これがメルカリPRのすべて!情報収集、プランニング、効果測定にまつわる“How”を大解剖 #メルカリPRセッション

メルカリPRチームには、「コーポレート」「メルカリプロダクト」「ソウゾウ」「メルペイ・メルコイン」の4チームがあります。

メルカリが目指すビジョンや世界観、サービスの価値を様々なメディアを通じて広く社会に伝え、取り巻く様々なステークホルダーとの継続的な信頼関係を構築することをミッションに、日々活動しています。

では、メルカリはどのように広報戦略を考えているのか?

先日1月26日に開催されたPRを前進させるナレッジシェアイベント「Mercari PR Session Vol.4 〜メルカリのPR施策にみる、事業会社の広報の在り方とは?〜」では、メルカリPRチームそれぞれが日々悩み工夫していることを「情報収集」「広報プランニング」「効果測定」の3つのテーマに分けて発表しました。

本稿では、イベントの模様をパネル毎に振り返っていきます。

この記事に登場する人


  • 矢嶋 聡(Satoshi Yajima、@yaji)

    株式会社メルカリ PRディレクター。PR会社などを経て2008年にネイバージャパン(現:LINE株式会社)入社。コミュニケーションアプリ「LINE」および周辺サービスのPR・マーケティング担当後、LINE株式会社マーケティングコミュニケーション室室長に就任。2017年10月にメルカリ入社。


  • 大木将裕(Masahiro Oki、@ohqui)

    株式会社プラップジャパンを経て、2020年6月にメルカリへ入社。トップインタビュー、ESG施策、「マーケットプレイスの基本原則」の策定など、コーポレートPRに従事している。


  • 志和あかね(Akane Shiwa、@akane)

    株式会社ソウゾウ PRマネージャー。外国人モデル事務所、PR会社ベクトルを経て、2018年2月よりメルカリの広報に従事。主にフリマアプリ「メルカリ」のPRを担当。2021年1月よりマネージャーを歴任し、 2022年1月から現職。


  • 韓 昇勲(Sunghun Han、@han)

    新卒でベクトルに入社。2018年12月より、フリマアプリ「メルカリ」のPRとして入社。2019年7月から2年間スマホ決済「メルペイ」PRも兼務。主にマーケ連携含めた大型バラエティ番組の露出や、オフライン企画に従事。


  • 宮本祐一(Yuichi Miyamoto、@yax)

    マネックス証券を経て、2019年1月より株式会社メルペイに入社。スマホ決済サービス「メルペイ」の立ち上げから、各種キャンペーンの発信、加盟店へのメルペイ導入の最大化、各種業務提携発表などPR業務全般に従事。2021年4月よりメルコインのPR業務も兼任する。


情報収集編:アウトプットにつながる、広報がやるべきインプットとは?

@ohqui:情報収集の目的は2つ。1つめは、世の中と自社の接点をつかむこと。メルカリで言えば、ESGやSDGsの流れ、巨大IT規制法など、様々な社会との接点になりうる情報が非常に重要です。また、競合・業界の動向、自社に関連する法改正など、様々な潜在リスクにも目を光らせておく必要があります。

2つめは、PR施策のインパクトを最大化させるためです。メルカリでは、新しい施策に関連する世論がどうなっているのか細かく検証しています。打ち出すのはいつが適切なタイミングか? 世の中全体で関連の動きがあるのか?どういう文脈をつくれそうか? といったことを検討するには、情報収集が不可欠です。

これらを通じて、「風を読み、風を掴み、事業に貢献する」という点を日頃から意識しています。次は、媒体別の活用法をまとめてみました。

@ohqui:テレビについては、ある話題がマスメディアまで拡がったかどうかの指標として見ることが多いです。次は、日々実践していることをご紹介します。

私が所属しているコーポレートPRチームでは、毎日全国紙の朝刊に目を通して気になった記事を持ち寄って、みんなで読み合わせる取り組みをここ数年続けてます。

@ohqui:持ち寄った記事のなかから、重要そうなトピックをSlackに投稿したり、事業部にシェアしたりしています。事業部にシェアするときは、ニュースからどのような影響があるのか? という視点を添えて共有すると感謝していただけることが多いですね。とても地味な作業ですが、チームで続けると学びがあり、情報感度も上がり、細かい世論の変化に気が付きやすくなる、というメリットを感じています。

こうした地道な情報収集がどのようにプランニングに役立っているのか。アウトプットの事例をご紹介します。

昨年11月、メルカリでは、様々な事情により一度キャリアを離れた方に向けた職場復帰をサポートする制度「Mercari Restart Program」を開始しました。この制度を打ち出す際、「社会との接着」を強めるためにいろいろな情報を盛り込みました。

