分析組織のマネージャーが「プレーヤーとして」メルカリBIを選んだ理由

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あらゆる数字でメルカリの事業や経営を支え続けてきた、Business Intelligence(以下、BI)。さまざまな角度からフリマアプリ「メルカリ」を読み解き、意思決定を支援してきた彼らのなかには、前職ではマネージャーポジションでありながら、「いちプレーヤー」としてメルカリへの転職を選んだ人もいます。

「転職」は、人生における大きな選択肢の1つ。それによってこれまでのポジションを変えるとなると、より難しい判断となります。ではなぜ彼らは、マネージャーポジションだったにもかかわらず、いちプレーヤーとしてメルカリへの転職を選んだのでしょうか?

今回のメルカンでは、メルカリBIチームの松田慎太郎と新保直樹、五十嵐 航、永井伸弥の4人による座談会をお届け。これまでマネージャーとして分析組織をリードしていた4人に、メルカリを選んだ理由はもちろん、プレーヤーとして入社を決意した背景などをざっくばらんに語り合ってもらいました。

メルカリ入社の決め手は「武者修行」「創業当時のKPIを見たかった」

松田:僕がメルカリに入社しようと思ったのは「武者修行がしたかったから」でした。というのも、もともと僕は分析コンサルティングを行う会社でデータアナリストをしていて、そこで事業会社に出向してプロジェクトを担当する機会があったんです。それがおもしろくって。「次に転職するなら、事業会社でデータアナリストをやってみたい」と思うようになったんですよね。

松田慎太郎(メルカリBIチーム マネージャー)

五十嵐:僕も同じです。前職の組織では、データアナリストとして最も長く在籍していました。マネージャーとして指導する立場だったため、裁量はあるものの、同じ目線で議論できる相手が不足していたんです。各領域のプロと切磋琢磨できる環境で働くことが、データアナリストとしての可能性を広げると考え、入社を決めました。

永井:メルカリは以前から事業も経営もデータドリブンであることを公言していましたし、情報発信も盛んでした。僕の場合は「リボンモデル」と呼ばれるビジネスモデルやCtoCサービスに興味があり、なかでもメルカリというプロダクトの成長に貢献する仕事は特に面白そうだと感じていました。

新保:僕もみなさんに近い理由です。CtoCサービスのデータに対しての興味があったことと、優秀なデータアナリストが揃っている環境で働ける点が魅力的でした。あとは……。

松田:あとは?

新保:メルカリの、創業当初からのKPIの推移を見たくて(笑)。

新保直樹(メルカリBIチーム)

一同:(笑)。

松田:もうそれ、めちゃくちゃわかります! だって僕、メルカリに入社して創業当初のKPIをひととおり見て「こんなにすごいの?」と感動した覚えがあります。

五十嵐:僕もそれやりました(笑)。メルカリは社内メンバーに対して基本的に情報がオープンなので、これまでの施策に関するドキュメントも読み漁りました。

新保:施策もですが、指標がどう変化して現在に至ったのかを後追いで学べたのはおもしろかったです。

永井:みんな、入社後の行動も非常に似ていて安心しました(笑)。

「マネージャー→プレーヤー」としての入社に迷いはなかった?

松田:僕、今日この場でみなさんに聞いてみたかったことがあるんです。ここにいる4人は全員、前職ではマネージャーでした。メルカリに入社することでいちプレーヤーとしてのスタートを選んでいることになりますが、そこに迷いはなかったのでしょうか?

五十嵐:僕は、いちプレーヤーに戻ることに対してネガティブではありませんでした。マネジメントするためには現場の理解が必要です。僕らがいる業界は急速に変化することもあり、先ずは自分で手を動かして勘所をつかみたいという気持ちもありました。また、信用貯金をゼロから築き上げる挑戦もおもしろそうだと思っていましたね。

五十嵐 航(メルカリBIチーム)

松田:なるほど。他のお2人は?

