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「メルペイは“守りだけ”に徹しない」と決めたCS担当が、不正検知で見せた強い意志

「メルペイCSは『不正を検知して防ぐ』だけじゃないんです」

2019年11月20日、会社設立2周年を迎えたメルペイ。これまでメルカンでも、メルペイ立ち上げ〜リリースにかけて、組織・事業ともに垂直立ち上げで進められてきたことは、何度かお伝えしてきました。しかし1つだけ、お伝えしきれていなかったことがあります。それが、メルペイのカスタマーサービス(以下、CS)体制の立ち上げです。

CtoCサービスであるメルカリは、お客さまに安心安全なやりとりをしていただくため、創業当初からCSに注力し続けてきました。それは、メルペイでも同様です。

そこで今回のメルカンでは、メルペイCS立ち上げから不正検知、オペレーション構築などを担当していた栗山幹太郎と大野喜広にインタビュー。当時を振り返りつつ、2人が見せたのは「守りだけに徹しない」という強い意志でした。

メルペイCS立ち上げのため、仙台から異動・移住

ー栗山さんと大野さんは、メルペイCS立ち上げのタイミングで入社されたのでしょうか?

栗山:僕はそうですね。入社したのが、2018年5月でした。でも、大野さんはメルカリCSとして、もう少し前に入社していますよね?

大野:そうですね。私がメルカリに入社したのは2017年9月。当時はメルカリ仙台オフィス(以下、仙台CS)で、不正検知業務を担当していました。2018年秋頃にメルペイCS立ち上げのため、一時的に東京オフィスへ出向。本格的に腰を据えてメルペイCSを強化していくために、東京オフィスへ異動しました。

大野喜広(メルペイCS)

ーでは、ご自宅も仙台から東京へ?

大野:そうです。私を含めて10名ほど、仙台から東京へ異動しています。もともと、仙台CSで担当していた不正検知業務をメルペイに移管する話もあったので、業務ごと私もメルペイにジョインしたことになりますね。

栗山:大野さんたち仙台CSメンバーの協力は、本当に助かりました。メルペイは決済サービスということもあり、リリースまでにお客さまの安心安全を守るCS体制づくりを完成することは急務でした。しかし、どの業務も優先度が高く、かつ「よーい、どん!」の合図で一斉に進めていかなければならない状況下。今思い返しても、仙台CSの協力なくしては進められなかったことばかりです。

ーメルペイCSが本格的に立ち上がったのは、いつごろだったんですか?

栗山:運用が本格始動したのは、2019年1月末ごろ。それまでは、金融事業を行う企業にヒアリングしたり、連携してくださっているステークホルダーと「どのようなルールをつくるべきか」と話し合いを重ねたりしていました。メルペイは、メルカリと連携しているからこそ存在意義があります。サービス内だけでなく、グループ内でいい循環をつくりだすため、どういった観点でルールをつくるのかは重要です。そのための話し合いがまとまり「この考え方で進めていこう!」となったのが2018年夏ごろでした。その後、不正検知システムやメルペイ独自のCSツール開発を、メルペイAMLチームとともに進めていきました。

栗山幹太郎(メルペイCS)

大野:一方、メルペイCSメンバー内でのオペレーション構築も同時並行させていました。メルペイ立ち上げに関しては「事業も組織も垂直立ち上げだった」と過去のメルカン記事にも書かれていますが、CSも同じです。ただ、CSはお客さまに最も近い立ち位置で安心安全を守る大事な業務であり、失敗できません。ツール1つとっても、ローンチ直前まで徹底して動作確認や問題がないかなどのチェックを入念に行いました。

不正検知業務ゆえの、目まぐるしく変化するオペレーション

栗山:メルペイのような金融事業では、本人確認の仕方などに対する考え方がより厳重になります。もちろん、メルカリCS業務もセキュリティに関しては徹底した体制を整えていましたが、メルペイの場合は法令やガイドラインなどに準拠するため、再度オペレーションを組み直す必要もあったんです。具体的に言うと、お客さまの売上金も、メルペイ発足後はCS内でダブルチェックするなどの新たなオペレーションを構築・追加したりしていました。

大野:そして、CS内で行われているオペレーションやメンバー間で共有しているマニュアルをリスクチームやコンプライアンスチームと連携しながら作成し、そのなかで「メルペイとしてのスタンス」「金融事業者としてのスタンス」をすり合わせていきました。メルペイCS立ち上げ時、ここに一番時間をかけていた気がします。

ーそして、メルペイがリリースされて半年以上経ちます。立ち上げ当時に比べて、CS業務は落ち着きつつあるのでしょうか?

大野:オペレーション面などは、ようやく落ち着きつつあるような気がします。ただ、メルペイCSはシフト制で24時間対応しているため、2〜3日休むと仕事内容が変わっていたりします。

ー早い!

