「最高の従業員体験をメルカリグループの躍進につなげる」CETチームのこれから。

「最高のProduct Experience実現のために、最高のEmployee Experienceを実現させる」

メルカリグループで利用する社内向けシステム各種の立案、導入、構築、改善を行うCorporate Engineeringチーム(以下、CET)は、このミッションを掲げ、あらゆる側面からグループを支え続けています。

今回は、2021年3月にCETのトップに着任した@cocoitiと採用強化中の3チームをまとめる各マネージャーに、チームの全貌と課題、今後の取り組みを聞いてきました。それぞれが口にする「課題は山積み、だけど面白い」という言葉の真意に迫ります。

※撮影時のみ、マスクを外しています

この記事に登場する人


  • 新井 啓太(Keita Arai、@cocoiti)

    数社を経験の後、株式会社ウノウにWebエンジニアとして入社。ZyngaJapanによるウノウ買収後、日本オフィスの技術共有部署のGMとなり、インフラや共有技術の責任者となる。その後株式会社クロコスにエンジニアとして入社しヤフーへの買収を経験したのち、2014年にメルカリに入社、US事業へリソース集中の中、日本側のマネージャとサーバサイドエンジニアとして少人数のチームを運用。2018年1月からはメルペイの立ち上げに携わる。2021年3月からはCorporate Engineeringで、マネージャのマネージャとして日々自分が働きたい環境を開発している。愛称はここいち。

  • 清川 哲也 (Tetsuya Kiyokawa、@kiyokawa)

    ANAシステムズ、ナビタイムジャパンを経て、2009年に株式会社ディー・エヌ・エー入社。グローバル全体のITマネジメントとインフラ戦略を担当。その後、2019年1月にメルカリに入社。現在はCorporate EngineeringのSystem Engineeringにおいてメルカリグループ全社で利用するITシステムの立案・導入・開発・運用マネジメントなどを担当。

  • 小泉 剛(Tsuyoshi Koizumi、@ISSA)

    株式会社アドバンテッジリスクマネジメントにてIT企画・事業企画を担当。その後、エムスリーデジタルマーケティング、チームスピリットを経て、2020年9月にメルカリに入社。エクセレンスな会計データの流れや、めんどくさくなく意味のあるスムーズな内部統制の仕組み作りを目指して、日々「なぜ、それをやる必要があるのか?」の問いを繰り返している。

  • 李 相直(イ サンジク、@Sangjik)

    大学時代はマーケティングを専攻。大学4年生の時にプログラミングに興味を持ち、約1年間かけて日本語とプログラミングを勉強して楽天株式会社にエンジニアとして入社。エンジニア兼スクラムマスターをやりながら、よりプロダクトの成功に密接な仕事をやりたいと思い、スタートアップにテクニカルプロダクトマネージャーとして転職、E-commerce系のSaaSを開発。2020年2月よりメルカリに入社し「経営課題を技術で解決する」というミッションを持って社内向けプロダクトを開発中。


ようやくチームとして噛み合い始めた

ー本題に入る前に、@cocoitiさんがアサインされた当初のCETへの印象を教えてください。

@cocoiti:第一印象として「各チームでやっていることがバラバラ」と感じました。人事を見ていたり、会計を見ていたり、ITサービスを見ていたり、オフィスファシリティを見ていたり…。最終的にパズルのようにかっちりと噛み合うチームだと思うのですが、まだうまく噛み合っていない印象がありました。

ーチームがバラバラに動いてしまっていた原因は何だったんですか?

