メルカリの目指すESG経営とは?ESG委員会設立の背景と第1回開催までの裏話

こんにちは。サステナビリティチームのmayumineです。

メルカリでは2021年12月にESG委員会を設立したことを発表し、翌年2月に第1回ESG委員会を開催しました。

昨今、上場企業を中心に「ESG委員会※」を設置する企業が増えてきました。今回は、ESG委員会の立ち上げと第1回委員会開催までの奮闘記を徒然なるままに書いていこうと思います。

経営戦略的で専門用語も出がちな領域ですので、読みづらくなりがちかもしれませんが、できるだけわかりやすく、この奮闘の様子を記すことで、ESG推進に試行錯誤されている、または興味がある方の参考になればと思います。

※「サステナビリティ委員会」や「CSR委員会」など企業によって名称はさまざま、メルカリでは「ESG委員会」としています。

メルカリの目指すESG経営とは

そもそもESGとはなんの略かといいますと、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字からきています。

気候変動問題、人権問題やダイバーシティの課題、健全なガバナンス体制の構築…など、企業が長期に渡って成長していくには、ESG観点で配慮が必要。それができていない企業は企業価値が損なわれると見なされます。そのため、しっかり企業がESGに取り組むことは、企業の成長を支えて経営基盤の強化に繋がると考えられているのです。

そしてメルカリは、事業+αではなく「事業with ESG経営」を目指しています。

サステナビリティやESG、ダイバーシティ&インクルージョンに対する社会の認識が高まってきているなか、メルカリは循環型社会を牽引していく存在になるべく、より実効性を伴ったESG経営を行っていきたいと考えています。

いかにしてESG委員会が設立されたか

2018年から当時の社長室直下のプロジェクトとしてESGの取り組みを始めていたものの、ESG専門のチームはなく、担当メンバーはみんな兼任で業務を行っていた状態でした。そんななか、2021年10月にサステナビリティチームが発足。ここからESGの取り組みが加速し、ESG委員会設立の決定もかなりスピーディーに決まっていきました。

また、2021年は発行したサステナビリティレポートにて発表している通り、メルカリの5つのマテリアリティ(企業の重要課題)の見直しを実施しました。

5つのマテリアリティ対して、課題を提起するだけではなく、より実効性を高めて対応していく強い意思と、そのための仕組みがますます必要になってきたタイミングでもありました。

そこで、グループ経営に関わる議論や意思決定が行われる上級執行役員会において、ESGを重要なアジェンダのひとつとして充分な時間を確保して議論する。そしてより事業サイドとの連携を強め、ESG視点を経営の意思決定および業務の執行プロセスに組み込むために、ESG委員会の設置が決定されたのでした。

第1回ESG委員会を開催するまで

2021年12月3日にESG委員会の設立をプレスリリースで発表したとおり、「日本事業」「US事業」「メルペイ」「鹿島アントラーズ」「ソウゾウ」「メルコイン」「メルロジ」の7つの各事業部からESG担当役員が選出されました。(ESG担当役員一覧はこちら

まず私たちサステナビリティチームは、今回ESG担当役員に就任されたメンバー1人1人に、ブリーフィングを実施しました。今回ESG担当役員として選ばれたメンバーは、ESG領域の専門的な知識がある方ばかりではありません。そもそもESGとはなにか、メルカリが目指すESG経営とはなにか、ESG担当役員に期待する役割はなにか、を説明させてもらうところから始まりました。

前述のとおり、メルカリには5つのマテリアリティが存在しています。

1.循環型社会の実現/気候変動への対応
2.ダイバーシティ&インクルージョンの体現
3.地域活性化
4.安心・安全・公正な取引環境の実現
5.コーポレートガバナンス・コンプライアンス

それぞれのマテリアリティにおいて、どのような課題があるのか、進捗はどうなっているのかについて共有し、質疑応答とディスカッションを行うために、各マテリアリティごとのスモールセッションを合計10回以上実施しました。

このスモールセッションには、各ESG役員と各マテリアリティの担当者が必ず参加。各マテリアリティに対する理解を深め、事業部ごとの課題や論点を考えてもらう場としました。

ちなみに各マテリアリティには、「循環型社会の実現/気候変動への対応」なら私たちサステナビリティチーム、「ダイバーシティ&インクルージョンの体現」ならDiversity & Inclusionチーム、「地域活性化」なら政策企画チーム、といった具合にそれぞれ担当チームがあります。

このセッションのマテリアリティの論点として、例えばD&Iでは、ジェンダーギャップの課題の解消をどのレベルまで各事業部ごとに求めるべきか、今後グローバルに事業が拡大されたとき、各国にあわせたD&I推進課題はどう認識すべきか…など、中長期視点で捉えた際に掘り下げるべき課題や論点は数多く存在します。

またメルコインでは、メルコイン業務に関わる全メンバーを対象に参加者を有志で募ってOpen Doorを開催し、議論を深めました。

社内でのOpenDoorの開催などカンパニー全体で議論を行う中で、できることが多くあるなと感じました。暗号資産・ブロックチェーン事業ドメインだからこそ挑戦でき担えることがありますし、テクノロジーを活用したESGへの貢献を検討、実施していけると思いました。

と語るのは、メルコインのESG担当役員のyax。改めてESGの視点で事業を見た際の可能性を感じたようです。

そして第1回ESG委員会を開催する前に、CEOなど経営陣も含むESG委員会メンバーとプレディスカッションを実施。ここでは、決議事項は持ちこまず、メルカリが目指すESG経営についての議論を実施したり、目指すべき方向性の認識を合わせたりしました。