永井:僕は、マネージャーもプレーヤーも1つのロールでしかないと思っています。すべて、その時々に応じて一番成果を出しやすいロールで挑みたいんですよね。また、僕も五十嵐さんと同じく、細部がわからないまま全体の意思決定をするのは無理があると感じます。まずはプレーヤーとしての能力を常に持ち続けることも必要だという判断でした。

永井伸弥(メルカリBIチーム)

新保:僕の場合、アプリの分析は未経験。そのため、まずはアプリのグロース構造を肌感覚でつかむことが大切だと考えていました。最初からマネージャーとして入社していたら、そのための十分な時間はとれなかったと思います。

松田:確かに。僕らの仕事はメルカリという巨大なCtoCサービスを分析すること。はっきり言って、ここでは前例がないことばかり起こります。だからこそ、データを見たうえで自分の意見を持てる人は強いですね。正解がわからない状況下で「こうすると良さそう!」と決めていくプロセスを楽しめる人であれば、マネージャーやプレーヤー関係なくいい職場ですよね。

他のBIメンバーの分析ノウハウが垣間見える環境

松田:この流れのまま聞いてしまうのですが、実際にプレーヤーとしてメルカリに入社してみて、なにかギャップなどありましたか?

五十嵐:僕がメルカリに入社してまず驚いたのは、個々に裁量権がきちんと与えられていることでした。そのため、メンバーも自分の責任でアウトプットを出している。BIチームのトップがメンバーやアウトプットの品質を担保している企業も多いのですが、メルカリでは個々のメンバーがダイレクトに発信していくスピード感が求められます。なので、いい意味でメンバーの甘えを許さない環境なんです。

松田:そうですね。僕も入社したばかりのころは「今自分がダサい仕事をすれば、すべてダサくなる」とプレッシャーを感じる場面もありました。でもこれは「武者修行したくてメルカリに来た身」としては、自分の力を試せる条件が揃っていたようにも思います。先ほど話されていたように、メルカリは創業当初からデータドリブンであることを公言していました。そのため、データ分析した結果を活かそうとする社風があるんですよね。これって、データアナリストが力を発揮するにはとても大事な条件です。

新保:分析組織にありがちな失敗は、データ集計屋やプロダクトマネージャーの下請け分析屋になってしまうパターンです。でも、メルカリBIチームは企画も分析も担えるシニア人材が揃っているので、各々がプロジェクトチームにアサインされ、方向性などを決めるところから一緒に動きます。特定チームの分析全体を任せてもらえるので、裁量は大きいです。

永井:メルカリ内の独立性の高さは、僕はすごくやりやすいと感じますね。

松田:メルカリのいいところは、みんなで1つのサービスをつくっているところ。僕らとしては、同じサービスを分析していることになります。担当している領域は若干異なるものの、視点が重なる部分もあったりするので、話しているだけで学ぶことが多いですね。

新保:それに、データアナリストにはそれぞれ得意領域があります。データ分析と言っても、KPI設計と課題発見の分析は別の能力が必要。メルカリにはさまざまなバックグラウンドを持つシニアなデータアナリストが揃っているので、分析結果を共有される過程でそのノウハウが垣間見えるんです。

五十嵐:それは大きいですね。前職では担当サービスが異なっていたこともあり、一人でやるには行き詰まることもありました。そのため、当時は他社の同じレイヤーの方々と情報交換などもしていましたが、踏み込んだ話をすることにも限界があったんです。メルカリは同じサービスのことを考えているし、情報も開示しています。突っ込んで会話ができる環境はありがたいですね。

永井:CtoCサービスでは、買う人と売る人がいることに加えて、商品カテゴリ毎の性質の違いもあります。掘りつくせない深さや複雑さがあり、飽きが来なくていい。最近ではさらにメルペイも加わってより複雑に(笑)。

松田:そうそう(笑)。よく「そろそろメルカリは飽きませんか?」と言われますが、飽きるどころかやることは山積み。サービスとして広がり続けていますし、メルペイとよりよい相乗効果を生み出すヒントは模索中なので、データアナリストとしてのバリューの出しどころはまだまだあると感じています。

五十嵐:事業をさらに伸ばし続けていこうとしているので、めちゃくちゃガツガツしてますよね。

メルカリBIチームに求められる「プロダクト価値の再定義」「より深い分析業務」

松田:これまでのメルカリBIチームは「現場張り付きで施策を成功させる」というバリューを発揮してきました。一方で、「プロダクトチームをどうしていくのか?」という全体的な判断などに関われなかった反省があります。そこで今、プロダクトとBIのトップ同士で、ファクトにもとづいて全体的な動きを考えていく座組みをスタートさせようとしています。

五十嵐:最近だとメルカリのプロジェクト自体が分業化されつつあるので、領域を横断するような動きが不足しているという課題もあると感じています。BIメンバーは、まさにその橋渡し的な役割も求められるようになりました。そうすると、当然ながら全体を見渡しながら課題を考える必要があります。また、これまでスピード重視で事業を成長させてきたため、粗さも残っています。コスト管理や運営方法を精緻化させていくための基盤づくりが、今後は重要になると考えているんです。