実際のプレスリリースをお見せします。

@ohqui:例えば、赤線上の「女性の正規雇用比率の『L字型カーブ』」、「社会人のリスキリングやリカレント教育の動き」、「既に制度を導入している海外企業の動向」、といった内容を盛り込んでいます。このように、自社の取り組みと社会情勢を接着させることで、多くのメディアの関心を生むことが出来たと感じています。最後に、メディアリレーションについて。

@ohqui:こちらも2つ。1つは、メディア側がその時々で注目している取材テーマのヒアリングです。例えば、昨年開催された東京オリンピックの期間中のメディアの動きが分からず、記者会見を行うべきかどうか判断に迷う時期があったのですが、事前に記者さんに取材を避ける期間のヒアリングをして方針を立てた、ということもあります。

2つめのメディアとの会食。僕が意識しているのは、漠然と席を設けるのではなく、興味を持っていただけそうな自社のテーマや仮説を持って臨むことです。そうすると、記者さんとの距離が近づくことも多いと感じます。振り返ると、PR担当の情報収集に王道はないと思いますね。

広報プランニング編:世の中とブリッジするCommunicationPlanの作り方

@yaji:大前提として大事にしていることは「事業課題から考える」こと。PRの本質的なゴールを「事業機会の最大化」としたときに、当然、事業が置かれている課題やフォーカスエリアによってPR戦略、方向性は変わります。

メルカリの場合は、認知度は高いけど非利用者層も多くいること。要は、知っているけど使っていない人がたくさんいるわけですね。そのボトルネックは、会社やサービスへの信頼度が課題になっているんです。認知度が十分にあるため、ただ露出するだけだと課題にミートしない。なので、メルカリをまだ利用していない層に対して様々な角度から情報発信を行って、メルカリに対する見え方を変えていく必要がある。あるいは、メルカリを利用するきっかけをつくっていくことが一義的なPRのゴールになります。

その上で、私がプランニングにあたって大事にしているポイントを3つほど紹介させてください。

@yaji:まずは、目指すべき態度変容(パーセプション)の在り方を定義する。前提としての事業課題を踏まえつつ、獲得したいパーセプションの目標を定めて、現状と理想の差分を埋めるための方針を決める。限られた予算とリソース、情報資源の中で最短効率でゴールに達成する方法を考えるのがPR戦略の基本的な考え方かなと思っています。

なので、まず目標を定義するのが第一です。その上で、その目標を達成するために手持ちにどういう資源、アセットがあるのか。あるいは、世の中の関心を集めた上で、PRとしてレバレッジができそうなポイントを見定めるというところが戦略立案の要諦かなと思います。

基本的には事業と世の中のモーメントがクロスオーバーするタイミングが、PRとして最もレバレッジするタイミング。そこから逆算で何をすべきかを考え、施策を積み上げていくことが重要です。

@yaji:一発のドカン!と大きな打ち上げ花火を上げても、パーセプションが変わることはありません。パーセプションチェンジには時間がかかるものなので、繰り返し同じメッセージをいろんな角度から発信していくことが必要だと考えています。

3つめは、大きな方向性は半年を1つの単位として考え、四半期ごとに見直していくことです。戦略やロードマップは、一度作って終わりではありません。世の中の動きは当然変化していくもの。最終的に目指すべきパーセプションは変わらないけれど、日々打ち込むメッセージや施策、タイミングは常に見直していく必要があると思っています。

@yaji:ここからは個別施策に対するコミュニケーションプランニングの話です。PRチームでは、「コミュニケーション施策シート」というコミュニケーションの設計図をつくり、各担当者と目線合わせを行っています。

PRは仮説検証までがプランニングです。振り返りには、KPTと呼ばれる指標で行っています。Keep(良かったこと・継続すること)、Problem(やってみてわかった課題)、Try(それを踏まえた今後の改善案)、これらを繰り返していけば、プランニングの精度も上がっていきます。

「風を読む力」や「見立て力」が重要だと言われる広報ですが、それらは一朝一憂に身につくものではなく、こうした仮設検証を繰り返していくことによる結果なのだと考え、日々改善をしながら活動しています。

以下、コミュニケーション施策シートを活用した具体的な事例のご紹介します。

事例紹介①グリーンフライデープロジェクト

@han:欧州を中心に広がる持続可能な消費を促す「グリーンフライデー」。この新たなモーメントを活かし、循環型社会を目指すメルカリが、お客さまに身近なサステナブルを体験していただくための企画を2020年から継続的に実施しています。キーメッセージは、「メルカリを利用する」=「地球・環境に優しい行為」。

