障がいとともに働くって難しい?──障がい学生向けイベントに登壇して感じたこと #メルカリな日々

こんにちは!メルカリ、 Annotation & Business SupportチームのUmiko(@umiko)です。
私たちの部署はいわゆる障がい者雇用チームで、様々な障がいのあるメンバーが在籍しています。現在、私自身も身体に障がいがあり、車椅子社員としてメルカリでD&I PRに携わっています。

突然ですが、障がいのある学生さんの就職活動が、想像以上に大変なことを、皆さんは知っていますか?

社会人としての第一歩を踏み出す会社を選ぶのは、健常者であっても大変苦労の多いことですよね。特に障がいのある学生さんの就職活動は、「そもそも障がいがあっても働ける会社なのか?」あるいは「障がい者が働く環境は整っているか?」など、企業側の情報の開示が少ないために実態が分かりにくいという課題があります。

そうした課題に取り組んでいる、特定非営利活動法人Collable(コラブル)様が主催する障がい学生対象オンラインセミナーに、Annotation & Business Supportチームのメンバー3名が参加させていただきました。

当日の内容を振り返りつつ、イベントに参加して改めて感じたことをお伝えしたいと思います!

メルカリで働く障がい者の、これまでの歩み

イベントをのファシリテートしてくれたコラブル代表の山田小百合(さゆちゃむ)さんは、重度の知的障がいを伴う自閉症と診断されたお兄さんと弟さんの間にお産まれになり、現在は「障がいの有無をこえた共創プロジェクトを開発しつづける」というミッションのもと、活動していらっしゃいます。

今回さゆちゃむさんがメルカリに声をかけてくださったのは、「多様性を活かす」というポリシーに基づいたメルカリのD&Iステートメントを見たのがきっかけだそう。それ以来、メルカリの障がい者雇用や、それを取り巻く環境、そしてそこで働く障がい者が実際どういった姿勢で業務にあたっているのかに興味を持っていただき、今回のイベントが実現しました。

イベントの内容としては、メルカリが長期ビジョンを実現するにあたり取り組むべき重点課題の1つである「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」の取り組みのご紹介と、私Umikoを含む障がい者メンバー3人が、自らの人生のライフチャートをもとに、障がいとともに働く中でどういった困難を乗り越え、今に至るのか?をご紹介させていただきました。

まずは今回登壇したメンバーと、そのライフチャートをご紹介。

Noriyasu Mitsui(@nori3)

みんなからはノリさん(@nori3)の愛称で慕われる、我らの部署の優しいマネージャー。先天性骨形成不全を持ってお生まれになりましたが、それを感じさせない超アクティブ人間。GAFA企業など複数の外資系企業で人事を勤められたというご経歴をお持ちで、チームのみんなから尊敬されています。趣味は音楽、旅行、そしてワンちゃん。英語はもちろんペラペラ。

Nori3は、新卒で入社した日系電機メーカーで年功序列で出世していく上司を見て、自分の将来の姿が見えたような気がしてモチベーションがダウンしたそう(あるある…笑)。そんな時代を経て、車椅子であることを物ともせず、海外出張を経験されたり、外資系企業への転職も果たされます(すごい!)。

Kota Kawashima(@Kota)

チームのムードメーカー。新しいことにも臆せず、「何でも挑戦してみる!」というポジティブマインドの持ち主。2014年にASD (自閉症スペクトラム障がい)が発覚後、2020年12月メルカリに入社され、メルカリのバーコード出品用データの作成業務や、聴覚障がいメンバーの支援ツールの導入、チーム内コミュニケーション活性化企画なども行っています。シェアハウス住まい。ゴスペルをやっていて歌がうまい(らしい)。実は英語も堪能。

Kotaさんは、精神障害の診断を受けた後、一般採用枠でIT企業に一度就職されるのですが、障がいの特性によって業務上のコミュニケーションに問題が生じ、思うように仕事が進められず、当時の上司に叱責されるなど大変な思いを経験されます。その後、信頼する方から勧められ、障がい者手帳を取得。メルカリ入社後は、現在の部署で大活躍されています!

