安心・安全なマーケットプレイスであり続けるために。「くらしの安全」のプロフェッショナルとのコラボで“正しくHappyで安全な取り引き”を啓発していく

こんにちは、メルカリPublic Policy(政策企画)の今枝由梨英(@Vanessa-yurie)です。普段は、マーケットプレイスの出品物ポリシーや、消費者政策に関する渉外をしています。お客さまにより安心・安全にメルカリを使っていただくために、引いては「リユース品の活用を広めて循環型社会を実現していくためにメルカリとして何ができるか?」を日々考えて活動しています。

今回は、「安全とあなたの未来を支えます」をスローガンに、経済産業省所管の法令執行や政策を技術的な面から支援している公的機関で、「くらしの安全」のプロフェッショナル・独立行政法人製品評価技術基盤機構(National Institute of Technology and Evaluation:以下、NITE)さんとのコラボレーションで制作した、リユース品を安全かつ上手に使ってもらうためのチェックリストと動画についてご紹介します!

この記事に登場する人


  • 今枝由梨英(Yurie Imaeda)

    メルカリ経営戦略室政策企画マネージャー。日本銀行にて金融政策運営の事務局、経済調査、新日銀ネットシステムの更新PJの業務企画、金融機関との対話を通じた経営や貸出状況のモニタリングを実施。英国MBA取得後、海外中銀との国際協力PJに従事する。メルカリでは、マーケットプレイスの渉外としてステークホルダーとの対話や政策提言、運営の透明性強化、海外動向の調査に取り組む。


  • 大木将裕(Masahiro Oki)

    メルカリCorporate PR担当。PR代理店での広報コンサルティングを経て2020年にメルカリに入社。トップインタビュー、ESG施策、「マーケットプレイスの基本原則」の策定、「メルカリShops」の本格提供開始などのプロジェクトに携わる。主担当としてPRに関わった「マーケットプレイスの基本原則の策定」のプロジェクトが「PRアワードグランプリ2021」でブロンズを受賞。


  • 梅野賢太郎(Kentaro Umeno)

    メルカリMarketplace Trust and Safety Division TnS Office Teamマネージャー。前職のamazonではPartner企業のManagementを担当するなどして8年ほど従事し、2022年にメルカリに入社。現在はメルカリ内の取締りルールの策定や、不正対策、社内外のStakeholderとの交渉など幅広く参画。

お客さまが“意図せず”安全を棄損してしまっている不幸なケースがあった

──まずはNITEさんとコラボレーションをすることになった経緯から教えてください。

@Vanessa-yurie:メルカリは、安心な取引の場を提供したいという思いが昔から強く、カスタマーサービス、省庁との連携、AIの活用などを通じて、お客さま同士が安全かつ安心に取引を行っていただける環境づくりに注力しています。

2020年には、そうした取り組みが「令和2年度製品安全対策優良企業表彰(PSアワード2020)」で初のネットモール運営事業者部門 特別賞(審査委員会賞)を受賞するという形で評価されています。事故調査、注意喚起など、製品安全のための業務を行っているNITEさんとは、メルカリが幹事を努めるEC事業者協議会で製品安全についての講義をしていただいたことや、2021年からはNITEさんからの出向者を受け入れて、パトロールの基準のアップデートなどを担っていただく、NITEさんの注意喚起を『メルカリびより』でも発信するなど、連携を深めてきました。

そうした取り組みを進める中で、SellerとBuyerの双方への啓発の必要性を感じていました。そこで、リユース品を安全に使うためのチェックリストを作る活動に一緒に取り組もうということになりました。

今枝由梨英(@Vanessa-yurie)

@ohqui:メルカリはマテリアリティに「安心・安全な取引環境の実現」を掲げており、これまで継続して取り組んできた、CtoC・中古品取引の際の注意点について知見もあります。しかし、「メルカリはがんばっています」とただ伝えるだけでは、自己満足になってしまうので、お客さまやその他のステークホルダーにより伝わりやすい発信方法についてはいつも腐心しています。

NITEさんとコラボレーションすることによって、フリマアプリ「メルカリ」の利用者だけではなく、「リユース社会の拡大」という観点でより広範に届けることができるのではないかと考えました。こうした発信を地道に行っていくことはもう一つのマテリアリティである「循環型社会の実現」にもつながると思っています。

──「啓発」という言葉も出ましたが、実際にお客さまになにをInformしていくのでしょうか?

@umenok:安心・安全な取引環境の実現に向け、日々発生する不正事案について取り締まっていますが、お客さまが“意図せず”安全を棄損してしまっている不幸なケースが一定数発生してしまっているのは事実です。そうしたお客さまに向けて、「正しくHappyで安全な取り引き」に必要なポイントを、NITEさんとのコラボレーションを通して啓発してけるのではないかという大きな期待もありました。

また、「リユース社会の拡大」のベースには、社会全体として安全や安心について理解を深めていくことも必要なので、こうした取り組みをきっかけとして循環型社会の実現に貢献していきたいなと思っています。

梅野賢太郎(@umenok)

──実際にプロジェクトはどのように進められたのでしょうか?

