「英語が苦手だった」と話すメルカリEMが言語学習プログラムを受講し、手応えを感じるまで

みなさんこんにちは!Engineering OfficeのKayoreenaです。

さて、今回のテーマは「とあるエンジニアリングマネージャー(EM)が、メルカリの社内向け言語サポートを受けた結果、どうなったのか」です。

現在、メルカリには約40ヵ国のメンバーが在籍しています。そのため、エンジニアを含めた会議では英語が優先的に使われます。もちろん、英語が苦手なメンバーに対しては通訳・翻訳を行うGlobal Operations Teamメンバーがサポートしてくれますが、マネジメントする立場になると、ある程度は英語を話せる必要があります。

今回のメルカンでは、社内向け言語サポートに注目。入社当初は英語がそこまで得意ではなかったというBackendチームのEMであるvkgtaroさんと、言語教育を行うLET(Language Education Team)メンバーのRileyに「どうやってメルカリで英語を学んだのか」を正直に語ってもらいました。

※撮影時のみマスクを外しています。

この記事に登場する人


  • 小松大輔(Daisuke Komatsu、vkgtaro)

    メルカリBackendチームのエンジニアリングマネージャー。メルカリには2017年の9月入社。高校卒業後は劇団ひまわりに入団。寺山修司に憧れて、20代前半は演劇漬けの日々を送っていた。団員時代、役者である自分を売り込むためにHPを立ち上げたのがきっかけでプログラミングを独学で学ぶ。その後、独立・廃業・転職を経てメルカリに入社。

  • ライリー・ 桝永 (Riley Masunaga、Riley)

    LETコーチ&プログラムコーディネーター。アメリカ合衆国ハワイ出身。2012年からアメリカと日本のスタートアップで、マーケター及びストラテジストとして勤務。現在はメルカリで、LETコーチ&プログラムコーディネーターとして、プログラムデータの分析とチームのプロセス改善を務める。


「英語話者のメンバーを持つEM」を対象にした言語教育プログラム

ーまず、「メルカリグループで、どのような英語サポートがあるのか」について。改めて、LETの役割や英語学習プログラム内容を簡単に教えてもらえませんか?

Riley:僕たちLETは「英語そのものを教える」ではなく「コミュニケーションのバリアをなくすこと」をミッションに誕生したチームです。言語学習プログラムは、メンバーの学習補助となるようにつくられています。また、今回お話する言語学習プログラムとは別に「やさしいコミュニケーション」も実施しています。

Riley:LETでは、学習が負担になりすぎないように、それぞれレベル分けして適切なカリキュラムを用意。日常英会話に特化したビギナー用のコースで使われるテキストや会話を集めた中間レベルのもの、さらにマネジメントにフォーカスしたコンテンツもあります。

ーこの言語プログラムは一部メンバーを対象としています。具体的にどんなメンバーが対象になるんですか?

Riley:英語習得の優先度が高いメンバーを対象としています。具体的には、英語話者のメンバーを持つEMが優先的に言語学習プログラムを受けられるようになっているんです。

2018年12月頃から感じ始めた「英語コミュニケーションの壁」

ーメルカリの開発組織では、英語話者の占める割合が年々増えています(2020年12月時点で50%程度)。会議でも、英語が「通常」となりつつあります。vkgtaroさんは入社してから英語を習得したと聞いています。そもそも、メルカリへ入社する前はどれくらい英語ができていたんですか?

vkgtaro:正直、今でも英語は得意ではないですし、うまく話せません(笑)。現在のレベルは、日常英会話ができるのと、だいたい同じ語彙を使った専門的な会話ならできます。抽象度の高い会話は、まだ苦手ですね。

メルカリに入社する前は中国・上海と多くやりとりする仕事をしていたため、英語は読み書きができる程度でした。そして2017年にメルカリへジョインしたわけですが…。このときは、イギリスでの海外事業との関わりが増えてくるタイミングだったので、英語はある程度できることが入社の条件だった記憶があります。英語がとてもよくできるわけではなかったのですが、前職での経験もあり、抵抗はそこまでありませんでした。実際に入社してすぐのころは、チームのメンバーはみんな日本語だったので、特にストレスはありませんでした。

そして、開発組織の雰囲気が変わり始めたのは、国内外での採用を強化し始めた2018年夏ごろ。そのころから英語話者の割合が増えてきました。それまでは英語話者が少なく、彼らのほうがコミュニケーションが大変そうでした。

ー「英語でのコミュニケーションが増えたな」と感じ始めたのはいつごろですか?

vkgtaro:2018年12月ごろです。僕が初めてEMになったとき、英語話者のメンバーのみの構成になりました。そのときは言いたいことをうまく伝えられず、相手にとってもとてもタフな状況だったと思います。GOTメンバーには、いつもお世話になっていました。

ー当時は、どんな言語サポート制度があったんでしょう?

vkgtaro:当時のメルカリには、オンライン英会話を受講できる制度がありました。なので、まずはそのレッスンを受けてみました。最初は先生との簡単なやりとりすら全然できず、何を問われているかもわからない状態(笑)。基礎からやらなくてはいけないという感じだったので、参考書も買って基礎をやり直していましたね。

