メルカリ開発組織での“大胆な挑戦”をエンジニアたちと探る #mercaritalk vol.2

2021年3月17日、招待制音声SNSアプリ「Clubhouse」にて、木下達夫(メルカリCHRO、@tatsuo)によるレギュラートークイベント「Mercari Talk」を開催しました。

第2回目のテーマは「Engineering Bold Challenge」。登壇したのは若狭建(VP of Product Engineering、@wakasa)、田中慎司(VP of Platform Engineering、@stanaka)、Mohan Bhatkar(Engineering Manager、@mohan)、Snehal Shinde (Engineering Manager、@snehal)、田井美可子(HRBP、@mikako)、大角佳代(Engineering Office、@kayo)とホストの@tatsuoの計7名。

今回はエンジニア部門におけるBoldなチャレンジをスピーカーたちが英語でセッションを…と思っていたら、トークの途中から田面木宏尚(上級執行役員 メルカリジャパン CEO 兼 CPO、@tamosan)も飛び入り参加。当日は英語でお送りしていましたが、メルカンでは日本語にてトーク内容をお届けます。

※このイベントは、登壇者などの許可を得て記事化しています。

この記事に登場する人


  • 若狭建(Ken Wakasa、@kwakasa)

    Sun Microsystems、Sonyでハードウェア(携帯電話・AV機器)関連のソフトウェア開発を担当。GoogleにてGoogle Mapsの開発に従事した後、2010年以降、Android OS開発チームでフレームワーク開発に携わった。Appleでのシステムソフトウェア開発、LINEでのLINEメッセンジャークライアント開発統括を経て、2019年8月、Director of Client Engineeringとしてメルカリに参画。2020年7月、VP of Product Engineeringに就任。


  • 田中慎司(Shinji Tanaka、@stanaka)

    NTT研究所を経て、2006年株式会社はてなに参画、2010年よりCTOとして技術全般を統括、並行して事業責任者等も兼務。2016年9月より執行役員としてメルカリに参画。メルカリUKにて開発チーム立ち上げ後、メルカリJPにてSREのEMofEMsに着任。2018年からは、VP of Backendに就任する。


  • Mohan Bhatkar(@mohan)

    インド出身。日本での生活は今年で10年。ソフトウェアエンジニア、チームリード、エンジニアリングマネージャーを経て、2019年4月にバックエンドチームのエンジニアリングマネージャーとしてメルカリに入社。メルカリの絶え間なく進化し続ける環境で安定したチームを作ることに従事。チーム管理以外に、データ主導の意思決定に裏打ちされたメルカリグループ全体のインシデント管理プロセスを改善。さまざまな組織管理スタイルを学ぶことに興味を持ち続けている。


  • Snehal Shinde(@sneha)

    2019年12月にMobileチームのEMとしてメルカリ入社。東京在住。前職、自動車、ヘルスケア、ゲームなど、さまざまな業界でモバイルアプリケーションやビジネスアプリのエコシステム構築を手掛ける。Swift、Objective C、Python、R、nodeJS、Goなどのプログラミング言語を使った実務経験もあるほかGCPやAzureにも精通。


  • 田井美可子(Mikako Tai、@mikako)

    メルカリHRBP。ニューヨークの国際NPOに5年半勤務しアフリカ諸国における教育・人材・経済開発施策に携わる。2017年5月に通訳/翻訳者としてメルカリ入社。当社のインドIIT採用プロジェクトを主導した後、Onboarding & Global Talent Outreachチームのマネージャーに就任、海外社員の受け入れと海外候補者アウトリーチを担当。2019年4月より、メルカリJPエンジニア組織の担当としてHRBP参画。2021年2月よりHRBPマネージャー。


  • 大角佳代(Kayo Osumi、@Kayo)

    函館生まれ、北海道大学医学部卒。2016年9月よりインドの現地採用で就業。当時よりインドに進出する日系企業向けに、インド現地の話題やビジネスに特化した記事を合計600本以上執筆してきている。2018年1月から東京拠点に移し活動を続ける傍ら、現在は株式会社メルカリのインド人・外国籍エンジニアの就業支援。引き続きインドのマーケティング、調査、人材採用を強みとする。


  • 田面木宏尚(Hirohisa Tamonoki、@tamosan)

    1981年5月4日生まれ。早稲田大学を卒業後、GMOクラウド株式会社へ入社。CS業務、サーバーホスティング事業、および新規事業の立ち上げ等に従事。2010年にピクシブ株式会社へ入社し、取締役としてシステム開発、マーケティング、グロース等の事業統括に従事。2016年1月より株式会社アニメイトラボ代表取締役社長CEOに就任し、小売領域におけるIT事業推進を実行。2017年2月に執行役員としてメルカリに参画。2018年10月執行役員メルカリジャパンCEO就任、2020年9月上級執行役員就任メルカリジャパンCEO就任。