@han:利用者の体験とメディアにどういう取り組みであるのかを分かりやすく伝えるため「サステなストア」という実店舗をつくり情報発信を行いました。

事例紹介② NFT事業参入発表

@yax:2021年12月、パシフィックリーグマーケティング株式会社とNFT事業で連携し、プロ野球(パ・リーグ6球団)の名場面やメモリアルシーンをコレクションできるサービス「パ・リーグ Exciting Moments β」をローンチしたメルカリ。

@yax:単に「NFT」を開始しましたと発表しただけでもニュースにはなるかもしれますせんが、発表で得たいパーセプションをつくることはできない。そのため、「コロナ禍で様々な変化があったプロ野球業界の課題を解決する新たなファンコミュニケーションの構築」「NFTの大衆化」「メルカリのマーケットプレイスの拡張としてのNFT事業」の3つをキーメッセージとしてプレゼンテーションに内包しました。

ただ単に新サービスを開始しましたではなく、どんな社会課題・事業課題に対して向き合うサービスなのか、今後の社会・事業にどういう変化をもたらすのかなど、メディアがニュースとして捉えやすくなる文脈を言語化して伝えることを意識しています。

続いては、PRパーソンにとっては耳の痛くなる効果測定について。メルカリで活用しているOKRや目標設定、プロジェクト管理などをご紹介。

効果測定編:露出件数だけではない、広報活動成果の評価方法

@akane:ここで重要なのが、2つめの「Challenging」。メルカリの目標設定は、バリューのひとつである、Go Bold……「大胆に挑戦する」を実現するために、全員が知恵を振り絞ってチャレンジしてようやく70%達成であることを意識しています。

@akane:プロジェクト活動成果については、「露出の先」のパーセプションチェンジに繋がったかどうかが重要です。メルカリPRチームでは、メディアを介してメルカリの情報に触れた人たちがどのようなパーセプションチェンジに繋がったかを測定すべく、メルカリのお客さま、パブリックセクター、投資家などにアンケートを実施しています。

例えば、「メルカリに対して、これまでよりポジティブと感じるようになりましたか?」という質問を投げかけて、「ポジティブになった」と回答した人に「それはどのような情報に触れたからですか?」と訊いて、そのなかにどれくらいPRの施策があるのかをチェックします。

メルカリでは、結果が良かったか・悪かったかだけではなく、先述したGo Bold(大胆に挑戦した)かが評価対象。また、振り返って学んだことを次にどう生かせるか。そういったことを大事にしてるのが、メルカリのカルチャーです。

「PRとして大事に考えていること」

@yaji:PRとして大事に考えることを煎じ詰めると、2つのWHY?を考えるということかなと最近思いはじめてます。1つめは、様々な事業・コーポレートアクションに対して、ただ発信するだけではなく、「なぜやるのか?(Why?)」を言語化して、対外的に継続的かつ一貫性を持って発信していくということが非常に重要かなと思っています。

自社の取り組みやサービスが社会的にどのような意義や価値があるのか? なぜこの会社がやるのか? 社会課題の解決にどうリンクしているのか? を会社のミッションやパーパス、社会の関心や文脈を踏まえて発信していくことで、企業価値の向上に繋がると考えています。情報収集、プランニング、効果測定にしても、この点を意識して、そこがちゃんと伝わっているのかを意識して取り組むことが大事です。

2つめは、「達成したい目的とは何か?(Why?)」をしっかりと考えること。広報ってプレスリリースや記者会見、メディアリレーションなど型が決まっています。それゆえに、プランニングにしても情報収集にしても、何を目的にやるのか? 何のためにやるのか? を掘り下げないまま達成したい目的を見失いがち。定期的に振り返って検証していくことで、事業成長に寄与した広報ができるようになるんじゃないかなと感じます。

今回、我々の視点からいろいろとお話しさせていただきましたが、今日お話しした内容は全てが完璧ではありません。我々も日々、チーム全体で頭を悩ませながら試行錯誤してトライ&エラーを繰り返している最中です。

この内容が、皆さまの明日からの日々の広報活動に少しでも参考になれば幸いです。我々の方も皆さまのお取り組みから学ばせていただこうと思っていますので、まさに今回のPRセッションのテーマである、「PRの前進」に向け、ともに切磋琢磨していけたらと考えています。ありがとうございました。

最後のQ&Aタイムは、PRチームが集結!

Q&Aタイムでは、「メルカリPRチームの日常業務とコミュニケーション円滑化のためのチームビルディング術」「広報が核となって社の一体感や部門間連携を促す(生み出す)ためにどのようなことを行っているか」など、広報担当者なら知っておきたい実践的な質問を頂きました!

メルカリグループでは、事業の広報/PRを担い、拡大させていく仲間を募集中です。「気になる」「もっと話を聞いてみたい」と思った方は、ぜひ採用ページもチェックしてみてくださいね!

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