金言は出ないが、愛ならある。ジョブチェンジを乗り切りライフワークと出会う──私がここで働く理由 (山岸香織)

前職を退職するとき、先輩からこう言われた。「メルカンで自分の仕事について取り上げられるくらい活躍してくださいね」。

「ついにその日が来た…!」と鼻を膨らませてPCの前へ座る。メルカンの連載企画「私がここで働く理由」。第2回の記事を書くことになった。さて…と息巻いたが、どうしたことか全然言葉が出てこない。

なぜだ!実はメルカリで働きたくないのか…?

すでに締め切りを2日超過している。メルカン編集部は寛大だ。締切を過ぎるであろう前提で執筆を依頼しているのか、遅延の連絡をしても全く困る様子もなくニコニコで待ってくれている…。

汗をダラダラ流し焦り続けていると、ふと気づく。「一緒にいるのが当たり前になった相手との人間関係に似ているから言語化できないのだな」と。もはや焦りが逆ギレの域に達しそうになったとき、ふと「好きだからか!」とピンときたのだ。

こうなった以上「好きだから」以外出てこないことは明白なので、目もあてられない身内の惚気みたいな紹介の仕方になってしまうことをお許しいただきたい。

この記事に登場する人


    • 山岸香織(Kaori Yamagishi)

      2019年入社。「メルカリマガジン」「公式Twitter」などオウンドメディアのコンテンツプランニング・ディレクターを経てグロースキャンペーン PMへ。現在はTVCMやOOHをはじめとしたグループ横断マスマーケティングの推進ディレクター。

3年スパンで会社を辞め続けたジョブホッパーが迎えようとしている勤続5年目の現在地

今、私はメルカリのサービスグロースのためのアプリ外部のプロモーションを中心としたマーケティング活動を担う、Mass Marketing(マスマーケティング)チームでTVCMや交通広告をはじめとしたオフライン広告を担当している。

オフライン広告の仕事は楽しい。大きな声で大好きなメルカリの宣伝をしている!という感覚があってものすごくエキサイティングだ。そんな安っぽいことを言っては、もはや協力会社をはじめとした社内外の関係者にツッコミを入れられること請け合いなのだが、「誰に何をどう伝えるか、そしてそれがそもそもなぜ必要か」をプロフェッショナルたちの脳みそ、叡智を集結して考え続けることで得られる学びは多く、自分の視野・思考そのものに見直しを入れ続ける行為なのだと感じている。

メルカリが好きで、メルカリの宣伝をしているのだから、(超絶に広義の意味で)好きな人の惚気をしているようなものだし、どうやったら伝わるかを手を変え品を変えやるという試行錯誤なのだから、楽しくないわけがない。

一方で、私自身が入社したばかりのころにオフライン広告の担当をしても、このように「楽しい」と言い切れることはなかったのではないだろうか。おそらく、経験不足でうまくワークできず、やりがいも手応えも得られない状況になっていたように思う。

2019年12月1日、「メルカリマガジン」というオウンドメディアの担当として入社した。よりステップアップステップアップ、という発想でいたから、会社はすでに7社目。情報誌、映像制作、Webメディア、エディトリアルコンテンツ、広告コンテンツ。多種多様なアウトプットを経験したかったので、3年スパンで入社しては卒業するということを繰り返していた。前職はコンテンツマーケティング領域のプランニングやディレクションをやっていたので、メルカリでもWebコンテンツを通したサービス利用意向醸成を担うつもりでいた。

メルカリマガジンを運営しながら、公式X(旧Twitter)のチャネルグロースやデジタル中心の大型ブランデッドプロモーションを担当。これまでの経験を生かしていわゆる「編集思考」で企画を考え、制作、公開。コンテンツをとおしてお客さまに共感してもらう、長期の時間軸でのコミュニケーション施策が中心だった。

得意を生かした領域でそれこそ「ガツガツ」アウトプットを出していたなか、忘れもしない2021年末、自分のなかでは職業人生で一番の転機が訪れた。

@どなたか

「キャンペーンPMをやってみないか?」という声がかかったのだ。サービスグロースの中でも重要度が高いとされる、ポイントバックなどのインセンティブ企画を中心としたキャンペーン。戦略設計から実行まで数学的思考も必要だし、多くの協力者を必要とするプロジェクトをひっぱる役割だ。アナリスト、UXリサーチャー、デザイナー、リーガル、CS、PRメンバーなど、かなり多くのメンバーと協業する。このタイミングで未経験の職種にチャレンジできるってそうそうないはずだと思った。これを好機ととらえ、異動を決意した。

と、決めたのはいいものの、未経験につきかなり大変で(笑)、それこそ苦労話が一生かけて語れるレベルだった。「仕事を学ぶ」ということを学び直したという感じ。わからないところを絶対に見てみぬふりをしてはならないし、わからないことを「わからない!」と声高に叫ぶというプロセスをかなり久々に経験した。

