新会社メルロジCTOとCPOが明かす「全員Product People」の言葉に込めた想い

2021年10月28日に設立を発表した株式会社メルロジ。

メルロジには、メルカリ日本事業で長く活躍してきたCTOとCPOがいます。この記事では、メルカリ日本事業で多くの経験を積んだ2人が新会社に対して今どんな期待を持っているのか、お互いの視点から話してもらいます。聞き手はメルロ人事(メルロジ人事)の@asaiです。

この記事に登場する人


  • 木下慶(Kei Kinoshita、@kei)

    筑波大学大学院コンピュータサイエンス専攻修了。NTTデータでのSE職、ランサーズでのエンジニア・プロダクトマネージャー職を経て、2016年6月株式会社メルカリに入社。US版、UK版メルカリのPMを担当後、2019年7月よりJP版メルカリのHead of Product。2021年3月より新規事業チームに異動し、2021年11月よりメルロジCPOに就任。


  • Ryan O’Connor(ライアン・オコナー 、@roco)

    カリフォルニアのベンチャー企業、DivX、WalmartLabsでのSE職や楽天でのエンジニアリングマネージャー職を経て、2019年10月株式会社メルカリに入社。物流のエンジニアリングマネージャーとしてチームをリードし、2020年より物流のHead of Engineering、2021年よりCustomer JourneyのHead of Engineeringとなる。2021年11月よりメルロジCTOに就任。


なぜメルカリ→メルロジへの異動を決めたのか?

ーまずはじめに、お2人がメルカリから異動した背景を聞きたいです。

@kei:2016年6月の入社以降、メルカリの米国事業や英国事業でプロダクトマネージャー(PM)を担当した後、2018年10月から、フリマアプリ「メルカリ」の日本事業に従事してきました。最終的には2021年2月までプロダクトオーナー(PO)を務め、翌月にはプロダクト組織を離れてBusiness Operations部門(オフライン施策などビジネスサイドの業務を行う部門)へ異動してきました。長らくメルカリに対して思いを持ってやってきたのですが、このタイミングでBusiness Operations部門にて新規事業のプロダクトオーナーを務めることになったんです。

メルカリは月間利用者数が2,000万人を超える大きなプロダクトになりました。しかし、日本国内のインターネット人口やスマホ普及率を考えるとまだ利用されていない方が多い状況です。利用者数を拡大するにあたり、既存事業の成長はもちろん、新規事業でメルカリグループとしてカバーする利用シーンを増やしていく必要があると感じていたんです。数ある新規事業の中で、まだ発表前のプロジェクトのPOを経て「メルカリリペア」に携わることになりました。

@kei:メルカリリペアのプロダクト企画を進めている際に、「ロジスティクス分野で別会社を作ろうとしている。メルカリリペアとのプロダクト連携も考えられる」と@nokazuさん(メルロジ代表、野辺一也)から聞きました。メルカリにまつわるオフライン体験という広い括りで考えれば、メルカリリペアとの親和性も高いぞと思ったんです。Webサービスであるメルカリにおけるオフラインの体験構築への思いから、CPOとしてのジョインを決めました。

ーずっとメルカリのPMを担当してきた@keiさんが、入社から5年を経てオフラインの領域を攻め続けていますよね。メルカリ入社前のバックグラウンドもオフライン関連の領域だったんですか?

@kei:いえ、むしろずっとオンライン体験が主戦場でした。でもメルカリでPOを担当する傍ら、メルカリポストやメルカリ教室などのオフラインタッチポイントの拡大と反響を見て、そこにある可能性を強く感じていました。当然ながら我々人間は、オフラインで生きていますので…。自分自身が日々の生活を送る中でも、いろいろな場面で行動をするときに不便が多いなとは感じていたんですよね。一方でオンラインのプロダクトがあることで便利さある。たとえばスターバックスのコーヒーが飲みたいと思った時のモバイルオーダーは便利だなあとか、オフラインとオンラインの融合で利便性を向上する方法はたくさんありそうだなと感じていました。

木下慶(@kei)

ーありがとうございます。かたや@rocoは、メルカリ入社からずっとロジスティクス分野でエンジニアリングマネージャー(EM)を担当し続けてきましたよね?