@cocoiti:ひと言でいうと「チームの方向性が定まっていなかったから」だと思います。

これは仕方ない部分でもありました。そもそもCETには会議体自体なかったんですよね。だから、コーポレートチームのメンバーは何か困ったことがあってもCETの誰に相談すればいいのかわからないという状況。なので「コーポレートのエンジニアとしてどうやって役に立っていくのか」をチームとして定義し、推進していく必要があると思っています。

最近ようやく横串で「これからどうする?」と話し始めたフェーズです。方針を決めたり、役割の整理を始めていますが、すでにやりたいことでいっぱい。たとえば、@kiyokawaさんのチームで進めてくれている人事・会計・その他システムの連携です。これらがうまく噛み合うと、何らかのシステムを導入する際の「予実管理」から「アカウント管理」「入退職管理」「組織改編時の権限の管理」などが素早く、よりなめらかに対応できるようになるというのが僕の仮説です。

新井 啓太(@cocoiti)

「やれることはまだまだ山積み」なCETの各チームについて

ーでは、それぞれのチームで取り組んでいる内容について教えてください。まずは@kiyokawaさんのSystem Engineeringチームからお願いします。

@kiyokawa:大きく分けて2つのテーマで取り組んでいます。

1つは社内のワークフローのツールをkintoneからServiceNowに入れ替えること。kintoneはすぐに業務アプリをつくれるので小さい会社のワークフローには向いているんですが、他のツールとの連携が得意ではない。特にメルカリはSlackで全てのコミュニケーションが行われているのですが、Kintoneとの連携はほとんどできていない。Slack上で「何かやりたい」「OK」というワークフローの証跡を残せるようになれば、意思決定のスピードは格段に速くなるはずなので、そのためにkintoneからServiceNowへの移行を進めています。

もう1つは先ほど@cocoitiさんの話にあった、組織の状態に合わせて権限やアカウントの管理を素早く対応できる仕組みづくりです。たとえば「組織の変更」とひと口に言っても「新しく組織ができた」を意味するのか「組織の名称が変わる」を意味するのか、それとも「今までの組織が廃止される」を意味するのか明文化されていませんでした。そのあたりの業務フローをしっかりと見直して、組織に紐づいた共有ドライブやツールのアクセス管理ができるシステムの基盤をつくっていきたいと思っています。うまく稼働して横展開できれば、メルカリにとって5〜10年使ってもらえるツールになるはずなので、しっかりやり遂げたいですね。

清川 哲也(@kiyokawa)

ー募集しているソフトウェアエンジニアは主に後者の役割を担うと伺っていますが?

@kiyokawa:はい。最初はその想定ですが、それ以外にもやらなければいけないことは山積みです。たとえば今はシングルサインオンツールとしてOktaを使用していますが、今はまだSmartHRはOktaから入れないなど、すべてのツールが統合されているわけではない。その辺りを全部統合していきたいと思っています。

また最近では、みんな自宅から会社のネットワークにアクセスするので、いかにして「出社してネットワークにアクセスしていた時と同じようにセキュリティを担保するか」は大きな課題ですね。解決方法として「自宅のPCからは会社の情報資産にはアクセスできないようにする」とか「指定のセキュリティソフトと指定の設定が入っていないと会社のネットワークにはアクセスできないようにする」といったことをやろうと思っています。

今見えているだけでもこれだけあるので、これから入社いただくエンジニアには本当に幅広い業務に取り組んでもらえると思います。

ーでは@ISSAさん、Accounting Productsチームについても教えてください。

@ISSA:私たちのチームの仕事は、メルカリのサービス全体のお金の動きを把握して記録すること。新しいサービスが動くと、紐づくように私たちも動いています。全てを記録して、監査証跡を残して、数字を1円単位まで間違いなく計上しなければいけないところは大変な部分です。

一方で面白い部分もあります。最近だと新規事業のビジネスについてアーキテクチャの仕組みからお金の流れ、売上の立て方などを知れたのはすごく面白かった。このあたりはスタートアップのスピード感で動いているので、情報をキャッチアップしていないといつの間にか置いていかれて「会計システムが終わらないと、前に進めないんですけど」と言われてしまう。面白さと大変さが共存している仕事だと思います。
小泉 剛(@ISSA) ※背景画像は、株式会社オライリー・ジャパンからクリエイティブ・コモンズライセンス「CC BY-NC-SA 4.0」の下、公開された画像より。
https://twitter.com/oreilly_japan/status/1327076216122216449

ー今後の動き方や、新しく入ってくる人に向けたチームの工夫などはありますか?