大野:そう、早い。でも、遅れるわけにはいかない。不正の手口は日々変化するので、運用やルールの変更を伴いながら対応していく必要があります。今でも「このルールはなくなります」「新しいルールが追加されました」という通知が毎日飛び交っています。メルカリのCS業務もわりと目まぐるしいほうでしたが、メルペイはそれを上回っている印象です。

ー具体的に、不正検知をするために、CSメンバーはどうやってサービス内に入り込んでいるんですか?

大野:新機能やキャンペーンにあわせて「どういった不正が予想できるか?」を洗い出し、不正検知ルールを事前に作成しています。特にメルペイに関しては、リスクチームやコンプライアンスチームと連携が要。お互いの役割分担をはっきりさせつつ、必要であれば都度調整していますね。しかし、確認する箇所が多いと、どうしても後手に回ってしまうこともあります。そんなときは、メルペイCS内での対応とマニュアル作成を同時進行させ、とにかく何かあったとき・起こりそうなときにすぐ動ける体制だけはつくるよう意識し続けているんです。

栗山:最近だと、大型台風などで出勤できないケースも増えつつあります。「何としてでも出勤する」という根性論では通じなくなりつつあるんですよね。そこで、台風直撃のニュースが出たら、当日CSを担当するメンバーは会社近くのホテルに泊まってもらうなどの特別監視体制もつくりました。出勤したメンバー、退勤してホテルや家についたメンバーの安否を確認しつつ、リアルタイムで業務を進めている感じです。

メルペイCSが「守り」だけに徹しないと決めた理由

ーそうやって、メルペイCSとしての守りの体制を…。

栗山:うーん…。それで言うと、僕らの場合は少し違っていて。「不正を検知して防ぐ」は大事な役割ですが、僕らとしては、守りはもちろん「先んじて取りにいく」もやりたい。そのため、メルペイCS立ち上げ当初から、そういった動き方ができるオペレーションやマニュアルを作成していました。

ー先んじて取りにいく?

栗山:例えば、決済サービスによく見られる不正事案に「架空決済」があります。メルペイCSでは、このような事案を「架空決済の可能性」を検知した段階で止めに入ります。

ー何か起こってからではなく、できるかぎり水際で止める?

栗山:そうです。なかには、不正事案じゃないものもあるかもしれません。でも、不正事案だった場合、お客さまの大事なお金が犯罪者に盗みとられることになる。お客さまを守るために、一歩踏み込んだ不正監視を行っているのです。

大野:イメージとしては、確実にシロだと言えないもの、つまりグレーならいったん止めるといった感じですね。ここでのジャッジは本当に難しいです。いかに早く不正を検知し、対応できるか。そしてお客さまの被害をおさえられるか。ここはメルペイCSだけでなく、メルカリCSとともに強い使命感を持って挑んでいます。そもそもメルペイCSのメンバーには受け身で仕事をしている人はあまりおらず、「不正を絶対に許さない」感が強い人のほうが多いので。

栗山:確かに、プロ意識が高い仲間に囲まれている感じは強いですね(笑)。先ほど「守りだけじゃなくて、先んじて取りにいきたい」と話しましたが、今の流れからすると、僕らメルペイCSがやろうとしているのは「お客さまの信頼を高める」が近しいかもしれませんね。

ー「不正を先んじて防ぐことで、お客さまの信頼を高める」ですか?

栗山:ですね。どんなペイメントサービスにも言えるのですが、「不正事案がある」となると、お客さまに使ってもらえなくなります。メルペイの場合、メルカリというサービスがあることで信頼してくださるお客さまがすでに多くいらっしゃいます。だからと言って、安心安全な取引ができていなければ次第に離れてしまいます。僕らにとって、安心安全を担保することが、お客さまへの信頼につながると考えています。

大野:そうそう。だからこそ地道に不正の芽をつぶし、お客さまに安心して使える認識を根付かせることが大事だと思っています。不正があれば即時対応はもちろん、そもそも不正を起こさない体制はさらに強化していきたいですね。

栗山:そのために、今取り組んでいるのが仕組み化です。今はマンパワーで支えているところが多いので、自動化して、本当に悪意ある人たちだけちゃんと止めるみたいなことを進めたいです。

大野:そしてゆくゆくは決済サービスなど金融事業を行う企業全体で、それぞれの知見を共有し、「不正を許さない」という意識と体制を強めていけると理想的ですね。

栗山幹太郎(Kandaro Kuriyama)

大学卒業後、朝日信用金庫に入庫。2006年、楽天銀行(旧イーバンク銀行)に入行し顧客戦略部に配属。銀行業務・楽天グループの各種サービスの立ち上げ・運用に従事。2007年〜2014年まで第1線にてお客さま対応に従事。2018年5月メルペイに参画。

大野喜広(Yoshihiro Ohno)

宮城県仙台市出身。2017年9月メルカリ入社。仙台CS/TnS(Trust and Safety、旧RM:Risk and Moderation)で様々な監視業務を経験。監視業務の一部移管に伴い、2019年1月にメルペイへ出向。現在、SeniorLeader/Leaderを兼務し、安心して利用できる決済サービスの提供を目指し多忙な日々を送っている。

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