「議論の活性化」「バランサー的存在」メルペイにおけるUXリサーチャーとデザイナーの役割分担 #merpaydesign

メルペイDesignチームにはUXリサーチャーとデザイナーが所属し、全社のプロジェクトに横断的に関わっています。

では、メルペイのサービス開発の現場において、UXリサーチャーとデザイナーはどうやって協働しているのか。そんなテーマについて語り合うイベント「Merpay Design Talk〜UXリサーチャーとプロダクトデザイナーの協働〜」を2020年12月2日に開催しました。

約2年ぶりの開催となったMerpay Design Talk。この記事ではイベントでのパネルディスカッションの模様をお届けします。

この記事に登場する人


  • 成澤真由美(Mayumi Narisawa、@narico)

    音楽大学卒業後、音楽教育事業を通じてITに転身。株式会社ディー・エヌ・エーで多くのモバイルサービス事業のService Design/ UIUXDesignに携わり、その後、株式会社Kyashにて物理カードの体験設計を担当。2018年よりメルペイに入社、ProductDesignerとして、新機能誕生のたびにメルペイ画面を最適化(リニューアル)するUX Leadを担い、メルペイの立ち上げからGrowthまでを牽引。Head of Designを経て、2022年1月より現職。


  • 別府佑樹(Yuki Beppu、@beppy)

    フリーランスとしてスタートアップの新規事業の立ち上げにデザイナーとして参画。 2017年にメルカリグループのソウゾウに入社し地域コミュニティアプリ「メルカリ アッテ」を担当。その後メルペイに異動し、メルペイスマート払い・メルペイスマートマネーなどPJの立ち上げからGrowthに関わる。


  • 草野孔希(Koki Kusano、@keiny)

    究および研究知見を活用したコンサルティングに従事。同時に社会人博士として慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科にて博士後期課程を修了 博士(SDM学)。2018年11月にUXリサーチャーの1人目としてメルペイに入社し、UXリサーチを活用したサービスデザインに取り組む。


  • 松薗美帆(Miho Matsuzono、@mihozono)

    国際基督教大学教養学部卒、文化人類学専攻。株式会社リクルートジョブズに新卒入社し、人材領域のデジタルマーケティング、プロダクトマネージャーに従事。株式会社リクルートテクノロジーズに出向し、UXリサーチチームの立ち上げに携わる。2019年より株式会社メルペイにてUXリサーチャーとして、新規事業立ち上げやUXリサーチの仕組み作りなどに取り組む。北陸先端科学技術大学院大学博士前期課程に社会人学生として在学中。2021年、著書「はじめてのUXリサーチ」を出版。


UXリサーチャーとデザイナーの役割分担は?

@mihozono:まずは一番質問が多かった「実際どうUXリサーチャーとデザイナーは役割分担しているの?」をテーマにしましょう。これはプロジェクトによる部分もあると思いますが、話せる範囲でどう役割分担してるか聞いていきたいと思います。@naricoさん的にはUXリサーチャーとデザイナーの役割はどう考えていますか?

@narico:プロジェクトのスタイルごとに役割を変えていると言いますか、UXリサーチャーとデザイナーが意識的に役割を擦り合わせて動くことはほとんどないですね。気がついたら自然と穴埋めし合っているパターンが多いのかなと思います。

@mihozono:確かに。その人の得意なことに合わせて役割を変えている部分がありますね。@beppyさんはどうですか?

@beppy:開発する機能の企画がまだ決まってない段階では、PM(プロダクトマネージャー)とデザイナー、UXリサーチャーが話し合うようにしています。そこではおもにPMが経済性のことを話して、デザイナーやUXリサーチャーはお客さまの体験面のことを議論していますね。

開発が始まったら、デザイナーが全体の体験フローを描いてプロトタイプを作り、それを隔週でUXリサーチャーが開催しているUXリサーチに持っていき、お客さまの反応をリアルタイムで見る。その後、PMとデザイナー、UXリサーチャーで集まって、振り返りを実施。そしてアップデートをかけていくサイクルがありました。

ただ、今は少し変わってきたなと思います。調査設計や実際のインタビューの方法を細かく社内で共有していることもあり、より多くのメンバーがリサーチをできるようになりました。つまり、UXリサーチャー以外のメンバーがその領域もカバーするようになっています。

逆に、UXリサーチャーの@keinyさんが「こういう情報設計ありなんじゃない?」みたいなことをワイヤーフレームでつくり、ビジュアライズして、デザイナーに提案するとか。最近はお互いの領域がどんどん交わってきているなと感じます。

@mihozono:お互いの領域を広げるみたいな動きはありますね。ちなみに、@keinyさんはまた違う考え方や動き方もあると思うのですが?

