ビットコイン取引サービス、全利用者申込開放から2週間で利用者数10万人を突破!新CEO・中村奎太に聞く、メルコインが見据える未来

メルカリグループにおけるブロックチェーンサービスの提供・開発を行う株式会社メルコインは2023年3月9日より、メルカリアプリ内でビットコインの売買ができる新サービスを提供開始しました。メルカリアプリ内でのビットコイン取引サービス利用者数が、すべてのお客さまが申込可能となってから(2023年3月16日)約2週間で10万人を突破しました。

また、提供開始から現在までに口座開設された10万人のお客さまの77%は、暗号資産取引歴「なし」と回答されており、多くの方がメルカリで「初めての暗号資産取引」を体験いただいています。

サービス提供開始から間もないこのタイミングに、4月1日からメルコインのCEOに就任した中村奎太(@keita0q)と、メルカリ執行役員 CEO Fintech 兼 メルコイン取締役である山本真人(@mark)に、ここまでの手応えとメルコインが見据える未来を聞きました!

この記事に登場する人


  • 中村 奎太(Keita Nakamura)

    大学在学中にインターン生としてサイバーエージェントでプログラミング教育サービスの立ち上げや、DeNAで動画サービスでの感情分析基盤導入などを行う。その後、メルカリの研究機関「R4D」にインターン生として参加。2018年に新卒入社後はブロックチェーンエンジニアとして、R4D内で進められていた「mercariX」プロジェクトに携わる。その後、グループ会社であるメルペイへ異動し、分散台帳開発やAMLsystemチーム、金融新規事業(Credit Design)にてPMを担当。2021年4月よりメルコインに所属し、Product部門のDirectorを経て、2022年10月よりCPO。2023年4月、メルコインCEOに就任。


  • 山本真人(Masato Yamamoto)

    2004年 東京大学大学院 学際情報学府 修士課程修了。NTTドコモを経て、2008年よりGoogle JapanのEnterprise部門 Head of Partner Salesを務める。2014年にはSquare JapanにてHead of Business Development and Sales、2016年からはApple JapanにてApple Pay 加盟店事業統括責任者を務める。2018年4月にメルペイに参画し、CBOとして金融新規事業(Credit Design)や加盟店開拓など、ビジネス全般を担当。2022年1月よりメルペイ代表取締役CEO。2022年7月よりメルカリ執行役員 CEO Fintechに就任、メルコイン取締役を兼務。

とにかくかんたんにわかりやすく。多くのお客さまに受け入れてもらえる体験を整えた

──ビットコイン取引サービスの提供開始初月で、利用者数10万人を突破するというのは業界的にも異例のスピードだと思います。まずは率直に所感を聞かせてください。

@mark:2週間で10万人を突破というスピードに手応えを感じると同時にお客さまからの期待も強く感じています。業界の方であれば、これがいかに驚異的な速さであるかご理解いただけるかと思います。日本全体でも一年に80万人程度しか利用者数が増えてない領域で、「なぜメルカリが取り組むのか?」という声もあったかと思いますが、実際は非常に大きな反響を得る事ができました。単純なアカウント数だけではなくて、登録された方の多くがビットコインを購入するまでに至っているところも特筆すべき点だと思います。

──素朴な質問なのですが、アカウント登録だけではなくビットコインの購入に至っている、最大の要因はどこにありますか?

@keita0q:明確に言えるのが、メルカリの売上金で買えるというところです。多くのお客さまが最初から「ビットコインが買える状態」になっているというのが、他の取引所ではありえないことなんです。通常はまず、アカウント開設に、本人確認、取引口座へのチャージから始まりますし、そのためにはお金を銀行口座から振り込むという多くの作業が必要となるので、正直なところ「よし、はじめよう」と考えてから、実際にビットコインを購入するまでにかなり時間と手間がかかります。

その点、メルコインの場合は「思いついたらその場ですぐ買える」ところが最大の強みです。なにか複雑な手続きをしなくても、いつもご利用いただいているメルカリアプリで完結(最短30秒で申し込みが完了)し、すぐにビットコインの売買を始めることができます。

@mark:10万人の利用者のうち、大多数の方が普段からメルカリでお買い物や出品をされているという数値が確認できています。これまでメルカリのアプリ内で安心して買い物をしてきたというお客さまの中での体験の積み重ねがあり、そのメルカリというインターフェースの中でビットコインが買えるというところが、買いやすさや安心感につながっていると思います。

──潜在的に興味があっていつかはビットコインを購入してみたいと思っていたのか、それとも既に購入していてメルカリという買いやすい場所でも、という大きく二つのお客さまの属性がありそうですが。

@keita0q:現状はほぼ前者に該当しますが、ビットコインという新しいテクノロジーに対して、少し懐疑的な方もいるように感じます。SNS上での反応を見ていると、「メルカリなら一回トライしてみるか」「やってみたら意外と楽しい」という反応があり、そこはまさに僕たちが届けたかった層からのリアルな声だと思います。

中村奎太(keita0q)

@mark:そうですね。僕らのプロダクトの狙いとしては、とにかく簡単でわかりやすいことです。さきほど、「思いついたらその場ですぐ買える」という話がありましたが、すでにメルカリを使っていれば、多くの方はeKYC(本人確認)が完了しています。郵送で書類などが届くのを待つ必要もなければ、このためにお金をチャージする必要もありません。

また、ちょっと試しに買ってみたいときに1円からでも買えますし、いつでも売上金にすぐ戻せるところはメルカリでしかできないことです。いつでもはじめられるし、好きなタイミングで売上金にすぐに戻せるという簡単さと安心感というのはなかなかない。開発当初からみんなで議論してぶらさずにきたことなのですが、暗号資産に慣れていない一般の方々に受け容れてもらえる環境を整えられたところが大きいですよね。

@keita0q:ひとつおもしろい結果が出ていて、アプリ内のお知らせでお客さまにさまざまなメッセージングをしているんですけど、一番反応が良かったのが「売上金にすぐに戻せます」だったんですよね。これはすごいメルカリらしいと考えています。

──メッセージをいくつか考える中で、そこは確信を持って反応を得られた感じですか?