@roco:そうです。私は2019年10月にBackendチームへEMとして入社しました。入社する前に配属先がロジスティクスになると聞き「面白そうだな」と思ったのが最初の印象です。実は…偶然にも、私の親戚は物流にまつわる会社を1906年に立ち上げた、なんてバックグラウンドもあります。ロジスティクス関連の仕事を探していなかったにも関わらず、なんだか運命的ですよね。

そこから1年ほどの経験を経て、2021年1月にはロジスティクスだけではなく、サービスとしてのメルカリ全体のカスタマージャーニーを創り上げるプロジェクトを担当しました。その中で、@nokazuさんと、メルカリでのオフライン体験を開発するPMの@aki.nakanishiさんから「新しいロジスティクスを創りますよ」と声をかけてもらったんです。初めは、エンジニアリングを担当してきた自分の視点でのプロダクト開発や組織の在り方についてアドバイスを求められて積極的に意見交換していました。こういう風にやったほうがいいよね、こっちの方がいいよね…といったアドバイスや意見だけでなく、文句も伝えたり。そうしたら僕の文句が多すぎて、「じゃあ@roco、一緒にメルロジやりましょうよ」って誘われました。これが経緯です。

Ryan O’Connor(@roco)

ー文句!どんな意見交換をしたのか気になります。

@roco:メルカリグループ内で新規事業が立ち上がることが増えてきて、部署間のやり取りがうまくいっているかどうかが不安だったんです。だから、「これから新会社で開発チームを作るなら、こういう人数がいいと思うよ」「最終的にどういうプロダクトだったら良いよね」「メルロジだけでなくこれから先もメルカリグループが新規事業に投資して仮に子会社を作るならば、どう作れば負担がかからないのだろうか」などいろいろ伝えました。もちろん、メルカリとのコラボレーションをもっとイメージした方がいい。メルロジが孤立してしまうことなく、グループみんながお互いに成長していけるようなイメージを伝えていました。

メルロジの現場で共通する「全員Product People」の考え

ーお2人の経緯から、もともと持っているメルカリのプロダクトや組織に対する思いが伝わってきました。次に聞きたいのは、「プロダクト」「エンジニアリング」に対しての考え方なのですが?

@kei:僕は「全員Product People」というモットーを持っています。これは、プロダクトを作ることはあくまで僕らにとって手段であり、その先にお客さまがいるという考え方です。「デザインする」「コードを書く」は、プロダクトのため。PMもデザイナーもエンジニアも役割は違えど、あくまでも全員がプロダクトを作る人です。PMが書いた仕様に基づいてただ業務を進めるのではなく、全員がお客さま目線を持って、こっちの方がお客さまのためでは?など、意見を交わしていきたいというのが僕の願いです。全員がお客さまやプロダクトのことを考えていて、その中で仕様を書く・チケットを切るのがPMのイチ役割、というイメージです。

役割に関係なく、関わる全員でプロダクトのことを議論していきたい。企画、UIデザイン、開発それぞれは全てプロダクトのためであり、そのプロダクトはお客さまのためのものである。プロダクト単体を目的とせず、お客さまやメルカリのビジネスに貢献するための体験構築やテクノロジーを活用していきたい。メルカリには同じ気持ちのメンバーが多く心強い気持ちですが、自分自身が忘れてしまわないように自戒を込めてのモットーです。なんだか序盤からカタすぎますかね…?(笑)

@roco:ううん、私も@keiと同じ気持ちです。エンジニアリング視点で考えても、魅力的な顧客体験を生み出すことに対して、テクノロジーは手段です。私たちは革新的な技術を、お客さまに最高のプロダクトを作るためのツールとして活用していきたいと考えています。 お客さま、ビジネスに対して、プロダクトが今だけでなく未来のニーズに対して活用される基盤を作れると思っているんです。むしろ、こういう考え方による基礎づくりを怠ってはいけないとも感じています。これはエンジニアリングの大事な役割だと思っています。これからビジネスとプロダクトを創っていくにあたって、エンジニアもそういった意識を持つことは必要です。

ーお2人はメルカリに籍を置いたままメルロジでのCPO・CTOを担当しています。既存事業とどのような連携をしていこうと考えているんですか?

