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「業務はバラバラ」「でも助け合える」メルペイFrontendがスピード重視な開発で見つけた、孤立させないチーム体制

ひとくちに「エンジニア」と言えど、企業や事業によってその役割はさまざま…なんて当然のことですよね。特に、お客さまが触れることの多いキャンペーンページや管理画面、Webページを開発するFrontendでは、企業や事業による特色が出やすいと言っていいかもしれません。

メルカリとメルペイ、同じアプリ内にあってもサービス内容は別々。では、メルペイFrontendチームは今、どういった体制で何をしているのでしょうか?話を聞いてみたところ、返ってきたのは次の3つの軸でした。

・ For Customer(お客さま向け)
・ For Partner(加盟店さま向け)
・ For Operator(オペレーションを行う社内メンバー)

メルペイFrontendチームは、現在10名。この3つを軸に、8つのプロジェクトを進めているという彼らですが、それってメンバー間でのコミュニケーションに壁ができたりしない?さっそくFrontendエンジニアの堀口亮太と田中佑太郎に話を聞いてみると、見えてきたのはチーム発足時から今にかけて自然と確立された「メンバーを孤立させない開発体制」でした。

担当するのは、お客さま・加盟店さま・オペレーションを行う社内メンバー向けのツール

ー今日はお2人に、メルペイFrontendチームの現状を聞きたいと思っているのですが。そもそもメルペイの開発体制はどういった感じなのでしょうか?

田中:基本的には、プロジェクトマネージャー(PM)とFrontendやBackend、QAといったエンジニア、そしてデザイナーが1つのチームに所属します。FrontendとBackendに関しては、プロジェクトに参加しているエンジニアのなかから、テックリード(TL)という役割を担うメンバーもいます。TLは技術・プロセス・チーム面で、PMの良き相談相手となりプロダクトを成功に導くことが求められています。

堀口亮太(メルペイFrontendエンジニア)

ーメルカリとメルペイ、開発での違いはあったりしますか?

堀口:ありますね。これまでのメルカリでは、モノリシックな開発が行われていました。それを今、マイクロサービス化しようとしています。一方で、メルペイは最初からマイクロサービスで開発を進めてきました。マイクロサービスでの開発は、機能やチームごとにシステムが切り分けられています。そのため、すべて同じ品質が求められていたりするんです。

ー同じ品質…。

田中:例えば、メルペイFrontendチームで担当している「オペレーションを行う社内メンバー向けツール(For Operator)」。一般的には、管理ツールより機能開発が優先されることが多く、内製ツールとして優先順位が低くなりがちな部分でもあります。しかし、メルペイではマイクロサービスで開発を進めるうえで、一定以上の品質をキープする必要がある。社内向けであっても、一切手を抜かない面白さがあります。社内向けMSツールでは、メルカリ福岡オフィスのオペレーションメンバーと連絡をとりあい、UXリサーチャーと一緒に工数やブロッカーを洗い出し、改善を重ねているところです。

田中佑太郎(メルペイFrontendエンジニア)

ーそのほか、お客さま向け機能(For Customer)と加盟店さま向け機能(For Partner)の開発も担当していますよね?この2つは、どういったところを重点的に開発しているんですか?

堀口:お客さま向け機能とは、メルペイのページで表示されているクーポン機能のほか、キャンペーンページを指します。トラフィック数が多いので、いかにパフォーマンスを良くするかが重要です。そして、加盟店さま向け機能。これは、メルペイを導入してくださっている加盟店さまが売上確認や従業員のアカウント・権限管理などで使う管理画面の開発を行っています。そこで今、注力しているのがMSツールです。

ーMSツール?

田中:メルペイでは、加盟店になるための申込みフォームも内製しています。そこでは、登録された情報の実在確認、反社チェックなどを行います。そして、審査が通れば加盟店さまとして加わっていただく流れになるのですが…これまでは申込み数が多く、さらに登録情報チェックに時間がかかっていて、メルペイ導入完了までが難しい課題がありました。そこで、MSツールを使い、手動でのオペレーションの自動化とUIを改善。審査時間を短縮し、スムーズにメルペイを使い始めてもらえるようにしたんです。

スピード重視な開発でできた「孤立させないチーム体制」

ーメルペイFrontendチームでは、社内向けCSツールやお客さまや加盟店さま向けの管理画面開発など、業務のバリエーションが豊富です。しかし、現在8名で各プロジェクトを進めていることもあり、チームとしてはバラバラになってしまうんじゃないかという印象もあったのですが?