@keiny:前提として、自分はデザイナーをリスペクトしています。やはりリサーチしているだけではデザインはできません。そこをデザイナーがクオリティ高くデザインを仕上げてきてくれたり、議論の土台になる案をクイックに表現して議論を活性化させてくれたりするところが非常に信頼のおけるポイントです。役割分担して任せられるのはありがたいですね。

また、メルペイにおいてUXリサーチャーが他職種とコラボレーションしやすい要因としてはDesignチームに限らず、リサーチ結果に興味を持って聞いてくれる人が多いことがあります。

メルペイは、定量的なデータを重視する会社なんです。定量的なデータを見つつ、「お客さまがこう言っているんだとすると、どういう解釈がこの定量的なデータからできるんだろうね」「こうやってデザインしたらどうなるんだろうね」みたいなディスカッションが活発に行われるところもすごくいいなって思ってます。

お互い任せきりにせず、領域を少しずつしみ出していくことで、より良い議論になっていったり、お互いにカバーし合えていったりというのも増えていくのかなと思ってます。

リモートワークで変化した、デザインのやりとり

@mihozono:コロナ禍でリモートワークになったことで協働のあり方も変わった部分があるかと思っているのですが、そのあたりはどうでしょうか?私から見るとやはり難しくなっているように感じているんです。そうした状況下だと、デザイナーの形にする力はより価値を発揮しているように見えています。

@beppy:確かに、リモートワークになってからSlackなどで頻繁にコミュニケーションをとるようになりましたけど、誰がどういうことを思っているのかは少しわかりづらいことがあります。今まではホワイトボードなどを使って、デザイナー以外のメンバーも「こんな感じかな」と言いながら、図を描いたり、スクリーンを描いたりしていましたね。それがちょっと難しくなったので、ラフ案など目に見えるものをベースに議論していくことの重要度は増した気がします。

@mihozono:そうですよね。議論が発生したときとかに、デザイナーが「こういうことですよね」とたたき台を作ってくれると、話が盛り上がると言いますか。その点について、@naricoさんはいかがですか。

@narico:組織の協働とモノづくりの協働の仕方の2つがあります。前提として、私や@keinyさんはマネージャーの仕事もしています。まず組織の方では、私自身がリモートワークのスタートと同時にマネージャーになっているので、何が変わったっていう感じでもないんです。「こういうふうに良くしていきたい」というアイデアは、生煮えの状態でもなるべく言葉にして@keinyさんに伝えるようにしています。話していると思考が整理されて、生煮えだったアイデアが固まることがある。意見交換をもとにしながら、組織運営をやっている感じです。

モノづくりに関しては、以前に比べてDesign指標となるPlanningDocを書くことが多くなりました。設計思想と言いますか、とにかく事業モデルやお客さま視点、これからどうしていきたいかに関してのPlanningDocを全部まとめて保存し、共有するようにしています。より多くの人に考えを伝えていくための手段として有効です。

@mihozono:Figmaにはデザインだけではなく、@naricoさんの大事にしていることもまとめていますよね。デザインした意図がよく伝わるようにまとめていると思っていました。

@beppy:あれ、めっちゃ見ます。「こういう感じで考えているのか」という頭の中の変遷もわかるじゃないですか。「そのときの考えは、そういう感じだったな」を、お茶を飲みながら読んでますね。

@narico:ありがとうございます。私も読んでもらうために作ったりしています。

あとは、言ったことをちゃんとやる約束履行みたいなものは大事にしなければと思いつつも、検討するなかで考えが変わることもあります。検討中のアイデアは「明日おそらく違うことを言っているかも」と言っておくこともあります。

@mihozono:@keinyさんはどうですか?

