ用の梱包コーナー「つつメルすぽっと」を経て、2019年10月に発表したセブン−イレブンとローソンでの販売に至ります。そんなメルカリのオリジナル梱包資材を担当し続けてきたのが、Offline UXチームのマネージャー石川佑と、Creativeチームのデザイナー赤川久郎でした。

今回のメルカンでは「今だからこそ、メルカリのオリジナル梱包資材について語りたい!」という石川の要望で、赤川との対談を実施。梱包資材づくりを担当してきた2人のこだわりは、どのあたりにあったのでしょうか?

着手したのは、「5センチ内」にすべての情報を集約

石川:さっそくですが、今回のメルカン取材に赤川さんを呼んだのは、僕らがずっとつくり続けてきたメルカリのオリジナル梱包資材について語り合うためです!

写真左から石川佑(メルカリOffline UXチーム、マネージャー)と、赤川久郎(メルカリCreativeチーム)

赤川:10月からセブン−イレブンさんとローソンさんで梱包資材が販売スタートしましたしね!

石川:そのとおり! もともとメルカリの梱包資材は、メルカリストアが誕生したときにスタートしたものでした。しかし当時は「オンラインのみで販売」を想定していたので、デザインも「いかにお客さまへ配送する際のコストを軽減するか」重視。コンビニなどの店舗で販売されるときのディスプレイなどは、ぜんぜん意識していませんでした。

赤川:そう言えば、コンビニでの販売に至ったきっかけは何だったんですか?

石川:きっかけは、メルカリのアプリ内で行ったアンケート調査で「梱包・発送作業が大変そうだから」を理由に出品していないお客さまが多いことがわかったからです。同時に、メルカリロゴのリブランディングで、梱包資材のデザインを刷新する必要もありました。これをきっかけに、これまでオンラインでしか販売していなかった梱包資材を、オフラインでも販売できないかと考えたんです。赤川さんはつつメルすぽっとから梱包資材のデザインを担当していますが、「オンラインのみで販売」から「店舗での販売」になったとき、最初に着手したのはどこからだったんでしょうか?

赤川:ロゴですね。コンビニでは、ディスプレイの範囲が決まっています。旧デザインは横サイズだったので、縦サイズに変更する必要がありました。そのため、まずはメルカリロゴを反転させたんです。

(写真左から)新デザインと旧デザイン。メルカリロゴが反転している

石川:コンビニは、限られたスペースで多様な商品を販売する必要があり、坪効率が求めれる世界。僕らも、デザインが1つ決まれば実際に置いてみて……という調整を何度もくり返しましたよね?

赤川:そのあたりは地道に進めましたね。当然ですが、コンビニなどの店舗で販売されるときに大事なのは、お客さまから「メルカリの梱包資材」と認識してもらうこと。コンビニで梱包資材が置かれる棚は、店舗の奥、さらに一番下段でした。そうすると、お客さまからパッと見える範囲が5センチ程度しかない。そこで、梱包資材のパッケージ下5センチ内にぎゅっと情報を集めたデザインにしました。

メルカリ感を出してほしいコンビニ、出してほしくないお客さま

石川:コンビニ側から言われていた要望の1つが「お客さまにメルカリの商品であることがわかるようにしてほしい」でした。「メルカリ感を出す」という意味では、シンプルに考えると箱の色をイメージカラーである赤にするなどの手段があったと思います。でも、今回の梱包資材は色がありません。これは、あえてですか?

赤川:そうです。箱を赤にした場合、壁などにこすったときに色がついてしまう問題があります。箱を配送場所に運ぶのは、お客さま。少しでも懸念を減らしたいと思い、色をつけなかった経緯があります。もう1つは、コンビニ側では「メルカリ感を全面に出してほしい」と言われましたが、お客さまのニーズはその逆だったことです。

石川:お客さまは、メルカリ感を出してほしくない?

赤川:そう感じているお客さまが、少なからずいらっしゃいました。家で受け取るだけならいいですが、メルカリの場合は発送時に外へ持ち出すことも想定できます。また、梱包しているときってどうしても「作業」に感じてしまうことがありますよね? 僕は、それを「楽しい」に転換したかった。それに、メルカリを使ってくださっているお客さまの多くが、メッセージカードを添えるなど、誰かにプレゼントを贈るように梱包しています。その気持ちを大事にしたくて、意図的にメルカリ感を薄めたところがありました。

石川:僕は当初、メルカリ感をもっと出していいんじゃないかと思っていました。それは、結果的にブランド認知につながりますので。でも、お客さまの気持ちやサービス体験を向上させようとするとニーズが逆になるんですね。おもしろい!

