ソウゾウに小さな成功はいらない。原田大作が目指す大きな成功とは。

2017年2月20日、メルカリは「スマオク」を運営するザワット株式会社の買収を発表しました。
今回のメルカンでは、買収をきっかけにメルカリ/ソウゾウの一員となった、原田大作さんのキャリアとこれからについて伺いました。
キャリア感が大きく変わったのは、29歳の時に経験した東日本大震災。その現場で目にした”ほしい”と”あげる”のミスマッチをなくしたいという想いから決断したザワット起業と、次のステージとしてメルカリを選んだ理由とは?

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モバイルに見出した日本が世界をリードする可能性

ー 原田さんは「モバイル」を軸にキャリアを積まれてますよね。

はい、大学時代は音楽に明け暮れていたのですが、「モバイルでインターネットをすることが当たり前になるだろう」という思いから、モバイルインターネット業界の雄として勢いのあった株式会社サイバードに入社しました。
サイバードで、モバイルコンテンツ&EC担当として3年間働いた後、”日本のモバイルの力で世界を相手に戦いたい”という思いが強くなり、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社に転職しました。

日本の武器をもって海外に挑める環境はどこだろうと探していた時、頭に浮かんだのが世界的なエンターテイメントブランドであるディズニーでした。そこでソーシャルゲーム事業を立ち上げ、日本のプロダクトを武器に、まさに世界を相手に戦っていました。
チームの基盤づくりからヒットゲームのリリースまで、ゼロイチでの新規事業立ち上げを経験した後に発生したのが、東日本大震災です。この経験が私の人生の転機になりました。

2011年の震災。震災現場でみた”ほしい”と”あげる”のミスマッチ

ーどのようなポイントが転機に?

避難所を訪問する機会があったのですが、その時にせっかく届いた支援物資が、被災者のニーズにマッチしていない現場を見たことです。例えば、服は余るくらい大量に届いているのに、オムツは全く足りてなくて赤ちゃんを抱えて困っているママが大勢いたんですね。

こういった「歪み」の解決にインターネットが使えるのではないか。個人と個人を直接結び「何が欲しいのか」、「何をあげられるのか」を明確にすることで解決できるのではと思い、”ほしい”と”あげる”を直接つなぐクラシファイド型のサービス作りの構想をはじめました。
元々20代のうちに自分でビジネスを起こし、世界に貢献できるプラットフォームをつくりたいという思いもあったので起業を決意、2011年5月にザワットを創業しました。

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みんなの”ほしい”を見える化したい。ザワット創業からスマオクローンチまで

ー ザワットの最初のプロダクトがWishScopeですね。

はい。2011年11月、みんなの募集コミュニティ「WishScope(ウィッシュスコープ)」をリリースしました。
ただ、今振り返っていると、サービスをだすタイミングが早すぎた。WishScopeは、正直大衆に使ってもらえるようなプラットフォームにはなりませんでした。
そんな中、限られたリソースの中で、選択と集中を行おうと勝ち筋として見つけたのが、ファッションブランドなどの高額品の売買プラットフォームでした。こういった商品は、WishScopeでもよく取引されていると同時に、「偽物問題」などのトラブルも多く抱えていました。
また、当時、付き合っていた彼女のクローゼットが常にパンパンで、”ほしい”と”あげる”の循環をスムースにすることで、こういった女性の悩みも解決できるのではとも思いました。そこで出来たのがブランド品オークション「スマオク」です。

ちょうどその頃はフリマアプリの人気も高まり始めた時期。
フリマアプリ、オークションアプリ、こういったto C向けのサービスは、全部が成功するということはありえません。”Winner Takes All”の世界で、より多くのユーザーを獲得した一社が勝ち。正直、当時のスマオクは、マーケティング力でメルカリに圧倒的に負けていました。スマオクユーザーも大体メルカリと併用して使っている、正直自分もメルカリも愛用していましたからね。(笑)

ー スマオクは早くからグローバル展開を始めていましたよね。

たとえジャンル特化でも、強豪ひしめくフリマアプリ界隈で、同じ事業を行っても消耗するだけです。スマオクならではの付加価値をつけられないか、そんな思いでユーザーヒアリングをしていたところ、”スマオクで商品を購入して、自分の国にFacebookやWeChatを通じて販売している”というアジア系外国人ユーザーの多さに気が付きました。