@kei:例えば、壊れたものでも出品できて、発送後に我々が荷物を預かり、リペアサービスと紐付けて修理する。そんな付加価値を提供したいと思っています。メルロジはメルカリを運営して見えてきた必要性から生まれたサービスなんですよね。だから、メルカリグループが提供するサービス間での化学反応を作っていきたい。メルカリというサービスならではの課題や社会貢献をより加速させるため、オフラインでの体験へ本腰を入れる本気度が伝わったら嬉しいです。

そのなかで、シンプルにお客さま体験を起点に連携していきたいと思っています。「今のメルカリとメルロジが合わさったときに、こういう体験が提供できるよね」からスタートして、必要に応じて各チームが染み出しあいながら企画・デザインしていけるとなおよい。メルカリ・メルロジ双方からメンバーが参加するプロジェクトチームを組成することもあるでしょう。裏を返せば、「僕らの範囲はここまで」とお互い決めつけてしまいたくないんです。原点に立ち戻って、お客さまにとって良い体験・つながった体験ということを主軸に考えて進めていきたいなと思っています。

ーだから@keiさんは、メルカリにも籍を置いている?

@kei:はい、僕は引き続きメルカリにも籍を持っています。この体制、いいなあと思っているんですよね。現在、基本的には各グループ会社で専任として動くことが前提です。1つの事業に深くコミットでき、とてもいいやり方だと思っています。でも、メルロジの場合はほかのグループ会社と連動することが前提となります。そうすると、メルロジだけにコミットするスタイルだとあまり良くないかなと思ったんですよね。メルロジはまだまだ立ち上がり期なので、もっとグループ内の各サービスと交わっていきたいなと考えているところです。

@roco:メルカリとメルロジをうまく融合させることで、各プロダクトから卓越した技術を引き出せる強固で柔軟な基盤を構築できると確信しています。メルカリだから・メルロジだから、だけではなくて、ミックスにしていきたい。

世の中のサービスを見渡してみれば、多くはオンラインのみ・オフラインそれぞれの体験に重点が置かれていることも多いです。乗り物のチケットを予約しようと思ったときに、窓口にいけば簡単なものが、オンラインになると途端に手間がかかります。オンラインで簡単に完了できる体験は素晴らしいですが、「オンラインからオフラインまで」という体験に向き合うことができるのがメルカリ・メルロジならではなのではないでしょうか。メルカリグループのプロダクトを組み合わせることで、私たちは最終的にお客さまのためにバランスの取れたオンライン/オフライン体験を作り出すことができると思うんですよね。

@kei:加えて言えば、今やメルカリの2,000万人を超えるお客さまにサービス訴求できるのが強みですよね。そして、二次流通との相性が良い梱包代行やリペア、クリーニングなどを、将来的には売れた後・買った後にシームレスに連携できるようにしていきたい。メルカリで売れた服をクリーニング屋さんにそのまま持っていくと、クリーニングから梱包、購入者への発送まで全てしてくれるみたいな。とても便利だと思うんです。

ちなみにメルペイとは、メルカリリペアにおける決済部分ですでに連携しています。メルペイのPMが要件定義から入ってくれて密にコミュニケーションを取ってサポートしてもらい、カンパニーを跨いだ連携が実現している。今回話してみてやっぱり思うのが、カンパニーとかオンライン・オフラインとか関係なく、お客さま体験が大前提なんですよね。Business Operations部門を担当している@nokazuさん直下にメルロジのCPO/CTOがいて、両方にコミットしているのは良いフォーメーションだなとしみじみ思いますね。閉じずに考えられるのもいい。

@roco:メルロジに含まれる “log” という文字は、ロジスティクス、テクノロジー、エコロジーにも含まれています。我々としては、ロジティクス内だけで終わるつもりはないんですよね。

@roco:メルカリグループの各企業は、他カンパニーの力の “乗数” だと思っています。それぞれのサービスがあるなかで、お客さまのために良いサービスを提供できる。それぞれの会社が独自のサービスを持っていますが、それらを組み合わせると、本当に素晴らしいトータルカスタマーエクスペリエンスを生み出すことができます。例えばメルロジがサービスを展開するなかで決済領域に染み出したいなら、いちから立ち上げることは難しいですよね。けれど私たちの仲間にはすでにメルペイがいる。メルロジのサービスは、これまで他の会社では不可能だった新しい体験を解き放つことができる。すべてのサービスを上手く組み合わせれば、今までに見たことのない体験を創ることができると思うんです。

いちエンジニアとしてこのメルカリグループを見るとしたら…魅力は、プロダクトに集中できることでしょうか。プロダクトだけではなく、自分自身の力もサービスにとっての乗数になる実感があります。あとは複数のプロダクトやサービスがある中でも、自分が日々手を動かしていることだけでなくてすべてのサービスが見える状態なので、それも楽しいです。いわゆる楽しくない状況って、自分のところしか見えていない・自分のところだけやるような閉鎖的な環境なのではないかと思っているので。

メルロジCPOとCTO、お互いの印象は…?