@Vanessa-yurie:まず、いつも接点を持っているPRチーム、TnS(Trust and Safety)と相談するとともに、「メルカリとして提供できる価値は何なのか?」というのがいちばんの課題でした。

というのも、NITEさんが注意喚起のプレスリリースでこれまでにコラボされてきたのは特定の製品を持つ企業などで、その使い方の注意点などを紹介されていましたが、さまざまな品物を扱うマーケットプレイスとしてコラボレーションするのは初めてでした。メルカリもまた同様に、外部の専門家と安全について発信するのは初めてだったので、誰に(Who)何を(What)どう(How)お伝えし、何を達成するのか(Goal)を考える日々が始まりました。

もともとメルカリでは、出品する時や利用する際の注意点を継続発信していますが、「硬めの文章のため読みにくい」という社内からのフィードバックもあり、ここにも課題を感じていました。

そこで、まずは「メルカリにふれるお客さまに広く知っていただく」をゴールに設定。カスタマーマーケティングチームのSakicchoさんに相談したところ、「広く伝えるためには、実際にお客さまが“自分ごと”としてわかるようにした方がよい」とのアドバイスをいただきました。

「自分ごと」と「わかりやすさ」をキーワードとして、あらためてチームで何ができるか考えました。ここで、Ohquiさんから「NITEとメルカリで知見を集めたチェックリストを作ったらどうか」という提案をいただき、NITEさんとumenokさんを中心に「具体的に何のポイントをチェックするか、チェックした後には何をすればよいのか」がわかりやすいチェックリストを作成していきました。

@ohqui:企画を考えるにあたって、メルカリとしてどういったメッセージを打ち出したいかは時間を割いて議論しましたよね。NITEさんは事故の再発防止・未然防止のための情報提供を専門にされているので、リスク関連のアンテナが高く、これまでも素晴らしい発信をされていると思います。

一方で、それだけに目を向けるのはメルカリが目指す、限りある資源を有効に活用する循環型社会の実現やCtoCならではの一点ものを見つける楽しさといった部分と相反する面もあるので、そのバランスを取れるように心がけました。

大木将裕(@ohqui)

@umenok:メルカリが掲げている循環型社会の実現は、メルカリだけで達成をすることは難しく、社会全体の協力が必要だと思っています。フリマアプリ「メルカリ」のお客さまのみならず、社会全体に少しでもメッセージをリーチできないかと考えていました。

そこでせっかくのコラボレーションの機会ですので、誰に届けたいか、何を届けたいか、そのためにメルカリが蓄積している事例や知見をどうやって伝達をすべきか悩みました。

@Vanessa-yurie:NITEさんのシーン別のトラブルの資料をじっくり見ていくと、リユース品でのトラブルは実は対面で受け渡しされたものが半分以上を占めるということを知りました。これによって「循環型社会が広がっていく中で、メルカリのお客さまに限らず多くの方々にチェックリストをお届けして、安全な環境が広まるようにしたい」というGoalが明確になりました。

どうお伝えするのか(How)という点については、NITEさんのTwitterと弊社のTwitterがコラボしたり、メルカリのすべてのお客さまへのニュース配信を行ったり、このメルカンで制作過程もお伝えしたりと、多くのタッチポイントで発信して広くお届けしたいと思っております。

こうした試行錯誤を経て、当初感じていた「メルカリとして提供できる価値は何なのか?」という課題に対する解としては、循環型社会を推進し、数多くの出品をいただくプラットフォームとして、サービスに従事する社内のチームと力を合わせて、わかりやすいチェックポイントをNITEさんとお伝えしていくことなのだと感じました。

チェックリスト:リユース品使用時の注意ポイント

安心・安全なマーケットプレイスであり続けるために「正しい情報を全員にShareする

──動画を通して伝えたいメッセージを改めて教えてください。

@umenok:メルカリ内で安心・安全のために、日夜試行錯誤をして取り締まりを実施しているものの、意図せず安心・安全を棄損してしまった事例を目にすることが少なくないです。メルカリはこうした事例をただ取り締まるだけではなく、一歩踏み込んだ新たな役割として「正しい情報を全員にShareする」という使命もあると思っています。それが売り手も買い手も不幸にならない、そして循環型社会の実現のために必要なことかなと。

@Vanessa-yurie:動画では、誰に届けたいか(Who)を深掘りしました。リユース品を確認するだけではなく、もらった人もチェックした方がよいと考えました。そうすれば「気づき」の機会が2倍になります。このため、動画のシーンでは「わたす人」と「もらう人」の2名がチェックリストを一つずつ確認していくといった構成になっています。

@Vanessa-yurie:ESGやSDGsでますます注目される循環型社会。捨てるのがもったいない、大事に使っていた品物を、使いたい人と結びつけるのがメルカリのサービスです。安心して使ってもらうために、必要な情報をお伝えしたり、私たち運営側も安心・安全なマーケットプレイスを提供する努力をすることで、譲る人も使う人も、みなさんが自然に利用していただけるようにすることが大事だと思っています。

メルカリには、製品安全サポートという、一次流通企業と連携して、製品安全に関する情報を提供するといったプログラムがありますが、こちらの参加者をもっと広げていきたいという思いもあります。また、省庁や事業者、リユース品を使うみなさまといった多くのステークホルダーに、当社の取り組みを共有し、アドバイスをいただきながら、私たちにできることは何かを考えていきたいと思っています。

@ohqui:「安心・安全な取引環境の実現」はお客さまにとっても、メルカリの今後の成長を目指す上でも非常に重要な目標だと思っています。メルカリがどんなことを考えて日々サービスを運営しているのか、発信を強化していくべきという声はPRはもちろん、その他の部門からも日ごろから出ていて、より安心・安全にご利用いただけるように、裏側の取り組みやメルカリの考えが伝わる努力を重ねていきたいと考えています。

@umenok:メルカリが安心・安全なマーケットであり続けるために、全ての人が幸せになれる循環型社会の実現に向けて日々模索してくのみですね!

@Vanessa-yurie:資源を大切にする循環型社会を実現するためには、安心・安全な取引環境が広がっていくことが不可欠。より多くの方々が安心して楽しくリユースをしていただけるよう、引き続き尽力したいと思います。

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