Yuko Umino(@umiko)

新卒でイケイケなIT系企業に入社してしまったが最後、気づいたら仕事人間に。新規サービス企画やwebメディアの立ち上げ、広告営業や編集業務に携わる。メルカリ入社後、2018年に原発不明がんで死にかけるも、なんとか生還!

病気の影響で車椅子になったけど、前向きに頑張る3歳女児のママ。現在、働く障がい者の支援コミュニティの立ち上げを目論見中。英語は全然ダメなのでインターナショナル系保育園に通い始めた娘と3歳レベルから始めています。

私Umikoは、車椅子になってから一度メルカリの一般雇用枠の部署に復帰しましたが、治療と育児、そしてリハビリと……様々なものを抱えきれず、思うように仕事で成果を残せず苦戦。今の部署に移動してからは、体調を見ながら柔軟な働き方をさせてもらっています。

障がい学生が前を向くためのメッセージ

イベント内では「就職に向けてどんなことを準備しておいたらよいか?」という質問に対して

・自分の強みを明確化して言語化しておくこと
・自分がどういう生き方をしていきたいのか?何に興味があるのか?を考えておくこと
・何のためにこの仕事をやりたいのか?なぜこの会社なのか?を明確にしておくこと
・自分の中での一貫性を大切にすること

など、回答をまとめると、障がいの有無に関係なく一般的な就職活動において重要なポイントかなという印象を受けました。

また、難病患者の方や解離性障がいで障がい者手帳の取得が難しい方からの質問に対しては、Nori3から「どういうときにどういう症状が出るのか、自分はどういう配慮があると助かるのかを考えておき、会社側に伝えることが大事」とのアドバイスも。

最後に3人から学生さんに向けて以下のようなメッセージを贈りました。

Nori3:最初の就職先がすべてではないし、失敗しても大丈夫です。今回のライフチャートのように、誰にでも落ちる時期はあります。失敗しても「なんとかなるよ!」と前向きに捉えることが大事だと思います。

Umiko:障がい者手帳があるかないかなんて、究極のところ関係ないと思います。人として信頼してもらうことに注力し「この人と仕事がしたい!」と思ってもらえるようになれば良いと思います。

Kota:自分の中では弱みだと思っていたことが、社会にとってプラスになることもあります。ぜひご自身の持ってるもののマイナス面に注目するのではなく、「障がいはギフトである」というスタンスで取り組んでください。そうすればきっと、自分では思っても見なかった新たな可能性が開かれ、それを近くで応援して支えてくれる人も必ず現れると思います。

障がいとともに働くのは、平坦な道ではない

イベントの中では、「一般雇用枠と障がい者雇用枠で、会社からの配慮や制度に違いはあるか?」という質問や「障がい者手帳を取ると、就活が不利になるのではという心配があります」などの声があり、障がい者でも健常者と同じように働けるのか?という不安や、そもそも自身の障がいをオープンにして働くべきなのか?という点で悩んでいる学生さんも多くいるということが、改めて実感できました。

まだまだ世の中において健常者が障がい者と一緒に働く機会は多くなく、「障がい特性への理解」が進んでいるとは言えません。そのような社会で障がいとともに働くことは、決して平坦な道ではないと思います。

メルカリではD&Iを重要な経営課題と位置づけ、国籍やジェンダーに関係なく多様な人材が活躍できる組織づくりに取り組んでいますが、障がい者雇用もその1つです。私たちメルカリで働く障がい者が、障がいがあっても生き生きと働き、メルカリのバリューを体現していくことで、これからの未来を不安に思う障がい学生の希望になっていきたいと、イベントを通して改めて感じました。

今回のイベント参加をはじめ、メルカリはこれからも、障がいを含むあらゆる個性や特性が尊重される社会の実現に向けて、一歩ずつ地道にD&Iの取り組みを続けていきたいと思います。

そして10年後、今よりもっと障がいへの理解が進み、今回のイベントに参加してくださった障がい学生さんたちが、「社会を変える障がい者」として活躍されている未来を想像しながら、いま私にできることは何なのかを考えています。

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