8月22日より3日間にわたって開催!Fintech CTOと2名の新VPoEに聞く、「Merpay & Mercoin Tech Fest 2023」の見どころと意気込み

メルカリグループのFintech事業における「新たな挑戦」をお伝えする季節がまたやってまいりました!そうです、「Merpay & Mercoin Tech Fest 2023」が、8月22日から8月24日までの3日間にわたり開催されます。

今年はメルペイだけではなく、メルコインも加えた形でさらにパワーアップした「Merpay & Mercoin Tech Fest 2023」は、「Unleash Fintech」をメインテーマに、メルペイ・メルコインがどのように技術領域を“Unleash(解放)”していくかを共有するオンライン技術カンファレンスです。事業を支える組織・技術・課題などへの試行錯誤やアプローチを、全33セッションにぎゅっと凝縮してお伝えします!

今回は開催が迫るなか、Fintech CTO 木村俊也(@kimuras)と、新たにメルペイ VPoEに就任した渡部啓吾(@keigow) 、宇都宮紀陽(@nu2)の2名に、イベントを通して伝えたいメッセージやおすすめのセッションを聞いてみました!

この記事に登場する人


  • 木村俊也(Shunya Kimura)

    2007年よりSNS企業にて研究開発を担当。機械学習の知見を活かして、レコメンデーションエンジンやグラフマイニングエンジン開発を担当。その他、自然言語処理学の知見を活かした広告開発や マーケティングデータ開発にも携わる。その後、技術を統括する組織の責任者を経て、インフラからアプリまで幅広いマネジメントを経験。2017年よりメルカリにて研究開発のマネージメントを担当し、AIを中心とした幅広い研究領域のリサーチを担当。現在は、執行役員 CTO Marketplace 兼 株式会社メルペイ 執行役員 CTO Fintech 兼 株式会社メルコイン 執行役員 CTO Fintecとして、メルカリグループ全体の技術を統括している。


  • 渡部啓吾(Keigo Watanabe)

    2010年DeNAに入社、ソーシャルゲームや新規事業のBackend/iOS開発を担当。 2016年にメルカルグループに参画。Software Engineer/Engineering Managerとして、新規アプリの開発、メルペイやメルカリShopsなど新規事業の立ち上げを行う。ソウゾウのHead of Engineeringを経て、現在はメルペイのVP of Engineeringを務める。


  • 宇都宮紀陽(Noriaki Utsunomiya)

    2001年ヤフー株式会社に入社し、データマイニング業務に従事。その後検索エンジンのコアコンポーネント開発や検索プラットフォーム構築を担当。2013年KDDIグループ傘下となった株式会社スケールアウトに入社し検索事業を起業、2015年Supership株式会社に統合以降は開発した検索技術ソリューションの提供を推進。2020年からCTO,CISO に就任し経営課題に取り組む。2023年5月からメルペイに参画しVP of Engineeringを務める。

メルカリのFintechの歴史を紐解き、新たな挑戦を共有する3日間

——まずは「Merpay & Mercoin Tech Fest 2023」の開催趣旨を教えてください。

@kimuras:今回のイベントは、メルカリのFintech事業の歴史を紐解くとともに、今後の新たな挑戦について共有する機会です。

Fintech事業はこれまで、マーケットプレイスによるモノ・お金の交換にとどまらず、さまざまな価値の交換を可能にしてきました。「信用を創造して、なめらかな社会を創る」というミッションを掲げる「メルペイ」は、メルペイスマート払い(あと払い、定額払い)やクレジット決済機能を持つメルカードをリリースし、信用に基づくなめらかなお金の交換を実現しました。

「多様な価値がめぐる新しい経済をつくる」というミッションを掲げる「メルコイン」は、誰でもかんたん・安心にビットコイン取引が可能になるサービスを、今年(2023年)3月に提供開始。リリースからわずか3ヶ月で「利用者数50万人」を突破しています。

歴史を振り返ると、「モノ・お金以外の価値の交換を可能にする」というFintech事業の設立目的は、ほとんど叶っているような印象を受けるかもしれません。しかし、僕らが本当に目指していることからすれば、まだ土台が整ったに過ぎないのです。「Merpay & Mercoin Tech Fest 2023」では、そうしたFintech事業の新たな挑戦について共有し、期待感を抱いていただけたらと思っています。

木村俊也(@kimuras)

——Fintech事業の新たな挑戦……気になります!

@kimuras:ありがとうございます。そんな方はぜひ、イベント初日の「Keynote(基調講演)」と、我々3名によるパネルディスカッション「How to Unleash Fintech」をご視聴ください。keigowさんとnu2さんとともに、Fintechのビジョンから現実的な課題や具体的な施策についてまで語り合うつもりです。

今年の5月にジョインされたnu2さんはフレッシュな視点から、メルカリで複数の新規事業を立ち上げてきたkeigowさんはその豊富な経験から、Fintechの未来をどう語ってくれるのか、僕自身も楽しみです。

——ありがとうございます。その他、みなさんが今回のイベントの見所はどこでしょうか?

@nu2:個人的には、2日目のセッション「メルペイのあと払いとスマートマネーを支える返済基盤マイクロサービスの進化(by @pedro)」と、3日目の「メルコイン決済マイクロサービスのトランザクション管理を支える技術(by @susho)」に興味があります。

私がメルペイに入社した理由のひとつでもありますが、金融領域で「マイクロサービスアーキテクチャ」を採用しているのは、すごい挑戦だと思うんです。そのおかげでメルカードのローンチもスムーズにできたと聞いています。

宇都宮紀陽(@nu2)

——keigowさんはいかがでしょう?