調べてみると、中国や東南アジアにすむ方は、ブランド品に対する憧れが強く、ニーズが増えている。また、自国内で流通しているブランド品に対しては信用度があまり高くないのに、「日本で購入されたもの」に対しては信用度が高く、価値が高いことがわかりました。
そこでスマオクで海外向けフラッシュオークションを始めたり、アジアへの進出を検討しはじめたのです。

オーナーシップかビジョンか?メルカリ/ソウゾウの一員となるまでの原田氏の決断

ー スマオクも軌道に乗っていた中、メルカリグループにジョイン。業界でも大きな話題となりましたね。

グローバルに事業を広げたことが功を奏し、V字回復の急成長が始まっていました。ただ、世界のマーケットを本気で取りに行くには、今のままではスピードが遅く、本気で攻めるためにも資金調達をしないといけないと考えていました。また、ちょうどその時期に複数他社からM&Aのオファーがあったこともあり、増資とM&Aの可能性を合わせて検討をしていました。その中で、昔からの起業家仲間でもある松本(ソウゾウ代表取締役 松本龍祐)に、起業家としてどうすべきかを相談をしたんです。

経営者には、”ミッション・ビジョン”を取るか、”オーナーシップ”を取るか決断をしないと行けない時があります。増資やM&Aを決める時はまさにそのタイミング。増資をすることで、チャンスは広がりますが、自分の会社に対するオーナーシップは薄まりますからね。
私は昔から”ビジョン重視型”の人間なので、オーナーシップよりも当然ビジョンを取ると答えはでていたのですが、大きな意思決定を行うのであれば、相手は絶対に同じビジョンをぶらさず共有できるところでないとありえない。そう決めていました。

正直、相談し始めたタイミングではM&Aは考えていなかったのですが、松本をはじめ、スタートアップマインドが高い役員陣から話を聞けば聞くほど、メルカリの「世界で通用するマーケットプレイスをつくる」というビジョンが、ザワットのビジョンと同じであり、高いレベルで実現に向かっていることを確信していきました。

一緒にやることにより、2社が目指す「世界的なマーケットプレイス作り」が加速できるのではないか。そう思えたからこそ、メルカリ/ソウゾウの一員になることが素直に決断できました。

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メルカリ/ソウゾウに入って。今の環境と今後絶対に成し遂げたいこと

ー メルカリグループにジョインして約3ヶ月。正直な感想は?

思った以上に違和感なく仕事が出来ています。これは先程述べたように、目指している方向性が全く一緒だからですね。ザワットメンバーも全員一緒にジョインしたのですが、皆のモチベーションも高くキープされたまま、新しいメンバーという超強力なエンジンを更に積んでもらって「水を得た魚」のように仕事できている、そんな感じです。

参画が決まった時、まずはメルカリ内のファッションカテゴリーにスマオクのスモールBの要素を取り入れればすぐに相乗効果が出せるのでは、と考えていました。だけど、その話をメルカリのメンバーにしたとき、そこは確かに効果がでるところだけどメルカリはピュアなC to Cなので、やるべきところはそこじゃない。あまり制約条件に縛られず、次のメルカリを創る目線で全体利益のため活躍して欲しい。みんなにそう口を揃えて言われました。

あまりにも皆の考え方に一体感があるため、ああ、これがバリューの内の一つである”All for One”なのか。と圧倒されました。今は私の中にもすっかりAll for Oneの意識が根付いており、ザワットメンバーは単なるメルカリ内のファッションカテゴリー強化だけではなく、ソウゾウのチームの中でバーティカルに世界を取る戦略でいこうと、新サービスのローンチに向けて開発を進めています。

メルカリ/ソウゾウにジョインすること、それは私にとって、とても大きな意思決定でした。この決断の背景について、今も多くの人に質問されます。そんな時、私が逆に聞きたいのは「小さな成功を目指したいのか?」ということです。

私、そしてザワットメンバーたちがメルカリと目指すものは、世界を相手とする「大きな成功」です。

そのためにも、優秀なメンバーと同じベクトルを向き、社内でも最速で最短で最新の技術を使いながら攻めていかなくてはいけないと思います。大きな夢の続きを、メルカリという集合体で叶えていきたい。そう考えています。

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ーありがとうございました!メルカリ/ソウゾウでは一緒に大きな夢を叶えていくメンバーを募集しています。こちらから是非お申込みください。

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