エンジニアと立ち話。Vol.54 @ Genki（メルペイQAエンジニア）ちょっとお話いいですか？

メルカリグループで働くエンジニアにちょこっとお話を聞いていく本シリーズ。第54回は、メルペイQAエンジニアの@Genkiが登場します。

QAエンジニアになる前はミュージシャンを目指していたという@Genki。前職のDeNAではQAエンジニアのマネジメントも経験していたと言います。そんな彼が考える、メルペイQAエンジニアとして活躍できる人物とは。聞き手は、メルペイQAチームのマネージャーである@Gakuです。

音楽をやっていた人、QAのスキル高い説

@Gaku：以前、@Genkiさんはミュージシャンを目指していたと聞きました。もう音楽活動はしていないんですか？

@Genki：いえ、今でも曲をつくろうとしています。電子ピアノや電子ドラムは持っていますし、最近では初音ミクのソフトも買いました。

@Gaku：おもしろそうですね。曲が完成したら聴かせてください。そして、そんな@Genkiさんに僕の仮説を話してもよいですか？それは…「音楽をやっている人はQA（クオリティ・アシュアランス）のスキル高い説」です！

@Gaku

@Genki：え！？

@Gaku：僕は20年近くQA業界で働いているので、勤めていた会社やQA関連のイベントで多くのQAエンジニアにお会いしてきました。そのなかでキーマン的な存在になる人には、音楽経験者や音楽好きが多いんですよ。おそらく、1つのことに没頭して、極めようとしてきた人の信念の強さは、QAと相性が良いのではないかと考えているんです。

@Genki：…なるほど、悪い気はしないですね。

@Gaku：特にメルペイにおけるQAエンジニアは、品質に信念を持ち、お客さまに良い品質のサービスをお届けるために、自分のやりたいことをどんどん提案していけるような人でないと難しい。仮に@Genkiさん、マネージャーから「ご自由にどうぞ」と指示されたらどう思います？

@Genki：「やった〜！」ですね。嬉しさのあまり「自由」をテーマに曲をつくってしまうかもしれません。

@Genki

@Gaku：そうなりますよね（笑）。なので、信念が強くて、自分のやりたいことを明確に持っていてクリエイティブな考えがあり、常に良いものをつくろうと試行錯誤している音楽経験者はQAエンジニアとして活躍できる可能性が高い。これが、僕の仮説です。無事に「立証」できました（笑）。

@Genki：ありがとうございます。

メルペイは他社と比べてQAの守備範囲が広い

@Gaku：では改めまして、メルペイへの入社経緯を教えてください。

@Genki：前職は、DeNAでQAエンジニアをしていました。ありがたいことに現場のマネジメントは任せてもらい、ゲーム事業以外のQAを全般的に担当してました。

@Gaku：なぜメルペイへ？

@Genki：自分の手を動かしてテストしたものが世の中にリリースされていくワクワク感をもっと強く味わいたかったからです。マネジメントにはやりがいもあったし、勉強になったことも多いけれど、メンバーと比較してリリースのワクワクを感じにくい。そこで「今まで関わったことのない分野で、QAエンジニアとして手を動かせる仕事はないか」を探していたところ、メルペイを見つけました。「楽しそう」と思って、応募したのを覚えています。

@Gaku：QAエンジニアとしてのキャリアは、けっこう長いですよね。

@Genki：そうですね。キャリアは11〜12年ぐらいになります。もともとは、ただのゲーム好きなんです。ミュージシャンの道を諦めたとき「ゲームは好きだから」とデバッガーの仕事に応募したのが最初なので。

@Gaku：メルペイへ入社して、やりたかったことはできていますか？

@Genki：そうですね。できていると思います。メルペイでやりたかったことは、未経験の分野でのQA経験と、テスト自動化関連の知識を身に付けることです。今だから言えるんですが、メルペイのテスト自動化は入社前にイメージしていたレベルには達してないなと思いました。ただ、今はどんどん改善されてきて、レベルも相当高くなってきています。しかも学べる環境も整っているので、入社前と比較すると、バックエンドの細かい部分からフロントエンドまでロジックを理解したうえでテストできるようになった気がしています。「普通の会社ならここまでやらない」というレベルまでできているところは、面白いです。

@Gaku：今は、どの領域をメインで担当していますか？

@Genki：メインは、AML（アンチマネーロンダリング）という不正を検知するサービス、本人確認手続きのKYC、加盟店精算のセトルメント、加盟店の売上などを通知するパートナーリポートですね。気がついたら、4つを担当していました！すべて重要な領域だし、今まで経験のない分野なので、楽しいです！

