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メルカリの経理と税務って、今どうなっているんですか?→お答えします!

経理とは、その企業に関わるお金の管理をする業務のこと。メルカリにおいても、月次や四半期決算、税務申告のほか、国内外にあるグループ会社との連結決算といった開示資料作成などを行っています。そんなAccounting/Tax(以下、経理)チームについては、以前のメルカン記事でもご紹介しました。

大前提として、経理チームの重要なミッションは「適切で虚偽のない数字を送り出す」こと。それを踏まえたうえで、これまでのメルカリ経理チームは「1チーム」として、グループ全体のお金周りを管理してきました。しかし、上場後の今は、次のような3つのチームに分かれています。

<メルカリ経理チーム体制>

【メルカリ】・・・フリマアプリ「メルカリ」における収益性や資金繰りを管理すると同時に、新規事業や機能リリースなどのイベントでの会計処理などを行う。
【メルペイ】・・・決済サービス「メルペイ」における会計処理や資金繰りを管理。また、「メルペイあと払い」などの決済機能で、会計上でのベストなキャッシュフローを考えるなど、スキームの構築も行う。
【連結】・・・メルカリグループにとって重要な取引や組織再編、M&Aなどを把握し、それぞれを会計処理に落とし込む。メルカリJPとメルカリUSでは会計基準が異なるため、コミュニケーションを通じた調整なども行う。

業務の幅も体制も変わった「今」のメルカリ経理チーム。実際に現場で経理業務を担当しているメンバーが日々感じていることは何でしょうか。メルカリの経理を担当する野口鉄平と田村瞳、そしてメルペイの経理担当である小桐英治に話を聞いてみると……?

メルカリ・メルペイ・連結それぞれの違いは?

ー基本的には、メルカリグループ各社のお金周りを管理することになると思うのですが、3チームに共通して「メルカリならでは」だと感じる点はどこでしょうか?

野口:僕はグループ全体での連結決算などを担当しているのですが、だからこそ感じるのは、メルカリ・メルペイが挑んでいるCtoCサービス自体が、まだ前例のない事業だからこその難しさです。前例があれば、参考にできる数字や資料を見つけることができます。しかし、ここでは他社では行われていない、新しい取引がどんどん発生しています。そのため、他社事例を参照せず、自分たちで会計処理を考えていきます。また、メルカリグループは事業も組織も変化が多いので、対応しなければならないことも多いですね。

野口鉄平(メルカリ経理・連結経理チーム、マネージャー)

田村:そうですね。私はフリマアプリ「メルカリ」に関する経理を担当していますが、事業内容が変化するスピードが速いので「会計的にはこうしてほしかった」ということが後から発生するケースも起こりがちです。そんななかメルカリの経理では、費用が発生しそうなポイントをいち早く把握し、拾い上げていく姿勢が求められている気がします。情報を拾い上げる仕組みがまだ整いきっていない部分もあり大変なのですが、Go Boldな事業スピードを止めるわけにはいきません。なので、今は「上場企業としてここはきっちりしてほしい」という点は牽制をかけつつ、基本的には事業に寄り添うといった、メルカリらしさを損なわないバランス感を大事にしながら動いています。

田村瞳(メルカリ経理チーム)

小桐:それは、僕が経理を担当しているメルペイも同じです。メルペイには「メルペイあと払い」(以下、あと払い)やクーポンなど特殊な機能もあります。また、まだサービスが立ち上がってから1年経っていないメルペイでは、新機能もどんどん登場しています。そこで、各チームの動きや情報をキャッチアップしつつ、新機能については僕ら経理チームも参加し、会計的なスキーム構築などを主導しているんです。

ー基本的に経理チームは事業の動きを把握するために一歩踏み込んでいるけれど、メルペイの場合はさらにもう一歩踏み込んでいる?

小桐:ですね。一般的に想像される経理業務とは、少し異なるかもしれませんけれど(笑)。メルペイの経理は事業に踏み込んでいることもあり、社外だけでなく、社内の経営メンバーに対して毎月の取締役会で数字の説明をする責任も負っています。

小桐英治(メルペイ経理チーム、マネージャー)

ーそして、連結は?

野口:先ほどお話ししたとおり、メルカリグループ全体の目線の高さを保つことを意識しています。そのため、メルカリグループ各所で行われている大きな取引はすべて把握していますね。例えば、鹿島アントラーズの買収や、メルカリUKとソウゾウの解散のほか、新たに誕生するビジネスなどです。それぞれ会計・税務上でどんなインパクトになるのかを考えながら、財務諸表に落とし込んでいきました。田村さんや小桐さんが言うように、メルカリもメルペイも常に変化しています。さらに海外にあるグループ会社とも連携する必要があるので、連結を担当する経理メンバーはある程度のコミュニケーション力が求められます。

メルカリ経理チームは、上場後のほうが大変?