  • 木下達夫(Tatsuo Kinosita、@tatsuo)

    P&Gジャパン人事部に入社し採用・HRBPを経験。2001年日本GEに入社、北米・タイ勤務後、プラスチックス事業部でブラックベルト・HRBP、2007年に金融部門の人事部長、アジア組織人材開発責任者を務めた。2011年に8ヶ月間のサバティカル休職取得。2012年よりGEジャパン人事部長。2015年にマレーシアに赴任し、アジア太平洋地域の組織人材開発、事業部人事責任者を務めた。2018年12月にメルカリに入社、執行役員CHROに就任。


スケーラブルかつ持続可能なエンジニアリング組織を創るチャレンジ

@tatsuo:まずはメルカリのカルチャーと、メルカリにおけるチャレンジについて話しましょう。

@mohan:メルカリは急速に成長しています。そんななか、変化や環境に適応しながらお客さまに価値を提供するのは大変ですよね。私はそんなメルカリに興味が湧き、この環境でチャレンジしながら学びたいと思ったんです。

2年前にメルカリへ入社してからは、Engineering Manager(EM)のほか、さまざまな役割も担ってきました。現在はメルカリのお客さまが安心安全に我々のサービスを利用できる環境を整える「Customer Reliability Platform」のエンジニアリングキャンプヘッドを務めています。今は、マネージャーやメンバーからさまざまなマネジメントスタイルを学ぶことに興味があります。

@tatsuo:現在のメルカリのエンジニアリング組織での課題、チャレンジについて教えてください。

@wakasa:メルカリのエンジニアリング組織におけるチャレンジは、多様な背景を持つエンジニアと共に、スケーラブルかつ持続可能なエンジニアリング組織を創ることです。メルカリはすでにスタートアップではないけれど、大企業でもありません。また、事業だけでなく組織も成長しています。新しいものを作ろうとしていますが、同時に維持しなければいけないサービスやプロダクトがあります。つまり、サービスやプロダクトの維持と、新機能開発の2つを同時に行っているんです。これが、私たちが直面している課題ですね。

@tatsuo:@stanakaさん、インフラサイドでの大胆な挑戦があれば教えてください。

@stanaka:事業が拡大し、システムの複雑性が増していたので、約3年前にエンジニアの生産性を高めるためではなく、維持するためにマイクロサービスへの移行を開始。これは、個人的には大胆な挑戦だったと感じています。

以前は巨大なモノリスがサーバーサイドアプリケーションとして存在していました。しかし、大きくなるにつれて、保守性が下がっていき、新たに機能を追加するために多くの時間を費やすことが増えていきました。これがマイクロサービスへの移行を決めた理由です。このプロジェクトには2年ほど取り組んでいますが、プロジェクトの完了までにまだまだやるべきことがあります。アーキテクチャを継続的に改善する必要があるので、完了しないのではないかという不安もあります。

また、アーキテクチャの改善を続けている間は、マイクロサービスへの移行を終わらせることができない。異なる意見のメンバーもいますが、僕はシステムを継続的に改善する必要があると思います。マイクロサービスへの移行プロジェクトには3年間取り組んでいますが、すでに数多くのマイクロサービスがプロダクションシステムに存在しています。

@tatsuo:@snehalさんのGo Boldな挑戦も教えてください。

@snehal:私が取り組んだBoldなチャレンジは、ABテストの技術的負債を取り除いたことですね。メルカリで働くエンジニアたちが常に意識しているのは、より良いお客さま体験と機能を提供し、出品・購入をサポートすること。これを達成するためには、継続的にリリースを行いながら仮説を検証し、何がお客さまにとって有益なのかを常に学ぶ必要があります。そのためにも、ABテストを通して仮説やアイディアを検証するためにさまざまな実験を行っています。

私が2019年にメルカリに入社したとき、同僚からABテストの技術的負債を取り除くことを手伝ってほしいと言われたんです。メンバーの助けになりたかったので、もちろん手伝うことにしました。しかし、ABテストの技術的負債が原因でコードベースに多くのデッドコードが存在していたり、リストに含まれていないものが数多く存在していたりと、さまざまな問題が発生していて、この問題は簡単に解決できるものではないことを実感しました。さらに複雑なコードも相まって、開発速度も遅くなっていたんです。

グローバル企業になるためにはメンバーの英語習得よりも、カルチャーと相互理解を促すことが大切

(ここで@tamosanが飛び入り参加)

@tamosan:ちなみにEMとしてハードルに感じている点、日本の会社でEMとして苦労した点はありましたか?