@ISSA:チームではBackendエンジニアを募集しているのですが、今後の目標は、属人化している部分を仕組み化していくこと。私たちのチームだと「Getting Things Done」と言っているんですが、ビジネスが拡大して、メンバーが増えても大丈夫なようにベースをつくっていきたいと思います。具体的には、監査の証跡を出すところですね。今は決算の度に「あれも欲しい」「これも欲しい」と言われて都度用意していますが、普段の業務範囲でカバーできるようにしていきたいですね。

ーCETのBackendエンジニアのJD(求人票)を見ると語学力が「英語:日常会話レベル(歓迎)」となっています。実際の業務で英語を使用する機会は?

@ISSA:入社段階では必須としていません。ただ、メルカリグループとしてD&Iを掲げていたり、コミュニケーションに英語を使用するチームと関わる可能性があるため、入社後に習得していただきたいと思います。「上達したい」という気持ちがある方に来てもらいたいですね。

実際に我々のチーム目標でも英語学習について掲げており、具体的には、チーム内の50%以上が英語を週5時間以上継続的に学習するという数値目標を持って、メルカリグループのトレーニングプログラムやオンライン英会話を継続的に実施しています。

ーでは@Sangjikさん。People Productチームについてお願いします。

@Sangjik:私たちのチームはCETの中で唯一、メルカリのメンバーが長い時間使うことになる社内向けプロダクトをPM・エンジニアが機能的に開発しており、今は特にUI/UXの向上に取り組んでいます。社内にさまざまなツールがある中で、必ずしもすべてが使いやすいわけではなく…。UI/UXが悪いことで、メンバーの時間を奪ってしまうコストが発生してしまうので、それらを無くしてより会社を強くしていくことがミッションです。詳しくはこちらも読んでもらえたら嬉しいです。

特に今注力しているのが、2021年1月から施行されている新人事制度「PJ-Excite」をきちんとシステムに落とし込んでメルカリのメンバーに届けること。

新人事制度を構成するものとして、メンバーのグレード、人事評価、報酬という3つの項目があるのですが、そのうちグレード制度と評価制度の2つはある程度の形になり運用フェーズに入りました。これから着手すべきは報酬制度の整理です。

新報酬制度の目的は「柔軟性は残しつつも、一定のロジックを導入し、公平性と透明性を高めること」。その中で「評価用Calibration」「報酬用Calibration」があるのですが、報酬用Calibrationでは、一定のロジックをもとに昇給をレコメンドするロジックを入れたり、可視化を通じて給料判定をしやすくする機能などを提供する予定です。システムが変わらないと制度そのものが走り出せないので、プレッシャーは結構ありますね(笑)。

今は既存のメンバーでなんとか回していますが、これからは人事以外の領域にも関わってメルカリのメンバーが使う様々なツールの体験を抜本的に見直す予定です。そのために一緒に開発してくれるエンジニアに来てほしいですね。
李 相直(@Sangjik)

ー評価制度やシステムを外注する企業も多いと思いますが、あえて内製化する意義は何だと思いますか?

@Sangjik:HRよりも現場目線のある私たちのチームが、意見を出しながら制度やシステムをつくれることだと思います。内製しているからこそ、みんなの納得感があり、使いやすく、評価もしやすい制度・システムをつくっていける。評価に労力がかかると、メンバーもHRも辛いですからね。

目指すのは、社内の相談相手として第一想起されるポジション

ー最後に@cocoitiさん、CETを今後どのようにしていきたいですか?

@cocoiti:CETの特徴は、全てのチームに技術者目線、プロダクト目線が入っていることです。だからこそ「やりたいこと」をきちんと形にすることができる。それによって、いろいろなチームの困りごとを解決できるようになりました。

今期のOKRを「テクノロジーにおいて第一の主体者であり、また相談相手としての第一想起となる組織へ」と設定していますが、特に「相談相手としての第一想起」をすごく重要視しています。何かやろうとした時にSaaSを探したり、外部のパートナーを探したりしがちですが「社内にも頼れるチームがいるし、いい感じに仕上げてくれる」と思ってもらいたい。そのためにも私たちがちゃんと貢献度合いを可視化し、プレゼンスを高めていかなければいけません。やっぱり、やることは山積みですね(笑)。

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