@keita0q:実はいろいろメッセージを用意していたのですが、「売上金にすぐに戻せます」が一番とは予想できていませんでした。ただ、UI / UX的にはそこにすごくこだわったのも事実です。スムーズに売上金に戻すという体験まで、アプリ内で完結させるというのは最初からコンセプトとしてありました。一度、メルコイン内に残って、なにか別の手続きが必要になるような仕様はやっぱりお客さまにとって非常にわかりづらい。

@mark:入口も出口もものすごく簡単、というのが重要だと思っています。簡単にはじめられて、いつでもやめられる、そういう安心感はお客さまにとってのメルカリ体験の一部になってくると思います。

メルコインを世界に通用する会社にしていく

──では、これからメルコインはお客さまに対してどういう価値を提供していきますか?

@keita0q:売上金を動くお金に変える、ビットコインに変えてワクワクしてもらうということをコンセプトとしてきました。すべてのお客さまが利用できるようになってからまだ2週間ですが、理想どおりの体験をしてもらえている感触があり、新しい価値を提供できたかなと思います。

ここから先は暗号資産やビットコインのより本質的な機能をもっと身近なものにしていきたいと考えています。やりたいこともやるべきこともいっぱいあります。ブロックチェーンというテクノロジー、もっというと業界の課題は明確で、マスアダプションとUXなんです。「使ってもらえない」「広がらない」という課題が明確にあり、そこに対して一つの解を僕らが提示できる可能性が鮮明になってきました。

元々、僕らがやろうとしていたことは、Web3の入口をつくることです。まずはブロックチェーンの世界を知ってもらい、「こんなに面白いことができるんだ」「こういう便利なこともできるんだ」というイメージを醸成して、徐々にWeb3にステップアップしていくような仕組みをつくっていきたいです。アルトコインを用意していくとか、NFTやデジタルマーケットのようなところまで最終的につなげていく、そこが僕らが描いていきたいビジョンですね。

@mark:そういう世界をつくるために、まず多くの人がビットコインを持ち、体験できる状態を作っていくということがファーストステップとして必要です。これをスピーディーに広げていければ、ビットコインに限定せずブロックチェーン自体としての可能性を広げていける。これからますます開発に力を入れていきます。

山本真人(@mark)

──おふたりの話からは、自分たちが業界を牽引していくという、ある種の自負心のようなものを感じました。

@mark:牽引するというか、メルカリなりの世界観を創り上げていくのだと思いますね。他の誰にも真似できないことに挑戦していると思っています。

@keita0q:僕がメルカリに新卒で入社したのは、メルカリというエコシステムの中でこそブロックチェーンというテクノロジーを最大限に活用できると思ったし、先ほど、お話ししたような本当の意味での社会実装が訪れる未来を信じていたからなんです。

@mark:いま、keitaさんが言ってくれたことって、実は僕も同じ考え方なんです。決済や与信業界や、ビットコインなどブロックチェーン業界自体は元々あったわけですが、「メルカリでやる」ということに意味を見出しています。決済やブロックチェーン、それ自体はただの技術でしかない。それにどんなサービスを組み合わせ、新しい価値を生み出して世に放つのかが一番大事だと思います。

僕は、メルカリと組み合わせることで新しい技術の世界観を拡張できるという確信があったし、keitaさんは明確に技術とその使われ方の両方から未来を描ける。だからこそ、メルコインの新CEOとしてこれからをすごく期待しています。

@keita0q:markさんにそう言ってもらえると嬉しいですね(笑)。僕はいわゆる「テック好き」としてメルカリに入社して、エンジニアリングがやっぱり好きだし、同時にサービスを作るのも好きだったので、事業をつくることの面白さや難しさはmarkさんやnaokiさん(上級執行役員 SVP of Japan Region 青柳直樹)から勉強させてもらいました。メルコインは自分が一番思いを込めてきたサービスで、それを任せてもらえているのはとても光栄なことです。本当にいいメンバーに恵まれているし、今まで培ってきたものすべてを世に解き放っていく絶好の機会だと思っています。

メルコインって本当にユニークな会社だなと思います。業界のど真ん中でいわゆるweb3や、ブロックチェーンらしいことをやりたい人たちが多いはずなのに、マスアダプションすることの意味を本気で考え、価値につなげようとしているのはメルコインのメンバーだと思う。このメンバーだからこそ作れるものが確実にあると思っています。僕はそれを信じて突き進むのみです。ただ、CEOという意味では本当にまだまだこれからなので、当分はMarkさんの背中を追いかけ続けます。

@mark:「俺にすべて任せろ!」という宣言として受け取りました(笑)。

@keita0q:(笑)。でも、本当に冗談抜きでメルコインは世界を変えていけるポテンシャルがあると思います。日本という国内に限定せず、もともとメルカリという会社自体がグローバルを目指して、ビジネスを推し進めてきたので、その一翼を担うような世界に通用する会社にしていきたいと強く思っています!そしてメルコインでは、ビットコイン取引サービスの成長を加速させていく開発メンバーを中心に、さまざまな職種で仲間を募集中です!こちらもチェックしてみてください!

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