@keiny:リモートワークでは表現することの大事さがより増したと思っています。対面であれば、ホワイトボードを使えば意思が伝わっていました。でも、リモートワークだとある程度きちんと表現してないと伝わりにくい。そういうときにFigmaなどでデザインを作り上げることに慣れている人たちが、クイックに表現してくれることの価値はより増していると感じますね。

そういう意味では、デザイナーは単にデザインをつくるという役割だけではなく、議論を活性化させる役割としても活躍の幅が広がっています。そこに果敢に取り組んでいくと、面白くなると思いますね。

次に、UXリサーチャーの立場から言うと、フルリモートでのインタビューはやりにくいところもあるんです。その一方で、メルペイはGoogleのワークスペースを使っていて、社内限定でストリーミングできる良さもある。それをラジオ感覚で気軽に聞いてもらえる機会も作れるようになってきました。デザイナーだけに見てもらうのではなく、より多くのメンバーに見てもらって、そこからどんどん繋がっていく感じです。リモートワークにおいて、チームをつなげる、議論の機会をつくるためのリサーチみたいなのもあると思っています。

UXリサーチャーとデザイナーが協働するメリット

@mihozono:UXリサーチャーやデザイナーと一緒に仕事をしていて「助かった」「こういうとき楽しい」みたいなものがあれば聞きたいです。

@keiny:リサーチにおいて、お客さまに触れてもらうプロトタイプを精度高く出せている点はとてもいいですね。デザイナーのみなさんはお客さまの声を一緒に届けていくパートナーみたいなところがあるので、心強さがあります。あと、特に楽しいと思ったのは、リサーチをした結果「こうなったらいいと思うんだよな」みたいなアイデアが、シュッとUIデザインに落とし込まれたときです。

@mihozono:それ、すごくわかります。以前@naricoさんが軽く口頭で話したことをババっと汲んでくれて、「これなんだよ」と思えるデザインができ上がったときは感動しました。

@narico:逆にさまざまな意見があり、よくわからなくなったときに「@mihozonoさん、どう思う?」と聞いて、その意見をもとに作ると良いものができたりする。協働して助かるのはそういうときなんですよね。

UXリサーチャーのみなさんはプロダクトやお客さまの体験を俯瞰してくれているし、お客さまの“生な感覚”を肌で感じてくれています。そこから出てくる意見やアイデアは、ある種成功の原石だったりもするんだろうなと思っています。

@mihozono:@beppyさんはどうですか?

@beppy:協働してよかったと思うのは、UXリサーチャーが事業とお客さまの間に立つ、中立的な存在であり続けてくれることですね。

機能を開発するときはすごいスピード感で動くので、スケジュールもタイトになり、PMもだいぶ焦ります。そのため、何とか意見を通すために「お客さまがこう言ってたんで大丈夫です」と進めようとするときがたまにあるんです。そんなときにUXリサーチャーがちゃんと「いやいや、お客さまはこういう背景で話していたから、その解釈は違うよ」と方向性がブレないようにしてくれるのはすごく安心します。

@narico:メルペイって良い意味でKPIドリブンなんですよね。ようするに、KPIやゴールに執着する。達成に執着するところがいい意味で強い会社だと思うので、どうしてもみんなブレーキを持たずに、ワッと進めようとしてしまうときがあるんです。それは自分たちが本当につくっていきたい世界を、いち早くお客さまに届けたいという気持ちもあってのこと。決してお客さまを置き去りにしたい思いは一切ない。ただ、達成したい気持ちが先走りしそうになったとき、バランサーとなってくれるのがUXリサーチャーだと思っています。

メルペイのデザイナーとUXリサーチャーの“伸びしろ”

@mihozono:次は「もっと一緒にできるんじゃない?」などの課題でもいいですし、伸びしろに感じている部分があれば、ぜひ聞きたいと思っています。

個人的には、さっき@beppyさんが話していたように、もっとデザイナーもリサーチをできるようにしていきたい。そこが伸びしろなのかなと思っているのですが、@keinyさんはどうですか?

@keiny:伸びしろという意味では、お互いが領域を越境し、できることがクロスオーバーしていくとより通じ合える瞬間は増えるかもしれないですね。

言葉をデザインに起こすには能力が必要。そこへUXリサーチャーがデザインすることに少し越境すればスピードを上げられるようにも考えています。あとは、みんながUXリサーチできる状態へしていくこと!そこは仕組みさえあれば実現できるので、伸びしろと言えそうです。なんせ、メルペイのUXリサーチャーはごく少数なので(笑)。

@narico:個人的にはすでに良い協働ができていると思っているので、伸びしろというより、これからもっと一緒にいろいろやりたいですね。その話は今、@keinyさんが言ってくれたこととほとんど一緒です。みんなが同じ意識になれるようなカルチャーを一緒につくっていきたいなって本当に思っています。

