「100円ショップで梱包資材を買うお客さまは3割」だから完遂させたダイソー×メルペイPJの4年間

2022年2月1日、大創産業が運営する100円ショップ「DAISO(以下、ダイソー)」の系列2,730店でメルペイによるコード決済の提供が始まりました!(一部店舗をのぞく)。さらに2022年2月15〜28日には「メルカリメガフェス」にも参加していただきました。

そんな大型プロジェクトを支えていたのが、加盟店さまとプロダクト開発チームの間に入ってよりよいサービス提供を行うSolution Architectチームの与那覇知洋(@yona)と、Merchant Enterprise Salesチームの古川千尋(@zhangchiyi)。

「実はこのプロジェクト、2018年から話し合いを始めていました」

メルカンでインタビューしてみたところ、冒頭で飛び出したのはそんなひと言でした。ダイソー各店でのメルペイ導入までの歳月を紐解いてみました。

※撮影時のみ、マスクを外しています

この記事に登場する人


  • 与那覇知洋(Tomohiro Yonaha、@yona)

    三菱UFJニコス株式会社にてEC加盟店および大手オフライン加盟店開拓に8年間従事。2013年よりDeNAグループの決済代行会社株式会社ペイジェント(現NTTデータグループ)に決済システムの導入推進とEC加盟店開拓。2018年7月に設立間もないメルペイの初期salesメンバーとして参画。


  • 古川千尋(Chihiro Furukawa、@zhangchiyi)

    株式会社マイナビにて人材領域以外の新規事業に5年間従事。主に、2016年よりBtoC国内宿泊予約サイトの立ち上げ・全国のホテル旅館などへ新規営業を担う。2019年よりBtoB出張予約管理サービスや外資系電子署名ツールの事業設立/新規営業/チームマネジメントを経て、2021年10月よりメルカリに参画。


「メルカリのお客さま約3割が100円ショップで梱包資材を買う」

ーダイソーさまでのメルペイ導入、おめでとうございます!

@zhangchiyi:ありがとうございます!!

@yona:本当に嬉しいですね。ダイソーさまとプロジェクトの話し合いを始めたのが2018年だったので…4年の歳月をかけたものになりました。

与那覇知洋(@yona)

ー4年!?

@zhangchiyi:そもそもこのプロジェクトのきっかけは、ダイソーさまとメルカリのお客さまの親和性が高いことを理由にスタートしました。というのも、メルカリを使うお客さまの約3割が100円ショップで梱包資材を購入しているんです。

そしてもう1つ、ダイソーさまに提案していくなかでわかったことがありました。それが、両社が掲げているミッションやバリューの方向性が合致していたこと。ダイソーさまは「世界中の人々の生活がワンプライスで豊かに変える」、メルカリは「新たな価値を生みだす 世界的なマーケットプレイスを創る」として循環型社会を目指しています。つまり、近い価値観を持っていたんですよね。今回のプロジェクトでも、根幹にあったのはダイソーさまとメルカリが協業することでより良い現象を起こすという意思でした。

古川千尋(@zhangchiyi)

@yona:そのため、話し合いにも時間をかけました。2021年ごろに具体的な内容ができ、同年10月ごろに合意いただいて正式にいろんなものが動き始めましたね。

ーちなみに、話し合いが始まる前までダイソーさまはメルカリに対してどんなイメージを持っていたんでしょうか?

@zhangchiyi:メルペイに関しては、あくまでも決済サービスの1つにとらえていらっしゃったようです。しかし、その内訳にはメルカリでの売上金も使用できたりします。話し合いを重ねていくなかで、メルカリグループ全体との取り組みとして包括的なシナジーを生む可能性があると思っていただけたように感じます。ダイソーさまとしてはキャッシュレス決済のレパートリーが増えるだけでなく、梱包資材の販売を促進できたり、新規のお客さまを獲得できたり。そういった別の切り口でメリットがあると理解し、導入へと舵を切る決断をしてもらいました。

導入初日は「初決済」を狙って6〜7km先のダイソーへダッシュ!

ーメルペイ導入までの流れも知りたいです!

@yona:私はSAチームとして、ダイソーさま側のシステム的なサポートやコミュニケーションを担当していました。契約合意後は導入までのスケジュールと、導入後に開始するキャンペーン内容をすり合わせ。そして、ダイソーさまがPOSアプリとして使っている開発会社とゲートウェイ事業の方をつなぐこともしていましたね。

ダイソーさまは流通量の多いチェーン店を国内に3,000店舗ほど持っています。当然ながらレジ周りで決済できないなんて事態が起こってはいけません。万が一に備えて、問い合わせ先も明確にし、スムーズにコミュニケーションできるように設計しました。また、POSアプリの開発会社の方ともシステム連携がしっかりできているか、レシートに「メルペイ」と印字されるかなど、検証環境でのテストは何度も行いましたね。

@zhangchiyi:私はMerchant Enterpriseチームとしてプロジェクトマネジメント面をサポート。導入前後の運用(店舗追加の運用・障害発生時の連絡・月次の売上明細の確認方法など)をダイソー店舗責任者の方々との説明を兼ねたMTGを実施していました。

@yonaさんが話していたとおり、ダイソーさまは流通量の多いチェーン店を系列店含めて3,000店舗ほど。そのため、「この店舗は加盟します」「この店舗はモールに出店しているテナントなので加盟できません」といった調整はローンチ直前までありましたね。導入の合意をいただいてからシステム連携と並行して、販促物についてもダイソーさまとMTGを重ねました。

渋谷マークシティ店

ー導入後の反響はどうでしたか?