これらのディスカッションを経て、各ESG担当役員は、マテリアリティ毎の観点で事業部ごとの「機会とリスク」について、評価(アセスメント)し、論点を洗い出してもらいました。

事業部のロードマップ(中長期経営計画)にどう反映し実行するかを検討し、コミットしてもらうことが、ESG担当役員に課された役割です(とっても大変だと思います)。このプロセスも、まさに事業 with ESGの思想からきています。

メルペイESG担当役員のyoshiko.otsukaは下記のようにコメントしています。

改めてESGの視点をもってロードマップや事業戦略を見直してみましたが、そもそもESGを意識せずメルペイで実現しようとしていたことがESGの観点にも沿っているという発見が多くありました。中長期的にも持続性のある戦略をたてられていることを再確認できました。

そして、2022年2月1日にメルカリとして初めてのESG委員会を開催しました。

議事概要はこちらにあるように以下となります。

議題
1.メルカリが目指すESG経営とは
2.マテリアリティに照らした各事業のリスク・機会のアセスメント結果について
3.各事業戦略への反映に向けた議論

議事概要
グループ経営に関わる議論や意思決定が行われる上級執行役員会において、代表取締役 CEO(社長)の山田進太郎を委員長とする第1回ESG委員会が2月1日(火)に開催された。メルカリの重要課題(マテリアリティ)への対応方針を、各カンパニーの事業戦略(ロードマップ)に反映させるにあたり、論点となる事項について議論を行った。
まず各カンパニーのESG担当役員より、マテリアリティに照らした各事業のリスク・機会のアセスメント結果について報告がなされた。その後、各事業を通じてどのように循環型社会を実現していくのか、また気候変動への対応についてどのような対応が必要か、ダイバーシティ&インクルージョンをプロダクトやサービスにおいてどのように体現していくべきかなど、マテリアリティ毎の論点について積極的な議論が行われた。
今後、第1回ESG委員会での議論を踏まえて、各カンパニーの事業戦略にこれらのESGの視点を反映させて、マネジメントしていく予定。

メルカリグループとしても初のESG委員会ということで、我々サステナビリティチームは開催までの準備やディスカッションは、かなり試行錯誤しながら進めていきました。

ESG委員会は全体で90分の時間が設定されていたのですが、アセスメントの結果報告に時間を費やさないようにしたい、できるだけ議論に時間を費やしたい…そのための「論点」の設計には特に頭を悩ませました。

例えば、リユースの推進にもなり廃棄までの製品寿命を延命することができるので「メルカリを使うことはサステナブル」というポジションを目指したいが、現状は「サステナブルだからメルカリを使う」と実感しているお客さまはごく少数であるという課題に対して、どう取り組むべきか。D&Iに関しても、プロダクトのアクセシビリティやインクルーシブに対するスタンスは事業毎に異なるけれど、ここをどこまでグループとして統一させるか…などなど、議論の仮説の設計には苦心しました。

経営陣からもESG担当役員からもさまざまな意見が出され、とても白熱した非常に有意義で前向きな第1回ESG委員会となり、手応えを感じました。

ソウゾウのESG担当役員のmaiは以下のようにコメントしています。

ソウゾウが提供するメルカリShopsは、日本各地を元気にすることや不要になったものを捨てずに循環させることを目指しており、今回ESG委員会での議論の中で、これらが改めてグループ全体のESGのコンセプトに合致していることを確認しました。

第1回ESG委員会はオンラインで開催されました

最後に、メルカリJP、メルロジ、US、鹿島アントラーズのESG担当役員からの意気込みコメントで締めくくります。

「ESGをやるため」の取組みではなく、メルカリのESG活動を通じて、お客様やステークホルダーに賛同いただき、結果として最も信頼のおけるマーケットプレイスとして認識されること(=出品数増加へつなげる)を目指し、取り組んでいきたいと思います。(メルカリJP:ngacky)
メルカリの商取引において物流は欠かせない要素となっており、社会環境に与える影響が大きい領域です。メルロジは地球環境・お客さま・配送に関わる方々すべてにやさしい物流の実現を目指して創業致しました。今後、ESG視点でも様々な施策を打ち出していきたいと思います。(メルロジ:yu.ishikawa)
2021年にVISION KA41 事業構想発表を実施しましたが、その中でもご説明したESGに関わる取組を一つずつ実現していくことで、クラブミッションである「Football Dream」を体現していきます。(鹿島アントラーズ:ykanek)
Recycling and reuse were once considered niche behaviors, but they are now mainstream behaviors embraced by people across the U.S. At its core, sustainability has always been a key component of the Mercari U.S. marketplace business. In the coming months, we will be building out an ESG roadmap as we evaluate the unique needs and opportunities in the U.S. market.( Mercari US:walter)
リサイクルやリユースは、これまではニッチな行動と考えられていましたが、今では全米で主流の行動として受け入れられています。メルカリの米国市場事業の根幹には、常にサステナビリティがあります。今後数ヶ月の間に、米国市場特有のニーズと機会を評価しながら、ESGロードマップを構築していきます。

ESG委員会は3ヶ月に1回開催予定。どんどん進化させて、メルカリのESG経営を浸透させていきます!

Mercari ESG Talk vol.1開催!

メルカリでは、企業ESG経営やサステナビリティに関する実践事例や学びをシェアするイベントシリーズ「Mercari ESG Talk」をスタートします。

4月8日12:00〜13:00に開催する第1回目では、株式会社ファーストリテイリングさまをお招きし、今回のESG委員会の設立、サステナビリティの取組みの紹介や、ステークホルダーとの対話の仕方等コミュニケーションについてさらにパネルディスカッション形式で視聴者の方からの質疑に回答していきます。

詳細とお申し込みは以下URLよりご確認ください。

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