赤川:だからもう、せめぎあいですよね。メルカリとわかるようにしたいし、お客さまにとっても使いやすくしたい。そして選んだのが「メルカリの梱包資材がここにある」とわかるデザインでした。先ほど話したように、下5センチ内に「メルカリ」「梱包資材」とわかる情報を集約し、梱包資材を組み立てるとわからなくなる仕掛けにしたんです。

赤川:そしてもう1つのこだわりが、使い方の説明部分。これまでの梱包資材と同様に使い方などの情報も加えていますが、今回については組み立ててみると見えなくなります。

梱包資材の内側には、梱包方法の説明文が掲載されている

石川:梱包方法を知りたいお客さまは多いけれど、その情報が見えるところにあると作業している感じが強まります。以前のデザインだと、送り状を貼る場所をわかりやすくするために「伝票」と大きく書かれていましたが、今のデザインにそれはありません。むしろ、どの会社の送り状が貼られても、かわいくなるようなデザインですよね。

(写真左から)新デザインと旧デザイン。「伝票貼付エリア」がなくなっている

赤川:以前までのデザインは、使い方をわかってもらうことが第一でした。今はほとんどのお客さまが使い方を理解しているフェーズだったので、省略してみたんです。あと、僕個人としては、シンプルに「この箱、かわいい」と感じながら使ってほしい気持ちもありました。あわよくば、メルカリでの配送以外にも使ってもらいたいし「捨てるのがもったいない」と思われたい。だから、ほかにも細かなディティールにこだわってみました。例えば、これ。

石川:どれ?

赤川:ここを剥がしてくと、またイラストが見えるようになっているんです。今回の梱包材のデザインは、すべてのレギュレーションを確認し、できることは全部入れ込みました。

オリジナル圧縮袋での、やってしまった失敗

石川:で、ですね。今回の梱包資材について僕が最も話しておきたいのが、圧縮袋なんですよ!

赤川:すごい笑顔(笑)。

石川:僕、これをつくりたくて、つくりたくて。

赤川:なんでそんなにつくりたかったんですか?

石川:よくぞ聞いてくれました! メルカリで配送するとき、やはり気になるのが送料です。僕もそうですが、配送料を安くするため、可能な限り小さいサイズにしようとしますよね。お客さまのなかには、発送時に100円ショップなどで圧縮袋を購入している方もいらっしゃいます。にも関わらず、ゆうパケットやネコポスに合う圧縮袋は、これまでなかったんです。ならば、メルカリでオリジナル圧縮袋をつくりしかないと、常々思っていました。

赤川:圧縮袋のこだわりポイントは?

石川:圧縮袋を開けたときの、開け口の大きさです。試作品の段階では、端っこが2センチありました。しかし、そのままでは開け口が小さくて、大きな服を入れられない。メーカーさんに頼んで、口の大きさを最大限にしてもらい、結果的に端っこが1センチにまで広げることができました。おかげで、かさばりがちなパーカーも入れられる! ところが、当時とても馬鹿なミスもしていまして。

赤川:あー、思い出してきた……。

石川:そうそう。圧縮袋のサイズを決めるときに「ゆうパケットやネコポスにピッタリと合うサイズでつくればいいのでは?」と思って、箱と同じサイズのものをつくろうとしていたんです。圧縮袋とは、大きなものをコンパクトにまとめるためのもの。箱と同じサイズでつくるとコンパクトになりすぎて、かえって使いにくくなってしまいます。そんな、あまりにも基本的なことを見落としたままつくっていたところ、試作品を使った他のメンバーに指摘されて「確かに!」となったのでした。急いでメーカーさんに謝り、今のサイズにつくりなおしてもらったんです。

赤川:その瞬間、僕も石川さんも声を揃えて「確かに〜!」とか言ったりして。もう、完全に浮かれてましたね……。この圧縮袋にパーカーを収納できたときは、感動しました。

次のフェーズは「何ができるか」の問いかけ

石川:僕、将来的にはどこでもメルカリで出品したものを配送できるようにしたいと思っています。そのためには、梱包資材がすぐ手に入る状態にしたい。今回の、コンビニでの販売は、まさにその第一歩です。

赤川:メルカリの梱包や配送をよりスムーズにしていくには、お客さまだけでなく、配送場所となる企業側にも選択できるようにしておいたほうがいいです。今のフェーズは「メルカリのものが置いている」とわかってもらうことが大事。その次は「何ができるのか」という問いかけが始まります。デザイン担当としては、今後もフェーズに合わせたアップデートが続くんだと思ってますね。

石川:まだ第1フェーズですからね。僕らのサービスは、社会的なインフラになって誰もが使えるようにすることを目指しています。だからこそ、先入観だけでつくってはいけない。

赤川:ゆくゆくはメルカリロゴがなくなり、機能美になっていったりして。第2フェーズでは、梱包資材のこの部分がなくなったりするかもしれないですよ?

石川:え、どこ? このへん?

石川佑(Yu Ishikawa)

大学卒業後、京セラ株式会社にて、スマートフォンの商品企画・提案営業を経験。その後、株式会社DeNAにてECコンサルタント業務、カテゴリ戦略立案業務を担い、2017年1月にはショッピングモール「Wowma!」の立ち上げ、編成ディレクター業務を担当する。2017年10月、株式会社メルカリ事業開発(ビジネスディベロップメント)に参画、現在はOffline UXのマネージャー。

赤川久郎(Hisao Akagawa)

前職ではライセンスキャラクター、イベントで使われるグラフィックデザイン、キャラクター開発、商品開発、物販、展覧会デザイン、イベント企画など幅広く担当。2018年5月メルカリに入社。

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