@zhangchiyi:嬉しかったのはSNSでの反響ですね!「ダイソーでメルペイが使えるようになったの嬉しい」といった声が多く上がっていて、ジーンとしました。メガフェスも開催していたので話題性もあったようです。多くの方がメルカリのニュースリリースをきっかけに知っていただいたようなのですが、何よりダイソー店内にメルペイのアクセプタンスマーク(メルペイによる決済が使えるとわかるマーク)や販促物を掲示いただいた影響が大きいです。おかげで、来店されるお客さまの目に触れる環境ができ、反響につながりました。

@yona:あと、社内での反響も嬉しかったですよね。無事にローンチしたことを社内Slackで伝えると、たくさんSlackスタンプを押してもらえて…。メルカリ・メルペイのお客さまの利用ニーズも高いダイソーさまでメルペイが使えるようになったことはもちろんですが、社内メンバーがこんなに反応してくれたことは自信になりました。

@zhangchiyi:そういえば、ローンチ当日に@yonaさんは自宅から6〜7km先のダイソーで初決済をするため、朝9時の開店に間に合うようにランニングして向かったんですよね?

ーすべては初決済のために?(笑)

@yona:誰よりも早くメルペイで決済しようと思ったので(笑)。ところが、ダイソー担当者の方が朝7時開店の店舗ですでに決済されていました!でも、僕の方でも決済したことを伝えたら、喜んでくださいましたね。初決済奪取は、ほかの加盟店さまが導入してくださったときも続けるつもりです!

SAチームの醍醐味は「川上から川下までの全工程に携われること」

ーお2人の役割は、加盟店さま側でのサービス導入をサポートするだけでなく、何か要望があればプロダクト開発チームへ持ち帰ることもします。前職でも近い仕事をしていたんですか?

@yona:僕はもともと営業出身で、システムやリーガル、経理、財務などいろいろなセクションと打ち合わせすることも多かったです。メルカリへ入社を決めたのは、エンジニア向けの採用イベントに飛び込みで行って「この会社は面白そう。こういう人たちと一緒に働きたい」と思ったから。入社してみて、いろいろなバックグランドを持つメンバーと連動できるのは驚きました。

そして、メルカリSAチームほど、マーチャント全般を体験することは前職でもない体験でした。加盟店さまがサービスを導入したあとも保守・運用で関わり続けるという意味では、まさに川上から川下までの全工程に携われます。

何より、SAチームが所属するMerchantグループは外部パートナーの方々と協力し、加盟店さまが年間で15〜20万店舗ずつ増えています。そのスピード感を味わいながら仕事ができるのも特徴の1つと言えますね。

@zhangchiyi:私はダイソーさまとの契約合意と同じタイミングでメルカリへ入社しています。前職では@yonaさんと同じく営業をしていました。もともとメルカリのいち利用者で、サービスを自分の人生の一部のように感じていたところもありまして(笑)。その延長線上で仕事がしたいと思って入社を決めたんです。

私はダイソーさまとの契約合意後に担当となりましたが、合意前から何人もセールスが営業提案をし続けていたと聞いています。店舗審査担当やマーケティング、PRの人たちなどほぼ全メンバーが関わっているのではないかというレベル感で、メルカリグループの人たちが動いていた印象です。だからこそ、このプロジェクトは大事に感じましたね。

ーお2人から見て、チームの雰囲気はどうですか?

@zhangchiyi:みんな、すごくいい人ばかり!いい意味で和気あいあいとしているんです。社内Slackでは何でも話せる雰囲気があり、見ているだけで楽しい(笑)。

@yona:いろいろ話していますよね。Slackで「助けてください」「わかりました」と言い合える距離感もチームのいいところですね。

メルカリの“All for One”が結実したプロジェクトでもあった

ー改めて、今回の大型プロジェクトを完遂させたお気持ちは?

@yona:振り返ってみると、メルカリのミッションである「All for One(全ては成功のために)」の姿勢を体現したプロジェクトだったと思います。ダイソーさまとの話し合いが始まった2018年にはDizDevやPR、マーケティング、経営メンバーも参加してさまざまなアイデアを出し合っていました。契約後も、ローンチに向けてグループ横断でプロジェクトを進行。この動きは、他社にはなかなかない魅力だと思います。

@zhangchiyi:確かに、ステークホルダーが何十人もいるプロジェクトでしたね。単なるペイメントの導入だけではなく、メルカリポストの設置など他のアセットをうまく活用し、包括的に取り組めたこともよかった。この動きを「All for One」のひと言で動けてしまうメルカリは、やっぱりすごい。

―今後、ダイソーさまとの協業における野望は?

@zhangchiyi:ダイソーさまにとって「メルカリとコラボしたから実現できたこと」、メルカリにとっては「ダイソーさまなくしては実現できなかったこと」の目線を合わせて、BigにGo Boldにプロジェクト化して進められたらと思っています。その第2弾として、2022年3月15日から全国のダイソーで「メルカリ×ダイソー限定オリジナル梱包資材」の発売も始まりました!

@zhangchiyi:SDGsの文脈でも、ダイソーさまとメルカリで「何かプロジェクト化していきたいね」と話しているところです。この勢いを落とすことなく、いろいろな施策を巡らせていきます!

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