苦戦するなか、これまで一緒に仕事をしたことがなかったメンバーとあらためて出会い、積極的に助けてくれたのが支えになった。とにかく、絶対に誰かが助けてくれる。困っているという声を無視しない。それどころか、優先してキャッチしてくれ、全力でサポートしてくれるのだ。

Slackに「@どなたか」で質問を書き込んで30秒以内に回答が返ってくる率の高さたるや。もしかすると私はメルカリで「@どなたか」で救われた人No.1かもしれない。メルカリには素晴らしい経験と能力をもったプロフェッショナルなメンバーが多い、というありがたさが骨身にしみわたる日々だった。同時に自分一人では何もなし得ないという、当たり前の感謝の気持ちにもよく気付かされた。

そうして多大なサポートを得ながら、より多くのお客さまにキャンペーンに「参加」し「行動」をしてもらうためにはどうしたらよいか、と向き合うのはとても重要な経験だった。数字の面での分析アプローチももちろんそうだが、キャンペーン改善のためにお客さまへのインタビューを行い、生の声を聞かせていただいたのも大きかった。なぜメルカリを使うか、なぜメルカリを使わないか、理由がない人はいないし、人の暮らしの数だけ、メルカリの利用用途はあるのだと肌身で感じることとなった。つまり、メルカリというサービスをグロースサイドからより深く知り、課題設定の重要さを知ることができたということだ。

その後、キャンペーンをより多くのお客さまに知ってもらうためにTVCMを活用しよう、というプロジェクトに参画する機会があると知ったので、以前から興味があったマスマーケティング領域の担当へ自ら手を挙げる。これまた未経験の領域だったが、これまで経験したことの集大成なのではないかと思ったのだ。

グロースの手法を知った上で多くの人にメッセージを直感的にわかりやすく伝えるということをやってみたかった。メルカリがどうグロースしているのかをアプリキャンペーンを通して学んだからこそ、誰に何を伝えるべきなのか、より解像度が上がったように感じている。

伝えるべき内容は事業課題を解決するためのものであり、課題と打ち手の仮説を設定したうえでTVCMや交通広告という手法を選ぶ。なぜ外部広告を使わなければならないのか、そもそもの理由からメンバーと考え、何を伝えるのかコンセプトを提案する。広告を打つのが目的なのではなく、なぜ広告が必要なのか、という起点から考えられるようになったのは、グロースPMの経験があってこそだったと思う。

つまり、辞めるきっかけがなく今に至るだけかもしれないのだ

繰り返すが、TVCMや交通広告をはじめとしたオフライン広告の仕事は楽しい。ロジカルな思考と直感を行き来する作業は、とても難しいがそれが魅力である。そして、何よりメルカリが好きで、メルカリで働く人も好きだ。特段エッジのきいた「働く理由」はないが、むしろ「辞める理由がない」というほうが近いのかもしれない。毎日忙しいし、やりたいことであふれていて、成長の機会もある。いい意味でも悪い意味でもちょっとしたハプニングが起こるので、心も体もヒマにはならず飽きることがない。

「メルカリの人が好き」「やりたい仕事」が凝縮されていたと最も実感した直近のプロジェクトは、メルカリの「サービス10周年企画」。チーム横断でデジタルコンテンツや交通広告、TVCMと多くの媒体面でのアプローチを行った。

関連記事:メルカリサービス10周年!お客さまへの「ありがとう」を伝え、次の10年へ。

本件もメルカリのどういう点がすばらしいかを可視化しながらお客さまに参加してもらおう、という企画であったため、それはそれはもう、超絶楽しかった。「お客さまが作ってくれたアプリだから10年の感謝を伝えるプロジェクトにしよう」という根幹のコンセプトに対し、メンバー全員が同じ方向を向いていたと感じられた。そして、仕事を通してメンバーへのリスペクトがじゃぶじゃぶ溢れた。かなり忙しかったから、鬼の形相でミーティングに出たりしていたこともあって、全く伝わっていなかったかもしれないけど。あのときはごめん。

メルカリのマーケティングの仕事の魅力はつまり、メルカリというサービスを中心に、メルカリを共通言語として社内外の多くのプロフェッショナルと協業できることだ。そして、よりよいアウトプットを出したいと思えば、自分も自ずと成長する。好きなものを通してつながる人との仕事は、摩擦や困難があったとしても絶対に楽しい。それは揺るがず、何にも代えがたい価値だ。これこそがライスワークではなく、ライフワークなのだと実感している。

これまでの経験にとらわれず業務内容を自由に広げていける、素晴らしい環境と仲間がメルカリにはあるよ、ということで原稿を締めくくりたい。

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