@keigow:私も「メルペイのあと払いとスマートマネーを支える返済基盤マイクロサービスの進化(by @pedro)」が気になりますね。あとは「Merpay iOSのGroundUp Appへの移行(by @kenmaz)」です。この2つが特に、メルカリのFintech事業の歴史を知ってもらえる内容だと思います。

両方に共通するのは、メルペイができてから5年が経って、「変えていかなければならない部分」が増えてきました。そうしたなかで、どのように進めていくと、いまの運用を止めずに新しい機能をきれいに搭載できるかに腐心したと思うし、加えて今後の開発を楽にしていけるのかということにもかなり戦略的に取り組んでくれた事例です。すごいボリュームがある内容が圧縮されていると思います。

@nu2:後追いのサービスも出てきたなか、メルペイが「金融×マイクロサービス」の先駆者であることは間違いありません。いかにリスクを抑えながら構築してきたのか、そして最新アーキテクチャであるメルコインの開発背景についても聞きたいです。

@kimuras:メルコインの開発には相当苦労しましたね…。メルコインは信頼性を担保するために会社から独立したネットワーク、セキュアゾーンを構築していますが、それをどのようにメルカリやメルペイと通信させ、ビットコインのなめらかな購入を実現するかが大きなチャレンジでした。このあたりは3日目の「メルコインにおけるシステム間のデータ分離を実現するための通信アーキテクチャ(by @pobo380)」で詳しく語りたいと思います。

——kimurasさんはどのセッションに興味がありますか?

@kimuras:僕自身は1日目の「メルカリへのFIDO導入の経緯とこれからの展望、課題から得た学び(by @koi, @kokukuma, @daichiro, @hidey)」に興味がありますし、ぜひ多くの方にも視聴していただきたいです。メルペイはFIDOを導入したことで、セキュリティを強化しつつ便利なログイン体験を提供できるようになりました。今後、より便利になっていく認証認可について聞いてみたいです。また、2日目の「Merpay & MercoinにおけるLLM活用の取り組み(by @maze, @nu2, @tori, @hmj)」にも注目しています。LLMは、グループ全体としても投資をしていく領域ですが、特にFintechではどのような活用法が考えられるのか、活発な議論を期待したいですね。

金融業界にある固定観念すらUnleashしていく

——見どころが満載のイベントになりそうですね!「Merpay & Mercoin Tech Fest 2023」のテーマは「Unleash Fintech」ですが、全体を通じてどのような可能性を“Unleash(解放)”したいと考えていますか?

@nu2:メルカリにおけるFintech事業の可能性はもちろんのこと、「金融業界は守り重視でガチガチ」という固定観念も覆していきたいです。金融は信頼性や安全性が重視される領域なので、「守り」のイメージが強い。世の中の決済サービスが増えて状況が変わりつつあるとはいえ、エンジニアのなかには敬遠する方も多いと思います。しかし、メルカリのFintechの実情は、皆さんの想像とは違います。最新技術を用いて、守りだけではなく「攻め」にこそ力を入れていこうと考えているんです。

——攻めのために守る、守るために攻める…ということですね。

@nu2:はい。メルカリは、決済、ビットコインなどのSoR(システム・オブ・レコード)と、お客さま同士のCtoCをエンゲージメントするSoE(システム・オブ・エンゲージメント)を両立しているサービスです。

決済だけを独立させたサービスは多くありますが、マーケットプレイスとペイメントをシームレスにつないでいる企業はなかなかない。そんなメルカリだからこそ、決済にまつわるデータを用いて、より良いお客さま体験を作れると考えています。Fintechに求められる堅牢性は担保しながら、それ自体を目的とせず、お客さまの可能性を広げるためのサービス作りをしていくことを、多くの人に知ってもらえたら嬉しいです。

@keigow:nu2さんがおっしゃている攻めと守りの話に繋がるのですが、大胆にリファクタリングをするとか、将来を見据えて技術基盤のアップデートを常に続けるみたいなところが、実はエンジニアリングとしてはチャレンジングな部分だと思っています。そういう将来のスケールを見越して、高いクオリティを担保するための取り組みが、今回のTech Festのセッションには集まっている。

技術的な部分では、他の企業の方にとっても参考になる部分もあると思いますし、ビジネスとしてFintechを今後さらに成長させるために、メンバーたちがどんなチャレンジをして、“Unleash”してきたか、しようとしているのかを感じ取ってもらえるものになっていると思います。

渡部啓吾(@keigow)

@kimuras:冒頭でもお話したとおり、まだまだメルカリのFintechは完成ではなく土台ができただけにすぎません。次の世界で、新しい価値を“Unleash”させていくというメッセージを、ぜひ「Merpay & Mercoin Tech Fest 2023」全体から感じ取ってほしいですね!

[イベント詳細]

開催日時:
2023年8月22日(火)〜24日(木)12:00-17:30

概要:
IT企業で働くソフトウェアエンジニアおよびメルペイ・メルコインの技術スタックに興味がある方々を対象にしたオンライン技術カンファレンスです。事業との関わりから技術への興味を深め、プロダクトやサービスを支えるエンジニアリングについて知ることができる、メルペイ・メルコインにとってこの夏一番のお祭りです。

テーマ:
Backend、Architect、SRE、Data Platform&Management、Machine learning、Frontend、iOS、Android、QA/テスト、 組織づくりなど

参加費:無料
場所:オンライン
参加方法:こちらのページにてお申し込みください。

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