ー何と言いますか……「上場」という言葉があると、その企業にある経理チームは安定して業務をこなしているイメージがありました。メルカリも、上場後のほうが業務として安定してきたと感じられる手応えはあったりするのでしょうか?

野口:そもそも経理業務に誤りがあってはいけないので、そのあたりは大丈夫です。しかし、めちゃくちゃはっきり言ってしまうと、経理業務は成立しているものの、まだまだ未整備なところが多いのです!

ー未整備?

野口:メルカリは、上場してまだ1年4ヶ月ほどしか経っていません。それに、創業して6年ということで、まだまだ社歴も浅い。他の上場企業を見てみると、経理業務が仕組み化されていて、適切なタイミングで財務諸表を出せる環境が整っています。しかし、メルカリはまだまだ発展途上……。

田村:メルカリは、事業・組織ともに急成長し続けてきました。これは言い換えると、局所最適が起こったうえで今の体制があると言えます。つまり、マンパワーに依存しつつ経理業務を乗り切ってきた歴史があります。事業規模が大きくなり、取引なども複雑化しつつあるなかで新たに起こりうる経理業務とともに、局所最適で乗り越えてきた部分を整備しなければならない段階に入っているんです。

ーメルペイはどうですか?

小桐:サービスをリリースして1年経っていないこともあり、事業フェーズとしてはようやく第2段階へ進もうとしているところです。新機能が登場するたびに会計的なスキーム構築を主導していますが、それをブラッシュアップして仕組み化できているかというと、必ずしもそうではなかったりします。第2段階へ進もうとしているメルペイでは、このあたりをきっちり着手していきたいですね。

今のメルカリグループだからこそ「仕組み化」を求める理由

野口:メルカリ・メルペイ・連結の3つに共通しているのが「経理業務を整備していくこと」。そのため、メルカリ経理チーム全体で進めようとしているのが、仕組み化です。

ー経理業務にとっての「仕組み化」の利点は?

田村:先ほど野口さんも話していたとおり、経理業務上での誤りは、あってはならないものです。しかし、人による作業では、どうしてもミスが起こってしまうことがあります。私たちも、これまでは確認作業にかなり時間をかけてきました。

野口:そうなんです。でも、確認作業にあてていた時間をほかの業務に費やすことができれば、ステークホルダーの方々にも、お客さまにとってももっと還元できる何かを実現できるかもしれませんよね。メルカリ経理チームにとっての仕組み化は、メンバーそれぞれが新たな挑戦をするための土壌づくりでもあるんです。

小桐:すでにメルペイでは、経理上もシステムを導入している部分は少なくありません。でも「何か1つのシステムを導入して終わり」では、意味がない。今の事業部やプロダクトの動きにフィットするように最適化していくことが求められます。必要であれば、社内システムを開発するCorporate Productチームと連携し、新たな機能として開発していくこともあります。

ー当然ですが「徹夜してでもこなす」じゃダメなんですね。

野口:そうなんです。そういう意味では、メルカリ経理チームのメンバーには、必要な経理業務への知識と同時に「仕組み化に興味がある」「システム導入を進められる」という人が合っているかもしれませんね。あとはやっぱり、事業への理解。僕が担当する連結では、プロダクト開発チームのメンバーとやりとりしないと、ステークホルダーの方々に適切な情報を伝えることができません。

田村:それはメルカリも同じですね。数字として適切なものかどうかは、開発メンバーが把握していることも多いので。

小桐:メルペイでも、メルカリ・メルペイの基本的な機能に加えてクーポンやあと払いなどの機能も理解していないと経理業務を進められません。「サービスが好き」は、メルカリ経理チームにおいて最大の武器になると言って良いかもしれないですね。

野口鉄平(Teppei Noguchi)

大学卒業後、約3年間、株式会社リクルートにて営業マンとして働く。その後、学生時代から会計に興味があったこともあり、脱サラして公認会計士試験の受験勉強を2年間ほど行う。試験合格後、有限責任監査法人トーマツにて約6年間、会計監査業務に従事。おもにTMTセクターの企業を監査。2018年7月にメルカリにジョイン。現在は、メルカリ単体経理と連結経理のマネージャーを兼任。

田村瞳(Hitomi Tamura)

KLab株式会社の業務推進部にて勤務、その後サザビーリーグ株式会社にて関連会社の経理を経て2017年1月にメルカリにジョイン。メルカリ単体の経理と経理関連のシステム導入に従事し、現在は連結決算業務にも携わる。

小桐英治(Eiji Ogiri)

会計事務所からベンチャー企業を経て株式会社マネーフォワードに入社。経営企画、経理、上場準備業務を担当。2018年4月にメルカリにジョイン。メルペイ単体経理のマネージャーを担当。

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