@snehal:日本語の学習ですかね(笑)。習得は大変でしたが、今では言語の壁がなくなり、カジュアルな会話ができますし、日本語話者たちとも繋がることができます。このようなコミュニケーションはメルカリに入社してから学びました。

@tatsuo:メルカリでは非英語話者が英語でコミュニケーションを行えるよう、マネージャーなどを対象に英語学習プログラムも提供。また、日英両言語の学習プログラムを提供しているだけでなく、やさしいコミュニケーションというものを推奨しています。これらはメルカリ独特の文化だと思いますね。

@tamosan:確かに、メルカリ独特の文化ですね。ただ、日本のテック企業は、グローバルになるためには英語が最も重要だと思いがちですが、僕はそうではないと考えているんです。

大事なのは、相手のバックグラウンドを含めたカルチャーの相互理解です。Deep Lなどの翻訳ツールなども使えますし、英語を含む言語は、あくまでコミュニケーションの手段でしかありません。言語ではなく、バックグラウンドやカルチャーを相互理解しようとする姿勢が重要だと思っています。

@tatsuo:メルカリにはプロフェッショナルな通訳者・翻訳者が集まったGOT(Global Operations Team)もあります。彼らは日英の通訳および翻訳を行うだけでなく、文化の橋渡しの役割も担っています。海外から来た人たちが日本の生活に適応できるようサポートするのも、GOTの役割の一つです。

理想のエンジニア像や目指すべき姿を議論したことで、キャリアや目標を明確に話せるように

@tatsuo:@kayoさん、@snehalさん、エンジニア組織のカルチャーやチャレンジについて教えてください。

@kayo:私が所属するEngineering Officeは、エンジニア同士のコミュニケーションをさらに円滑にできる環境を構築しています。これは私のチャレンジでもあります。楽しみながら取り組んでいますよ。ただ、2020年の2月から在宅勤務を行っているのですが、効果的なコミュニケーションを取るのが難しいとも感じています。

@snehal:私のチームでは「開発を楽しむ」カルチャーを大切にしています。特にHack Weekはメンバーがみんな楽しみにしているイベントで、その期間はミーティングなどをすべてキャンセルして、全員が好きなことに取り組んでいます。

@tatsuo:楽しそうですね。@mikakoさん、HRBP視点から見たメルカリのエンジニアリング組織のカルチャーとチャレンジを教えてください。

@mikako:メルカリには「Go Bold(大胆にやろう)」「All for One(全ては成功のために)」「Be a Pro(プロフェッショナルであれ)」の3つのバリューがあります。しかし、エンジニア組織は多様なバックグラウンドのメンバーで構成されているため、エンジニアによってバリューの解釈の仕方が異なる課題がありました。

そこで、エンジニアリングカルチャーの醸成に意欲的なメンバーで委員会を立ち上げ、メルカリにおける理想のエンジニア像や、目指すべき姿に関する議論を開始。その後、メルカリのバリューごとに体現されるエンジニアリング要素を言語化し、9つの行動原則とコンピテンシーに分解したんです。これにより、エンジニアがマネージャーから評価やフィードバックを受け取るときに、今後のキャリアや目指すべき目標について、より明確に、共通認識を持って話せるようになりました。メルカリのエンジニアは全員キャリアラダー(会社のバリューに基づいて定義されたコンピテンシーをチャートに落とし込んだもの)や、そのコンセプトについて自分の言葉で説明できると思います。これはとても興味深くもあり、大胆なチャレンジでした。

どんな人と一緒に働きたい?

@tatsuo:では最後にみなさん、どんなエンジニアの方と一緒に働きたいか教えてください。

@wakasa:データに基づいて考えることができるエンジニアと働きたいです。

@stanaka:変化を楽しめるエンジニアでしょうか。変化を楽しめるエンジニアはより多くの課題に取り組むことができるので、結果的に急速に成長することができます。僕はこういうエンジニアと一緒に働きたいですね。

@mohan:積極的に課題に取り組んでいける人たちと働きたいです。実際、そういう人たちは成長を続けています。しかし同時に組織も急速に成長しているので、今までのコミュニケーション方法や体制が、今後は機能しなくなる可能性があります。そういった意味で、組織の変化に適応できるだけでなく、変化をもたらすことができる人たちがメルカリには必要です。大胆に取り組み、会社やエンジニアリング組織、そしてカルチャーにポジティブな変化をもたらしてくれる人たちに来ていただきたい。技術的要件も重要ですが、特にエンジニアリングマネージャーはこのようなマインドセットを持つ必要があると思います。僕はこういう人たちと働きたいですね。

@tatsuo:ありがとうございました!

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