@Gaku：テスト自動化はどうですか？

@Genki：テストを自動化することで工数を大幅に削減でき、一定の成果が出た部分もあります。しかし「他のマイクロサービスの領域と比べたらまだまだかな」という印象です。ただ、AMLはシナリオを使用すると逆に効率が悪くなる場合もある。何でもかんでも自動化するのではなく、きちんと見極めて対処していきたいと思っています。

@Gaku：そうですね。自動化する目的が大切ですよね。「どこを自動化するか？」はメルペイ全体の課題ですね。

裁量があるから、会社からの信頼を感じられる

@Gaku：メルペイに入社して驚いたことはありますか？

@Genki：一番驚いたのは、毎週のAll Hands（全社定例）ですね。経営陣が毎週全メンバーにメッセージを出して、質問事項にもきちんと答える。理解を得られなかったら、別で時間をとってさらに説明して…と、会社全体の透明性は純粋にすごいと感じました。

@Gaku：わかります。メンバー一人ひとりの立場や役割をきちんと見ているから、意見にもちゃんと耳を傾けてくれるし、親身になって話してくれる。「大事にされ過ぎてるんじゃないか」と思うこともあるぐらい（笑）。

@Genki：メルカリグループがどんどん大きくなっているのに、全社定例のスタイルを継続できている点はすごいですよね。

@Gaku：メルペイの好きなところというと、どこでしょう？

@Genki：いろいろありますね…もちろん透明性も高いし、福利厚生もしっかりしている。全体的にいい会社だと思います。特に魅力的だと感じているところを挙げるなら「仕事を好きなようにやらせてくれる点」です。

@Gaku：確かに。任せてもらえているから、信頼されている印象がありますよね。

@Genki：メンバーのことを信頼しているから、ガッチガチになっていないんでしょうね。

@Gaku：ちなみに、僕がメルペイに対して魅力だと思っているのは、優秀なメンバーが揃っていることです。スキルが高い人が多いイメージ。しかも、みんなプロダクトのことを本気で考えていて、エンジニアはQAへの理解も深い。そのあたりの条件が揃っている会社は、他にないと思いますよ。逆に課題はなんだと思います？

@Genki：やはり、人手不足ですかね。メルペイはすごいスピードでさまざまなサービスをつくるパワーがある。一方で、これまで手掛けてきた機能やサービスを改善していくことも大事。今の領域を担当しつつ、新しいものを…とやっているから、慢性的に人が足りなくなってしまうような気がしています。もちろん、人手不足を補うために自動化が進められているんですが、限界はあるので。

@Gaku：今後、@GenkiさんはメルコインのQA業務もリードすると聞いています。どういう人と働きたいですか？

@Genki：「指示待ちではなく自律駆動型」であることが大前提です。あとは、人間性が合えば大丈夫じゃないでしょうか。技術的な話をしようにもメルコインはまだ仕様が具体的になっていないのでなんとも言えず。とは言え、メルコインの内部はマイクロサービスで構築されていくので、バックエンドの構成をイメージできる人は向いているかもしれませんね。

@Gaku：そうすると、フロントだけではなくバックエンドにも理解のあるQAエンジニアがいいですね。

マネージャーはラクじゃない！ だからこそ、正直に

@Gaku：@Genkiさんって、すごく話しやすいですよね。

@Genki：え、そうですか？

@Gaku：ロジカルだし、「何をしたいか」も明確だし。前職でマネージャーをされてたと聞いて、すごく納得しました。やるべきことを先回りして進めてくれていたり…。やはり音楽経験者は強い（笑）。

@Genki：先ほど話していた「音楽をやっていた人、QAのスキル高い説」ですね。僕は「@Gakuさんがマネージャーでよかった」と思っていますよ。@Gakuさんは品質のこともわかっているし、メンバーにも目が行き届いている。自分が考えるマネージャーの理想像です。

@Gaku：恐縮すぎます…。僕自身は「あの人何してるの？」と言われやすいタイプのマネージャーかなと思っているんです。たぶん、Genkiさんもですが、Merpay QAのメンバーは、自立していてプロジェクトに合わせて各自で判断して課題を解決していくから存在が薄いのかもです。僕自身も、QAメンバーのスキルが高いので、後方支援や相談役で良いかなと思っています。そんな、僕にでもみんなちゃんとついてきてくれていので感謝しかないです。なので…常に正直でいようと意識しています。 自分の想いをまっすぐに伝えて、みんなの意見をきちんと受け止めて進んでいく感じで。それが一番大事なのかも。

@Genki：一番大切なことですね。