永井:あともう1つ、過去の分析結果を蓄積し、活用できる状態もつくりたいと思っています。会社としてここまで成長すると、分析業務のなかでも「これは半年前にやった分析だぞ!」という場面にちょくちょく出会うようになります。でも、再現するには時間がかかる。僕らだけでなく、組織を横断して過去の分析結果を使えるようにすればスピードはさらに上げられるので、改善したいと考えていますね。

新保:プロダクト組織全体での課題はもちろんありつつ、同時にメルカリ自体のフェーズが変わってきています。というのも、そろそろプロダクトの価値を再定義しなければならないタイミングなんじゃないかと思っているんです。先ほど五十嵐さんが話していたように、スピード重視で進んできたこともあり、深い分析業務はできていませんでした。BIとしても、これまで短期的だった視点を中長期的なものに修正することもやらなくちゃいけないんです。

松田:メルカリで働くメンバーはみんな、職種を越えて目指すべきものがほぼ一致しています。そこで僕らはどういった立場であるべきかと言うと、プロダクトマネージャーは政治家、BIである僕らは官僚みたいに例えられると思っています。客観性を持ちながら、プロダクトへの想いと照らし合わせつつ手段を決められる立場にいられるといい気がしているんです。

新保:同時に、ビジネスとプロダクトグロースそれぞれがKPIを分けて考えることも意識したいですね。これまではスピード優先だったので「よしなにやる」も必要でしたが、BIから「ここが課題だから、集中して取り組んでほしい」と話し、導いていくような役割も担えるといいなと考えていたりします。

最近では「シニア人材×若手人材」での人材育成もスタート

五十嵐:最近では、僕らのようなある程度の経験があるデータアナリストと、まだ経験が少ないメンバーがペアになって行動しています。つまり、これまでは自立性と独立性が高い環境下でしたが、「メンバーの育成」という文化も加わりつつあるということ。シニア人材はもちろん、若手人材もどんどんメルカリで挑戦してもらいたいですね。

永井:シニア人材にも若手人材にも一貫して言えるのは、組織も事業も今の規模になってきたので、それこそ「All for One(全ては成功のために)」な気持ちで他チームと連携する必要があること。同時に、譲ってはいけないところは譲らないようなやりとりもできればと思っています

新保:若手人材はもちろん、シニア人材にとっても学ぶことが多い職場環境なのはいいですよね。データアナリストのキャリアへの関心が高まるなか、そのロールモデルになれるように、僕らもしっかりやっていきたいです。

松田:ですね。そう考えると、シニア人材や若手人材の垣根を越えて、真に求められる業務ができるのもメルカリBIチームの魅力かもしれませんね。

プロフィール

松田慎太郎(Shintaro Matsuda)

大学院修了後、株式会社ブレインパッドでデータサイエンティストとして入社。広告、化粧品、メディア事業における分析を担当していた。2016年7月にメルカリ入社。US版mercariのマーケティングとCRM施策の分析を担当後、JP版メルカリのカスタマーサービスや顧客満足度、顧客育成に関する分析を担当する。現在、メルカリBIチームのマネージャーを担当。

新保直樹(Naoki Shimbo)

大学院修了後、株式会社構造計画研究所に入社。機械学習のR&D、マーケティング分析業務等に従事。その後、株式会社リブセンスに入社し、全社の機械学習施策の推進やUXリサーチチームの立ち上げを担当。2018年4月にメルカリ入社。JP版メルカリのデータアナリスト兼デザインリサーチャーとしてプロダクト改善のための分析を担当。

五十嵐 航(Wataru Igarashi)

新卒入社したグリー株式会社ではシニアマネージャーとして分析組織をリードし、全社の事業を横断的に支援。「業務領域にとらわれず、事業の本質的課題解決に最短距離で取り組む」をテーマと掲げ、分析組織でありながら、企画書の作成や開発の進行管理、ゲームバランス調整まで一貫して行い、事業の課題解決に従事。メルカリには2019年4月に入社し、JP版メルカリのデータアナリストとしてCRM施策の分析を担当。

永井伸弥(Shinya Nagai)

新卒入社した製薬メーカーで社内情報システムの企画を担当。その後、ソーシャルゲーム、受託データ分析会社等で、ソフトウェアエンジニアリングやMachine Learning、データ分析に取り組む。2019年1月に株式会社メルカリに入社。JP版メルカリのデータアナリストとしてマーケティングやCRM施策の分析を担当。

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