あとは、今まで新規のプロダクトをつくっては運用する…の繰り返しでした。だからこそ、きちんと腰据えてプロダクトのアイデンティティ、つまり「そもそもメルペイって何ですか」をより明確にみんなが言えるように整えることもしたいですね。

@mihozono:なるほど、@beppyさんはどうですか。

@beppy:メルペイはUXリサーチにすごく理解がある会社です。「もっとお客さまへの理解を浸透させていくためにはどうすればいいか」をずっと考えています。今までUXリサーチをし、それをドキュメント化して共有していました。そうなると、当然ながらUXリサーチを行う人がお客さまの肌感を一番知っていることになる。でも、それを100%ドキュメント化するのは難しい。それに、忙しい人ほどドキュメントのサマリ部分しか見なかったりします。なので、実際に誰でも自分でインタビューをしてみる仕組みづくりみたいなことをやっていきたいですね。

@mihozono:実際のリサーチで感じることはありますか?

@beppy:インタビュー項目は事前に用意しますけど、直接話してみるとお客さまのリアクションで話すことが変わったりもします。ちょっと引っかかる部分があれば、それを深掘りしていくことをやっていて楽しいです。

@mihozono:自分でやってみると言葉の伝わり方が全然違いますよね。

@keiny:人手さえ増えれば、やりたいこと・やれることはたくさんあります。これも伸びしろの1つかもしれません。

正直、今は人が足りません。ポテンシャルがすごくあるのに余裕がない。余裕があれば、みんな攻めの姿勢になれる。今後もっと強い組織にしていくことを考えると、採用は大事なんですよね。

@mihozono:メルペイはデザイナーやUXリサーチャーの業務範囲がカチッと決まっていないからこそ、お互いを見ながらどんどん領域を越境していくところがあります。何か違う得意なことを持っている人が入ると協働の形も変わるはず。チームに多様性を増やすという意味でも、新しい人をぜひお迎えしたいなと思っていますね。

@narico:デザイナーに関しては、個人的にはマーケティングとデザインはどちらもコミュニケーションプランを考える職種でもあると思っているんです。その間に立てるデザイナーがいたらいいですね。

メルペイにおいては、キャンペーンに対しても「プロダクトを作っている」という観点があります。プロダクトを作る観点で、キャンペーンの動線やキャンペーンのページ内の情報も設計しているんです。

さらに言うと、メルカリの外と中の世界を繋ぎ合わせてくれる、そういう存在の人がいたらいいなと思いますね。これから、いろんなところとオープンネスに繋がっていくのはすごく重要になってくるはずです。

@mihozono:マーケティングでもよくリサーチを行うので、UXリサーチャーとしても、マーケティングのみなさんとはもっと協働を深めたいです。実際、かなり距離は縮まってきていて、一緒にリサーチをやる機会も増えています。

サービスづくりで一番大事にしていること

@mihozono:次は少し大きいテーマになりますが、「サービスをつくる際に一番大事にしていること」。これは@beppyさんからお願いします。

@beppy:たとえば、メルペイスマート払いはメルカリの全体からみれば1つのファンクションです。なので、メルカリの購入画面や商品詳細に、自然な形でしみ出していく必要がある。最初の頃はメルカリ開発チームとの議論で「それは本当にメルペイのことしか考えてないから」とよく言われたんです。つまり、メルペイに偏重しがちだったんですよね。

メルカリには、購入したいお客さまや出品したいお客さま、どちらもしたいお客さまなど、いろいろなニーズがあります。それらを理解しながら、メルペイのファンクションをどうやって統合させていくかを深く考えて議論しています。

@narico:今@beppyさんが言ってくれたことは、もともとは@iyoさん(当時メルペイCPO、現在はメルペイCOO)が唱え始めたことなんですよね。「メルカリというワンプロダクトだよ」「メルカリのお客さまの話をしましょうよ」と。それは職種問わずメルペイのメンバーに浸透しているとすごく感じています。

先日、セールスチームのメンバーと次の施策の話をしていたときに、メルカリのお客さまに対する視点から、オフラインでどういうコミュニケーション施策を打っていこうか考えられていて。きちんと浸透している実感がありました。

その次に大事にしているのは「感情の話」から始めることです。さっきも言った通り、メルペイはKPIドリブンを強みとして持っているからこそ、短い期間に計画を立てる動きが多い。メルペイのメンバーはお客さまを幸せな感情にしたいという思いをちゃんと持ってる人たちなのですが、そんなスピード感あるなかで、かつリソースが足りないと「想い」を出すのは難しい。

だからこそ、シンプルに「感情の話から始めよう」とMTGなどで言ってみる。メルペイへジョインしてくれてる人たちは、それを深く考えられるメンバーだと思ってます。個人的には、感情の話から始めることを普及させていきたいと思っています。

@mihozono:その感情は、想いとかそういう感じなんですか?