堀口:バラバラになってしまう可能性は、確かにあります。そこで、チーム発足から続けているのが以下の3つです。

・ 専属×サブの2人体制
・ 技術スタックの統一
・ 社内共通パッケージ基盤の活用

取材時、堀口がホワイトボードに書きなぐったメルペイFrontendチームの体制イメージ図

堀口:まずは「専属×サブの2人体制」。先ほど、各プロジェクトにFrontendエンジニアが1名参加しているとお話ししましたが、実はサブ担当がもう1名つくようにしています。つまり、メルペイFrontendチームではみんな、何かしらのプロジェクトを兼任している状態になっているわけです。そうすると「プロジェクトが違うので」という理由で、コミュニケーションが途絶えることもない。それに、わからないところがあれば相談しやすくなっています。

ー続いて「技術スタックの統一」。マイクロサービスで開発しているということは、機能に合った技術を選べるところも魅力の1つだと思うのですが?

田中:それはありますね。でも、メルペイではスピードを優先する場面が多かったこともあり、技術スタックを統一していました。何より、チーム内でのメンバーの流動性を高めるためにあえて統一しているところもあったんです。

ー同じ技術スタックなら、ほかのメンバーもプロジェクトの手助けができるということ?

田中:そうです。そこへさらに「共通パッケージ基盤の活用」で、プロジェクトを横断した知見の共有も可能。誰かが突発的なバグに遭っても、チーム内で共有されるので、ライブラリの不具合などにも気づきやすくなります。

ーとにかく、メンバーが孤立しない仕組みになっているんですね。

堀口:これ、実はメルペイがリリースするまでの間、僕らで最適解を探し続けているなかで自然にできた体制でもあります。なので、今のところ他の技術スタックを使おうとはあまり思っていません。もちろん、ずっと同じ技術スタックは多様性が失われる意味でもよくないので、いずれは変わると思いますけれど。

メルペイFrontendチームが挑む、技術負債の解消

ーメルペイもメルカリと同じく、組織や事業を拡大させているところです。メルカリの場合、急拡大による課題を解決しようとしていますが、メルペイでも、開発チームの拡大に備えていたりするんでしょうか?

堀口:よく言われるのは、チームメンバー増加と開発効率は、必ずしも比例しないということ。グーンと伸びるところまで伸びたら、ゆるやかになっていく現象が起こります。これはすべて、コミュニケーションの煩雑化や、業務が属人化していたことが原因とも言われていますよね。そのため、メルペイFrontendチームでは、ノウハウやフローをパッケージ化して、開発やメンテナンスを低コストに運用できる仕組みをつくりたいと思っているところです。あと、何かある?

田中:そうですね、最近では技術負債の解消も同時に進めています。やはり、長期的にサービスをつくっていくとなると、システム構成の見直しやリファクタリングは必要です。メルペイはサービスをリリースしてから約1年。スピード優先で開発を進めてきたなかで、技術負債は避けられませんでした。プロジェクトによって負債の度合いにムラはありますが、このあたりもきちんと取り組みたいですね。…もっと個人的なことを言っていいですか?

ーはいどうぞ!

田中:Webフロントエンド開発の存在感を高めたいと思っているんです。メルカリは「フリマアプリ」としてスタートしたサービス。Web版メルカリもありますが、iOSやAndroid、Backendに比べて存在感があるわけではない。Frontendエンジニアとしては、Web技術の特性を生かした取り組みなどで、お客さまの体験をよりよくしたいですね。その結果、社内でのプレゼンスも高まっていくといいなぁと、漠然と思っています。

堀口:そうなんですね。僕は、ポジションを高める発想はあまりないかも。というのも、僕は「エンジニアとしてどこまでできるのか」を確認したくて、メルペイへ入社したところがあります。開発においては、一人でやるより複数人でレビューしながら進めたほうが、いいものができますよね。いちエンジニアとしての腕を試しながら、結果的にいいものができる環境にしていきたいんです。

田中:ですね。僕の場合、前職ではエンジニアが自分含めて2名しかおらず、コードレビューをしないこともありました。Webに関わるさまざまな領域を経験させてもらっていましたが、そのなかでもFrontend領域のスキルを高めたくてメルペイへ入社しました。そういう意味だと僕らは、「僕らがほしい環境」をつくっている最中なのかもしれませんね。

堀口亮太(Ryota Horiguchi)

株式会社サイバーエージェント、株式会社トレタを経て、toC toB 両サービスの開発と運用を経験。2018年8月にフロントエンドエンジニアとしてメルペイにジョイン。おもに加盟店さま向けの管理画面の開発を担当。

田中佑太郎(Yutaro Tanaka)

上場企業・スタートアップ・個人事業主を経て、Webのバックエンドからフロントエンドまで多くのプロジェクトに携わる。2018年8月にFrontendエンジニアとしてメルペイにジョインし、おもにメルペイの社内向け管理画面の開発を担当している。

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