モチベーションを保ちながら英語学習と向きあえた理由

ーそして2019年6月、社内で特に英語が必要とされるメンバーを対象とした、言語カリキュラムを実施する英語学習プログラムがスタート。これは用意されたカリキュラムに沿って働きながら週10時間の英語学習を実施するものです。実際にLETが準備した英語学習プログラムに沿って、どれくらい勉強していたのでしょうか?

vkgtaro:平日は毎日1時間、週末に5時間を確保して、プログラムを受講しました。このときの英語学習は、とにかく大変でした。シャドーイングがうまくできなくて、日本語でも滑舌が悪く、言語に対するコンプレックスが深くなっていった時期でもありました。

ー「英語力がついた」と手応えを感じた瞬間はありました?

vkgtaro:英語は、やったからと言ってすぐ能力が伸びるものではありません。だから、言語学習はとにかく継続が大事。最初は全然できない日々が続きます。聞き取れるようになったような、まだ聞き取れないような…そんな状態を行ったり来たりしていますね。

ー言語プログラムを提供する側として、何か特筆すべきことはありますか?

Riley:そうですね…。ここで重要になるのは、コミュニケーションのスキルは必ずしも英語のレベルに紐づかないこと。もちろん、基本的な英語を使えることはとても大事ですが、TOEICの点数が高いからと言って、英語でコミュニケーションがスムーズになるわけではありません。実際に会話の練習をして、コミュニケーション方法を身体で覚えていくことが重要です。

ー正直、なかなか英語の習得がうまくいかず落ち込んでしまうメンバーもいるのではないかなと思うのですが、周りの状態はどうでしたか?

vkgtaro:ストレスを感じるメンバーもいたと思いますよ。ただ、メルカリが会社として国際化を目指していく方向性をはっきりさせていたので、頑張るしかないと覚悟していました。日本企業で英語が主な言語として使われているところはまだまだ少ないので、この取り組み自体が新しい挑戦ですよね。

Riley:ですね。僕自身もいろいろなメンバーをみてきましたが、 vkgtaroさんはストレスの耐性が強いほうだと感じています。英語はすぐに伸びないので、その過程を楽しめるといいですね。

僕がいろいろな国のメンバーと接していて感じるのは、日本人は自己学習能力に長けていること。メルカリにも、高いモチベーションを保ちながら、ひっそりコツコツと学習している根気強いメンバーはたくさんいます。そういったメンバーは上達のための努力が見えない分、驚かされます。

ただ、英語はあくまでコミュニケーションのツール。テストの点数を取れれば良いものではありません。一人だけで勉強していると、本当に会話で使える英語が身についているかがわからない部分があります。必要以上にストイックにならず、仲間と共に身に付けていくことも大事です。

「英語を頑張る!」となったとき、周りのメンバーは応援してくれる

ーメルカリには通訳、翻訳に特化したGOTや言語学習プログラムを作成するLETがあり、仕組みとしてメンバーの言語環境を支援していると思います。この制度に関しては、改めてどのように感じますか?

vkgtaro:やっぱり、GOTやLETのメンバーにはとても感謝しています。英語学習をやっていくなかでわかったことは、通訳を通じて会話をしても、完璧なコミュニケーションが成立するわけではないということです。チーム内でも、英語でのコミュニケーションではお互いの意図を理解するテンポの難しさがありました。エンジニアは専門的な会話を必要とするため、バックエンドに関するドキュメントを作成し、通訳メンバーに理解を深めてもらうこともしました。

ただ、会社全体としても、これまでのように「すべての支援を手厚く」から、個々の成長が期待されているフェーズになってきています。言語の学習は、自分自身のこととして一人一人が引き続き頑張らないといけません。

ー最後に、英語の環境にハードルを感じてしまうメンバーに対して、何かひと言もらえませんか?

vkgtaro:英語がコミュニケーションの中心になっていくことは、業界的には歓迎するべきことです。そもそも、エンジニアリングに関する新しい技術資料は英語のものが多いですし。タフではありますが、日本にいながら英語を使える環境はすごく良いと思います。正直、僕もまだまだ上手く使いこなせていないので「英語を使ってる自分、なんとなくすごい!」と言い聞かせながら仕事しています(笑)。おかげで、少しずつですが、GOTメンバーがいない場面でも、英語話者のメンバーとの会話が生まれるようになってきています。

英語が苦手でも「頑張る」と決めたなら、周りのメンバーは全力で協力し、応援してくれる環境がメルカリにはあります。とはいえ、いくらサポートがあっても、強い意志がなければ頑張れません。何より、いろんな国から集まった組織はすごく面白いですよ。英語を使って仕事をしたい人にはおすすめできる環境です。

Riley:今後、メルカリではさらに海外から来たメンバーが増える可能性があります。良いか悪いかではなく、英語を使う環境が増えていくのは自然な流れであり、それに慣れることはとても大切です。英語は業務と離れたスキルだと思われるかもしれませんが、開発環境では密接につながっているところもあるのです。

「英語が苦手だ」と感じる人の気持ちは、よくわかります。だからこそ、自信を持って挑戦してみてほしいです。とりあえず「話そう」とする姿勢が大切です。僕たちはスコアでジャッジしません。コミュニケーションツールとして使いこなすことができれば、よりレベルの高い仕事ができ、自分をさらに鍛えることができます!

ーvkgtaroさん、Rileyさん、ありがとうございました!

今回は「とあるエンジニアリングマネージャー(EM)が、メルカリの社内向け言語サポートを受けた結果、どうなったのか」をお届けしました。

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