@narico:私たちは事業会社として、自分たちの幸せも考えていきたい。「私たちがお客さまをどう幸せにしたいのか」という想いと、「お客さまは何を望んでいるのか」「お客さまは私たちに何を期待してくれているのか」という想いの、両方の感情をきちんとすり合わせるようにしたい。そんなことをいつも伝えていますね。

@mihozono:私は「UXリサーチャーは中立でなければ」と強く思っていて、自分の感情を抑えていた部分が最初はありました。でもサービスに関わる人間として、「こうしたい」や「ミッションに向けてこうつくっていきたい」という想いはあったので、それは抑えなくていいんだな、と。

@narico:やっぱり自分たちも幸せになっていくのが大事だと思っています。

@mihozono:@keinyさんはいかがでしょうか?

@keiny:個人的な話と会社の事業的な話の両面があります。僕が個人的に大事にしていることはリサーチした結果を使って、いかにメンバーの創造性や能力を最大化できるか。そこがプロダクトづくりの熱量にも繋がっていくので、個人としては最も大事にしているポイントです。

次に事業として大事にしていることは、最高のお客さま体験と健全な事業成長をどうやって両立させ、相乗効果を出していくか。特に金融サービスをお客さまが適切にうまく使いこなせるようにしたい。人生が良い方向に向けられる機会を提供できる価値ある事業になっていく。価値があるからこそ多くのお客さまに愛されて事業が成長していき、会社のミッションが実現できたら良いと思っています。

デザイン組織を運営していく難しさ

@mihozono:「デザイン組織を運営していく難しさ」はマネジメントしている2人から聞きたいです。@naricoさんからお願いします。

@narico:メルペイは、メルカリの中にあるサービスです。つまりワンプロダクト。そこに関わるデザイナーは、メルカリとメルペイだけでなく、ソウゾウ、メルコインなどさまざまです。そのなかで、メルペイが大事にしたいモノづくりに対する考え方や表現がある。それをどうやって発信し、他デザインチームと連携し、一つのUXを目指していくか。そこが難しいところでもあり、醍醐味でもあります。

@mihozono:@keinyさんはどうですか?

@keiny:正直に言うと、すごく能力の高い人が1人いると、それなりのデザインクオリティになるし、いろんな部分の統制はとれるんです。ただ、それはあくまでその人の能力を上限値としたデザイン組織になってしまうし、その人に負荷が集中し続ける状態になる。そこをいかに組織的に解決していくか。一時の効率は悪くなるかもしれないけれど、1人の属人性を上限とした組織でなく、それを超えていけるようなコラボレーションができる組織をどうつくっていくのかを考えています。

しっかり組織で仕組みをつくり、1人の属人性では到達できない上限値にいかにあげられるか。そこを目指していくのは難しいけど、挑戦し続けたいポイントですね。

@beppy:個人的には、デザイン組織はどうやってコラボレーションしていけばいいのかを@keinyさんと@naricoさんに聞きたかったです。ソウゾウやメルカリとか他のグループ横断でのデザイン組織のコラボレーションのあり方は何か話されていたりするんですか?

@narico:カジュアルにSlackで「どう思う?」みたいな感じで語ることもあるし、それぞれ好きなように今は言っている段階です。まずは、そういう会話がカジュアルに生まれる関係があることがすごく重要だと思っていますね。

@keiny:デザイン組織の横断の話は、何度か出てきています。ひとつのプロダクトとして、いかに質を高めていくかはすごく大事な視点。

グループ横断でコラボレーションするために、メルカリやメルペイだけではなく、ソウゾウから出てくるもの、メルコインから出てくるもの、最近立ち上がったメルロジから出てくるものを全部含めて、「どういうUXになるんだろうね」の視点が必要になると思っています。どういう組織形態かは置いておき、そういう視点からプロダクトに深く関われる人材を増やすことが大事だと考えています。そのためにも、ワンプロダクトとしての体験を一番つぶさに見られる、みんなに伝えられる存在としてUXリサーチャーが活躍できたらいいですよね。

@mihozono:ありがとうございました!

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