ー最後に、お2人の目線から、お互いをどう見ているか聞いてみてもいいですか?

@kei:あくまで僕の目線からの印象なので、違ったら言ってほしいんですけど(笑)。@rocoはエンジニアリングやテクノロジーに対する確固たる信念を持っていつつも、プロダクト・お客さま目線も持っています。テクノロジーはあくまで手段であると考えている…ように僕には感じるんです。もちろんテクノロジーに対して僕も敬意を持っているんだけど。どう?

@roco:ありがとう、多分あってるよ。技術だけでなくて、会社のためにどうがんばったらいいのかを大事にしています。会社とお客さまがどうなるのがいいか考えながらテクノロジーを使っていく、という目線でいます。今エンジニアの採用も積極的にしていますが、この思いは候補者の皆さんにも求めたい視点です。仮にいくらスキルが高くても、プロダクト・ビジネスを考慮しない方だとしたら…正直に言って相当まずいなと。そんな視点を持ちながら一緒にこの会社を作りたい人を、迎え入れたいです。

@kei:合っていてよかったです。更に言うと、エンジニアがPMに「これどうなんですか?はやく決めてくださいよ」と言うのではなく、エンジニアにもプロアクティブであるべきと@rocoが伝えてくれている。もちろん仕様を決めてチケットを切るのがPMの仕事なのでそこは当たり前にこなすべきと考えてはいますが。そのおかげで、各エンジニアが仕様整理のような仕事もしてくれて助かっている。プロダクトはシンプルに!という重要な考えも共有できている感じがするんですよね。

@roco:最初に@keiが言っていた「全員Product People」が、まさにそうだと思っています。今メルロジはスタートアップのようなかなりの少人数でやっているので、自分の思いとしては、やりたいことがあるなら手を動かしてみてほしい。デザインがない?仕様がない?それが気になるならば、自分でやってみればいい。むしろ、なんでもやっていいんですよ。サービスのフェーズや人数規模も異なるメルカリ日本事業の動き方とはちょっと違うかもしれないし、人数の多いチームではギルティな行為にもなりかねない。そんな動きもメルロジであればウェルカムです。これは、メルロジで働くエンジニアにとっても大きなチャレンジですし、大きな魅力でもあります。

ー@rocoさんから見たCPOとしての@keiさんはどうでしょう?

@roco:プロダクトマネジメントチームは非常に積極的で、モチベーションも高いです。他のPMだったら嫌がるかもしれないくらいエンジニアから質問がくるけど(笑)。@keiさんはいつでも「Welcomeです!」というマインドとスタンスです。エンジニアたちと積極的に関わる機会を作ってくれています。@keiさんから「No」って聞いたことないですね。あとは時間を作ってdaily standupに参加してくれたりするんですが、無理させていないか気になります…(笑)。

@kei:無理なんてしてない(笑)。僕はもともとエンジニアだったので、最近の技術とか、自分で触らなくても知っておきたいなというのが正直なところでもあって。「今回こういうの使うんだ」「最近こんなのあるんだ」と興味津々に聞いていたりします。

@roco:別の観点では、データドリブンなプロダクトマネジメントを推進してくれる点でも協業しやすさを感じています。堅実なプロダクトマネジメントをしていくにあたって、この点は欠かせません。“data driven for growth” を感じますね。他で聞く話でいえば、理由なしで新機能開発しようとする人もいるけど、我々はデータを見ることができる。適当にモノを作っているわけじゃなくて、すでにあるデータを見ながらお客さまにとってより良いプロダクトを創っている感覚があります。

メルロジでいえば、もともとメルカリ配送で取得してきたデータがあります。データを見ずに配送トラックを走らせるのではなく、既存のデータをもとに配送効率を考えることができる。これがエコロジーにも繋がってくる。データドリブンで物流を改革していけるのはメルロジの大きな魅力だと思ってます。

@kei:僕から見た@rocoについて、1つ伝え忘れていました!@rocoはクラフトビールが好きって聞いて、さらに気が合いそうだなって思ってました(笑)。

@roco:一緒に行きたいですね!落ち着いたらぜひ、行きましょう。

ーお2人とも、今日はありがとうございました。メルロジでは設立間もないタイミングということもあり、皆さんに我々を知っていただく機会を多く設けようと発信にも力を入れています。次回オンラインイベントでは、各領域ごとに見ている景色や課題を話す予定ですので、こちらもぜひお見逃しなく!

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